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田辺市 新事業進出補助金は公募終了【令和8年度】代替制度と窓口

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田辺市 新事業進出補助金は公募終了【令和8年度】代替制度と窓口
田辺市 新事業進出補助金は公募終了【令和8年度】代替制度と窓口

この記事は2026年10月17日時点の公式情報に基づきます。

「田辺市で新事業進出補助金を使って新分野の設備や建物に投資したい」。そう考えて公式サイトを開いたら、「本補助金の公募は終了しております」という一文が出てきて、手が止まってしまった方が多いのではないでしょうか。

田辺市は梅や水産物、木材といった一次産品の加工から、観光・宿泊、建設、小売まで業種の幅が広い地域です。だからこそ「既存事業の延長ではない新しい分野へ出る」ための投資に、数千万円規模の補助金が必要になります。ところがこの分野の制度は2026年に入って公募サイトそのものが入れ替わり、昨年の資料で準備すると要件の数値が合わないという事故が起きやすくなっています。

✓ 結論(3行)

・「中小企業新事業進出補助金」は公募終了。公式サイトに「新規の受付は『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金』まで」と記載されています。

・いま新規で申請できるのは「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の新事業進出枠。補助率1/2(2/3)、上限2,500万〜7,000万円、下限750万円、第1回の応募締切は令和8年10月30日(金)18:00です。

・田辺市独自の新事業進出補助金や上乗せ補助は市公式サイトで確認できませんでした。相談先は田辺商工会議所または地区の商工会、市は商工振興課(0739-26-9970)です。

この記事では、終了した制度と現行制度の関係、田辺市の事業者が満たすべき対象者要件と対象経費、補助率・上限額の表、申請の流れと締切、田辺市内6団体の相談窓口、田辺市と和歌山県で併せて検討できる制度、そして実務で踏みやすい落とし穴までを、公式サイトと公募要領の原文だけで整理します。

記事の後半では、旧制度の第4回公募における和歌山県の応募件数・採択件数という、県内の事業者が自社の勝ち目を測るための実データも載せています。

和歌山県田辺市役所の外観
写真: Bakkai at Japanese Wikipedia / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)
制度名 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出枠)/旧・中小企業新事業進出補助金は公募終了
実施主体 独立行政法人中小企業基盤整備機構(事務局業務は全国中小企業団体中央会を主幹事としたコンソーシアムが運営)
対象者 中小企業者等(資本金又は常勤従業員数が業種ごとの基準以下)、小規模企業者・小規模事業者、特定事業者の一部(資本金10億円未満)
補助率・上限 新事業進出枠:1/2(地域別最低賃金引上げ特例の適用時は2/3)/上限2,500万〜7,000万円(賃上げ特例適用時は3,000万〜9,000万円)/下限750万円
申請期間 第1回公募:公募開始 令和8年6月29日(月)、申請受付開始 令和8年9月30日(水)、応募締切 令和8年10月30日(金)18:00厳守
窓口 申請は電子申請システム(事務局はコールバック予約制)/相談は田辺商工会議所・市内5商工会、田辺市商工振興課 0739-26-9970
公式URL 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイト

田辺市で「新事業進出補助金」を調べた方がまず知るべき制度概要

この章の要点は1つです。検索で出てくる「中小企業新事業進出補助金」のサイトは、すでに公募を締め切っています。

旧制度の公式サイト(shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp)には、2026年10月17日時点で「中小企業新事業進出補助金の公募は終了しました」「本補助金の公募は終了しております」「新規の受付は『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金』まで」と明記されています。あわせて「第3回公募の交付申請受付は2026年9月1日(火)18:00をもって終了しました」という案内も残っており、すでに採択された事業者の手続きが終盤に入っている段階だと分かります。

いま新規に応募できるのは、名称のよく似た「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」です。枠は次の3つに分かれています。

  • 革新的新製品・サービス枠(補助下限100万円)
  • 新事業進出枠(補助下限750万円。新分野への進出を考えている田辺市の事業者が中心に見る枠)
  • グローバル枠(補助下限750万円)

ここで注意したいのが、この新しい制度の公式サイトに「『中小企業新事業進出補助金』と『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金』とは異なる補助金です」という注記が置かれていることです。つまり「旧制度の後継・統合版」と説明している公式記載はありません。本記事でも「旧制度は終了した」「いま公募中なのは別の制度」という書き方に留めます。旧制度の交付決定を受けている事業者は、引き続き旧制度の要領と事務局の案内に従うことになります。

