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宮城県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限250万円

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宮城県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限250万円
宮城県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限250万円

宮城県内で介護記録ソフトやタブレット、インカムの導入を検討していて、「県の補助金は使えるのか」「上限はいくらまでか」を調べている施設長・事務長の方は多いのではないでしょうか。

介護現場のICT化は、紙の記録と二重入力、職員間の伝達ロス、請求業務の転記といった「見えない時間」を減らすための投資です。ただ、介護ソフトは1事業所あたり数十万円から数百万円の買い物になります。自己資金だけで踏み切るのは簡単ではありません。

意外に思われるのは、宮城県には「介護ICT専用の補助金」という独立した制度が存在しないことです。介護ソフトもタブレットもWi-Fiもインカムも、介護ロボットや見守り機器とまとめて「介護テクノロジー導入支援事業補助金」という1本の制度の中で扱われます。だからこそ、どの区分で申請するかによって上限額が100万円にも750万円にも変わります。

結論(誰が・いくら・いつまで・どこへ)

  • 誰が:宮城県内に介護サービス事業所等を有する法人(交付申請は法人単位でとりまとめ)
  • いくら:補助率5分の4。介護ソフト・バックオフィスソフトは職員数に応じて上限100万〜250万円/事業所(定着促進支援の併用でさらに15万円加算)
  • いつまで:令和8年度の交付申請は令和8年8月14日(金)午後3時必着で締め切り済み。二次募集は実施されません
  • どこへ:宮城県保健福祉部 長寿社会政策課(介護人材確保推進班)へ電子申請【ロゴフォーム】

この記事では、宮城県の公式ページ・事業の手引き・令和8年8月5日版のQ&A・10月1日版のQ&Aの原文をもとに、介護ソフト/タブレット/Wi-Fi/インカム/バックオフィスソフトというICT側だけに絞って、対象経費・上限額の決まり方・介護ソフト固有の機能要件・申請スケジュール・宮城県ならではの落とし穴を整理します。県全体の制度(介護ロボット・見守り機器を含む)を先に押さえたい方は、宮城県の介護補助金のページを合わせてご覧ください。

この記事は2026年11月2日時点の公式情報に基づきます。

宮城県庁舎の外観
写真: Raita Futo / Wikimedia Commons (CC BY 2.0)

宮城県の介護ソフト・ICT補助金は「介護テクノロジー導入支援事業補助金」1本

宮城県では介護ICT単独の補助金は設けられておらず、介護ソフトもICT機器も「介護テクノロジー導入支援事業補助金」の中の一区分として申請します。

この補助金は、国の地域医療介護総合確保基金(消費税財源を活用して都道府県が医療・介護の基盤整備を行うための基金)を原資に、都道府県が実施主体となって各県ごとに要綱を定める事業です。そのため、国の資料が示すのは補助率の下限(一定の要件を満たす場合は4分の3)までで、実際の補助率・上限額の刻み方や補助要件は県ごとに違います。宮城県は補助率5分の4を採用しています。宮城県は令和7年度までの「介護ロボット・ICT導入支援事業」から名称を改め、令和8年度は「令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金」として、介護ロボット・見守り機器・介護ソフト・ICTを一体で扱う制度に統合しています。国全体の位置づけは、厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進のページでも「介護テクノロジー導入・定着支援事業」として案内されています。

事業名 令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金(宮城県)
実施主体 宮城県 保健福祉部 長寿社会政策課(介護人材確保推進班)
対象施設 県内に介護サービス事業所等(介護保険法による指定又は許可を受けた事業所及び老人福祉法による認可を受けた養護老人ホーム、軽費老人ホーム)を有する法人
対象機器(ICT側) 介護ソフト(介護業務支援)、バックオフィスソフト(電子サインシステム・給与・勤怠管理等)、インカム、介護ソフトの新規導入に伴うタブレット端末・Wi-Fi環境整備
補助率・上限 補助率5分の4。介護ソフト・バックオフィスソフトは職員数に応じ100万/150万/200万/250万円(1事業所あたり)。パッケージ型は750万円/事業所、業務改善支援は48万円/事業所
申請期間 令和8年7月14日(火)募集開始 〜 令和8年8月14日(金)午後3時必着(二次募集なし)
窓口 長寿社会政策課 介護人材確保推進班。補助金に関する問い合わせは公式ページ内の「お問い合わせ専用フォーム」のみ(電話での受付はしていないと明記)
公式URL 令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金について(宮城県)

