この記事は2026年10月1日時点の公式情報に基づきます。金額・締切は変更されることがあるため、申請前に必ず各制度の公式ページでご確認ください。
「和歌山県でDXに使える補助金はどれなのか」と探して、国・県・市町村の情報が入り混じって手が止まっていませんか。
会計ソフトや予約システムを入れたい、ホームページを作り直したい。けれど自社がどの制度の対象なのか、いつまでにどこへ出せばよいのかが一度で分からないのが、いちばんの悩みではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。
- 和歌山県の令和8年度(2026年度)の補助金は、介護・農業・水産・交通など業種別の制度が中心です。
- 補助金の対象業種でなくても検討できる県の支援は、費用負担のない「デジタル専門家派遣」「デジタル経営診断」などの伴走型が軸です(デジタル専門家派遣には対象分野の定めがあります)。
- ツールや設備の導入費は、国の補助金と、和歌山市・紀の川市など市町村の補助金で補う形になります。
この記事では、和歌山県のDX支援の全体像、県の業種別補助金の一覧、市町村ごとの違い、申請手順、落とし穴を順に整理します。後半の「市町村ごとの違い」の表は、県の制度だけを見ていると見落としやすい部分ですので、最後までご確認ください。

和歌山県のDX補助金の全体像|令和8年度は「県・市町村・国」の3層で考える
和歌山県内の事業者が使えるDX関連の支援は、県の制度、市町村の制度、国の制度の3層に分かれます。
DXとは、デジタル・トランスフォーメーションの略で、データとデジタル技術を使って仕事のやり方や事業そのものを変えていく取り組みを指します。
和歌山県は、県内のデジタル化支援を1ページにまとめた「令和8(2026)年度 デジタル化支援メニュー」を公開しています。ここには相談・派遣型のプロジェクト、セミナー・講習、補助金の3区分で支援策が並んでいます。
| 制度名 | 和歌山県 令和8(2026)年度 デジタル化支援メニュー(DX関連の支援策の総称) |
|---|---|
| 実施主体 | 和歌山県(各担当課)、公益財団法人わかやま産業振興財団、和歌山県工業技術センター ほか |
| 対象者 | 和歌山県内の事業者(制度ごとに業種・規模の要件あり) |
| 補助率・上限 | 制度ごとに異なります。県の支援メニューのページには補助率・上限額の記載がないため、各制度の公式ページ(公募要領)でご確認ください |
| 申請期間 | 制度ごとに異なります(令和8年度分は公募終了の制度もあります) |
| 窓口 | 支援メニュー全体:和歌山県デジタル社会推進課(電話073-441-2405)/DX推進:企業振興課(電話073-441-2760)、わかやま産業振興財団(電話073-433-8556) |
| 公式URL | 和歌山県公式サイト デジタル化支援メニュー |
3層の役割は次のとおりです。
| 層 | 主な中身 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 和歌山県 | 業種別の補助金、専門家派遣、経営診断、セミナー | 何から始めるか決めたい、業種特有の機器を入れたい |
| 市町村 | ITツール導入、ECサイト開設などの補助金(実施する市町村のみ) | ツール・システムの導入費を抑えたい |
| 国 | デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)など | 会計・受発注・決済などのソフトを導入したい |
和歌山県の業種別DX補助金一覧|対象者と申請期間
県の支援メニューに掲載されている補助金は、対象の業種がはっきり決まっているのが特徴です。
2026年10月1日時点で確認できた制度を一覧にしました。補助率・上限額は支援メニューのページに記載がないため、各担当課の公式ページでご確認ください。
| 制度名 | 対象者 | 申請期間(令和8年度) | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 介護テクノロジー定着支援事業補助金 | 県内の介護サービス事業所、養護老人ホーム、軽費老人ホーム | 公募終了 | 長寿社会課 073-441-2519 |
| 先駆的産業技術研究開発支援事業補助金 | 県内に事業所を有する事業者など | 公募終了 | 成長産業推進課 073-441-2355 |
| 野菜花き産地強化事業補助金 | 農業者、農協等 | 公募終了 | 果樹園芸課 073-441-2904 |