国・県・市の関係で整理すると、この補助金は国の制度(実施主体は独立行政法人中小企業基盤整備機構、事務局業務は全国中小企業団体中央会を主幹事としたコンソーシアムが運営)で、申請は電子申請システムに直接行います。和歌山県や田辺市が窓口になるわけではありませんが、事業計画の相談・認定経営革新等支援機関としての関与という形で、田辺商工会議所や市内の商工会が実務に関わります。

対象になる田辺市の事業者と、対象経費のルール

結論として、規模要件は「資本金」と「常勤従業員数」のどちらかを満たせばよいOR条件で、新事業進出枠では経費の中身にも必須条件があります。

公募要領(P17)の原文は「資本金又は常勤従業員数が下表の数字以下であること。」です。「資本金も従業員数も下回っていないとだめ」と読み違えると、本来申請できる事業者が自分で候補から外れてしまいます。主な業種の基準は次のとおりです。

業種 資本金 常勤従業員数
製造業・建設業・運輸業ほか(その他の業種) 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業(下記以外) 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
ゴム製品製造業(一部を除く) 3億円以下 900人以下

小規模企業者・小規模事業者は資本金ではなく常勤従業員数のみで判定され、製造業その他20人以下、商業・サービス業5人以下、宿泊業・娯楽業20人以下となっています。田辺市の宿泊業や飲食・小売の多くはこの区分に入ります。あわせて「特定事業者の一部(資本金10億円未満)」も対象に含まれます。

新事業進出枠の事業要件は「新規性」と「新市場」の2つ

公募要領(P7)の原文は、「①事業で新たに製造又は提供する製品、商品もしくはサービスが、事業を行う中小企業等にとって、新規性を有するもの、かつ、②事業で新たに製造等する製品等の属する市場が、事業を行う中小企業等にとって、新たな市場であるものが補助対象です。」です。

ここは「かつ」で結ばれており、製品・サービスの新規性だけ、あるいは新しい販路だけでは要件を満たしません。たとえば梅加工の事業者が既存ラインの増産設備を入れるだけでは新事業進出枠の趣旨から外れ、観光宿泊業が新たに食品製造へ踏み出すような計画が想定されやすい、という読み方になります。実際の判定は審査によりますので、計画段階で支援機関に相談しておくのが安全です。

対象経費には「必須経費」がある

公募要領(P27)には「機械装置・システム構築費又は建物費のいずれかが必ず補助対象経費に含まれていなければなりません。」と書かれています。新事業進出枠は建物費が対象経費に入るため、工場や加工所、客室の新設・改修を含む計画が組みやすい一方、広告宣伝費や外注費だけの申請はできません。

新事業進出枠の対象経費は、機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費です。機械装置・システム構築費の定義は「専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費」とされており、既存事業と兼用の設備は説明が難しくなります。車両などは対象外の扱いが定められているため、費目の可否は必ず最新の公募要領で確認してください。

補助率・補助上限額と、和歌山県の最低賃金に関わる要件

この章の要点は、上限額は従業員数で変わり、補助率が2/3になるのは特例の適用を受けた場合だけということです。

枠 従業員数 補助上限額(基本) 賃上げ特例適用時 補助率
新事業進出枠
(下限750万円)
1〜20人 2,500万円 3,000万円 1/2(2/3)
21〜50人 4,000万円 5,000万円 1/2(2/3)
51〜100人 5,500万円 7,000万円 1/2(2/3)
101人以上 7,000万円 9,000万円 1/2(2/3)
革新的新製品・サービス枠
(下限100万円・参考)
1〜5人 750万円 850万円 中小企業者1/2(地域別最低賃金引上げ特例の適用時は2/3)/小規模企業・小規模事業者、再生事業者は2/3
6〜20人 1,000万円 1,250万円 同上
21〜50人 1,500万円 2,500万円 同上
51人以上 2,500万円 3,500万円 同上

補助率の括弧内については、公募要領(P7)に「地域別最低賃金引上げ特例の適用による補助率の引上げを受ける事業者の場合、括弧内の補助率を適用」と書かれています。新事業進出枠は小規模企業者や再生事業者でも基本は1/2で、「小規模だから自動的に2/3」ではありません。この特例は、2024年10月から2025年9月までの間に、当該期間の地域別最低賃金以上かつ2025年度改定額未満の水準で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上あることなどが条件で、適用すると基本要件から事業場内最低賃金の水準要件が外れる扱いになっています。

基本要件の3つの数値

公式サイトに示されている基本要件は次の3点です(補助事業終了後3〜5年の事業計画で満たす必要があります)。

  • 付加価値額の年平均成長率+4.0%以上の増加
  • 1人あたり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上の増加
  • 事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上高い水準

