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福島県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】対象機器と上限額

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福島県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】対象機器と上限額
福島県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】対象機器と上限額

この記事は2026年11月3日時点の福島県公式サイト(保健福祉部高齢福祉課)および厚生労働省の公開情報に基づきます。

「福島県で介護記録ソフトを入れ替えたい。でも県のページを開くと『介護ロボット』という文字ばかりで、介護ソフトの補助金がどこにあるのか分からない」——そう思って手が止まっている施設長・事務長の方は、決して少なくありません。

無理もありません。福島県で介護ソフト・タブレット・Wi-Fi環境整備に使える補助金は、事業名に「ICT」も「介護ソフト」も入っていない「介護テクノロジー導入支援事業」の中にまとめて入っているからです。検索している言葉と事業名が一致しないので、見つけにくいだけなのです。

しかも、意外に知られていないことがあります。福島県が補助対象者を選ぶ優先順位は3段階で決まっているのですが、その2番目に「いわゆる見守り支援機器・インカム・介護ソフトのいずれかを今回導入する介護事業所」が名指しで書かれています。介護ソフトは、県が優先的に採択したい区分として制度の中に明記されているのです。

結論を3行で先にお伝えします。

  • 福島県の介護ソフト・ICT補助は「令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業」の中にあり、補助率は対象経費の4/5以内です。
  • 介護ソフトの基準額は職員数別に100万円〜250万円/事業所。PC・タブレット・Wi-Fi環境整備まで一体で導入すると115万円〜265万円/事業所に上がります。
  • 令和8年度の事業計画書の受付は7月31日17時で締め切られ、現在は9月3日付の内示通知が届いている事業所のみが対象です。新規に動けるのは令和9年度の公募になります。

この記事では、介護ソフト・バックオフィスソフト・タブレット・Wi-Fiがそれぞれどの補助区分に入るのか、職員数別の基準額表で自施設の上限をどう出すのか、そしてセミナー受講必須・SECURITY ACTION宣言といった福島県だけの要件を、公式の手引きと交付要綱別表の原文から整理します。最後に、令和8年度の日程をそのまま使った次年度の逆算準備表も載せます。

県全体の制度(介護ロボット本体や1法人915万円という上限の考え方)を先に押さえたい方は、福島県の介護補助金もあわせてご覧ください。本記事はそこからICT・介護ソフトに絞って掘り下げた内容です。

福島県の介護ソフト・ICT導入補助金の窓口がある福島県庁
写真: hyolee2 / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

福島県の介護ソフト・ICT導入補助金【結論】誰が・いくら・いつまで・どこへ

まず、令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業のうち、介護ソフト・ICTに関係する部分だけを1枚に圧縮します。

誰が:県内の介護サービス事業所、養護老人ホーム及び軽費老人ホーム。申請者は施設長ではなく法人代表者です。

いくら:補助率は対象経費の4/5以内。介護ソフトは職員数に応じて100万〜250万円/事業所(定着促進支援を併用する場合は115万〜265万円/事業所)。導入支援とパッケージ型の合計で1法人915万円が上限です。

いつまで:令和8年度は事業計画書の提出が6月23日〜7月31日17時必着で、すでに締め切られています。事業の実施期間は「県の交付決定日から令和9年1月31日まで」です。

どこへ:福島県保健福祉部高齢福祉課 施設福祉担当へ、郵送1部または電子メールで提出します。

最初に押さえたいのは、福島県の介護ICT補助は独立した事業ではなく、介護ロボットと同じ1本の事業の中で、介護ソフトだけ「職員数別の基準額」という別ルールが適用される構造になっているという点です。介護ロボットは「1台いくら」、介護ソフトは「1事業所いくら」で数えます。ここを取り違えると稟議の積算が最初から狂います。

事業名 令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業(①介護テクノロジー導入支援/②介護テクノロジーパッケージ型導入支援/③導入支援と一体的に行う業務改善支援)
実施主体 福島県(保健福祉部高齢福祉課 施設福祉担当)
対象施設 県内に所在する介護保険法に基づく指定又は許可を受けた介護サービス事業所、老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム(事業計画提出時点で既に開設されている事業所のみ)
対象機器(ICT部分) 「介護業務支援」に該当する介護ソフト、バックオフィスソフト(電子サインシステム・給与・勤怠管理等)、インカム、介護ソフトの定着促進支援(PC・タブレット端末、Wi-Fi環境整備、配線工事、モデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築、ベンダーによるサポート費用)
補助率・上限 補助率4/5以内。介護ソフト100万〜250万円/事業所(定着促進支援併用で115万〜265万円/事業所)、インカム100万円/台、見守り支援機器等は30万円/台。導入支援+パッケージ型の合計で1法人915万円
申請期間(令和8年度) 事業計画書等の提出:令和8年6月23日(火)〜7月31日(金)17:00必着(受付終了)/交付申請書の提出期限:令和8年10月23日(金)
窓口 福島県保健福祉部高齢福祉課 施設福祉担当(〒960-8670 福島市杉妻町2番16号 西庁舎7階) TEL 024-521-7164/024-521-7533 メール kourei-kaigorobot@pref.fukushima.lg.jp
公式URL 令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業(福島県)

