この記事は2026年10月6日時点の海南市・和歌山県の公式情報に基づきます。
和歌山県海南市の空き家を買って、あるいは借りて住もうと考えたとき、まず気になるのが「改修費はいくら補助されるのか」ではないでしょうか。
海南市の空き家は、空き家バンクに登録されている物件でも築年数の古いものが多く、水回りや屋根の改修に数百万円かかることも珍しくありません。「補助があるらしい」と聞いても、対象者の条件や申請のタイミングを間違えると1円も出ないのが補助金の怖いところです。
結論から言うと、海南市には「令和8年度(2026年度)海南市空家リフォーム工事補助事業」があり、市外からの移住者は工事費の3分の2(上限100万円)、若者世帯は3分の2(上限120万円)が補助されます。ただし募集は10件程度の先着順で、交付決定前に着工すると対象外です。
この記事では、海南市の空き家改修補助について、対象者・対象になる空き家・補助額・申請の流れ・窓口を海南市公式サイトの記載どおりに整理し、あわせて和歌山県の空き家改修補助金との関係も解説します。最後に、申請で落とされやすいポイントとよくある質問をまとめているので、申請前のチェックリストとしてお使いください。

いくら: リフォーム工事費の3分の2。購入・譲受は移住者100万円/若者世帯120万円が上限、賃借は移住者50万円/若者世帯60万円が上限
いつまで: 令和8年度は10件程度の先着順。予算到達で受付終了の可能性あり(締切日は公式に明記なし)
どこへ: 海南市役所本庁3階 都市整備課(073-483-8480)、下津行政局、各支所・出張所
海南市の空き家改修補助の全体像:市の制度と県の制度の2本立て
海南市で空き家の改修に使える補助は、海南市独自の「空家リフォーム工事補助事業」と、和歌山県の「空き家改修補助金」の2つがあります。
海南市の制度は、市外からの移住者と若者世帯を対象に、空き家のリフォーム工事費を補助するものです。市のまちづくり部都市整備課が所管しています。
一方、和歌山県の空き家改修補助金は、県外からの移住に際して居住用の空き家を改修する人に、改修工事経費の2分の1(上限100万円)を補助する制度で、対象地域は22市町村ですが、海南市内は大崎・塩津地区のみが対象です(令和8年度版チラシ)。さらに、県の「わかやま住まいポータルサイト」では2026年10月6日時点で「予算に達した為、募集を終了しました」と表示されています。再開の有無は県の地域振興課 地域支援班(073-441-2426)または海南市都市整備課で確認してください。
したがって、2026年10月時点で海南市の空き家改修に現実的に使えるのは、海南市の空家リフォーム工事補助事業が中心になります。以下はこの市の制度を軸に解説します。
出典: 海南市 支援制度リンク集(住まい)/わかやま住まいポータルサイト 支援制度を見る(和歌山県)
海南市空家リフォーム工事補助事業の基本情報(令和8年度)
制度の骨子を1つの表にまとめると次のとおりです。補助率は一律3分の2で、上限額が「誰が」「購入か賃借か」で4パターンに分かれます。
| 制度名 | 令和8年度(2026年度)海南市空家リフォーム工事補助事業 |
|---|---|
| 実施主体 | 海南市(まちづくり部 都市整備課) |
| 対象者 | 市外からの移住者(転入日まで継続して3年以上市外に住民登録)/若者世帯(40歳以下で中学生以下の子を扶養、または結婚5年以内) |
| 対象物件 | 90日以上空家であった市内の戸建住宅または併用住宅。賃借の場合は海南市空き家バンク登録物件に限る |
| 補助率・上限 | 工事費の3分の2。購入・譲受: 移住者100万円/若者世帯120万円。賃借: 移住者50万円/若者世帯60万円 |
| 申請期間 | 令和8年度 募集10件程度・先着順。予算到達で仮受付または募集終了の場合あり |
| 窓口 | 海南市役所本庁3階 都市整備課、下津行政局、各支所・出張所(8時30分〜17時15分、閉庁日除く)TEL 073-483-8480 |
| 公式URL | 海南市空家リフォーム工事補助事業(海南市公式) |
「併用住宅」とは、店舗や事務所と住居が一体になった建物のことです。空き家の1階を店舗に、2階を住まいにする計画でも、建物が併用住宅の要件を満たせば対象になり得ます(対象工事の範囲は市の別紙で要確認)。
対象者の条件:「移住者」と「若者世帯」の定義を正確に押さえる
この補助金で最も多い勘違いが対象者の定義です。海南市内に住んでいる人が市内の空き家に引っ越すだけでは、若者世帯でない限り対象になりません。
市外からの移住者の定義
海南市公式サイトでは、移住者を「転入日まで継続して3年以上海南市外に住民登録していた方」と定義しています。和歌山市や紀美野町など県内からの転入でも、3年以上市外に住民登録していれば移住者に該当します。
若者世帯の定義
若者世帯は「40歳以下の方で、中学生以下の子供を扶養している、または結婚して5年以内の方」です。夫婦のいずれかが40歳以下であれば対象とされています。若者世帯は上限額が移住者より20万円(賃借は10万円)高く設定されています。