和歌山県の地域別最低賃金は、厚生労働省の令和8年度の全国一覧で1,101円(発効日 令和8年10月3日)です。これに+30円を足すと1,131円以上が事業場内最低賃金の目安になります(計算値です)。さらに上限額を引き上げる賃上げ特例は、給与支給総額+6.0%、事業場内最低賃金+50円(和歌山県なら1,151円以上。これも計算値)が水準で、各申請枠の補助上限額に達しない場合は適用できない、革新枠で地域別最低賃金引上げ特例を申請する事業者は適用できない、といった制限が付いています。要件を満たせば上限額が上がる仕組みですが、審査があり満額の交付が保証されるものではありません。

申請の流れと令和8年度 第1回公募の締切

結論として、締切は令和8年10月30日(金)18:00、申請は電子申請システムのみ、GビズIDの準備に1週間程度かかります。

⚠ 注意

公式サイトの公募スケジュールには旧日程が取り消し線で残っています。検索結果やまとめサイトで「締切9月30日」と見えることがありますが、第1回の応募締切は令和8年10月30日(金)18:00厳守です。最新の日程は必ず公式の公募スケジュールで確認してください。

  1. GビズIDプライムアカウントの取得:公募要領(P2)に「GビズIDプライムアカウントの発行には、1週間程度時間を要します。」と記載があります。締切直前に申し込むと間に合いません。
  2. 事業計画の作成:新規性と新市場の2要件、基本要件の3つの数値、必須経費を満たす形で組み立てます。外部の支援を受ける場合でも、公募要領は申請者自身で作成することを求めています。
  3. 認定経営革新等支援機関などへの相談:田辺商工会議所・市内5商工会は、田辺市創業支援等事業計画で創業支援のワンストップ相談窓口に指定されています。市の先端設備等導入計画のページでは認定経営革新等支援機関の例として「商工会議所、商工会等」が挙げられていますが、個別の団体が認定支援機関かどうかは中小企業庁の一覧でご確認ください。
  4. 電子申請:「申請は、電子申請システムでのみ受け付けます。」とされており、郵送・持参はできません。
  5. 採択発表・交付申請:第1回の採択発表は令和9年1月(予定)です。採択後も交付申請・交付決定の手続きがあり、交付決定前に発注・契約した経費は対象外になります。

補助事業の実施期間は、公募要領(P8)で新事業進出枠が「交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)」とされています。建物を建てる計画の場合、設計・確認申請・施工の期間がこの中に収まるかを先に逆算しておく必要があります。なお事務局には直通の問い合わせ電話がなく、コールバック予約制です。質問は早めに出しておきましょう。

和歌山県田辺市の扇ヶ浜海岸
写真: Ebiebi2 / Wikimedia Commons (CC0)

田辺市の相談窓口(商工会議所・5商工会・市商工振興課)

田辺市は平成17年の合併で市域が広く、事業所の所在地によって相談先の団体が変わります。田辺市創業支援等事業計画のページに、市内の商工会議所・商工会の連絡先が一覧で掲載されています。

団体名 所在地 電話/FAX
田辺商工会議所 田辺市新屋敷町1 0739-22-5064/FAX 0739-25-2783
牟婁商工会 田辺市上秋津2084-1 0739-35-1110/FAX 0739-35-1112
龍神村商工会 田辺市龍神村西376 0739-78-0472/FAX 0739-78-0783
中辺路町商工会 田辺市中辺路町栗栖川396-1 0739-64-1002/FAX 0739-64-1611
大塔村商工会 田辺市鮎川2567-1 0739-49-0171/FAX 0739-49-0371
本宮町商工会 田辺市本宮町本宮219 0735-42-0269/FAX 0735-42-1639
田辺市 商工振興課 〒646-8545 田辺市東山一丁目5番1号 本庁舎4階 0739-26-9970/FAX 0739-22-9903

出典は田辺市 創業支援等事業計画のページです。各団体の相談受付時間は公式ページで確認できなかったため、訪問前に電話での確認をおすすめします。

なお同じページには、特定創業支援等事業の支援を受けた方への優遇措置として、登録免許税の軽減(株式会社・合同会社は資本金の0.7%が0.35%に軽減)、創業関連保証の特例(事業開始の6か月前から利用可能)、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金の利率引き下げ、小規模事業者持続化補助金<創業型>の「補助上限200万円、補助率2/3」が示されています。創業間もない事業者が新事業進出枠の下限750万円に届かない場合、こちらを先に検討する選択肢があります。