補助対象事業は、県要綱第2条第2項で次の3区分に分かれています。ICTを導入する施設は、ほとんどが1号か2号のどちらかで申請することになります。

  • 1号:介護テクノロジー等の導入支援(①TAIS登録の介護テクノロジー機器、②介護ソフトの定着促進支援、③その他)
  • 2号:介護テクノロジーのパッケージ型導入
  • 3号:導入と一体的に行う業務改善支援を介護サービス事業所等で利用する事業

なお、宮城県は交付申請を法人単位で提出する方式です。法人で複数の介護サービス事業所の補助申請をする場合でも、法人で各事業所分をとりまとめて提出します。申請書類の考え方そのものは全国共通に近いので、補助金申請の流れ・必要書類も先に目を通しておくと、様式を開いたときの迷いが減ります。

対象になるICTはどこまでか — 介護ソフト・タブレット・Wi-Fi・インカム

ICT側で補助対象になるのは介護ソフト本体だけでなく、新規導入に伴うタブレットやWi-Fi、そしてインカムやバックオフィスソフトまで広がりますが、それぞれに条件が付きます。

介護ソフト(1号①・介護業務支援)

介護ソフトは、公益財団法人テクノエイド協会が提供する福祉用具情報システム(TAIS)(福祉用具・介護テクノロジーの製品情報を登録・検索できる公的なデータベース)で「介護テクノロジー」に分類された機器として申請します。TAISの分類は福祉用具情報システム(TAIS)で「移乗支援(装着)」「見守り・コミュニケーション(施設)」「介護業務支援」など16カテゴリに整理されており、介護ソフトは「介護業務支援」に位置づけられます。協会そのものの活動はテクノエイド協会の公式サイトで確認できます。

宮城県の手引きでは、介護ソフトについて「記録業務、情報共有業務、請求業務を一気通貫で行うことが可能となっているものであること(転記等の業務が発生しないものであること)」と明記されています。情報共有業務には、事業所内の情報連携だけでなく、居宅サービス計画やサービス利用票等を他事業所と連携する場合も含まれます。また「既に導入している介護ソフト等と組み合わせて一気通貫が実現できていれば補助対象とする」とされており、全部を同じベンダーで揃える必要はありません。どの製品が一気通貫に当たるかの見極め方は、介護記録ソフトの比較で整理した観点が目安になります。

タブレット端末・Wi-Fi環境整備(1号②・定着促進支援)

宮城県は「介護ソフトの定着促進支援」という枠を用意しており、介護ソフトの新規導入に伴い一体的に使用するためのタブレット端末の購入費用やWi-Fi環境整備に必要な経費が対象になります。ここは誤解が多いところで、手引きには「介護ソフトの導入が前提であるので、単体でのタブレット端末の購入費用やWi-Fi環境整備に必要な経費は対象外」とはっきり書かれています。令和8年8月5日版のQ&A(問14)でも、既に介護ソフトを導入済みでタブレットとWi-Fiだけ整えたいケースについて「タブレット・PCの導入やWi-Fi整備は、主となる機器と併せて導入する場合に限り補助となります。よって、単体では補助されません」と回答されています。さらに問27では、過去に導入した見守り機器のためのWi-Fi環境整備は「補助対象の要件を満たさず、補助対象外」とされています。

インカム(令和8年度から1号①へ移動)

手引きの留意事項には「今年度より『介護テクノロジー』に分類されている『インカム』も当該対象とする。(昨年度までは『その他』扱い)」と記載されています。この変更によって、インカムは移乗支援・入浴支援と同じ「上限100万円/台」の枠に入りました。Q&A問39では、インカムの上限額100万円は1機器あたりの上限額と考えてよいかという問いに「その通りです」と回答されています。TAIS未登録のインカムについても問32で「TAISの『介護業務支援』に分類されているテクノロジーと同水準の機器であれば申請対象となります」とされ、判断基準として「職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器かどうか(ビジネス用のチャットツールの活用による職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器も含む)」が示されています。

