この記事は2026年10月21日時点の公式情報(新宮市・和歌山県・内閣官房・はたらコーデわかやま)に基づきます。
東京23区での仕事を離れて、和歌山県新宮市で暮らすことを考え始めていませんか。熊野の山と海に近い新宮市は、東京圏からの移住者に向けて「移住支援金」を用意しています。ただ、市の案内ページだけを読むと「自分は対象なのか」「いつまでに何を出すのか」が見えにくく、しかも市ページの更新日が2021年のままで、現行の要件と食い違う部分があります。
結論を先に3行でまとめます。
いくら:単身最大60万円、2人以上の世帯最大100万円、18歳未満の帯同者1人につき最大100万円を加算
いつまで:和歌山県内へ転入後1年以内に申請(年度末の2〜3月は受付を締め切っている場合あり)
どこへ:新宮市 商工観光課(0735-23-3357)
この記事では、国・県・市の制度の関係、対象者の要件、新宮市だけの「関係人口」要件、支給額と返還規定、申請の流れと提出書類、窓口、落とし穴の順に整理します。最後に、市の案内ページが古いまま残っている箇所と、現行の県チェックリストとの違いも具体的に示します。

新宮市の移住支援金は国・県・市が共同で支給する「和歌山県移住支援事業」です
新宮市の移住支援金は市単独の制度ではなく、内閣官房の地方創生施策を県と市町村が共同で実施する仕組みです。内閣官房は「東京23区に在住または通勤する方が、東京圏外へ移住し、起業や就業等を行う方に、都道府県・市町村が共同で交付金を支給する事業」と説明し、支給額は「世帯100万円以内、単身60万円以内で都道府県が設定する額」、18歳未満の帯同者1人につき最大100万円加算と定めています(内閣官房 移住支援金)。
和歌山県はこれを「和歌山県移住支援事業(移住支援金)」として運用し、県地域振興課が全県共通の対象要件チェックリストを公開しています。実際の申請先は移住先の市町村で、新宮市の窓口は商工観光課です(和歌山県 移住支援事業)。新宮市の空き家改修助成金や各種支援制度の案内は企画調整課が担当しているため、移住支援金だけは問い合わせ先の課が違う点に注意してください。
| 制度名 | 和歌山県移住支援事業(移住支援金) |
|---|---|
| 実施主体 | 国(内閣官房)の枠組みのもと、和歌山県と新宮市が共同で実施 |
| 対象者 | 東京23区在住者、または東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の条件不利地域以外に在住し東京23区へ通勤していた人で、新宮市に転入し、就業・専門人材・テレワーク・起業・関係人口のいずれかの要件を満たす人 |
| 補助率・上限 | 単身 最大60万円/2人以上の世帯 最大100万円/18歳未満の帯同者1人につき最大100万円加算 |
| 申請期間 | 和歌山県内へ転入後1年以内(令和8年度(2026年度)の受付期間は市ページに明記なし。年度末の2〜3月は受付を締め切っている場合あり) |
| 窓口 | 新宮市 商工観光課(〒647-8555 新宮市春日1番1号)TEL 0735-23-3357 |
| 公式URL | 新宮市【移住支援金】東京圏からの移住を支援します! |
新宮市の移住支援金の対象者は「移住元」「移住先」「就業等」の3つの要件で決まります
対象かどうかは、どこから来たか、新宮市でどう暮らすか、どう働くかの3段階で判定します。以下は県の対象要件チェックリスト(令和8年4月1日版)と新宮市の案内ページの原文に沿った整理です。
移住元の要件:東京23区に「通算5年以上」かつ「直前1年以上連続」
県チェックリストの原文は「住民票を移す前日まで、10年間のうち通算5年以上、東京23区内に在住又は東京圏のうちの条件不利地域以外の地域に在住し、東京23区内へ通勤していた」と、「住民票を移す前日まで、連続して1年以上」同じ状態であった、の2つです。「通算5年以上」の方を見落とす人が多いので、直近1年だけ23区勤務だった人は、過去10年の住所・勤務地を先に確認してください。
東京圏でも「条件不利地域」に住んで23区へ通勤していた期間は対象になりません。たとえば神奈川県では三浦市・山北町・箱根町・真鶴町・湯河原町・清川村、東京都では檜原村・奥多摩町と島しょ部の町村が条件不利地域に当たります。市町村の一覧は県チェックリストの注記で確認してください(移住支援金対象要件チェックリスト(令和8年4月1日・和歌山県地域振興課))。