| 次世代につなぐ果樹産地づくり事業補助金 | 農業者、農協等 | 公募終了 | 果樹園芸課 073-441-2902 |
| 畜産施設衛生管理強化支援事業補助金 | 畜産を営む農業者、農業法人等 | 随時 | 畜産課 073-441-2923 |
| スマート水産業推進事業補助金 | 漁業者 | 令和8年8月6日(木)~12月18日(金) | 資源管理課 073-441-3010 |
| わかやま交通事業者支援事業費補助金(タクシー事業者生産性向上支援事業) | タクシー事業者 | 令和8年7月30日(木)~12月25日(金)(タクシー運転手確保対策事業は9月30日まで) | 総合交通政策課 073-441-2344 |
| わかやま交通事業者支援事業費補助金(バス停環境整備事業) | バス事業者 | 公募終了 | 総合交通政策課 073-441-2343 |
| 和歌山県えるぼし認定等促進による職場環境整備補助金 | 県内に本社または活動拠点を有する企業団体など | 令和8年9月30日まで | 多様な生き方支援課 073-441-2510 |
いま申請を検討できるのは、スマート水産業、タクシー事業者向け、随時受付の畜産が中心です。公募が終わった制度も、来年度に向けて要件を確認しておく価値があります。ただし令和9年度の実施は未発表のため、県の発表をお待ちください。
漁業者の方は、IoT(モノをインターネットにつなぐ技術)やロボット技術を使って生産性の向上に取り組む場合に、スマート水産業推進事業補助金が候補になります。審査があり、要件を満たすことが前提です。
補助金の対象業種以外でも検討できる和歌山県のDX支援|専門家派遣・診断・人材
補助金の対象業種に当てはまらない事業者でも、県と財団の伴走型支援は利用を検討できます。
デジタル専門家派遣(費用負担なし)
デジタル専門家派遣は、デジタル技術の導入に悩む事業者へ専門家を派遣する県の事業です。県の案内では、専門家の派遣について県内事業者が経費を負担することはないと明記されています。
ただし令和8年度のチラシでは、対象は和歌山県内に事務所等を有する、地場産業分野(繊維、化学、機械金属、食品加工、家庭用品、情報通信)、観光分野(宿泊、小売、卸売)、人手不足分野(サービス業、建設業、運輸業、医療・福祉)の事業者とされています。派遣は1回につき1日(1~2回の派遣を想定)・無料です。自社の業種が対象に入るかは、申込前に窓口でご確認ください。
わかやま産業振興財団の案内では、ITコーディネーターや中小企業診断士が派遣され、令和8年12月28日まで募集中(予算上限に達し次第終了)です。県のチラシでは公募期間は令和8年5月19日(火)~12月28日(月)とされています。窓口は県企業振興課(経営支援班、電話073-441-2760)です。
デジタル経営診断・DX推進員相談
デジタル経営診断は、オンラインの診断ツールで自社のDXの進み具合を客観的に把握する県の事業です。
わかやま産業振興財団の「DXに関する支援」では、財団に配置されたDX推進員がDXに関する質問に対応しています(電話073-433-8556)。DXセミナーや生産性向上スクールも案内されています(生産性向上スクールの令和8年度の募集は終了しています)。
成長企業支援補助金(中核人材の採用)
令和8年度 成長企業支援補助金は、デジタル人材をはじめとする中核人材を採用する際の、有料職業紹介事業者への紹介手数料を補助する制度です。
- 対象者:県内に本社または主たる事業所を有する中小企業者(みなし大企業は除く)
- 補助率:補助対象経費の2分の1以内
- 上限:100万円(1,000千円)/件・年、1社あたり1件
- 公募期間:令和9年2月1日(月)17時必着(先着順、予算がなくなり次第終了)
- 窓口:わかやま産業振興財団 和歌山県プロフェッショナル人材戦略拠点(電話073-433-3110)
対象になるのは、同拠点を通じて活用した紹介事業者の手数料に限られます。採用を進める前に拠点へ相談してください。

市町村ごとの違い|和歌山市・紀の川市のDX補助金
ツールの導入費を直接補助する制度は、市町村が独自に設けている場合があります。
公式ページで内容を確認できた2市を比較します。
| 項目 | 和歌山市 | 紀の川市 |
|---|---|---|
| 制度名 | 和歌山市生産性向上ツール導入補助金 | 紀の川市DX推進支援補助金 |
