この記事は2026年10月1日時点の公式情報に基づきます。
「和歌山県で子育てをしていると、どんな助成金や手当がもらえるのだろう」と調べ始めたものの、国・県・市町村の制度が入り混じっていて、全体像がつかめない方は多いのではないでしょうか。
役場の窓口は制度ごとに分かれており、申請しなければ受け取れない制度がほとんどです。「知らなかったので申請していなかった」という事態は、できれば避けたいところです。
- 県独自の柱は「紀州っ子いっぱいサポート」。第2子以降の保育料・食材料費の助成と、多子世帯の一時預かり等の助成(1世帯あたり年15,000円が上限)です。
- 国の制度は県内どこでも同じ金額。児童手当は月額10,000円〜30,000円、妊婦のための支援給付、出産育児一時金(原則50万円)などがあります。
- 申請先はほぼすべて「お住まいの市町村」。実施内容は市町村ごとに違うため、県の実施状況表で確認してから窓口へ行くのが近道です。
この記事では、和歌山県の子育て助成金を一覧表で整理し、要件・金額・市町村ごとの違い・申請手順を順に説明します。後半には、県の公式ページで「令和6年度まで」と表記されている制度についても触れていますので、古い情報で動いてしまわないよう最後までご確認ください。

和歌山県の子育て助成金一覧|国・県・市町村の3層で整理
和歌山県で使える子育て助成金は、国の制度・県と市町村が共同で行う制度・市町村独自の制度の3層に分かれます。
まずは全体像を一覧表で確認してください。金額や要件は、いずれも記載の公式ページで確認できた内容です。
| 制度名 | 実施主体 | 対象者 | 補助率・上限 | 申請期間 | 窓口 | 公式URL |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 紀州っ子いっぱいサポート(保育料・食材料費助成) | 和歌山県と市町村 | 県内に住民登録があり、2人以上を育てる世帯の就学前の第2子以降(第2子は年収360万円未満相当の所得制限あり) | 助成内容は市町村により異なる | 市町村の公式サイトでご確認ください | お住まいの市町村 | 和歌山県 こども未来課 |
| 紀州っ子いっぱいサポート(育児助成事業) | 和歌山県と市町村 | 県内に住民登録があり、小学生以下の子を3人以上育て、就学前の子がいる世帯 | 1世帯あたり年15,000円が上限 | 市町村の公式サイトでご確認ください | お住まいの市町村 | 和歌山県 こども未来課 |
| 児童手当 | 国(支給は市町村) | 0歳から高校生年代までの児童を養育している方 | 月額10,000円〜30,000円(児童1人あたり) | 出生・転入の翌日から15日以内に申請 | お住まいの市町村(公務員は勤務先) | 和歌山県 児童手当について |
| 妊婦のための支援給付 | 国(支給は市町村) | 妊娠している方 | 妊婦給付認定後に5万円、妊娠しているこどもの人数×5万円 | 医療機関で妊娠が確認された後から | 住民票のある市町村 | こども家庭庁 |
| 出産育児一時金 | 加入している医療保険 | 公的医療保険の加入者で出産した方 | こども1人につき原則50万円 | 出産日の翌日から2年以内 | 加入している保険者 | 厚生労働省 |
| 幼児教育・保育の無償化 | 国(手続きは市町村) | 3〜5歳児クラスのこども、住民税非課税世帯の0〜2歳児クラスのこども | 利用料が無償(施設の種類により月額上限あり) | 市町村の公式サイトでご確認ください | お住まいの市町村 | 和歌山県 幼児教育・保育の無償化 |
| 児童扶養手当(ひとり親家庭) | 国(認定は県知事または市長) | ひとり親家庭などで児童を監護・養育している方(所得制限あり) | 令和8年4月分以降:第1子 全部支給で月額48,050円 | 請求した月の翌月分から支給 | お住まいの市町村 | 和歌山県 児童扶養手当 |