バックオフィスソフト(1号③・その他)

電子サインシステム、給与、勤怠管理などのバックオフィスソフトは1号③「その他」として対象になります。Q&A問18では、会計システムについて「バックオフィスソフトとして、補助対象となります」と回答されています。ただし1号③の機器については、付帯して必要となる通信環境整備(Wi-Fi)やタブレット・PCなどの付帯経費は補助対象外と手引きに明記されている点に注意が必要です。バックオフィスソフトは「介護ソフトの定着促進支援」には該当しないため、後述の15万円加算も付きません。

対象にならない経費

手引きが補助対象外として列挙しているのは、消費税及び地方消費税(製品の金額は全て税抜きで記載)、保険料、機器のメンテナンスに要する費用、インターネット回線使用料等の通信費、交付決定前に購入又は賃借したもの、開発に要する費用、経済産業省が実施している「IT導入補助金」等の他の補助金等により助成されているもの、過年度に導入した機器等の付帯費用などです。Wi-Fi「環境整備」は対象でも、毎月の回線使用料は対象外、という線引きを稟議書の段階で押さえておくと後で揉めません。

補助率5分の4・上限額は「職員数」と「契約の形」で決まる

宮城県の介護ソフトの上限額は一律ではなく、職員数に応じてライセンス数が変わる契約かどうかで2つの決め方に分かれます。

ここが宮城県の制度で最も読み違えやすい部分です。手引きの「補助率・補助上限額」欄を、ICT側に関係する区分だけ抜き出して表にしました。

区分 補助率 補助上限額 備考
介護ソフト・バックオフィスソフト
【上限額①】職員数に応じて必要なライセンス数が変動するなど、職員数により合計金額が変動する契約
5分の4 事業所の職員数(申請時点)が
1名以上10名以下:100万円/事業所
11名以上20名以下:150万円/事業所
21名以上30名以下:200万円/事業所
31名以上:250万円/事業所
介護ソフトの導入と併せて「介護ソフトの定着促進支援」を活用する場合は、それぞれの上限額にさらに15万円を加算(例:31名以上であれば265万円/事業所)。バックオフィスソフトは定着促進支援に該当しないため15万円の加算なし
介護ソフト・バックオフィスソフト
【上限額②】上限額①以外の契約
5分の4 一律250万円/事業所 定着促進支援を併用する場合は一律265万円/事業所。バックオフィスソフトは加算なし
ケアプランデータ連携の加算 ― 補助上限額に5万円を加算 訪問介護事業所等の居宅サービス事業所又は居宅介護支援事業所(介護予防も含む)であって、令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」により5事業所以上とデータ連携を実施する場合
移乗支援(装着型・非装着型)、入浴支援、インカム 5分の4 100万円/台 インカムは令和8年度からこの区分に移動
上記以外のもの(見守り機器など) 5分の4 30万円/台 Q&A問31の例:見守り機器20台の場合、30万円×20台=600万円となり、見守り機器と付帯費を合わせた補助上限額は600万円
2号 パッケージ型導入 5分の4 750万円/事業所 通信環境整備にかかる費用も上限額の範囲内で補助対象
3号 業務改善支援 5分の4 48万円/事業所 第三者による事前評価・助言指導・事後評価。メーカーや販売店等による機器の説明は対象とならない

職員数はどう数えるのか

Q&A問9は、職員数の数え方に正面から答えています。「直接処遇職員だけでなく、ICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等の職員も含めた数です」とされ、カウント方法は「職員数は常勤換算が原則ですが、居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)及び管理者や生活相談員等の職員については、従事する職務の性質上、実人数(常勤・非常勤の別は問わない)としても構いません」と整理されています。訪問系は実人数で数えてよいという扱いは、上限額が1段階上がるかどうかを左右するため見落とせません。なお、在宅サービス(訪問看護等)で利用定員がない場合の利用定員数は、問8で「過去3年間の利用者の平均で判断してください」とされています。