新宮市の案内ページには、通勤期間について「移住3ケ月前までを当該1年の起算点」にできる特例と、東京23区内の大学等へ通学し23区内の企業に就職した場合は通学期間も対象期間に含める特例(修業期間、高等専門学校は2年を上限)が書かれています。
移住先の要件:転入後1年以内に申請し、5年以上住み続ける意思があること
県チェックリストは「移住支援金の申請時において、和歌山県内へ転入後1年以内である」「転入先の市町村に、移住支援金の申請日から5年以上、継続して居住する意思がある」と定めています。新宮市ページには、これに加えて「令和元年7月1日以降に移住」「反社会的勢力と関係がない」「日本人または指定の在留資格を持つ」「過去10年以内に世帯員として移住支援金を受給していない」が並びます。
なお新宮市ページには「申請時に転入後3か月以上1年以内であること」とありますが、県の令和8年4月1日版チェックリストには「3か月以上」の下限がありません。ただし市ページ掲載の移住支援金交付要綱PDF(附則は令和7年4月1日施行分まで)にも「転入後3か月以上1年以内」と「申請時において連続して3か月以上在職」が残っており、県の実施要領(令和8年4月1日施行)は「移住した日以後1年以内」とだけ定めています。転入後3か月未満で申請したい人は、令和8年度(2026年度)の現行の扱いを商工観光課に確認してください。
就業等の要件:5つの区分のいずれかに当てはまること
県の制度では、次の5区分のいずれかを満たす必要があります。
- 一般就業:県就職支援サイト「はたらコーデわかやま」に移住支援金対象求人として掲載された求人に、掲載日以降に応募して就業。勤務地が和歌山県内、週20時間以上の無期雇用、3親等以内の親族が経営を担う法人への就業でない、申請日から5年以上継続勤務の意思、転勤や出向でなく新規雇用であること。新宮市ページには「連続して3か月以上在職していること」も書かれています。
- 専門人材:国のプロフェッショナル人材事業または先導的人材マッチング事業を利用して移住・就業した人。週20時間以上の無期雇用、5年以上継続勤務の意思、個別プロジェクト参加など離職前提でないこと。この区分では「はたらコーデわかやま」掲載求人である必要はありません。
- テレワーク:「所属先企業等からの命令ではなく、自己の意思により移住した場合であって、移住先を生活の本拠とし、移住元での業務を引き続き行う」こと、原則として恒常的に通勤せず、週20時間以上テレワークを実施すること。
- 起業:「和歌山県が実施する起業支援事業に係る起業支援金の交付決定を受けている」こと。新宮市ページでは「1年以内に」交付決定を受けることが条件です。
- 関係人口:市町村ごとに定める独自要件。新宮市の内容は次の章で説明します。
対象求人は、わかやま就職支援センター(073-421-8080)が運営するサイトで検索できます(はたらコーデわかやま 移住支援金)。同サイトには「本事業は、予算の範囲内で実施するため、支給できない場合があります」とも明記されています。
新宮市独自の「関係人口」要件は市ページではなく県チェックリストにしか載っていません
ここが新宮市で最も見落とされやすい点です。新宮市の案内ページ本文には「関係人口」という区分が出てきません(ページ掲載の交付要綱PDFに関係人口の枠と様式第7号はありますが、新宮市独自の要件は書かれていません)が、県の令和8年4月1日版チェックリストには新宮市の関係人口要件が掲載されています。はたらコーデの求人に就業しない人や、親族の会社に入る人は、この区分で対象になる可能性があります。
原文は「下記【支給対象者の要件】に該当し、かつ【地域の担い手確保の要件】のいずれかに該当すること。」です。
【支給対象者の要件】として列挙されているのは次の4項目です。
- 転入時に60歳未満であること。
- 移住した年度の前年度もしくは前々年度で新宮市にふるさと納税を1回以上行っていること。
- 観光のために1回以上新宮市へ来たことがある。
- 移住又は就農等について新宮市職員へ相談するために新宮市へ来たことがある。
【地域の担い手確保の要件】は「いずれか」です。
- 農林水産業に従事する者。
- 新宮市へ住民票を移した日から1年以内に本市内において起業している。
- 就業の場合は次に掲げる事項の全てについて該当すること。「転勤、出向、出張、研修等による勤務地の変更ではなく、新規に雇用される者であること」「就業先が風俗営業等の規制及び業務適正化に関する法律(昭和23年法律第122号)に規定する風俗営業者でないこと」「就業先が暴力団等の反社会的勢力と関係を有する法人等でないこと」の3つです。
