この記事は2026年9月23日時点の田辺市・和歌山県・中小企業庁の公式情報に基づきます。
「田辺市の補助金、結局うちは何が使えるの?」と市のサイトを開いて、課ごとにページが分かれていて閉じてしまった経験はありませんか。
和歌山県田辺市は、商工・移住・空き家・防災・農業と担当課がそれぞれ別々に制度を出しているため、一覧で見比べられる場所がほとんどありません。しかも年度ごとに件数や受付期間が変わり、予算に達した時点で受付終了になる制度もあります。
・住民は「移住支援金」「空き家改修・除却」「耐震改修」「太陽光+蓄電池」が主力。いずれも着工前の申請が必須
・農林業は「新規就農者支援(農業振興課)」が入口。県・国の制度と組み合わせて使う
この記事では、田辺市で公式に案内されている補助金・助成金を事業者向け/住民向け/農林業向けの3つの一覧表にまとめ、注目制度3つの中身、申請の共通手順、よくある質問まで整理します。最後まで読めば「どの課に電話すればいいか」が今日決まります。

田辺市の補助金・助成金の全体像は「市・県・国」の3層で捉える
田辺市で使える補助金は、市独自の制度・和歌山県の制度・国の制度の3層に分かれ、窓口も異なります。
補助金(ほじょきん)とは、行政が政策目的に沿った取り組みの経費の一部を交付するお金で、原則として審査があり、返済は不要です。田辺市の場合、次の3層で考えると迷いません。
- 市独自の制度:商店街開業支援、移住推進空き家活用、不良空家等除却、太陽光・蓄電池、新規就農者支援など。担当課に直接申請します
- 和歌山県の制度:移住支援金(国・県・市の共同事業)や空き家改修の県補助など。市の窓口を通す制度が多いです
- 国の制度:小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、新規就農者育成総合対策など。持続化補助金は田辺商工会議所(または管轄の商工会)を経由して申請します
田辺市の補助制度は田辺市公式サイト(補助金等)のように分野ごとに掲載されているため、本記事では分野横断で整理しています。
| 制度名 | 田辺市の補助金・助成金(市独自制度+県・国制度の田辺市窓口) |
|---|---|
| 実施主体 | 田辺市(各担当課)/和歌山県/中小企業庁ほか |
| 対象者 | 田辺市内の小規模事業者・個人事業主・農林業者・住民(移住者・空き家所有者・住宅所有者) |
| 補助率・上限 | 制度ごとに異なる(例:不良空家等除却は除却費用の3分の2・上限60万円、太陽光は7万円/kW+蓄電池上限47万円) |
| 申請期間 | 制度ごとに異なる。予算到達で早期終了する制度あり(令和8年度太陽光・蓄電池は7月7日に受付終了) |
| 窓口 | 商工振興課(0739-26-9970)/たなべ営業室 移住定住推進係(0739-33-7714)/建築課 調査計画係(0739-26-9935)/環境課(0739-26-9927)/農業振興課 農政係(0739-26-9930)/防災まちづくり課(0739-26-9976)/田辺商工会議所 |
| 公式URL | 田辺市公式サイト |
事業者向け補助金一覧(商工・開業・販路開拓)
田辺市の事業者は、国の持続化補助金と市の商工系補助金を併せて検討するのが基本です。
| 制度名 | 対象 | 補助率・上限 | 締切・時期 | 窓口 |
|---|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)<国> | 従業員5人以下(製造業等は20人以下)の小規模事業者。販路開拓・業務効率化の経費 | 補助率3分の2、上限50万円(第20回公募要領)。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方で200万円の上乗せ。特例要件は公募要領で要確認 | 第19回は2026年4月30日締切済み。第20回は2026年11月5日受付開始、12月15日17時締切(様式4発行受付は12月4日まで) | 田辺商工会議所(商工会議所地区)/各商工会 |
| 田辺市小規模事業者持続化補助金<市> | 国の持続化補助金で不採択となった市内事業者(市公式の案内より) | 補助対象経費の2分の1以内・上限37.5万円(特定創業支援等事業の支援を受けた事業者・買物弱者対策事業は上限75万円)※令和7年度(国の第17回不採択者対象)の市公式ページの記載。令和8年度分は商工振興課でご確認ください | 国の不採択者に商工会・商工会議所経由で案内。令和8年度の受付は田辺市の公式サイトでご確認ください | 田辺市 商工振興課 |