パッケージ型(2号)を狙うと上限が750万円になる

介護ソフト単体では上限250万円ですが、「介護業務支援」に該当するテクノロジーと、それと連動することで効果が高まると判断できるテクノロジーを同時に導入する場合は2号のパッケージ型になり、上限が750万円/事業所に跳ね上がります。手引きが挙げる対象例は「『介護業務支援』に該当する機器+『見守り・コミュニケーション』に該当する機器」「『介護業務支援』に該当する複数の機器」「介護記録ソフトと介護請求ソフト」「『介護ソフト』+『インカム』」です。Q&A問23でも、介護ソフトと見守りセンサー、タブレット、Wi-Fi環境整備をまとめて申請することについて「補助対象となり申請は可能です。『介護テクノロジーパッケージ型導入支援』に該当し、補助上限は750万円です」と明確に答えています。

一方、パッケージの対象とならない例も手引きに列挙されています。「介護ロボット(見守り)とWi-Fi環境整備」は、Wi-Fiが1号に付帯して必要なだけなのでパッケージ型ではありません。「既に導入している機器と、今回導入する機器での組み合わせ」も、今回導入する機器単独(1号)のみが補助対象でパッケージ型にはなりません。見守り機器側の製品選定については、見守りセンサーの比較・選び方が参考になります。

介護ソフト固有の機能要件 — ケアプランデータ連携とLIFE

宮城県は、サービス種別ごとに介護ソフトへ追加要件を課しています。居宅介護支援事業所、介護予防支援事業所、居宅サービス事業所、介護予防サービス事業所が介護ソフトを申請する場合は、国民健康保険中央会が実施するベンダー試験結果及び厚生労働省が情報提供する「介護ソフトの機能調査結果」において、①「ケアプランデータ連携標準仕様」に準じたCSVファイルの出力・取込機能を有していること、②公益社団法人国民健康保険中央会が運営する「ケアプランデータ連携システム」の活用促進のためのサポート体制が整っていることが確認できるものであることが求められます。

施設サービス事業所、地域密着型サービスにおける地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護事業所が介護ソフトを申請する場合は、厚生労働省が情報提供する「介護ソフトの機能調査結果」において、科学的介護情報システム(LIFE)について「CSV連携仕様書(LIFE)」に準じたCSVファイルの出力機能を有していることが確認できるものであることが要件です。製品カタログの「LIFE対応」という表記だけでは足りず、機能調査結果で確認できることが条件になっている点に注意してください。

なお、既存ソフトの改修費用も一定の場合は対象です。Q&A問21は、対象となる改修を5つ挙げています。①「ケアプランデータ連携標準仕様」に対応するための改修、②「入退院時情報連携標準仕様」に対応するための改修、③「訪問看護計画書標準仕様」に対応するための改修、④厚生労働省が別途定める方式による財務諸表のデータ出力機能を実装するための改修、⑤「LIFE標準仕様」に対応するための改修です。

仙台市中心部の街並み
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

申請の流れと令和8年度のスケジュール実績

令和8年度は7月のセミナー受講から翌年1月の実績報告まで、実質半年で走り切る日程でした。

手引きの「手続きの流れ」と公式ページの記載、そして10月1日時点のQ&Aから確定した日付を時系列で並べます。令和9年度の日程は本稿確認時点で未発表のため、以下は令和8年度の実績としてお読みください。

時期 内容
令和8年7月2日(木)14:00〜15:30 宮城県介護テクノロジー導入・活用セミナー(オンライン)。受講は補助要件
令和8年7月14日(火) 募集開始。手引き・様式の公開
令和8年8月14日(金)午後3時必着 交付申請締切。電子申請【ロゴフォーム】による提出が原則
8月下旬〜9月上旬 不備があった場合の補正の連絡
令和8年9月18日 補助金交付決定日(公式ページ上の予定は「9月中旬」)
交付決定通知日以後 契約・発注・納品・支払を開始できる
令和8年10月13日 7月2日のセミナー未受講者向け「介護生産性向上セミナー(オンライン)」
令和8年10月16日(金) 事業を中止し補助金を辞退する場合の連絡期限
令和9年1月12日 実績報告の最終締切。事業完了(=支払完了)から1か月以内または1月12日のいずれか早い日まで
〜令和9年2月 補助金額の確定
〜令和9年3月末 支払(額の確定後、概ね1か月程度で指定口座へ入金)
交付決定後3年間 使用状況報告・効果報告を求められる場合がある