支給対象者の要件4項目は、担い手側の「いずれか」と対比して「該当し」とだけ書かれています。関係人口の表全体の見出しは「全ての項目に該当すること」なので4項目すべてが必要と読めますが、新宮市欄だけを見て年齢に加えて3項目のいずれかでよいと解釈する余地も残り、原文から断定できません。ふるさと納税や観光来訪は転入前の行動なので、移住を決めたら転入前に商工観光課へ確認することをおすすめします。ふるさと納税の時期要件(移住した年度の前年度か前々年度)は、転入後には遡れません。

新宮市の移住支援金の支給額は最大100万円、5年以内の転出や1年以内の離職で返還があります
支給額は新宮市ページの記載どおり、次のとおりです。
| 区分 | 支給額 |
|---|---|
| 単身世帯 | 最大60万円 |
| 2人以上の世帯 | 最大100万円 |
| 18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合 | 18歳未満の方1人につき最大100万円を追加 |
「2人以上の世帯」として申請するには、2人以上が移住元で同一世帯であり、申請時も同一世帯で、いずれも令和元年7月1日以降に移住し、転入後1年以内(市ページと市交付要綱の記載では転入後3か月以上1年以内)であることが必要です。配偶者だけ先に転入して1年を過ぎている、といった場合は世帯区分にならないことがあります。
返還規定は新宮市ページに明記されています。
| 返還額 | 該当するケース(原文に基づく) |
|---|---|
| 全額 | 虚偽の申請をした場合/申請日から3年未満に新宮市から転出した場合/申請日から1年以内に移住支援金の要件を満たす職を辞した場合/起業支援金の交付決定が取り消された場合 |
| 半額 | 「移住支援金の申請日から3年以上5年以内に移住支援金を受給した新宮市から転出した場合」 |
起点は「転入日」ではなく「申請日」です。転入からしばらく経って申請した人ほど、返還の対象期間が後ろにずれます。
新宮市の移住支援金の申請は「転入後1年以内」に商工観光課へ、様式は市ページからダウンロードします
申請の流れは、転入後に要件を満たしていることを確認し、様式と添付書類を揃えて商工観光課へ提出し、交付決定後に請求書を出す、という順序です。市ページに載っている様式は次のとおりです。
- 交付申請書(様式第1号)
- 就業証明書(様式第2号)、テレワーク用の就業証明書(様式第3号)、テレワーク用の就業時間証明書(様式第6号)。関係人口用の就業証明書(様式第7号)は交付要綱に定めがありますが、市ページにダウンロード様式は掲載されていません
- 本人確認書類、要件を満たしていることを証する書類(住民票の写しや雇用契約書など、区分ごとに異なります)
- 交付請求書(様式第5号)は交付決定後に提出
市ページには実施要領PDF、交付要綱PDF、チェックリストPDF、申請書様式6点が掲載されています。令和8年度(2026年度)の受付期間は市ページに記載がありません。県のページには「年度末の時期(2月〜3月)には、受付を締め切っている場合がありますので、ご注意ください」とあるため、年明け以降に転入1年を迎える人は、早めに商工観光課へ相談してください。
はたらコーデわかやまの求人に就業する一般就業の区分では、転入のタイミングとは別に、「求人の掲載日以降に応募した」ことを証明できる状態にしておく必要があります。転入前に内定をもらっていた求人が掲載前の応募だった場合、この区分には当てはまりません。
新宮市の窓口は商工観光課、空き家改修や奨学金返還の支援は企画調整課が担当です
新宮市では移住・定住に関する制度が課ごとに分かれています。移住支援金と一緒に検討したい制度を、市の「各種支援制度のご案内」(2026年5月12日更新)から拾うと次のとおりです。
| 制度 | 内容の入口 | 担当課 |
|---|---|---|
| 移住支援金(和歌山県移住支援事業) | info/1004 | 商工観光課 0735-23-3357 |
| 空き家改修助成金 | info/2712(2026年10月5日更新) | 企画調整課 0735-23-3339 |
| 奨学金返還支援助成金 | info/2659 | 企画調整課 |
| 結婚新生活支援事業 | info/1549 | 子育て推進課 0735-23-3344 |
| 各種支援制度の一覧 | info/2702 | 企画調整課 |