| 商店街開業支援事業費補助金<市> | 中心市街地の商店街(10商店街)の空き店舗(空き3か月以上)に新規出店する中小企業者(風営法の営業を除く)。同エリアで10年以上営業する既存店の改修も対象 | 新規開業:家賃の2分の1(月額上限5万円・開業翌月から6か月)+改修費の2分の1(上限50万円)。事業継続:改修費の2分の1(上限50万円)。他の補助金との併用不可 | 交付決定日以降の改修工事のみ対象。着工前に事前相談 | 田辺市 商工振興課 |
| 新規開業資金利子補給補助金<市> | 市内で新規開業する、または開業7年未満の事業者で、日本政策金融公庫または和歌山県の新規開業資金の融資を受けた人(市税完納が条件) | 利子補給利率1.5%以内、補助期間5年(開業後7年まで)、対象融資の限度額3,000万円以内 | 年度ごとに利子支払終了後に申請。令和7年度分の申請期限は令和8年4月15日 | 田辺市 商工振興課 |
| IT導入補助金<国> | 中小企業・小規模事業者のITツール導入 | 枠により異なる。公募要領で要確認 | 年複数回 | IT導入支援事業者経由で電子申請 |
持続化補助金の制度概要は中小企業庁「小規模事業者持続化補助金について」、商工会議所地区の申請手続きは持続化補助金事務局(商工会議所地区)で公開されています。田辺市の商工系制度は田辺市 商工振興課のページにまとまっています。
住民向け補助金一覧(移住・空き家・耐震・省エネ)
住民向けは移住支援金と空き家関連が手厚く、いずれも「申請してから着手」が鉄則です。
| 制度名 | 対象 | 補助率・上限 | 締切・時期 | 窓口 |
|---|---|---|---|---|
| 田辺市移住支援金(国・県・市) | 東京23区在住または東京圏から23区へ通勤していた人が田辺市へ移住し、就業・テレワーク・起業等の要件を満たす場合 | 単身60万円/世帯100万円、18歳未満の子1人につき100万円加算 | 令和7年度は令和7年4月1日〜令和8年2月27日。転入から1年以内に申請。令和8年度分は公式で要確認 | たなべ営業室 移住定住推進係(0739-33-7714) |
| 田辺市移住推進空き家活用事業補助金 | 秋津川・上野・長野・伏菟野と旧龍神村・中辺路町・大塔村・本宮町の空き家を、県外からの移住者のために改修する所有者、または移住のため借りて・買って改修する県外在住者(わかやま住まいポータルサイト登録物件・市税滞納なし) | 改修費から県補助分(2分の1・上限100万円)を除いた額の2分の1(上限80万円)。施工は県内事業者に限定。旧田辺市の市街地は「まちなか移住推進空き家活用事業補助金」で改修費の3分の2(上限80万円・施工は市内事業者) | 交付申請は1物件1回限り。改修後10年間は移住者の居住用にすること | たなべ営業室 移住定住推進係 |
| 田辺市不良空家等除却補助金 | 概ね1年以上空き家で、倒壊の恐れがある建物(評点60以上)の所有者・相続人等 | 除却費用の3分の2(上限60万円) | 令和8年度は14件予定。認定申請は令和8年5月8日まで、工事は令和9年2月末まで | 建築課 調査計画係(0739-26-9935) |
| 住宅耐震診断・耐震改修補助 | 無料耐震診断:平成12年5月31日以前に建てられた木造軸組工法の住宅(2階建て以下・延床400㎡以下)。改修補助:診断で上部構造評点1.0未満の住宅 | 木造の耐震診断は無料(令和7年度は200件)。非木造の診断は費用の3分の2(上限9万円)。耐震改修補助は最大150万円、現地建替え補助は最大131.6万円(市公式ページ・補助件数80件) | 事前申請必須。年度内に設計・工事完了が条件 | 建築課 |
| 個人向け太陽光発電設備・蓄電池導入支援事業補助金 | 市内の自己所有戸建て住宅に太陽光(10kW未満)と蓄電池(20kWh以下)を同時設置する人 | 太陽光7万円/kW、蓄電池は価格の3分の1(上限47万円) | 令和8年5月22日〜11月30日の予定だったが、令和8年7月7日に予算到達で受付終了 | 環境課(0739-26-9927) |
| 防災関連補助(感震ブレーカー・ブロック塀等・家具転倒防止金具取付) | 感震ブレーカーと家具転倒防止は65歳以上または障害者手帳所持者のいる世帯。ブロック塀は道路に面した高さ0.6m以上・延長2m以上の塀 | 感震ブレーカー:費用の2分の1(上限1万円)。ブロック塀:撤去は3分の2以内(上限20万円)、フェンス等への改善は3分の2以内(上限17万円)。家具転倒防止は市が金具を取り付け(金具代は自己負担・1世帯3台まで) | 感震ブレーカーは申請年度の1月末、ブロック塀は12月末が申請締切 | 防災まちづくり課(0739-26-9976) |