| わかやま子育て支援パスポート | 和歌山県 | 18歳未満のこどもがいる世帯、または妊娠中の方がいる世帯 | 協賛店舗での割引・プレゼントなどの優待(現金給付ではありません) | 年度ごとに申請(有効期限は年度末の3月31日) | 和歌山県 こども未来課 | わかやま子育て支援ポータルサイト |
表のうち、和歌山県ならではの制度は「紀州っ子いっぱいサポート」と「わかやま子育て支援パスポート」の2つです。次の章から順に見ていきます。
紀州っ子いっぱいサポートの要件と金額|第2子以降の保育料・食材料費
紀州っ子いっぱいサポートは、2人以上のこどもを育てる家庭の負担を軽くするために、和歌山県が市町村とともに行っている助成です。
内容は「保育料及び食材料費助成」と「育児助成事業」の2本立てです。
保育料及び食材料費助成の対象
県の公式ページでは、助成対象を次の3つすべてを満たす方としています。
- 和歌山県内に住民登録をしていること
- 2人以上育てている世帯であること
- 保育所・認定こども園・幼稚園・児童発達支援センター等・認可外保育施設を利用している、就学前の第2子以降の児童であること
ただし、第2子については所得制限(年収360万円未満相当)が設けられています。また、幼稚園の場合は満3歳以降が対象です。
育児助成事業の対象と上限額
育児助成事業は、一時預かりなどの利用料を助成する制度です。対象となる事業は次の4つです。
- 一時預かり事業
- ファミリー・サポート・センター事業(地域の会員同士でこどもの預かりを助け合う仕組み)
- 子育て短期支援事業(ショートステイ、トワイライトステイ)
- 病児保育事業
対象は、県内に住民登録があり、小学生以下の子を3人以上育てていて、就学前の子を育てている世帯です。助成上限額は1世帯あたり年15,000円です。
市町村ごとの違い|紀州っ子いっぱいサポートの実施状況(2026年4月1日時点)
紀州っ子いっぱいサポートは、市町村によって対象施設や実施の有無が異なります。
和歌山県が公表している令和8年度(2026年度)の実施状況(2026年4月1日時点)から、県内9市の状況を抜き出しました。0〜2歳の保育料無償化は、保育所・認定こども園(保育認定)については県内30市町村すべてで実施されています。
| 市 | 第3子の保育料無償化(認可外保育施設) | 第2子の保育料無償化(認可外保育施設・所得制限あり) | 育児支援助成 | 食材料費(保育所・2号認定) |
|---|---|---|---|---|
| 和歌山市 | ○(病院・事業所内のみ) | ○(病院・事業所内のみ) | ○ | ○ |
| 海南市 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 橋本市 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 有田市 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 御坊市 | ○ | ○ | ― | ○ |
| 田辺市 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 新宮市 | ― | ― | ○ | ○ |
| 紀の川市 | ○ | ○ | ― | ○ |
| 岩出市 | ○ | ― | ― | ― |
○は実施、―は未実施です。出典は和歌山県こども未来課の保育料・育児支援の実施状況(PDF)と食材料費の実施状況(PDF)です。
この表から読み取れるポイントは3つあります。
- 育児支援助成(年15,000円上限)は実施していない市町村がある。9市では御坊市・紀の川市・岩出市が未実施です。
- 食材料費の助成は施設の種類で差が大きい。和歌山市は保育所(2号認定)のみ実施、岩出市は未実施です。
- 町村部も実施状況が分かれます。たとえば、みなべ町の育児支援助成はファミリー・サポート・センター事業と病児保育事業が対象です。
3〜5歳(従前の私立幼稚園、認可外保育施設等)の助成内容は、県の資料でも「各市町村にご確認をお願いします」とされています。町村にお住まいの方は、上記のPDFでご自身の町村の行をご確認ください。