田辺市・和歌山県で併せて検討できる制度

結論として、田辺市に独自の「新事業進出補助金」や、個々の事業者が国の制度に直接上乗せできる補助は、市公式サイトで確認できませんでした。ただし新設・増設・移転や市内での移設・建替えを伴う設備投資には市の奨励金が2本あり、商店街振興組合などの団体向けには国の補助制度との併用を前提にした補助金があります。あわせて設備投資に効く税制・金融支援も確認してください。

制度名 内容 窓口
先端設備等導入計画の認定(田辺市) 計画期間3年・4年・5年から選択、労働生産性が年平均3%以上向上、対象は機械装置/測定工具及び検査工具/器具備品/建物附属設備/ソフトウェア。認定経営革新等支援機関の事前確認が必須 市 商工振興課 0739-26-9970
田辺市企業立地促進奨励金 物品の製造業・情報通信業・特定サービス業の施設を新設・増設・移転する場合が対象。事業所等設置奨励金(新規取得した事業用資産の固定資産税相当額を5年間補助。製造業で県との立地協定に基づき投下固定資産総額が1億円超の新規立地は総額の1割・3千万円限度)、雇用奨励金(初年度は市内の新規雇用者数×15万円、3年間で100人限度)など。要件は製造業で投下固定資産総額1億円以上(中小企業は3千万円)かつ初年度の新規雇用等10人以上(中小企業は5人以上) 市 商工振興課 創業立地推進係 0739-26-9970
田辺市企業再投資促進奨励金 市内の施設を市内に移設・建替えする場合が対象。固定資産税相当額を5年間補助、製造業で投下固定資産総額が1億円超なら総額の1割(3千万円限度)。要件は製造業で投下固定資産総額1億円以上(中小企業は3千万円)・正社員21人以上・正社員一人につき年間売上高2千万円以上 市 商工振興課 創業立地推進係 0739-26-9970
田辺市商工業活性化支援事業費補助金 商店街振興組合・事業協同組合・商工会議所・商工会などの団体向け(個々の事業者は対象外)。補助対象経費の1/2以内・補助対象額450万円、国が定める補助制度を利用する場合は1/6以内・150万円以内 市 商工振興課 0739-26-9970
和歌山県中小企業成長促進補助金 補助率2/3以内・上限1,000万円(下限100万円)、要件は「生産性向上及び従業員の賃金向上に向けた事業計画を作成すること」、受付は令和8年5月18日〜7月31日(予算上限額に達したため新規申請の受理は終了) 県 商工企画課 073-441-2725
田辺市 小企業資金利子補給金 マル経融資・衛経融資について利子補給1.0%以内・3年。申請は商工会議所・商工会経由 市 商工振興課/各商工団体
田辺市 新規開業資金利子補給補助金 日本政策金融公庫および県の新規開業資金が対象、1.5%以内・5年(開業後7年まで)・限度額3,000万円以内 市 商工振興課
田辺市 信用保証料補助金 信用保証料の1年間相当分(千円未満切り捨て)、1年度1事業者1融資、申請期限は融資実行日より60日後 市 商工振興課
田辺市 梅干製造業経営支援資金利子補給補助金 経営支援資金(一般枠)が対象、1.0%以内・3年・限度額8,000万円以内 市 商工振興課
田辺市 小規模事業者持続化補助金 国の持続化補助金の第17回(令和7年6月13日締切)で不採択となった市内事業者向け。1/2以内・上限37.5万円(認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けた小規模事業者、買い物弱者対策等の事業を行う事業者は75万円) 市 商工振興課

特に見落としやすいのが先端設備等導入計画の順番です。市のページには「市から先端設備等導入計画の認定を受ける前に対象の先端設備を取得された場合は、支援措置が受けられません。」と明記されています。補助金の交付決定を待ってから発注する流れと、計画認定を設備取得前に済ませる流れを、同じスケジュール表の上で並べて管理してください。制度の詳細は田辺市 先端設備等導入計画と和歌山県 中小企業成長促進事業のページでご確認ください。

よくある落とし穴(和歌山県の採択データつき)