全員が満たす必要のある共通要件
海南市公式サイトに掲げられた応募要件は次の8点です。すべてを満たす必要があります。
- 空家への転居前、または転居後90日以内であること(購入・譲受から1年以上経過している場合は除く)
- 対象住宅の登記名義人、または空き家バンク登録空家の賃借者であること(賃借は所有者の同意が必須)
- 転居によって、転居前の持ち家が新たに空家にならないこと
- 転入日まで継続して3年以上市外に住民登録していたこと(移住者の場合)
- 感震ブレーカーを設置すること(既設置の場合を除く)
- 世帯員に市税の滞納者がいないこと
- 世帯員に暴力団関係者がいないこと
- 過去にこの補助金の交付を受けていないこと
感震ブレーカーとは、大きな揺れを感知して自動的に電気を止める装置で、地震後の通電火災を防ぐためのものです。海南市はこの設置を補助の条件にしているため、リフォーム見積もりに感震ブレーカーの設置を含めておくとスムーズです。

補助額と対象工事:工事費の3分の2・上限は最大120万円
補助額はリフォーム工事費の3分の2で、上限は次の表のとおりです。
| 区分 | 市外からの移住者 | 若者世帯 |
|---|---|---|
| 購入・譲り受けた空家 | 上限100万円 | 上限120万円 |
| 賃借した空家(空き家バンク登録物件のみ) | 上限50万円 | 上限60万円 |
たとえば若者世帯が購入した空き家で、対象工事費が180万円なら3分の2は120万円で上限と一致します。工事費が240万円でも補助は120万円が上限です。
対象工事の条件
海南市公式サイトでは、対象工事について次の条件を示しています。
- 市が対象と定める工事であること(詳細は市の別紙PDFに記載)
- 海南市内において1年以上継続して建設業等を営む個人事業主または法人が施工する工事であること
つまり、市外の工務店やハウスメーカーに頼んだ工事は対象外です。見積もりを取る前に、施工業者が「海南市内で1年以上営業している」ことを確認してください。申請時には「施工業者要件証明」の提出も求められます。
対象外になる工事
- 既に着工、または完了している工事
- 対象工事金額が10万円に満たない工事
- 解体工事、植栽工事など
対象工事の細かな区分(たとえば外構や設備機器の扱い)は、海南市公式ページに掲載された別紙でご確認ください。
申請の流れ:交付決定より前の着工は1円も出ない
申請の流れは5段階です。最大の落とし穴は「交付決定通知書が届く前に工事を始めてしまう」ことで、海南市公式の図表にも「交付決定前に着工した場合、補助の対象となりません」と明記されています。
- 申込書を提出(令和8年度空家リフォーム工事補助金申込書)。先着順のため、物件と施工業者の目途が立った段階で早めに
- 交付申請→補助金交付決定通知書を受領
- 工事着工(交付決定後)
- 工事完了
- 完了報告(完了報告書・完了時写真台紙)
交付申請時に必要な書類
海南市公式サイトに掲載されている交付申請時の書類は次のとおりです。
- 交付申請書
- 住民票等請求・市税滞納調査・水道開閉栓状況調査同意書
- 工事写真台紙(着工前の写真)
- 暴力団排除誓約書
- 相手先登録申請書
- 施工業者要件証明
- 空家証明書
- 補助金5年未満返還誓約書
「水道開閉栓状況調査同意書」は、その住宅が90日以上空家だったことを水道の閉栓記録で確認するためのものです。空家期間の証明に自分で資料を集める必要は基本的にありませんが、閉栓していなかった物件は空家であることの立証が難しくなる場合があるため、窓口に相談してください。
和歌山県の空き家改修補助金・移住支援金との関係
海南市の制度と並行して検討したいのが、県の制度です。県の空き家改修補助金は2026年10月6日時点で募集終了ですが、移住支援金は海南市も対象です。
和歌山県 空き家改修補助金(募集終了中)
県外からの移住に際して居住用の空き家を改修する場合に、改修工事経費の2分の1(上限100万円・令和8年度)を補助する制度で、対象地域は22市町村、海南市内は大崎・塩津地区のみが対象です(令和8年度版チラシ)。わかやま住まいポータルに登録された空き家であること、改修前に申請すること、県内の不動産業者が契約を仲介すること、インスペクション(建物状況調査)を実施していることが条件で、「まずは市町村にご相談ください」とされています。申請回数の制限など詳細な条件は、和歌山県(地域振興課)の公式サイト・交付要綱でご確認ください。2026年10月6日時点で「予算に達した為、募集を終了しました」と表示されているため、次年度の再開を見込むなら年度当初(4月)に県または市へ確認するのが確実です。
和歌山県 空き家お片付け補助金
「和歌山空き家バンク(わかやま住まいポータル)」に登録された空き家について、県外からの移住に伴い家財等を整理・撤去する場合に、1物件あたり最大8万円(令和8年度)を補助します。申請者は移住者または空き家所有者のいずれかで、対象地域は22市町村、海南市内は大崎・塩津地区のみです。空き家を売る側・貸す側の所有者も申請できる制度です。
