この記事は2026年10月4日時点の公式情報に基づきます。
東京で働きながら「そろそろ和歌山に戻ろうか」「和歌山市なら電車も海も近いし、暮らしは回るかもしれない」と考えはじめた方は少なくありません。
ただ、実際に調べはじめると手が止まります。「移住支援金は100万円」と書かれた記事がいくつも出てくるのに、和歌山市の公式ページを開くと金額が違うからです。
これは誤りではなく、移住支援金が国の枠組み・県の事業・市の交付額という三層構造になっていて、実際にいくら受け取れるかは移住先の市町村が決めるためです。和歌山市の場合、市が令和8年度に公表している交付額は単身20万円・2人以上の世帯40万円です。
誰が:移住直前の10年間で通算5年以上東京23区に在住(または東京圏のうち条件不利地域以外の地域に在住し23区へ通勤・通学)し、和歌山市へ転入して市内で就業・テレワーク・起業などを行う方
いくら:令和8年度は単身20万円/2人以上の世帯40万円
いつまで:令和8年4月1日〜令和9年1月31日(転入後1年以内の申請)
どこへ:和歌山市 市長公室 企画政策部 シティプロモーション課(073-435-1013)
この記事では、和歌山市移住支援金の対象要件・交付額・申請期間・窓口を市の公式ページの記載に沿って整理し、東京23区以外から移住する方が使える「わかやま暮らし応援金」との使い分け、住まいや子育てで併せて検討できる和歌山市の制度、そして申請前に確認しておきたい落とし穴までまとめます。
とくに「100万円もらえると思って会社に退職を伝えた」という順番で動くと計画が崩れます。読み進める前に、先に基本情報表で金額と期限を押さえてください。

和歌山市移住支援金とは|国・県・市の三層構造を先に理解する
和歌山市移住支援金は、国の地方創生移住支援事業を土台に、和歌山県と県内市町村が実施する移住支援事業の和歌山市版です。
内閣官房・内閣府が示す国の枠組みでは、東京圏から地方へ移住して就業・起業する方に対し、市町村が移住支援金を支給する場合にその経費の一部を支援するしくみになっています。国の資料では世帯で最大100万円、単身で最大60万円、18歳未満の子どもを帯同する場合は1人あたり最大100万円の加算が示されています(内閣官房・内閣府「移住支援金」解説)。
和歌山県も、県内の中小企業等の人手不足解消と移住・定住促進を目的に、県内30市町村と移住支援事業を実施しています。県のページには世帯100万円・単身60万円・18歳未満の帯同者1人につき100万円加算という金額が示されつつ、「支援金額は市町村によって異なります」と明記されています(和歌山県 移住支援事業(移住支援金)等について)。
つまり「最大いくらか」を決めるのは国と県、「実際にいくら出すか」を決めるのは移住先の市町村です。和歌山市へ移住する方が見るべきは、和歌山市の公式ページに書かれた金額ということになります。
和歌山市移住支援金の基本情報|金額・期間・窓口
和歌山市が公表している内容を一覧にまとめます。要件の細部は公募要領にあたる市の案内で必ず確認してください。
| 制度名 | 和歌山市移住支援金(令和8年度) |
|---|---|
| 実施主体 | 和歌山市(和歌山県移住支援事業/国の地方創生移住支援事業に基づく) |
| 対象者 | 移住直前の10年間で通算5年以上、東京23区に在住(または東京圏のうち条件不利地域以外の地域に在住し23区へ通勤・通学)し、和歌山市へ転入して、就業(マッチングサイト掲載求人)・専門人材事業の利用・テレワーク・本市認定関係人口・起業のいずれかに該当する方 |
| 補助率・上限 | 定額。単身20万円/2人以上の世帯40万円 |
| 申請期間 | 令和8年4月1日〜令和9年1月31日(転入後1年以内) |
| 窓口 | 和歌山市 市長公室 企画政策部 シティプロモーション課/073-435-1013 |
| 公式URL | 和歌山市移住支援金(和歌山市公式) |
18歳未満の子どもを帯同する場合の加算額は、和歌山市の公式ページでは記載を確認できませんでした。子育て世帯で加算を見込んで資金計画を立てる方は、加算の有無と金額を和歌山市(シティプロモーション課・073-435-1013)の公式サイト・交付要綱でご確認ください。また令和8年度の受付は先着順で、予算に達し次第停止すると市公式ページに明記されています(予算額そのものは公表を確認できませんでした)。あわせて市公式ページは移住支援金の対象者を「わかやま暮らし応援金交付要綱に規定する支給対象者であって」と定めているため、移住相談等の利用が要件に関わるかも窓口でご確認ください。
対象になるのは誰か|在住要件・就業要件の5ルート
和歌山市移住支援金は、①移住元に関する在住要件と、②移住後の働き方に関する要件の両方を満たす必要があります。
在住要件(移住元・移住先)
