この記事は2026年10月1日時点の公式情報に基づきます。
「和歌山県で介護事業所を運営しているが、うちが使える補助金はどれなのか」と迷っていませんか。
見守り機器や介護ソフトを入れたい、人が採れない、物価高で備品の更新が後回しになっている。悩みは事業所ごとに違うのに、制度の情報は県のページのあちこちに分かれていて、気づいたときには募集が終わっていた、という声は少なくありません。
結論(3行)
- 県の制度の中心は「和歌山県介護テクノロジー定着支援事業補助金」。令和8年度(2026年度)は補助率5分の4、パッケージ型導入は1事業所あたり上限400万円です(審査・予算調整あり)。
- 令和8年度の募集は6月29日〜7月31日で終了。同じく備品等購入支援の補助金も6月30日で受付を終えています。
- いまから動けるのは人材確保系(初任者研修の受講支援・県社協の貸付)と、次年度に向けた準備です。
この記事では、和歌山県の介護事業者向け補助金の全体像、金額と要件、県・市町村・国の窓口の違い、申請の流れ、よくある落とし穴までを順に解説します。最後に「来年度の募集に間に合わせるために今やること」もまとめましたので、あわせてご覧ください。

和歌山県の介護事業者向け補助金の全体像
和歌山県の介護事業者向け補助金は、「設備・ICT」「人材確保」「事業継続」の3つに分けて見ると整理しやすくなります。
窓口の多くは和歌山県 福祉保健部 福祉保健政策局 長寿社会課です。下の表は、県の公式ページで確認できた主な制度をまとめたものです。
| 制度名 | 対象 | 金額の目安 | 令和8年度の受付 |
|---|---|---|---|
| 和歌山県介護テクノロジー定着支援事業補助金 | 介護保険法に基づくサービス事業所、養護老人ホーム・軽費老人ホーム | 補助率5分の4。上限は機器の区分ごとに設定 | 令和8年6月29日〜7月31日(募集終了) |
| 和歌山県介護事業所等に対するサービス継続支援事業補助金(備品等購入支援) | 県内に所在する介護サービス事業所・介護施設等 | 施設・事業所ごとの基準単価と実支出額の少ない方 | 令和8年5月7日〜6月30日(受付終了) |
| 和歌山県介護職員初任者研修受講支援事業補助金 | 県内の介護サービス事業所等に就労した介護未経験者 | 受講料について100,000円以内 | 令和8年4月8日〜令和9年3月12日(必着) |
| 外国人介護人材受入施設等学習支援事業補助金 | 技能実習生・特定技能1号外国人を受け入れる(予定を含む)県内事業所の設置者 | 参考値(令和7年度):補助率3分の2、1事業所あたり200,000円 | 令和8年度分は県の公式サイトでご確認ください |
このほか、県は「令和9年度事業分 和歌山県地域医療介護総合確保事業施設等整備費補助金(県補助分)」の所要見込額調査を案内しています。施設整備を考えている法人は、長寿社会課のページを早めに確認しておくと安心です。
介護テクノロジー定着支援事業補助金の補助率と上限額
介護テクノロジー定着支援事業補助金は、見守り機器・介護ソフト・インカムなどの導入費の5分の4を補助する、県の代表的な制度です。
旧称は「介護ロボット等導入支援事業補助金」。介護テクノロジーとは、介護ロボットやICT機器など、職員の負担軽減や業務の効率化につながる機器・ソフトの総称です。まずは基本情報を表で確認してください。
| 制度名 | 令和8年度 和歌山県介護テクノロジー定着支援事業補助金 |
|---|---|
| 実施主体 | 和歌山県(福祉保健部 福祉保健政策局 長寿社会課) |
| 対象者 | 介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所/老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム |
| 補助率・上限 | 補助対象経費の5分の4(令和8年度〜)。上限は下表のとおり |
| 申請期間 | 令和8年6月29日(月)〜令和8年7月31日(金)※令和8年度の募集は終了 |
| 窓口 | 和歌山県 長寿社会課(〒640-8585 和歌山市小松原通一丁目1番地/電話 073-441-2519) |
| 公式URL | 和歌山県「介護テクノロジー定着支援事業補助金」の募集について |
機器の区分ごとの上限額(令和8年度)
上限額は、導入する機器の区分で変わります。県の「申請の手引き」に記載された令和8年度の値は次のとおりです。
| 区分 | 上限額 |
|---|---|
| 移動支援、排泄支援、見守り・コミュニケーション、介護業務支援(介護ソフト・インカム除く)、機能訓練支援、食事・栄養管理支援、認知症生活支援・認知症ケア支援 | 1機器あたり30万円 |
| 移乗支援、入浴支援、介護業務支援(インカムのみ) | 1機器あたり100万円 |
| 介護業務支援(介護ソフトのみ)、バックオフィスソフト | 1事業所あたり100万円〜250万円(契約方法や職員数に応じて変動) |