移住支援金の要件・返還条件は田辺市「移住支援金について」、県全体の移住支援制度は和歌山県「わかやまLIFE 移住支援制度」に掲載されています。太陽光・蓄電池は田辺市環境課のページ、耐震改修は田辺市「住宅耐震改修補助」をご確認ください。

農林業向け補助金一覧(新規就農・農機具・鳥獣害)
農林業向けは市の新規就農者支援を入口に、国の経営開始資金と組み合わせるのが定石です。
| 制度名 | 対象 | 補助率・上限 | 締切・時期 | 窓口 |
|---|---|---|---|---|
| 田辺市新規就農者農機具購入支援事業 | 市内の新規就農者。総事業費50万円未満の農機具導入 | 2分の1(上限24万9千円)。研修・就農に関する補助事業(経営発展支援事業を除く)を活用した新規就農者が対象 | 年度ごと | 農業振興課(0739-26-9930) |
| 新規就農者育成総合対策(経営発展支援事業・経営開始資金)<国> | 認定新規就農者等。就農後の機械・施設導入や経営開始資金 | 経営開始資金:年額150万円・最長3年(原則50歳未満・夫婦共同経営は年額225万円)。経営発展支援事業:補助率4分の3・補助対象経費最大1,000万円(経営開始資金併用時は500万円) | 市を通じて申請 | 農業振興課 |
| 田辺市新規就農者経営継承等支援金 | 田辺市で新規に農業経営を開始、または親等から経営を継承した60歳以下の人で、和歌山県経営継承応援事業の採択を受けた人(青年等就農計画の認定が必要・国の新規就農者育成総合対策の支援を受けていないこと) | 1人50万円(1回のみ) | 令和7年度の申込期間は令和7年10月3日〜10月24日。令和8年度分は農業振興課でご確認ください | 農業振興課 |
| 農作物等鳥獣害防止対策補助金(防護柵) | 田辺市に住所を有する農林業者。販売目的の園地に防護柵・電気柵・防鳥ネットを設置する場合(家庭菜園は対象外) | 資材費の2分の1以内。補助対象事業費3万円〜40万円(補助金額1万5千円〜20万円)。シカ・イノシシ用は1mあたり1,200円以内など上限単価あり | 令和8年4月13日から受付開始。令和9年2月末までに完成するもの | 農業振興課 |
田辺市は「紀州田辺新規就農者育成協議会」を設けており、詳細は田辺市「新規就農者支援」にまとまっています。梅・みかんなど田辺市の主力品目で就農を考える方は、まず農業振興課への相談から始めてください。
注目制度3つを詳しく解説(持続化補助金・空き家除却・移住支援金)
問い合わせが多く、金額も大きい3制度は、要件と落とし穴まで押さえておくと申請が一度で通りやすくなります。
1. 小規模事業者持続化補助金|田辺の店舗・個人事業主の販路開拓に
持続化補助金は、チラシ・ホームページ・看板・SNS広告・店舗改装など「新しいお客さんを獲得するための経費」が対象になる国の制度です。田辺市の商工会議所地区の事業者は、田辺商工会議所で経営計画の相談と「事業支援計画書」の発行を受けてから、事務局へ電子申請します。
- 対象:常時使用する従業員が5人以下(製造業・宿泊業等は20人以下)の法人・個人事業主
- 補助率・上限:補助率3分の2(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は4分の3)、上限50万円。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方で200万円が上乗せされます(特例の要件は各回の公募要領で必ず確認)
- スケジュール:第19回は2026年4月30日に受付終了。第20回は2026年11月5日受付開始、12月15日17時締切、事業支援計画書(様式4)の発行受付は12月4日までです
市の「田辺市小規模事業者持続化補助金」は、国の公募で不採択になった市内事業者を対象とする市独自の救済的な制度です。令和7年度は補助対象経費の2分の1以内・上限37.5万円(特定創業支援等事業の支援を受けた事業者や買物弱者対策事業は75万円)でした。補助率・上限・受付時期は年度ごとに変わるため、商工振興課(0739-26-9970)または田辺商工会議所で最新の案内を確認してください。
2. 田辺市不良空家等除却補助金|危険な空き家の解体に3分の2