市の公式ページでは、次の内容が示されています。
- 直近5年間、和歌山県外に在住していたこと
- 移住直前の10年間のうち通算5年以上、東京23区に在住していたこと(東京圏のうち条件不利地域以外の地域から23区へ通勤していた期間を含む)
- 東京圏のうち条件不利地域以外の地域に在住して東京23区内の大学等へ通学し、23区内の企業等へ就職した方は、就業年限を上限(高等専門学校は2年を上限)として通学期間も移住元の対象期間にできること
- 移住直前に連続して1年以上、東京23区に在住、または東京圏のうち条件不利地域以外の地域に在住し、雇用保険の被保険者・法人経営者・個人事業主として東京23区へ通勤していたこと(通勤期間は移住3か月前までを当該1年の起算点にできる)
- 申請時点で和歌山市へ転入後1年以内であること
さらに市の公式ページでは、移住支援金の申請日から5年以上継続して和歌山市に居住する意思を有していることも要件とされています。短期の赴任のような形では対象になりません。
働き方の要件(就業・テレワーク・起業)
移住後の働き方は、次の5ルートのいずれかに該当する必要があります。
| ルート | 主な要件(市公式の記載に基づく) |
|---|---|
| 就業(マッチングサイト) | 勤務地が和歌山市内で、和歌山県のマッチングサイトに移住支援金の対象として掲載された求人への就職(応募日が掲載日以後であること)。週20時間以上の無期雇用契約で、申請日から5年以上継続して勤務する意思があること。3親等以内の親族が経営を担う法人への就業は対象外 |
| 専門人材 | 内閣府地方創生推進室のプロフェッショナル人材事業または先導的人材マッチング事業を利用して移住・就業すること。勤務地が市内で週20時間以上の無期雇用契約、申請日から5年以上継続して勤務する意思があること |
| テレワーク | 所属先企業等の命令ではなく自己の意思による移住で、和歌山市を生活の本拠とし、移住前の業務を継続すること |
| 本市認定関係人口 | 本市または本市の地域の人々と関わりを有する者のうち、市内で農林水産業に従事していること |
| 起業 | 申請日以前1年以内にわかやま地域課題解決型起業支援補助金の交付決定を受けていること |
就業ルートで注意したいのは、求人の探し方そのものが要件になっている点です。和歌山県の移住支援事業の対象求人は、県の就職マッチングサイト「はたらコーデわかやま」に掲載されます(はたらコーデわかやま 移住支援金について)。一般の転職サイト経由で同じ会社に入っても、掲載求人としての条件を満たすかは個別確認が必要です。内定を受ける前に窓口に確認するのが安全です。
申請の流れと締切|転職・引越しの順番を間違えない
結論として、支援金は「移住して、働きはじめてから」申請する後払いの制度です。先に申請して内定をもらう流れではありません。
- 事前相談:シティプロモーション課(073-435-1013)に、自分の在住歴と働き方が要件に合うかを確認する
- 対象求人の確認:就業ルートなら「はたらコーデわかやま」の移住支援金対象求人から応募する。テレワークルートなら勤務形態と移住理由を整理する
- 和歌山市へ転入:住民登録を行う
- 就業・テレワーク開始:雇用契約書など働き方を証明できる書類を保管する
- 申請(転入後1年以内・令和9年1月31日まで):市の案内に沿って必要書類を提出する
必要書類の様式と部数は市の案内で指定されます。住民票の除票や戸籍の附票で東京23区での在住歴を証明する書類が必要になるため、引越し前に取得できるものを把握しておくと手戻りがありません。
申請期間の終わりは令和9年1月31日です。年度末の3月まで受け付けていると思い込むと、転入後1年以内であっても間に合いません。年明けの転入を予定している方は、次年度の受付開始を待つべきか窓口に相談してください。

東京23区からでない方へ|わかやま暮らし応援金という選択肢
和歌山市移住支援金は東京23区在住・通勤歴が前提です。大阪・名古屋・福岡など東京圏以外から和歌山市に移住する方は対象になりません。
この層を受けとめているのが、和歌山市独自の「わかやま暮らし応援金」です。市の公式ページでは次の内容が示されています。
| 制度名 | わかやま暮らし応援金(令和8年度) |
|---|---|
| 実施主体 | 和歌山市 |
| 対象者 | 直前5年間、和歌山県内に住民登録がなく、移住相談・就職相談・お試し居住・トライアル和歌山市活動費支援金などを利用してから1か月以上経過後に和歌山市へ移住した方(和歌山市移住支援金の交付を受けていないことが要件) |
| 補助率・上限 | 単身10万円/2人以上の世帯20万円。移住推進要件に2つ以上該当する場合は10万円加算 |
| 申請期間 | 令和8年4月1日〜令和9年2月26日 |
| 窓口 | 和歌山市 シティプロモーション課/073-435-1013 |