| 対象者 | 市内に主たる事務所(個人は住所・事務所)を有する中小企業者(法人・個人)。市税の滞納がないことなど | 申請日時点で紀の川市に事業所を有する方。市税の滞納がないことなど |
| 対象 | AIツール、IT・IoTツールの導入(ソフトウェア購入費、機械器具購入費、保守費、外注費、クラウド利用費、研修費) | DX診断、社内研修、外部研修参加、リモートワーク整備、DX関連設備導入、ECサイト・ホームページ開設など |
| 補助率 | 2分の1(1,000円未満切り捨て) | 2分の1 |
| 上限 | 50万円 | 事業区分ごとに異なります(2026年度)。現状診断・実施計画策定50万円/自社研修開催・外部研修参加5万円/リモートワーク環境整備(正社員5名以上)20万円/設備導入は先端設備等導入計画の認定あり50万円・認定対象外10万円/ECサイト導入・ホームページ開設10万円 |
| 申請期間 | 令和8年10月1日(木曜日)から。予算枠に達し次第終了 | 令和8年度の受付状況は公式ページでご確認ください |
| 窓口 | 産業交流局商工振興課 073-435-1233 | 農林商工部商工労働課 0736-77-2511 |
和歌山市の補助金は、支援機関等の支援を受けた事業計画書が必要で、計画期間終了時の労働生産性の伸び率が2%以上となる見込みであることが要件です。事業は交付決定から令和9年2月26日までに完了させる必要があります。
また、特定業務への導入やシステム連携を伴わない汎用的なツールは対象外です。当年度と前年度に類似の補助金の交付を受けていないことも要件に含まれます。
上記以外の市町村については、今回は公式情報を確認できていません。事業所のある市町村の商工担当課、または地域の商工会議所・商工会でご確認ください。
国のDX補助金を和歌山の事業者が使うときの考え方
県や市町村の制度に当てはまらない場合は、国の補助金が選択肢になります。
代表的なのは、中小企業庁が所管するデジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)です。会計、受発注、決済などのITツールを導入する中小企業・小規模事業者を対象とした制度です。
補助率・上限額・申請締切は枠ごとに細かく決まっています。今回は公式資料の原文を確認できなかったため、数値は中小企業庁および事務局の公式サイト(公募要領)でご確認ください。
和歌山の事業者が押さえておきたいのは次の3点です。
- 同じ経費に、国と市町村の補助金を重ねて受けられるとは限りません。併用の可否は各制度の要領に定めがあります。
- 多くの補助金は、交付決定の前に契約・発注した経費は対象外になります。
- 補助金は原則として後払いです。いったん全額を自社で支払う資金繰りが必要です。
和歌山県のDX補助金の申請手順と落とし穴|相談から実績報告まで
制度が違っても、申請の流れはおおむね共通しています。
- 課題を言葉にする。「予約の電話対応に毎日1時間かかる」のように、困りごとを具体的に書き出します。
- 相談窓口で制度を絞る。DX推進員相談やデジタル専門家派遣を使い、自社に合う制度を確認します。
- 公募要領を読み、対象経費と締切を確認する。対象外の経費が見積に混ざっていないかを見ます。
- 見積と事業計画書を用意する。和歌山市のように支援機関の支援が要件の制度もあります。
- 申請し、交付決定を待つ。審査があり、申請すれば必ず交付されるものではありません。
- 交付決定後に契約・導入・支払いを行う。期限内に事業を完了させます。
- 実績報告を提出し、補助金を受け取る。領収書や導入の証拠書類を保管しておきます。

和歌山県のDX補助金でよくある落とし穴
制度選びと申請の段階でつまずきやすい点を、公式情報から読み取れる範囲でまとめます。
- 「県のDX補助金」を探し続けて時間を使ってしまう。県の補助金は業種別が中心です。対象業種でなければ、早めに市町村と国の制度へ目を向けます。
- 予算枠で受付が終わる。和歌山市の補助金、成長企業支援補助金、デジタル専門家派遣は、いずれも予算に達し次第終了と案内されています。
- 汎用ツールが対象外になる。和歌山市では、特定業務への導入やシステム連携を伴わない汎用的なツールは対象外です。
- 完了期限に間に合わない。和歌山市は令和9年2月26日までの完了が必要です。納期のかかる機器は逆算して計画します。
- 前年度の情報で準備してしまう。年度によって要件や期間が変わります。必ず令和8年度の要領を確認してください。
よくある質問
和歌山県には、業種を問わず使える県独自のDX補助金はありますか?