国の子育て制度の金額|児童手当・妊婦のための支援給付・出産育児一時金
国の制度は、和歌山県内のどの市町村に住んでいても金額は同じで、申請窓口だけが市町村や保険者に分かれます。
児童手当は月額10,000円〜30,000円
児童手当は、令和6年(2024年)10月から所得制限が撤廃され、支給期間が高校生年代(18歳到達後の最初の3月31日)まで延長されました。児童1人あたりの月額は次のとおりです。
| 区分 | 第1子・第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 3歳未満 | 15,000円 | 30,000円 |
| 3歳以上高校生年代まで | 10,000円 | 30,000円 |
支給月は原則として2月、4月、6月、8月、10月、12月で、それぞれの前月分までが支給されます。
出生や転入の際は、翌日から15日以内に市町村へ申請が必要です。児童手当は原則として申請した月の翌月分からの支給となるため、申請が遅れた月の分は受け取れない場合があります。
妊婦のための支援給付と出産育児一時金
妊婦のための支援給付は、こども家庭庁の案内によると、妊婦給付認定後に5万円、妊娠しているこどもの人数の届出後に「妊娠しているこどもの人数×5万円」が支給される制度です。申請先は住民票のある市町村で、自治体の取組によってはクーポン等での給付を選べる場合があります。
出産育児一時金は、公的医療保険の加入者が出産したとき、こども1人につき原則50万円が加入している保険者から支給される制度です。厚生労働省のページでは、申請期限は出産日の翌日から2年以内と案内されています。
幼児教育・保育の無償化
令和元年10月1日から、3〜5歳児クラスの幼稚園、保育所、認定こども園等の利用料が無償になっています。住民税非課税世帯は、保育の必要性の認定を受けた場合、0〜2歳児クラスの利用料も無償です。
国の無償化は、0〜2歳児クラスでは住民税非課税世帯が対象です。これに加えて、0〜2歳の第2子以降の保育料を県と市町村が支えているのが、先ほどの紀州っ子いっぱいサポートです(第2子は所得制限あり)。
条件に当てはまれば使える制度|医療費助成・ひとり親家庭・子育て支援パスポート
こどもの医療費助成、ひとり親家庭向けの手当、優待パスポートは、世帯の状況や市町村によって内容が変わる制度です。
こども医療費助成は市町村ごとに確認
こどもの医療費助成は市町村が実施しており、対象年齢や所得制限は市町村ごとに異なります。
たとえば和歌山市のこども医療費助成制度は、満18歳に達する日以後の最初の3月31日までのお子様が対象で、所得制限はありません。県内の医療機関で受給資格証を提示すれば、保険診療の自己負担分は無料で受診できます。問い合わせ先は和歌山市 こども家庭課(電話:073-435-1219)です。
ほかの市町村の対象年齢・自己負担の有無は、各市町村の公式サイトでご確認ください。
ひとり親家庭は児童扶養手当と医療費助成
児童扶養手当は、ひとり親家庭などの生活の安定と自立の促進のための手当です。和歌山県の公式ページによると、令和8年4月分以降の月額は、第1子の全部支給で48,050円、第2子加算額の全部支給で11,350円です(第3子以降の加算額は第2子加算額と同じ)。
所得制限があり、たとえば扶養親族等が1人の場合、受給資格者本人の所得が107万円未満で全部支給、246万円未満で一部支給となります(令和7年分所得、令和8年11月分から令和9年10月分の手当)。手当は奇数月ごとに、前月までの2か月分が支給されます。
あわせて、ひとり親家庭の児童(18歳になった年度末まで)とその親の医療費の自己負担額を助成する「ひとり親家庭医療費助成」もあります。所得制限の有無などは市町村によって異なります。県の担当は多様な生き方支援課(TEL:073-441-2510)です。
わかやま子育て支援パスポートは優待サービス
わかやま子育て支援パスポートは、18歳未満のこどもがいる世帯、または妊娠中の方がいる世帯が、協賛店舗で割引やプレゼントなどの優待を受けられる制度です。現金が支給される助成金ではありませんが、申請フォームから取得でき、日々の家計の助けになります。