最も重い制約は「交付決定前の契約・購入は対象にならない」という原則です。10月1日版Q&A問7は「契約、納品及び支払は、県の補助金交付決定日(令和8年9月18日)以後に、契約及び納品を行ってください。補助金交付決定日より前に契約及び納品したものは、補助対象とはなりません」と明言しています。見積書を取るところまでは交付決定前に進めてよく、発注書にサインするのは交付決定通知を受け取った後、と覚えてください。

もう一つ資金面で重要なのが、この補助金が精算払いである点です。手引きには「補助金が採択された場合には、いったん機器導入等の費用は法人(事業所)でお支払いいただき、来年1月の実績報告時に必要書類を御提出いただいた上で補助金額を確定させ、来年3月中にお支払いする流れとなります。採択時点(9月中旬)で介護テクノロジー導入の自己資金を有している事が必要となります」と、辞退の実例つきで注意喚起されています。10月1日版Q&A問11でも「実績報告期限である令和9年1月12日までに導入し、支払まで完了する必要があります(銀行振込の場合も、1月12日まで)。1月13日以降に支払われたものは、補助対象となりません」と念を押されています。

交付申請の必要書類は11点

手引きが挙げる交付申請時の必要書類は次のとおりです。ICT申請で特に見落としやすいのは8番です。

  1. 交付申請書(様式第1号)※押印は不要
  2. 事業計画書(様式第1号別紙1)
  3. 業務改善計画書(様式第1号別紙2)※事業所ごとに作成
  4. 所要額調書(様式第1号別紙3)※事業所ごとに作成
  5. 見積書の写し(スキャンしてPDF等に)
  6. 導入する介護テクノロジー機器のカタログ等【TAIS非登録製品の場合】※TAIS登録製品は申請書に番号を記載すれば添付省略可
  7. 利用定員数が分かる書類
  8. 常勤換算の職員数が分かる書類【介護ソフト・バックオフィスソフトで「職員数により変動する契約の場合」のみ添付】
  9. 補助事業に係る収支予算(見込)書の抄本
  10. 納税証明書(県税)※「全ての県税」に「未納がないこと」の証明が必要。交付申請書の使用目的欄は「宮城県事業補助金申請」にチェック
  11. 暴力団排除に関する誓約書・役員等名簿(名簿はPDFにせずエクセル様式のまま送付)

見積書まわりの指示も細かく、Q&A問47で「見積書は事業所ごとに作成してもらってください」、問38で値引きがある場合は「どの項目に、いつ、値引きが発生したかを明確にする」または「見積書上の各項目の金額を値引き反映後の金額で記載する」よう求められています。問49では、インターネット購入等で見積書の徴取が困難な場合、「導入予定機器の価格が分かるページの画面の写し」「契約期間(リースの場合)や合計金額(税抜)を記載した計算書」を添付し、見積書が徴取できない理由を明記する運用が示されています。

宮城県ならではの注意点 — リース・複数事業所・他補助金・仙台市

同じ介護テクノロジー導入支援事業でも、宮城県は要件の数が多く、申請前に潰しておくべき論点がはっきりしています。

リース・クラウド・サブスクリプションの扱い

手引きの補助対象経費には「使用料及び賃借料 … 介護テクノロジー等のレンタル料、リース契約料」が明記され、「レンタル及びリース契約において実績報告までに支払われた経費が補助対象経費となる」と赤字で強調されています。支払方法ごとの考え方は、支払いが月額払いのものは交付決定のあった日の属する月から実績報告の前月まで、年額払いのものは1年分、複数年の使用契約のものは複数年分、使用権の期限がないものは全額、と整理されています。Q&A問22では、介護ソフトの5年間の使用権(ライセンス)を購入する場合について「購入時に一括して費用を支払う(来年1月上旬期限の実績報告時までに支払う)場合には、全額を補助対象経費とします」と回答されています。問28では、本体価格・アプリケーション利用料3年分・保険料3年分がパックになっている場合、一括購入なら本体価格とアプリケーション利用料は全額対象だが「保険料は対象とはなりません」とされています。月額課金のクラウドソフトは「決定月から実績報告前月まで」しか積めないため、年額一括払いに切り替えられるかをベンダーに確認する価値があります。