| 公式URL | わかやま暮らし応援金(和歌山市公式) |
就業要件は、市内勤務で週20時間以上の無期雇用、和歌山県外の企業に勤務する被雇用者としての市内テレワーク、市内での起業のいずれかです(官公庁等への就業・テレワーク、3親等以内の親族が経営を担う法人への就業は対象外)。加算の対象となる移住推進要件は、①市内の空き家(1年以上居住されていない建築物)の購入と居住、②市内での農業または漁業への従事、③若年者(満18歳〜満39歳)または子育て世帯、④市長が別に定める高齢化が進展している地区(加太・雑賀崎・田野)への転入の4項目で、このうち2つ以上に該当する場合に10万円が加算されます。若年者と子育て世帯は公式では同じ1項目なので、両方に当てはまっても加算要件は1つと数えます。
ここで見落としやすいのが「移住相談などを利用してから1か月以上経過後の移住」という順序の条件です。相談せずに引越しを済ませてしまうと、後から相談しても要件を満たせない可能性があります。和歌山市への移住を検討しはじめた段階で、まず相談の記録を作っておくという考え方が必要です。
住まい・子育てで併せて検討できる和歌山市の制度
移住支援金は「移住そのもの」への支援です。和歌山市では、住まいや同居に関する補助も別に用意されています。
| 制度名 | 対象 | 補助率・上限 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 移住者空き家改修等補助金 | 和歌山県外からの移住者で、空き家バンク登録の市内空き家を取得し10年以上定住する意思がある方 | 対象経費の3分の2。改修工事費と家財道具等処分費を合わせて上限50万円(家財道具等処分費は上限10万円)。令和8年度の交付件数は2件分(予定)で、予定件数に達し次第募集終了 | 都市建設局 建築住宅部 耐震・空家対策課/073-435-1091 |
| 三世代ファミリー助成金 | 市外から転入し、中学生以下の子がいる子世帯が市内で親世帯と新たに同居・近居(直線2km以内)するための住宅取得・リフォーム | 費用の10分の1、1戸あたり上限30万円(申請期限は登記日・転入日・工事代金支払日のうち最も遅い日から30日以内) | 福祉局 こども未来部 子育て支援課/073-435-1329 |
空き家改修の補助は、空き家バンクに登録されている物件を取得することが前提です。一般の不動産流通で同程度の中古住宅を買った場合は対象外になり得るため、物件探しの入口から変わります。改修工事も「取得から1年以内に事業者に行わせる」ことが条件として示されています。
まず和歌山市移住支援金とわかやま暮らし応援金は併用できません。市公式ページでは、応援金の支給要件として移住支援金の交付を受けていないことが挙げられ、移住支援金を受けている場合は応援金の返還事由とされています。また三世代ファミリー助成金は、国・和歌山県・和歌山市の住宅改修に関する他の補助金等の対象となった工事を対象外としているため、同じ工事で空き家改修補助と重ねることはできません。一方、移住支援金・応援金とこれら住宅系補助を同時に受けられるかどうかは、和歌山市の公式サイト・各交付要綱では明記を確認できませんでした。資金計画に組み込む前に、シティプロモーション課と各担当課の双方にご確認ください。
和歌山市の移住支援金でよくある落とし穴
要件を満たしていたのに受け取れない、というケースは手続きの順序で起きます。
- 金額を他県・他市の情報で見積もってしまう:令和8年度の和歌山市の交付額は単身20万円・世帯40万円です。「世帯100万円」は国・県が示す上限で、市町村により異なります
- 会社の辞令で転勤した:テレワークルートは自己の意思による移住が前提です。企業の命令による転居は対象外とされています
- 求人の入口を間違える:就業ルートは県のマッチングサイト掲載求人への就職が要件です。応募前の確認が必要です
- 相談より先に引越しを済ませる:わかやま暮らし応援金は相談等の利用後1か月以上経過後の移住が要件です
- 締切を年度末と思い込む:移住支援金は令和9年1月31日、暮らし応援金は令和9年2月26日で期間が異なります
- 在住歴の証明書類を用意していない:東京23区での通算5年以上を書類で示せるかが要件判定の核です
- 移住支援金と暮らし応援金を両方もらえると考える:どちらか一方のみで、併用はできません
いずれの制度も審査があり、要件を満たせば必ず満額が交付されると決まっているわけではありません。予算の範囲内で実施される制度であるという前提で、早めに窓口に当たるのが現実的です。

Version 2: Kumoha590
Version 1: Ribbon / Wikimedia Commons (CC BY 3.0)
よくある質問
和歌山市の移住支援金は100万円もらえますか?