| その他機器等(バックオフィスソフト以外) | 1機器あたり100万円 |
| 介護テクノロジー等のパッケージ型導入支援 | 1事業所あたり400万円 |
| 導入支援と一体的に行う業務改善支援 | 1事業所あたり48万円 |
介護ソフト・バックオフィスソフトの上限は職員数で決まります。1名〜10名は100万円、11名〜20名は150万円、21名〜30名は200万円、31人以上は250万円です。職員数でソフトのライセンス数が変動しない契約の場合は250万円とされています。
介護ソフトとあわせてWi-Fiやタブレット等を導入する場合は15万円の上乗せがあります。一方、バックオフィスソフトの場合、Wi-Fiやタブレット等は補助対象外です。居宅サービス事業所・居宅介護支援事業所が令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」で5事業所以上とデータ連携する場合は、5万円の上乗せもあります。
対象機器と主な補助要件
対象は、福祉用具情報システム(TAIS)で「介護テクノロジー」として選定された機器と、これと同水準と和歌山県知事が判断した機器等です。
申請には要件があります。手引きでは、LIFEによる情報収集への協力、業務改善計画の作成、和歌山県介護生産性向上総合相談センターへの相談とセミナー受講、IPA「SECURITY ACTION」の一つ星または二つ星の宣言などが挙げられています。施設系サービスは委員会の設置、居宅介護支援・居宅サービス事業所は令和9年1月31日までの「ケアプランデータ連携システム」利用開始も求められます。
要件の全文と様式は、県の公式ページに掲載された交付要綱・申請の手引きで必ずご確認ください。
人材確保に使える和歌山県の補助金・貸付
人材確保では、未経験者の資格取得を後押しする補助金と、県社会福祉協議会の返還免除付き貸付が柱になります。
どちらも申請するのは職員本人ですが、採用時に事業所から案内できると、応募者の背中を押す材料になります。
介護職員初任者研修受講支援事業補助金(上限10万円)
県内の介護サービス事業所等に新たに介護職員として就労した介護未経験者が、介護職員初任者研修を受講するために負担した受講料を補助する制度です。補助額は100,000円以内で、教材費・補講費・手数料は対象外とされています。
令和8年度の募集期間は令和8年4月8日(水)〜令和9年3月12日(金)必着です。予算を超える場合は期限前に締め切られることがあります。ハローワークや福祉人材センター等への求職登録、年間勤務日数180日以上での就労決定、令和8年4月1日以降の研修修了など、複数の要件すべてに該当する必要があります。詳しくは和歌山県の公式ページでご確認ください。
県社会福祉協議会の返還免除付き貸付
和歌山県社会福祉協議会は、介護人材確保のための貸付事業を実施しています。補助金ではなく貸付ですが、県内で一定期間勤務を続けるなどの条件を満たせば返還が免除される仕組みです。
- 介護人材再就職準備金:貸付限度額40万円(令和8年度の募集期間 令和8年4月20日〜令和9年3月31日。募集枠に達した時点で募集終了)
- 介護分野就職支援金:貸付限度額20万円(令和8年度の募集期間 令和8年4月20日〜令和9年3月31日。募集枠に達した時点で募集終了)
- 介護福祉士実務者研修受講資金:貸付限度額20万円(令和8年度。募集期間は県社会福祉協議会の公式サイトでご確認ください)
対象者の要件や返還免除の条件は制度ごとに異なります。和歌山県社会福祉協議会の貸付事業のページでご確認ください。
外国人介護人材の学習支援(令和7年度は参考値)
技能実習生や特定技能1号外国人を受け入れる事業所向けに、県は「外国人介護人材受入施設等学習支援事業補助金」を設けています。県の公式ページで確認できたのは令和7年度の内容で、参考値として補助率3分の2、1事業所あたり200,000円(日本語学習や介護福祉士資格取得の学習支援が対象)でした。
令和8年度の実施内容・申請期間は、和歌山県「外国人介護人材の受入支援施策について」でご確認ください。

事業継続を支える補助金(備品等購入支援)
物価高などの影響を受ける事業所向けには、「和歌山県介護事業所等に対するサービス継続支援事業補助金(備品等購入支援)」があります。
令和8年度は、県内に所在し、交付申請時点で指定等を受けている介護サービス事業所・介護施設等が対象でした。補助額は、施設・事業所の種別ごとに決められた基準単価と、対象経費の実支出額を比べて少ない方の額です(1,000円未満切り捨て)。
交付申請の受付は令和8年5月7日〜6月30日で終了しています。交付決定を受けた事業所は、実績報告(令和8年8月17日から受付開始。事業完了後30日以内、または令和8年12月15日のいずれか早い日まで)を忘れないようにしてください。基準単価や対象経費の一覧は、県の公式ページの交付要綱でご確認ください。問い合わせ先は同補助金の事務局(電話 073-494-7450、受付9:00〜17:00・土日祝日除く)です。