複数事業所の申請と「一部採択」の回避

Q&A問4は「可能です。申請は法人単位で行いますが、各事業所ごとに作成・記入いただく様式がありますのでご注意ください」「併設されている事業所であっても、1つの指定につき1事業所としてカウントしてください」「事業所数の制限や1法人当たりの申請上限額はありません」と回答しています。審査は事業所ごとに行われるため、一部の事業所だけ不採択になる可能性があります。問41では、全事業所で同じ介護ソフトを導入する必要がある場合、様式第1号別紙1の確認事項「複数事業所申請で一部事業所のみ採択の場合」で「全事業所でなければ辞退する」を選択すれば一部採択を回避できる(その場合、全部採択か全部不採択になる)と案内されています。法人全体で同じソフトに統一したい場合は、この選択肢を意識して様式を埋めてください。

他補助金との併用と、過去に受給している場合

補助対象外経費に「経済産業省が実施している『IT導入補助金』等、他の補助金等により助成されているもの」と明記されており、同一経費への重複助成はできません。また過去の受給歴については、Q&A問1が、過去に補助を受けた事業所について「申請可能です。ただし、令和7年度、6年度、5年度のいずれか又は複数で介護テクノロジー(介護ロボット・ICT機器)導入補助金の交付を受けている場合には、採択の優先順位が低くなります」としています。問26では、過去に導入した機器と同じ機器の追加導入について「追加の導入が単純な更新等ではなく、介護サービスの質の向上につながると認められ、業務改善計画書で明確に説明できる場合は申請可能です」と条件が示されています。業務改善計画書の書き込み量が採択の分かれ目になると読める回答です。そもそも採択保証がないことは問40が「例年、予算を上回る申請をいただいており、申請すれば必ず採択されるわけではありませんのでご留意ください」とはっきり書いています。

補助要件8項目 — SECURITY ACTIONとケアプランデータ連携

手引きは補助要件として「下記1〜8を全て満たすことが必要」と8項目を列挙しています。ICT導入側に直接効くのは次の点です。

  • 要件1:「宮城県介護事業所支援相談センターが実施する研修」を受講し、アンケートに回答すること(令和8年度は7月2日実施のセミナー)。Q&A問34によれば、未受講の場合は10月13日の「介護生産性向上セミナー(オンライン)」を必ず受講することで代えられるが、「補助金採択において優先順位に影響がある」とされています
  • 要件2:生産性向上委員会(利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会)の設置。短期入所、特定施設、小多機、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院など16サービスが該当
  • 要件3:訪問介護・通所介護・居宅介護支援など多数のサービスについて、令和8年度内に「ケアプランデータ連携システム」の利用を開始し連携実績をつくること。Q&A問33は「今年度からは、厚生労働省の方針で『データ連携の実績があること』が要件となります」と注意を促しています
  • 要件4:収支の改善が図られた場合には職員の賃金へも適切に還元し、その旨を職員等に周知すること
  • 要件5:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施するSECURITY ACTIONの「★一つ星」又は「★★二つ星」のいずれかを宣言すること。宣言の手続きは事業所単位で行います。Q&A問36は「各事業所ごとに宣言が必要です。年度内に宣言すれば良いので、予定に併せて別紙1の補助要件のプルダウンを選択してください」としています
  • 要件6:厚生労働省の生産性向上ガイドライン等を参考に業務改善に取り組み、業務改善計画を作成すること
  • 要件7・8:LIFEによる情報収集への協力、厚生労働省等が実施する効果検証事業等への協力。問35では「申請時点でLIFEの利用申請を求めるものではありません」と補足されています