制度の全体像|国の基金と福島県の3つの事業メニュー

福島県の補助金がなぜこの形になっているのかを理解すると、要件の意味が一気に読みやすくなります。

介護現場のICT・介護ロボット導入支援は、もともと国が都道府県を通じて行っている施策です。厚生労働省は介護テクノロジーの利用促進のページで重点分野の定義やケアプランデータ連携の標準仕様を整備しており、各都道府県はその枠組みに沿って自県の要綱をつくります。だから補助率や基準額の骨格は全国で似通い、締切・要件・優先順位だけが県ごとに大きく違う、という構造になります。介護テクノロジー導入支援事業の全体像を先に読むと、福島県の位置づけがつかみやすくなります。

メニュー 内容 上限(令和8年度)
①介護テクノロジー導入支援 TAIS掲載の介護テクノロジー、介護ソフト、バックオフィスソフト、インカム、介護ソフトの定着促進支援など ①+②の合計で1法人915万円
②介護テクノロジーパッケージ型導入支援 「介護業務支援」のテクノロジーと、それと連動して効果が高まるテクノロジー(Wi-Fi環境整備を除く)をセットで導入する場合。例:介護ソフト+インカム、介護ソフト+見守り・コミュニケーション機器 900万円/事業所(定着促進支援併用で915万円/事業所)
③導入支援と一体的に行う業務改善支援 コンサルティング会社等の第三者による①事前評価(課題抽出)②業務改善に係る助言・指導③事後評価(導入後の定着支援を含む)の費用 1事業所につき48万円(法人単位の上限なし)

介護ソフト中心なら①で足りるかを検討し、見守りセンサーやインカムと同時に入れるなら②の方が上限が高くなります。①と②は合計で1法人915万円という共通の天井がある一方、③の業務改善支援だけは法人単位の上限が設けられておらず、事業所数だけ積み上がる設計です。複数事業所を持つ法人ほど、③を外さずに組み立てる価値があります。

なお手引きには「本事業は、令和8年度6月補正予算成立後において、事業を円滑に開始できるよう成立前に公募するものです」と明記されています。公募が補正予算の成立前に前倒しされている点は、次年度の情報を追うときにも効いてきます。

対象になる介護ソフト・ICT機器|入口は「介護業務支援」の定義

福島県で介護ソフトが補助対象になるかは、製品名ではなく「介護業務支援」に分類されるかで決まります。

TAIS掲載が原則、掲載がなくても同水準なら対象になり得る

補助対象経費の筆頭は、公益財団法人テクノエイド協会が提供する福祉用具情報システム(TAIS)に掲載された介護テクノロジーです。TAISは「Technical Aids Information System」の略で、国内メーカー・輸入事業者から集めた福祉用具情報を公開するデータベース。サイト上の「介護テクノロジーのカテゴリから探す」から、介護業務支援や見守り・コミュニケーションなどのカテゴリで製品を確認できます。

ただしTAIS未掲載品が一律に落ちるわけではありません。手引きは、ア「TAISに掲載されていない機器で、上記(1)の介護テクノロジーと機能等が同水準と判断される機器」、イ「別表第4に掲げる要件のいずれにも該当し、かつ介護従事者の身体的負担の軽減や、間接業務時間の削減等につながる業務の効率化など(中略)介護サービスの質の向上につながると判断される機器等」のいずれかなら対象になり得る、と整理しています。別表第4は「一般的な用途に限定される機器等ではなく、介護事業所での使用に適合するもの」「販売価格が公表されており、一般的に購入できる状態にあること」も同時に求めており、見積書の中身が汎用のPCソフトに見えないかは事前に点検すべきポイントです。