パスポートの有効期限は申請した年度の末日(3月31日)までで、毎年度の申請が必要です。2人以上のこどもがいる世帯向けに、多子世帯用のパスポートも用意されています。

和歌山県で子育て助成金を申請する手順とよくある落とし穴
子育て助成金の申請は、県の資料で実施状況を確認し、市町村の担当課に問い合わせ、期限内に申請するという流れで進めます。
- 使える制度を洗い出す:本記事の一覧表で、こどもの人数・年齢・世帯の状況に合う制度に印を付けます。
- 市町村の実施状況を確認する:紀州っ子いっぱいサポートは、県公表の実施状況PDFでお住まいの市町村の行を確認します。
- 市町村の担当課に問い合わせる:必要書類と申請方法は市町村によって異なります。
- 期限内に申請する:児童手当は出生・転入の翌日から15日以内です。
よくある落とし穴は次の3つです。
- 古い情報のまま動いてしまう:和歌山県こども未来課のページでは、0歳児を在宅で育てる世帯向けの「在宅育児支援事業」が「〜令和6年度まで」と表記されています。過去の広報誌や古い記事にある金額をそのまま当てにせず、令和8年度(2026年度)の取り扱いはお住まいの市町村の公式サイトでご確認ください。
- 転入時の申請漏れ:児童手当や医療費の受給資格証は、転入先の市町村であらためて申請が必要です。
- 「第2子」の所得制限の見落とし:紀州っ子いっぱいサポートの第2子は、年収360万円未満相当の所得制限があります。
県の制度全般の問い合わせ先は、和歌山県 共生社会推進部 こども家庭局 こども未来課(〒640-8585 和歌山市小松原通一丁目1番地、TEL:073-441-2500)です。
よくある質問
和歌山県の子育て助成金は、どこに申請すればよいですか?
紀州っ子いっぱいサポート、児童手当、妊婦のための支援給付、児童扶養手当、医療費助成は、いずれもお住まいの市町村が窓口です。出産育児一時金は加入している医療保険の保険者、わかやま子育て支援パスポートは県のポータルサイトの申請フォームから申請します。
紀州っ子いっぱいサポートは第1子も対象ですか?
保育料及び食材料費助成の対象は、2人以上育てている世帯の就学前の第2子以降の児童です。第2子については年収360万円未満相当の所得制限があります。
育児助成事業の年15,000円は、どの市町村でも受けられますか?
いいえ。県が公表している2026年4月1日時点の実施状況では、育児支援助成を実施していない市町村があります。お住まいの市町村が実施しているかを、県の実施状況PDFまたは市町村の担当課でご確認ください。
和歌山県の児童手当はいくらですか?
児童手当は国の制度のため、和歌山県内でも金額は全国共通です。児童1人あたり月額で、3歳未満は15,000円、3歳以上高校生年代までは10,000円、第3子以降は30,000円です。
こどもの医療費は何歳まで助成されますか?
市町村によって異なります。和歌山市の場合は、満18歳に達する日以後の最初の3月31日までのお子様が対象で、所得制限はありません。ほかの市町村は各公式サイトでご確認ください。
まとめ|和歌山県の子育て助成金は「市町村の実施状況」の確認から
和歌山県の子育て助成金は、国の制度に県と市町村の上乗せが重なる仕組みです。
- 県独自の柱は紀州っ子いっぱいサポート。第2子以降の保育料・食材料費の助成と、多子世帯の育児助成(1世帯あたり年15,000円上限)
- 児童手当は月額10,000円〜30,000円。出生・転入の翌日から15日以内に申請
- 実施内容は市町村ごとに異なるため、県の実施状況PDFと市町村の担当課で確認
- 要件を満たしても、申請しなければ受け取れない制度がほとんど
まずは一覧表でご家庭に合う制度に印を付け、お住まいの市町村の担当課に問い合わせるところから始めてみてください。
この記事は2026年10月1日時点の公式情報に基づきます。制度の内容は年度途中でも変わる場合がありますので、申請前に必ず各公式サイトで最新の情報をご確認ください。