仙台市など政令市に独自の上乗せはあるか

宮城県の政令指定都市は仙台市ですが、仙台市の介護ロボット等の普及・導入促進についてのページには、市独自の介護テクノロジー導入補助金は掲載されておらず、「宮城県では、介護従事者の身体的負担の軽減や業務の効率化を目的とした介護ロボット・ICTの導入に要する経費を補助する事業を行っています」として県事業が案内されています。あわせて、県の介護事業所支援相談センターが訪問やオンラインでの相談、介護ロボットの試用貸出、展示会の案内を行っていることも紹介されています。仙台市内の事業所も、介護ソフト・ICTの補助金は県の制度に一本化して検討するのが実務的です。市制度の有無について最終確認が必要な場合は、仙台市健康福祉局介護事業支援課(022-214-8318)が窓口です。

次の公募に向けた逆算スケジュール

令和9年度の日程は未発表ですが、令和8年度の日程をそのまま前提に置くと、動き出すべき月が見えてきます。

宮城県は二次募集を実施しないため、年1回のタイミングを逃すと1年待つことになります。手引きには「令和9年1月12日までに事業完了・実績報告が必要なため、二次募集は実施しません」と明記されています。以下は令和8年度の実績日程から逆算した準備の目安であり、令和9年度の実施時期・内容を保証するものではありません。実施が決まった際は必ず公式ページの公募要領で確認してください。

時期の目安 やること
4〜5月 県の「今年度の実施予定について」の掲載を確認。生産性向上委員会が未設置なら設置、議事録の整備を始める
5〜6月 介護ソフトを候補3社程度に絞り、税抜で見積を依頼。一気通貫(記録・情報共有・請求)とケアプランデータ連携/LIFEのCSV機能を要件表で確認する
6月 事業所ごとの職員数(常勤換算または実人数)を確定し、どの上限額の階段に乗るかを試算。パッケージ型を狙うなら組み合わせを決める
7月上旬 県指定のセミナーを受講しアンケートに回答(補助要件)。受講者と受講日を記録に残す
7月中旬 募集開始。様式をダウンロードし、業務改善計画書と所要額調書を事業所ごとに作成する
7月下旬 管轄の県税事務所へ納税証明書を請求(未納があれば先に解消)。SECURITY ACTIONの宣言を事業所単位で進める
8月上旬 電子申請を提出。送信直後の自動返信メール(受付番号つき)が届いて初めて正式な提出になる点を必ず確認する
8月下旬〜9月上旬 県からの補正連絡に対応。申請から2週間にわたって不備が補正されない場合は申請を取り下げたものとされる
9月中旬 交付決定通知の受領後に発注。自己資金の手当てを完了させておく
10〜12月 納品・検収・支払。クラウド型は課金開始月と請求書の日付を管理する
翌1月上旬 実績報告(支払完了から1か月以内または1月12日のいずれか早い日)。契約書・領収書のPDF、職員が介護ソフトを使用している写真などを準備

実績報告の写真について、10月1日版Q&A問13は「職員の方がパソコンやタブレット等で介護ソフトを使っている様子を、画面が映るようにして複数枚を撮影してください」と具体的に指示しています。導入直後にバタバタ撮るより、研修や朝礼の場面であらかじめ撮っておくほうが確実です。また問1では「補助対象経費が全体の20%を超える変更など、変更申請手続が必要となる場合があります」とされており、見積合わせの結果で所要額が大きく動いたときは早めに県へ相談してください。

制度全体の設計思想や、他県との違いを俯瞰したい場合は介護テクノロジー導入支援事業の全体像と介護テクノロジー補助金の完全ガイドを、近隣県の運用との比較は茨城県の介護補助金、新潟県の介護補助金、北海道の介護補助金をご覧ください。全国で最も申請件数の多い自治体の運用を知っておくと交渉材料になるため、東京都の介護補助金も目を通しておくと比較の軸が増えます。