和歌山県移住支援事業(移住支援金)
東京23区の在住者、または東京圏在住で東京23区へ通勤している方が、マッチング支援事業や起業支援、テレワーク等により県内に移住した場合に、世帯100万円(18歳未満の帯同者1人につき100万円加算)、単身60万円が支給される制度です。海南市は対象30市町村に含まれています。申請は移住後1年以内に移住先の市町村へ行い、年度末(2月〜3月)は予算の都合で受け付けられない場合があります。
出典: 和歌山県移住支援事業(移住支援金)等について(和歌山県公式)

海南市空き家バンクの使い方:賃借で補助を受けるなら登録物件が必須
賃借物件で補助を受けるには、海南市空き家バンクに登録された物件であることが条件です。購入・譲受の場合はバンク登録物件でなくても対象になります。
海南市空き家バンクは、市が物件情報を提供し、売買・賃貸借の交渉と契約は公益社団法人和歌山県宅地建物取引業協会に所属する宅地建物取引業者が媒介する仕組みです。2026年3月31日更新時点で立地別一覧に29物件が掲載されており、立地別や外観写真から探せます。
買いたい・借りたい側の利用登録は、都市整備課へ「利用希望者登録申込書」を提出するか、インターネットの専用フォームから身分証明書の画像を添付して申し込みます。登録要件は「公の秩序を乱す恐れのある方」「暴力団関係者」に該当しないことです。
あわせて検討したい海南市の関連補助:解体・耐震
空き家の状態によっては、改修ではなく解体や耐震化が先になることがあります。海南市には次の制度があります。
老朽危険空家除却工事補助事業
市の不良度判定基準で「老朽危険空家」と認定された建築物(居住停止から1年以上、元来居住用または延べ面積の2分の1以上が居住用)の除却工事費について、3分の2(上限50万円)を補助します。令和8年度の募集件数は50件で先着順です。対象者は所有者またはその相続人で、世帯員全員の直近年中所得合計が月額214,000円以下、市税滞納なし、暴力団関係者でないことが要件です。空家リフォーム補助とは異なり、こちらは所得要件があります。
海南市住宅耐震化事業
建設課が所管する住宅の耐震診断・耐震改修の支援制度です。古い空き家をリフォームして住む場合、耐震改修と組み合わせられる可能性があるため、補助率や上限は海南市住宅耐震化事業(海南市公式)でご確認ください。
よくある落とし穴:申請前に確認したい5点
海南市公式サイトの要件から、申請が通らなくなりやすいポイントを整理しました。いずれも「申込書提出前」に潰しておけば防げます。
- 交付決定前に着工した。引っ越し日程を優先して先に工事を始めると、全額対象外になります
- 市外の業者に発注した。施工業者は海南市内で1年以上継続して営業する個人事業主・法人に限られます
- 転居後90日を過ぎてから申し込んだ。転居前または転居後90日以内が条件です
- 転居前の持ち家が空家になる。市内の持ち家から空き家に移る計画は要件を満たしません
- 先着10件程度の枠が埋まっていた。年度途中で予算到達すると仮受付または募集終了になります。まず電話で受付状況を確認してください
よくある質問
海南市の空き家改修補助は、県外からの移住者だけが対象ですか?
いいえ。海南市の空家リフォーム工事補助事業の「移住者」は「転入日まで継続して3年以上海南市外に住民登録していた方」なので、和歌山市など県内他市町村からの転入でも該当します。また、40歳以下で中学生以下の子を扶養する、または結婚5年以内の「若者世帯」は、転入元を問わず対象になり得ます。県の空き家改修補助金は「県外からの移住」が条件で、こちらとは異なります。
補助額の上限120万円は誰でも受けられますか?
120万円は「若者世帯が購入・譲受した空家」の上限です。移住者が購入・譲受した場合は100万円、賃借の場合は移住者50万円・若者世帯60万円が上限です。いずれも工事費の3分の2が補助額で、審査を経て交付決定された場合に限ります。
空き家バンクに登録されていない物件を買った場合も対象になりますか?
購入・譲受の場合は、90日以上空家であった市内の戸建住宅または併用住宅であれば、空き家バンク登録の有無は条件にされていません。賃借の場合のみ、海南市空き家バンク登録物件に限られます。
令和8年度の申請締切はいつですか?
海南市公式サイトには具体的な締切日の記載がなく、「募集件数10件程度(先着順)」「予算額に達した場合は仮受付または募集を終了する場合がある」とされています。受付状況は海南市都市整備課(073-483-8480)に直接ご確認ください。
補助を受けた後に引っ越すとどうなりますか?
補助金の交付を受けてから5年未満でリフォームした空家から転居した場合、海南市公式サイトの記載により補助金を全額返還することになります。申請時に「補助金5年未満返還誓約書」の提出が求められます。
この記事は2026年10月6日時点の海南市・和歌山県の公式情報に基づきます。制度内容は年度途中でも変更される場合があるため、申請前に必ず海南市都市整備課または公式サイトでご確認ください。