2026年10月1日時点で、和歌山県の「令和8(2026)年度 デジタル化支援メニュー」の補助金区分に並んでいるのは、介護・農業・畜産・水産・タクシー・バスなど業種別の制度が中心です。補助金以外の支援としては、費用負担のないデジタル専門家派遣(対象分野の定めあり)やデジタル経営診断が用意されています。設備やツールの導入費は、国の補助金や市町村の補助金と組み合わせて検討する形になります。
個人事業主でも和歌山のDX関連の支援は使えますか?
制度によって異なります。和歌山市生産性向上ツール導入補助金は、市内の中小企業者(法人・個人)が対象と案内されています。県のデジタル専門家派遣は、令和8年度のチラシで、県内に事務所等を有する地場産業・観光・人手不足分野の事業者が対象とされています。いずれも細かい要件があるため、申請前に各窓口でご確認ください。
ホームページやECサイトの制作費はDX補助金の対象になりますか?
制度ごとに対象経費が違います。紀の川市DX推進支援補助金は、補助対象事業にECサイト・ホームページ開設が含まれると案内されています。一方、和歌山市生産性向上ツール導入補助金は、特定業務への導入やシステム連携を伴わない汎用的なツールは対象外です。自社の計画が対象になるかは、見積を取る前に窓口へ確認するのが確実です。
和歌山県のDX補助金はいつまでに申請すればよいですか?
締切は制度ごとに異なります。スマート水産業推進事業補助金は令和8年12月18日(金)まで、タクシー事業者生産性向上支援事業は令和8年12月25日(金)まで(運転手確保対策事業を除く)、成長企業支援補助金は令和9年2月1日(月)17時必着です。和歌山市の補助金のように予算枠に達し次第終了する制度もあるため、早めの相談をおすすめします。
まずどこに相談すればよいですか?
何から始めるか決まっていない段階なら、わかやま産業振興財団のDX推進員相談(電話073-433-8556)か、県企業振興課のデジタル専門家派遣(電話073-441-2760)が入口になります。使いたい補助金が決まっている場合は、その制度の担当課へ直接問い合わせてください。
まとめ|和歌山県のDX補助金は「相談→市町村・国の制度」の順で探す
和歌山県のDX補助金は、県・市町村・国の3層に分けて見ると整理しやすくなります。
- 県の補助金は業種別。スマート水産業は令和8年12月18日(金)、タクシー事業者向けは12月25日(金)が締切です。
- 補助金の対象業種でない場合の入口は、費用負担のないデジタル専門家派遣(令和8年12月28日まで募集、予算上限あり、対象分野の定めあり)です。
- ツール導入費は、和歌山市(2分の1・上限50万円、令和8年10月1日受付開始)など市町村の制度と、国の制度を確認します。
まずは事業所のある市町村の制度の有無を確認し、迷ったらわかやま産業振興財団のDX推進員相談(電話073-433-8556)へ問い合わせてみてください。
この記事は2026年10月1日時点の公式情報に基づきます。最新の要件・金額・締切は、各制度の公式ページでご確認ください。