「介護業務支援」=記録から請求まで一気通貫でできるか

介護ソフトの可否を分ける決定的な条件が、重点分野の定義です。手引きのQ&A問19は「『介護業務支援』に該当するテクノロジーとはどのようなものが対象となるか」に対し、重点分野の定義P13の定義をすべて満たす機器・システムや、いわゆる「介護ソフト」(記録、請求業務等を一気通貫で行うことが可能なもの)が対象になる、と答えています。

その重点分野の定義(福島県)のP13では、「介護業務支援」は「介護業務に伴う情報を収集・蓄積し、それを基に、高齢者等への介護サービス提供に関わる業務に活用することを可能とする機器・システム」と定義され、活用先として「リスク予測・検知、ケア推奨や各種ケア計画作成、職員教育・研修、記録・職員間コミュニケーション、サービス提供等」が挙がっています。さらに介護記録システムやケアプラン作成支援ソフト、科学的介護情報システム(LIFE)等と連携可能であることが「加点評価する」項目とされています。

実務的な読み方はシンプルです。記録だけ・請求だけの単機能ソフトではなく、記録から請求までを一気通貫で処理でき、LIFEやケアプランデータ連携にもつながる製品が本命になります。選定段階でこの軸を持っておくと、申請書の「なぜこの製品か」が自然に書けます。製品の見極めには介護記録ソフトの比較の観点も参考になります。

タブレット・Wi-Fiは「介護ソフトの定着促進支援」という別枠

介護ソフトを入れれば必ずPC・タブレットとWi-Fiが要ります。福島県はこれを「介護ソフトの定着促進支援」という独立した費目として定義しています。

区分 対象費用の例(手引き原文)
情報端末 介護ソフトと一体的に使用するための情報端末(PC、タブレット端末(リース費用を含む))
通信環境 介護ソフトを利用するためのWi-Fi環境を整備するために必要な経費(配線工事(Wi-Fi環境整備のために必要な有線LANの設備工事も含む)、モデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築等)
サポート 介護ソフトの導入前後に行うベンダーによるサポート費用
補助対象外 消費税及び地方消費税/通信に係る経費/機器のメンテナンス費用/その他本事業の趣旨から適当とは認められない費用

ここに福島県で最もつまずきやすい分岐があります。手引きの「その他(1)」は、付帯経費として認められるのは「介護ソフト以外の介護テクノロジー」のWi-FiやPC・タブレットだと明記しています。つまり介護ソフトに付随する端末・Wi-Fiは付帯経費のルートに乗らず、定着促進支援として基準額が15万円上積みされるルートだけが用意されており、何台積んでも上乗せは15万円で頭打ちです。見守りセンサーなど他の機器と一緒に入れる場合は、どちらのルートで積算するかを見積段階で切り分けてください。見守りセンサーの比較・選び方を検討中なら、この切り分けが補助額に直結します。

バックオフィスソフトも対象だが、上乗せは付かない

給与・勤怠管理・電子サインシステムといったバックオフィスソフトも別表第4のエとして対象で、基準額は介護ソフトと同じ職員数別の階段です。ただしバックオフィスソフトには定着促進支援の上乗せ欄がなく、別表の表では斜線が引かれています。バックオフィス系だけを入れる計画では、端末・Wi-Fiの上積み15万円は期待できません。

補助率・上限額|職員数別の基準額表で自施設の上限を出す

令和8年度の福島県の補助額は「対象経費の実支出額に5分の4を乗じて得た額」と「基準額」を比較し、少ない方の額が補助額になります。以下の表の金額はいずれも令和8年度の基準額です。

区分 職員数等 基準額(ソフトのみ) 基準額(+介護ソフト定着促進支援)
介護ソフト 1名以上10名以下 100万円/事業所 115万円/事業所
11名以上20名以下 150万円/事業所 165万円/事業所
21名以上30名以下 200万円/事業所 215万円/事業所
31名以上 250万円/事業所 265万円/事業所
バックオフィスソフト 1名以上10名以下 100万円/事業所 設定なし(別表で斜線)
11名以上20名以下 150万円/事業所
21名以上30名以下 200万円/事業所
31名以上 250万円/事業所
インカム/移乗支援(装着型・非装着型)/入浴支援/別表第4で定める機器(バックオフィスソフトを除く) 1台あたり 100万円/台 -
上記以外(見守り支援機器等) 1台あたり 30万円/台 -
介護テクノロジーパッケージ型導入支援 1事業所あたり 900万円/事業所 915万円/事業所
導入支援と一体的に行う業務改善支援 1事業所あたり 48万円/事業所