令和8年度に和歌山市が公表している交付額は単身20万円、2人以上の世帯40万円です。国や和歌山県の資料に示されている世帯100万円・単身60万円は制度全体の上限で、県のページにも「支援金額は市町村によって異なります」と記載されています。和歌山市へ移住する場合は市の公式ページの金額でご確認ください。
大阪から和歌山市に移住する場合も移住支援金の対象ですか?
和歌山市移住支援金は、移住直前の10年間のうち通算5年以上東京23区に在住(または東京圏のうち条件不利地域以外の地域に在住し23区へ通勤・通学)していた方が対象です。大阪からの移住は要件を満たしません。ただし和歌山市独自の「わかやま暮らし応援金」は、直前5年間和歌山県内に住民登録がないことなどの要件で、県外からの移住者を対象としています。
テレワークのまま和歌山市に移住しても対象になりますか?
和歌山市の公式ページでは、所属先企業等からの命令ではなく自己の意思により移住し、和歌山市を生活の本拠としてテレワーク勤務を行う場合が対象として示されています。会社の転勤命令による転居は対象外とされているため、移住の経緯を説明できるようにしておく必要があります。
移住支援金の申請はいつまでにすればよいですか?
令和8年度の申請期間は令和8年4月1日から令和9年1月31日までで、申請時点で和歌山市へ転入後1年以内であることが要件です。わかやま暮らし応援金は令和9年2月26日までと期間が異なります。転入時期によって年度の区切りが関係するため、事前にシティプロモーション課(073-435-1013)へご確認ください。
移住支援金と空き家改修の補助は一緒に使えますか?
和歌山市には移住者空き家改修等補助金(対象経費の3分の2・合わせて上限50万円)や三世代ファミリー助成金(費用の10分の1・1戸あたり上限30万円)があります。なお和歌山市移住支援金とわかやま暮らし応援金は併用できないことが市公式ページに明記されており、三世代ファミリー助成金は国・和歌山県・和歌山市の他の補助金等の対象となった工事を対象外としています。移住支援金と住宅系補助の併用可否は、公式サイト・各交付要綱では明記を確認できませんでしたので、シティプロモーション課と耐震・空家対策課(073-435-1091)、子育て支援課(073-435-1329)にそれぞれお問い合わせください。
和歌山市移住支援金は、東京23区での在住・通勤歴が通算5年以上ある方が、和歌山市で就業・テレワーク・起業などを行う場合に令和8年度は単身20万円・世帯40万円を受け取れる制度です。申請は令和8年4月1日〜令和9年1月31日、転入後1年以内が要件です。
東京圏以外からの移住なら「わかやま暮らし応援金」(単身10万円・世帯20万円+移住推進要件2つ以上で10万円加算、令和9年2月26日まで)が選択肢になります(移住支援金と応援金の併用はできません)。どちらも相談・求人・転入・就業の順序そのものが要件です。動き出す前に、シティプロモーション課(073-435-1013)に自分のケースを当ててみてください。
この記事は2026年10月4日時点で和歌山市・和歌山県・内閣官房の公式ページを確認して作成しています。最新の要件・金額・締切は必ず公式の案内でご確認ください。