移住支援金とこれらの市制度を同じ年度に併用できるかどうかは、どのページにも明記されていません。空き家を改修して住む予定の人は、両方の担当課に同時に相談してください。
事業者の立場で読んでいる方へ。東京圏から採用した人材に移住支援金を使ってもらうには、自社の求人を「移住支援金対象求人」としてはたらコーデわかやまに掲載しておく必要があります。掲載の条件や手続きは、わかやま就職支援センター(073-421-8080)に確認してください。

新宮市の移住支援金でよくある落とし穴は「市ページが2021年のまま」という点です
この記事を書く過程で確認できた、判断を誤りやすいポイントをまとめます。
- 市ページの更新日は2021年4月28日です。「転入後3か月以上」や「地方創生テレワーク交付金」など、県の令和8年4月1日版チェックリストと表現が異なる箇所があります。ページ掲載の交付要綱PDFは令和7年4月1日施行の改正まで反映されていますが、「転入後3か月以上」はそこにも残っています。要件の最終判断は県チェックリストと商工観光課の回答を優先してください。
- 関係人口の区分は市ページ本文に書かれていません。ページ掲載の交付要綱PDFには関係人口の枠(第3条第4号)と専用の就業証明書(様式第7号)がありますが、新宮市の具体的な要件は県チェックリストの新宮市欄を見ないと分かりません。
- 起業の区分は、県の「わかやま地域課題解決型起業支援補助金」の交付決定が前提です。令和8年度(2026年度)の募集は4月1日から5月8日までで、2026年10月時点では終了しています(和歌山県 わかやま地域課題解決型起業支援補助金)。今から起業で移住支援金を狙う人は、次年度の募集を待つか、関係人口区分の「住民票を移した日から1年以内に本市内において起業」で対象になるかを窓口に確認してください。
- 3親等以内の親族が経営する法人への就業は一般就業では対象外です。家業を継ぐために戻る人は、関係人口区分の「農林水産業に従事」などに当てはまるかを確認する方が近道です。
- 予算の範囲内での実施のため、要件を満たしていても支給されない場合があります。
よくある質問
Q1. 新宮市の移住支援金は、令和8年度(2026年度)も受け付けていますか。
県の制度一覧(令和8年4月1日版チェックリスト)に新宮市の欄があり、県の市町村窓口一覧にも新宮市 商工観光課が載っています。ただし市ページに今年度の受付期間の記載はなく、県は年度末の2〜3月に受付を締め切る場合があると注意しています。転入後1年以内という期限と合わせて、早めに商工観光課(0735-23-3357)へ確認してください。
Q2. 東京23区ではなく、千葉や埼玉に住んで23区へ通勤していました。対象ですか。
東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の「条件不利地域以外」に住み、東京23区内へ通勤していた期間は、在住期間と同じ扱いで数えられます。通算5年以上かつ直前1年以上連続の条件を満たせば対象になり得ます。お住まいだった市町村が条件不利地域に当たるかは、県チェックリストの注記で確認してください。
Q3. 東京の会社に在籍したまま新宮市でテレワークする場合も対象ですか。
対象になり得ます。条件は「所属先企業等からの命令ではなく、自己の意思により移住」し、移住先を生活の本拠として移住元での業務を引き続き行い、原則として恒常的に通勤せず、週20時間以上テレワークすることです。会社都合の転勤扱いだと対象になりません。テレワーク用の就業証明書(様式第3号)と就業時間証明書(様式第6号)を会社に書いてもらう必要があります。
Q4. 受給後に新宮市を離れたら返さなければなりませんか。
申請日から3年未満の転出は全額、3年以上5年以内の転出は半額の返還が定められています。申請日から1年以内に要件を満たす職を辞した場合も全額返還です。倒産などやむを得ない事情の扱いは、県の実施要領と商工観光課で確認してください。
Q5. 親の会社を継ぐために新宮市に戻ります。使えますか。
一般就業の区分では、3親等以内の親族が代表者や取締役などを務める法人への就業は対象外です。一方で、県チェックリストにある新宮市の関係人口区分には「農林水産業に従事する者」や「住民票を移した日から1年以内に本市内において起業」が含まれています。家業の内容によっては当てはまる可能性があるので、転入前に商工観光課へ相談してください。
この記事は2026年10月21日時点の公式情報に基づきます。制度は年度途中で変更される場合があります。最新の情報は新宮市および和歌山県の公式サイトでご確認ください。