最後に、田辺市の事業者が実際につまずきやすい点を挙げます。いずれも「公式の原文を読んでいれば避けられる」ものです。

  • 終了した制度の資料で準備してしまう:旧「中小企業新事業進出補助金」のサイトは残っていますが新規受付はありません。要件の数値も現行の公募要領が基準です(付加価値額の年平均成長率は現行の公募要領で+4.0%以上。旧制度の第4回公募要領も4.0%でしたが、枠の構成・補助上限額・必須経費・実施期間は現行制度と異なります)。
  • 規模要件を「かつ」で読む:原文は「資本金又は常勤従業員数が下表の数字以下であること。」です。
  • 補助率2/3を前提に資金計画を組む:新事業進出枠の基本は1/2で、2/3は地域別最低賃金引上げ特例の適用を受けた場合です。
  • 下限750万円を見落とす:補助金額が750万円未満になる計画は新事業進出枠では申請できません。補助率1/2なら総額1,500万円規模の投資が前提になります。小さな投資は革新的新製品・サービス枠(下限100万円)や持続化補助金の検討になります。
  • 必須経費を含めない:機械装置・システム構築費か建物費のいずれかが必要です。
  • GビズIDと電子申請の準備不足:プライムアカウントの発行に1週間程度、申請は電子申請システムのみです。
  • 賃上げ特例を上限未満で申請する:各申請枠の補助上限額に達しない場合は適用できません。

和歌山県の採択状況(旧制度 第4回公募)

旧「中小企業新事業進出補助金」の第4回公募の結果概要には、都道府県別の件数が掲載されています。全国で1,499件の応募に対し採択508件(採択率は約33.9%。公式には率の記載がなく、件数からの計算値です)。

地域 応募件数 採択件数
全国 1,499件 508件
和歌山県 6件 1件
奈良県 7件 1件
三重県 36件 11件
大阪府 137件 41件

和歌山県からの応募は6件と、近隣府県と比べても少ない水準でした。競合が多いわけではなく、そもそも挑戦している県内事業者が少ないのが実情です。数千万円規模の投資計画を持っている田辺市の事業者にとっては、早めに支援機関と組んで計画を練る価値のある領域だと言えます(現行制度の採択傾向は公表されておらず、採択を保証するものではありません)。

和歌山県庁本館の外観
写真: Mont Blank rich / Wikimedia Commons (CC0)

よくある質問

田辺市に市独自の新事業進出補助金はありますか?

2026年10月17日時点で、田辺市公式サイトに市独自の新事業進出補助金や、個々の事業者が国の制度に直接上乗せできる補助の記載は確認できませんでした。市の支援は先端設備等導入計画の認定、企業立地促進奨励金・企業再投資促進奨励金(物品の製造業・情報通信業・特定サービス業の新設・増設・移転等が対象)、信用保証料補助金・利子補給の各制度、国の持続化補助金で不採択となった事業者向けの市版持続化補助金が中心です。最新の有無は商工振興課(0739-26-9970)にご確認ください。

新事業進出補助金と「ものづくり補助金」は同じ制度ですか?

異なります。現行の「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の公式サイトには「『中小企業新事業進出補助金』と『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金』とは異なる補助金です」という注記があります。現行制度は革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠の3枠構成で、枠ごとに補助下限額・必須経費・実施期間が違います。

補助率が2/3になるのはどんな場合ですか?

公募要領には「地域別最低賃金引上げ特例の適用による補助率の引上げを受ける事業者の場合、括弧内の補助率を適用」と記載されています。この特例は、2024年10月から2025年9月までの間に、当該期間の地域別最低賃金以上かつ2025年度改定額未満の水準で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上あることなどが条件です。要件の詳細は最新の公募要領でご確認ください。

和歌山県では事業場内最低賃金をいくら以上にすればよいですか?

基本要件は「事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上高い水準」です。和歌山県の地域別最低賃金は1,101円(発効日 令和8年10月3日)ですので、+30円で1,131円以上が目安になります(計算値)。賃上げ特例を使う場合は+50円で1,151円以上が目安です。最低賃金は毎年改定されるため、申請時点の額を厚生労働省の一覧でご確認ください。

田辺市のどこに相談すればよいですか?

事業所の所在地によって、田辺商工会議所(0739-22-5064)または牟婁・龍神村・中辺路町・大塔村・本宮町の各商工会が窓口になります。市の制度や先端設備等導入計画については商工振興課(0739-26-9970)です。補助金そのものの申請受付は国の電子申請システムで、事務局への質問はコールバック予約制となっています。

まとめ

田辺市で「新事業進出補助金」を探している方が今日できることは3つです。①旧制度は公募終了なので、現行の「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の公募要領を入手する。②新事業進出枠は補助率1/2(特例適用で2/3)・下限750万円・上限2,500万〜7,000万円で、機械装置・システム構築費か建物費が必須という前提で投資額を見直す。③GビズIDプライムの取得(1週間程度)と、田辺商工会議所または地区の商工会への相談を同時に進める。第1回の応募締切は令和8年10月30日(金)18:00厳守です。要件を満たせば申請できますが審査があり、採択や満額交付が保証されるものではありません。この記事は2026年10月17日時点の公式情報に基づいています。申請前に必ず最新の公募要領と田辺市・和歌山県の公式サイトでご確認ください。


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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