県・市町村・国の制度の違いと窓口
介護事業者向けの支援は、県・市町村・国(労働局など)で窓口が分かれているため、「どこに聞くか」を先に押さえると迷いません。
| 実施主体 | 主な内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 和歌山県 | 介護テクノロジー、人材確保、サービス継続支援、施設整備費補助金(県補助分) | 和歌山県 長寿社会課 |
| 県社会福祉協議会 | 返還免除付き貸付、介護生産性向上総合相談センター | 和歌山県社会福祉協議会の公式サイト |
| 市町村 | 地域密着型サービスの指定や、市町村独自の支援 | 事業所所在地の市町村の介護保険担当課 |
| 国 | 介護職員等処遇改善加算(介護報酬の加算)など | 厚生労働省の公式サイト、指定権者(県・市町村) |
市町村が独自に設けている補助金は、自治体ごとに有無や内容が異なります。和歌山市・田辺市・橋本市など、事業所が所在する市町村の公式サイトでご確認ください。
なお、賃上げの原資としてよく話題になる「介護職員等処遇改善加算」は補助金ではなく、介護報酬に上乗せされる加算です。申請の仕組みが違うため、区別して考えましょう。
申請の流れとよくある落とし穴
県の補助金は、「交付決定の前に買ったものは対象外」が最大の落とし穴です。
介護テクノロジー定着支援事業補助金の令和8年度の流れ(予定)は次のとおりでした。来年度の準備の参考にしてください。
- 6月29日〜7月31日:交付申請書の提出(オンラインセミナーの受講・アンケート回答が必須)
- 9月下旬〜10月上旬頃:県から交付決定
- 交付決定後〜令和9年1月31日:契約(発注)・納品・支払い
- 補助事業完了後30日を経過した日、または2月10日のいずれか早い日:実績報告書の提出
- 2月下旬頃に額の確定、3月上旬頃に請求、3月下旬に支払い
よくある落とし穴
- 交付決定前の契約・発注は補助対象外です。
- 令和9年1月31日までに納品・支払いが完了しないものは対象外です。
- 見積書に「一式」「諸費用」など内訳が不明な記載があると確認が必要になります。複数の業者から見積書を取り、型番まで明記しましょう。
- 申請すれば必ず補助が受けられるわけではありません。申請額が予算額を超えた場合は、補助額・台数の調整や選定が行われます。
- 補助を受けた翌年度から3年間、導入効果の報告が必要です。
予算超過時の選定では、新規の事業所や「見守り機器・介護ソフト・インカム」(重点機器)が優先される基準が示されています。次年度の内容は未発表のため、必ず最新の手引きでご確認ください。
業務改善計画の作成は、和歌山県介護生産性向上総合相談センターへの相談が要件になっています。募集開始を待たずに相談しておくと、申請期間の1か月間を慌てずに使えます。
よくある質問
和歌山県の介護事業者向け補助金について、相談の多い疑問をまとめました。
Q1. 令和8年度の介護テクノロジー定着支援事業補助金は、今からでも申請できますか?
いいえ。令和8年度の募集期間は令和8年6月29日〜7月31日で、すでに終了しています。令和9年度の実施は現時点で未発表(準備中)のため、和歌山県長寿社会課の公式ページでご確認ください。
Q2. 介護ソフトの補助上限はいくらですか?
令和8年度は、職員数に応じて1事業所あたり100万円〜250万円が上限です(1名〜10名は100万円、11名〜20名は150万円、21名〜30名は200万円、31人以上は250万円)。補助率は補助対象経費の5分の4で、審査と予算による調整があります。
Q3. 交付決定の前に機器を購入してしまいました。対象になりますか?
対象になりません。県の申請の手引きでは、交付決定前に事業着手した費用は補助対象外とされています。契約(発注)は県からの交付決定通知日より後に行ってください。
Q4. 未経験で採用した職員の資格取得に使える制度はありますか?
和歌山県介護職員初任者研修受講支援事業補助金があります。要件をすべて満たす介護未経験者に、受講料について100,000円以内が補助されます。令和8年度の募集期間は令和8年4月8日〜令和9年3月12日(必着)です。
まとめ:和歌山県の介護事業者は「次年度の準備」を今から
和歌山県の介護事業者向け補助金は、募集期間が1〜2か月ほどと短い制度があるのが特徴です。
- 設備・ICT:介護テクノロジー定着支援事業補助金(令和8年度は補助率5分の4、募集終了)
- 人材確保:初任者研修受講支援(100,000円以内、令和9年3月12日必着)、県社協の返還免除付き貸付
- 事業継続:サービス継続支援事業補助金(備品等購入支援、令和8年度は受付終了)
今年度に間に合わなかった事業所は、導入したい機器の候補と見積もり、業務改善計画の下書き、SECURITY ACTIONの宣言を先に済ませておくと、次の募集で動きやすくなります。金額や要件は年度ごとに変わる可能性があるため、申請前に必ず県の公式ページをご確認ください。
この記事は2026年10月1日時点の公式情報に基づきます。