この表で押さえるべきは、インカムが30万円区分ではなく100万円/台の区分に入っていること、そして見守り支援機器は30万円/台であることです。介護ソフトとインカムを一緒に入れる計画は、パッケージ型の例としても手引きに名指しで挙げられています。

職員数の数え方が上限額を50万円単位で動かす

階段をひとつ上がれば基準額は50万円変わるため、数え方の正確さが金額に直結します。別表第2の注記は次のとおりです。

注記 内容(原文の要旨)
※1 算入範囲 職員数には訪問介護員等の直接処遇職員だけでなく、ICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等の職員も算入して差し支えない
※2 原則 申請時点における常勤換算方法により算出された人数(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第2条第8号等に基づいて計算)とし、小数点以下は四捨五入する
※2 例外 居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)及び管理者や生活相談員等の職員は、従事する職務の性質上、実人数(常勤・非常勤の別は問わない)としても差し支えない

訪問系の職員・ケアマネ・管理者・生活相談員は実人数で数えてよい、という緩和が明示されています。訪問介護や居宅介護支援を併設している事業所では、この読み替えだけで階段がひとつ上がることがあります。手引きP6の要約表は職員数を「1人〜10人/10人〜20人」と略記していますが、別表第2の本表は「1名以上10名以下/11名以上20名以下」です。境界の人数は必ず本表で確認してください。

ケアプランデータ連携システムで5万円の加算

別表第2には「本補助金を活用して『介護業務支援』に該当する介護ソフトを導入する訪問介護事業所等の居宅サービス事業所又は居宅介護支援事業所(介護予防を含む。)であって、令和8年度中に『ケアプランデータ連携システム』により5事業所以上とデータ連携を実施する場合は、上記補助額に5万円を加算する」と定められています。

この5万円加算は居宅系に限られ、特養・老健といった施設系事業所は対象になりません。また「連携を実施する場合」とされ、実績報告の提出書類にもケアプランデータ連携システムの「受信一覧」もしくは「送信一覧」の画面データが(該当者のみ)挙がっています。契約・利用開始だけでは足りず、年度内に5事業所以上と実際にやり取りした記録が求められる、と読むのが安全です。

申請の流れ・締切・提出書類|令和8年度の日程をそのまま逆算に使う

令和8年度の公募は終了していますが、流れと日程を押さえることが次年度の最良の準備になります。

事業の流れ 時期(令和8年度)
(1)事業計画書等の提出【事業者→県】 令和8年6月23日(火)〜7月31日(金)17:00必着
(2)内示通知【県→事業者】 令和8年9月上旬頃(実際の通知は9月3日付)
(3)交付申請書等の提出【事業者→県】 内示時に提出期限をお知らせ(令和8年度は10月23日(金))
(4)交付決定【県→事業者】 交付申請後随時
(5)事業の実施【事業者】 随時(県の交付決定日から令和9年1月31日までに実施する事業が対象)
(6)完了届・実績報告書等の提出【事業者→県】 事業完了後30日以内または令和9年1月31日のいずれか早い日
(7)確定通知(必要な場合)【県→事業者】 事業実績確認後
(8)補助金の支払【県→事業者】 確定通知後随時

見落としやすいのが、事業計画書の締切(7月末)と交付申請書の締切(10月下旬)が別物で、申請が2段階になっていることです。7月に出すのは計画書・業務改善計画書・見積書・製品パンフレット等。内示を受けてから改めて第1号様式(交付申請)以下の書類をそろえ、その際はSECURITY ACTIONの宣言状況がわかる書類と、補助金振込口座の通帳の表紙と見開きの写しも必要になります。補助金申請の流れ・必要書類の一般的な型と突き合わせておくと抜けを防げます。

交付決定前の契約は原則アウト、ただし内示後なら例外がある

手引きは「県の交付決定前に着手した場合、補助金を交付できませんのでご注意ください」とした上で、「やむを得ない理由により、交付決定前に着手する場合は、内示後に別紙様式10を提出してください。その場合でも、着手は内示後となります」という例外を置いています。Q&A問5は、別紙様式10を出しても「募集前に購入した介護ロボットやICT機器」は補助対象にならないと明言しています。問6は「着手年月日はメーカーに注文した日(契約日)、完了年月日は代金の支払日(領収書の日付)」、問7は「見積合わせは着手に含まれません。着手とは商品をメーカー等に注文(契約)することを意味します」と定義しています。相見積もりを取る行為は着手に当たらないので、公募前から製品比較を進めておくこと自体は問題ありません。