宮城県を象徴する松島の風景
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

よくある質問

宮城県の公式Q&Aから、介護ソフト・ICTの導入でとくに質問が集中している5点を取り上げます。

介護ソフトだけの導入でも申請できますか

できます。介護ソフトはTAISの「介護業務支援」に分類される介護テクノロジーとして1号①で申請でき、補助率5分の4、上限は職員数に応じて100万〜250万円/事業所です。ただし、記録業務・情報共有業務・請求業務を一気通貫で行えること(転記等の業務が発生しないこと)という機能要件と、サービス種別ごとのケアプランデータ連携/LIFEのCSV機能要件を満たす必要があります。要件を満たしていても審査があり、採択を保証するものではありません。

すでに介護ソフトを使っています。タブレットとWi-Fiだけ補助を受けられますか

単体では受けられません。Q&A問14は「タブレット・PCの導入やWi-Fi整備は、主となる機器と併せて導入する場合に限り補助となります。よって、単体では補助されません」と回答しています。「介護ソフトの定着促進支援」はあくまで介護ソフトの新規導入が前提の枠です。既存ソフトの改修であれば、Q&A問21に挙げられた5つの改修(ケアプランデータ連携標準仕様、入退院時情報連携標準仕様、訪問看護計画書標準仕様、財務諸表のデータ出力機能、LIFE標準仕様)に該当するかを確認してください。

クラウド型でリース・月額払いの介護ソフトは対象になりますか

対象になります。ただし計上できる範囲が支払方法で変わります。月額払いは交付決定のあった日の属する月から実績報告の前月まで、年額払いは1年分、複数年の使用契約は複数年分、使用権の期限がないものは全額、というのが手引きの整理です。5年分のライセンスを一括で支払う場合は、実績報告期限までに支払えば全額が補助対象経費になります(Q&A問22)。なお、インターネット回線使用料等の通信費と保険料は対象外です。

職員数は常勤換算で数えるのですか

原則は常勤換算ですが、例外があります。Q&A問9は、居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)及び管理者や生活相談員等の職員については、従事する職務の性質上、実人数(常勤・非常勤の別は問わない)としても構わないとしています。また、直接処遇職員だけでなくICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等も含めた数で数えます。なお、職員数により合計金額が変動する契約で申請する場合は、常勤換算の職員数が分かる書類の添付が必要です。

IT導入補助金と併用できますか

同じ経費については併用できません。手引きは補助対象外経費として「経済産業省が実施している『IT導入補助金』等、他の補助金等により助成されているもの」を挙げています。対象経費が明確に分かれていれば別制度の活用余地はありますが、二重助成と判断されないよう、見積書と所要額調書の段階で経費を分けて整理し、判断に迷う場合は申請前に県の問い合わせ専用フォームで確認してください。

まとめ

宮城県の介護ソフト・ICT導入補助金は「令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金」という1本の制度に統合されており、介護ロボットや見守り機器と同じ土俵で申請します。要点を整理します。

  • 補助率は5分の4。介護ソフト・バックオフィスソフトは職員数に応じて上限100万/150万/200万/250万円(1事業所あたり)
  • 介護ソフトと「定着促進支援」を併せて活用すると、それぞれの上限額に15万円加算。バックオフィスソフトは加算なし
  • 「介護業務支援」のテクノロジーと連動する機器を同時導入すればパッケージ型となり、上限750万円/事業所
  • インカムは令和8年度から1号①へ移り、上限100万円/台(1機器あたり)
  • タブレット・Wi-Fiは単体では対象外。主となる機器と併せて導入する場合に限る
  • セミナー受講、生産性向上委員会、ケアプランデータ連携の実績、SECURITY ACTIONの宣言など8つの補助要件をすべて満たす必要がある
  • 交付決定前の契約・購入・納品は対象外。精算払いのため、採択時点で自己資金が必要
  • 令和8年度は8月14日締切・9月18日交付決定・令和9年1月12日実績報告期限。二次募集は実施されない

令和9年度の実施有無・日程・予算は本稿確認時点で公表されていません。最新の情報と正式な金額・要件は、必ず宮城県の公式サイト(公募要領・手引き)でご確認ください。要件を満たしていても審査があり、採択や満額の交付を保証するものではありません。

この記事は2026年11月2日時点の公式情報に基づきます。

出典(すべて公式サイト)


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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