令和8年4月1日付の市の案内によると、除却費用の3分の2(上限60万円)が補助されます。動産の移転・処分費用は対象外です。
- 対象建物:概ね1年以上空き家で、要綱の評定項目の評点が60以上(屋根が抜け落ちている、基礎が沈下し柱や梁が変形している等)
- 申請できる人:空き家の所有者、その相続人、所有者の同意を得た土地所有者。市税等の滞納がある場合は申請不可
- 流れ:不良空家等認定申請(令和8年5月8日まで)→立入調査→認定通知(5月末ごろ)→交付申請(6月から)→交付決定→工事→実績報告。交付決定前の着工は補助対象外
- 令和8年度は14件予定、工事は令和9年2月末までに完了
詳細は田辺市「不良空家等除却補助金のご案内」(PDF)をご確認ください。
3. 田辺市移住支援金|東京圏からの移住で最大100万円+子ども加算
東京23区に在住していた、または東京圏から23区へ通勤していた人が田辺市へ移住し、就業(県の移住支援対象求人)・テレワーク・起業・関係人口のいずれかの要件を満たすと、単身60万円、2人以上の世帯100万円、18歳未満の世帯員1人につき100万円の加算が受けられます。
- 申請は移住した日から1年以内。申請日から5年以上、田辺市に継続して居住する意思が必要
- 返還規定:虚偽申請は全額、申請日から3年未満の転出は全額、3年以上5年以内の転出は半額返還
- 令和7年度の受付期間は令和7年4月1日〜令和8年2月27日。令和8年度の受付期間・予算枠は、たなべ営業室(0739-33-7714)でご確認ください

田辺市の補助金申請に共通する手順と落とし穴
市の補助金は「着工前申請・交付決定後に契約・年度内完了・実績報告」の4点を守れば大きな失敗は避けられます。
- 担当課に事前相談:対象になるか、予算が残っているかを電話で確認します。太陽光・蓄電池のように年度途中で予算到達し受付終了する制度があります
- 見積書の取得:空き家改修は県内事業者、解体は市が紹介する登録業者など、施工者に条件がある制度があります
- 交付申請→交付決定:決定通知が届く前に契約・着工すると対象外になります
- 工事・事業の実施→実績報告→交付請求:契約書・領収書・施工前後の写真が必要です。市税の完納証明を求める制度も多いです
・移住支援金は「転入から1年以内」の申請期限を過ぎると受け付けられません
・空き家除却は「認定申請」と「交付申請」の2段階で、認定申請の締切(令和8年度は5月8日)を逃すとその年度は使えません
よくある質問
田辺市の補助金は個人事業主でも申請できますか?
はい。持続化補助金は法人・個人事業主のどちらも対象です。市の商店街開業支援や新規開業資金利子補給も個人事業主が対象に含まれます。開業届と確定申告書の写しを求められることが多いので準備しておきましょう。
持続化補助金の窓口は田辺商工会議所と商工会のどちらですか?
事業所の所在地が商工会議所地区なら田辺商工会議所、それ以外(旧町村部など)は管轄の商工会が窓口です。どちらに当たるか不明な場合は田辺商工会議所に電話で確認すると案内してもらえます。
補助金は工事が終わってからでも申請できますか?
原則できません。田辺市の空き家・耐震・太陽光などの制度はいずれも交付決定前の着工を補助対象外としています。必ず着工前に担当課へ相談してください。
県の補助金と市の補助金は併用できますか?
制度によります。移住推進空き家活用事業補助金は「改修費から県補助分を除いた額」を基準にする設計で、県と市の併用を前提としています。一方、同一経費に国と市の補助を重ねることは認められないのが一般的です。担当課に併用可否を確認してください。
令和8年度の受付が終わった制度は来年度も実施されますか?
多くの制度は毎年度予算化されていますが、件数や上限は変わります。市公式サイトの各制度ページに「令和8年度は◯件」と明記されるので、翌年度は3〜4月に再確認するのがおすすめです。
・住民向けは移住支援金(単身60万円/世帯100万円+子加算)、空き家除却(3分の2・上限60万円)、耐震改修、太陽光・蓄電池が主力
・農林業は農業振興課の新規就農者支援から。全制度に共通して「着工前申請」と「予算枠の早期終了」に注意
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この記事は2026年9月23日時点の公式情報に基づきます。補助率・上限額・受付期間は年度や公募回で変わるため、申請前に必ず田辺市の各担当課・田辺商工会議所・各事務局の最新情報をご確認ください。