提出方法と、介護ソフト特有の実績報告

提出は郵送1部または電子メール(kourei-kaigorobot@pref.fukushima.lg.jp)。手引きには「アドレス入力誤りにより申請メールが届かない事例がおきています」という注意書きと、「電子メール送信後、しばらくしたら到着確認の電話をお願いします」という依頼が添えられています。送って終わりにせず、電話で着信を確認するところまでが提出作業です。計画書・申請書・実績報告書は「事業所ごとかつ事業ごとに個別に作成」が求められ、1法人から複数事業所の申請は可能(問2)、見積書は1社分で可(問8)だが原則として申請する事業所ごとに作成(問10)とされています。実績報告では機器の写真を導入台数が確認できる形で提出し、介護ソフトについては「PCやタブレットの画面に介護ソフトが写った状態の写真」が必要です。導入後に撮り忘れないよう現場に伝えておきましょう。

ふくしま介護生産性向上支援センターが置かれている郡山市
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

福島県特有の注意点|セミナー必須・SECURITY ACTION・併用不可

福島県の補助要件は手引きにア〜クの8項目として並び、「いずれも満たすことが要件です」と書かれています。他県と比べて負荷が重いものを順に見ていきます。

要件 内容(要旨)
ア 委員会の設置 別表第3(1)のサービス(短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院等)は、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会(名称は問わない)を設置すること
イ ケアプランデータ連携 別表第3(2)のサービス(訪問介護、通所介護、居宅介護支援等の居宅系)は、令和8年度までに「ケアプランデータ連携システム」の利用を開始すること
ウ 賃金への還元 生産性向上により収支の改善が図られた場合には、職員の賃金へも適切に還元し、その旨を職員等に周知すること
エ SECURITY ACTION IPAが実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」又は「★★二つ星」のいずれかを宣言すること。厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参考に十分なセキュリティ対策を講じること
オ 業務改善支援 ①コンサルティング会社等による業務改善支援、②ふくしま介護生産性向上支援センター等による業務改善支援(センター実施の研修、または厚労省委託事業の「生産性向上ビギナーセミナー」「生産性向上フォローアップセミナー」「デジタル中核人材養成研修」の受講)のいずれかを受けること。②の場合も別途センターに相談すること
カ 業務改善計画の作成 厚生労働省発行の「生産性向上に資するガイドライン」「ICT機器・ソフトウェア導入に関する手引き」「介護ソフトを選定・導入する際のポイント集」等を参考に業務改善計画を作成すること
キ LIFEへの協力 科学的介護情報システム(LIFE)による情報収集に協力すること。タブレット端末等のみを導入する場合も同様
ク 効果検証への協力 厚生労働省等が実施する効果検証事業等に可能な限り協力すること
(6)導入効果の報告 補助を受けた翌年度から3年の間、福島県及び厚生労働省老健局高齢者支援課介護業務効率化・生産性向上推進室に業務改善効果等を報告すること

県の生産性向上セミナーの受講が必須

手引きは「申請される介護事業所においては、6月19日(金)にふくしま介護生産性向上支援センター主催で開催する『令和8年度第1回福島県介護生産性向上支援セミナー』の受講を必須とします」と書いています。セミナーの開催案内(福島県)によれば令和8年度は6月19日15:00〜16:30にZoomで実施、定員500名、前半30分(15:00〜15:30)が県による補助金案内という構成でした。なお開催案内ページ上の名称は「令和8年度第1回福島県介護生産性向上セミナー」で、手引きの表記とは「支援」の有無が異なります。当日参加できなくても後日配信のアーカイブ動画の受講で要件を満たせますが、受講後アンケートへの回答が必須です。公募開始が6月23日、セミナーが6月19日と、セミナーは公募開始の4日前。年度初めから県の動きを見ていないと、気づいたときには受講機会を逃していた、という事故が起こり得ます。

要件オの相談先であるふくしま介護生産性向上支援センターは〒963-8041 郡山市富田町字満水田27番8 ふくしま医療機器開発支援センター内、電話024-954-4035、受付は月〜金の9時〜17時(土日祝・年末年始を除く)。介護ロボットやICT機器の導入相談を無料で受け付けており、電話・メール・WEBフォームが使えます。

SECURITY ACTIONは2026年4月から即日発行になった

要件エのSECURITY ACTIONについて、事業所単位で単一の法人番号を有していない場合は法人単位として、又は事業所の代表者を「個人事業主」として申し込むこと、とされています。ここで実務上うれしい変更があります。IPAのSECURITY ACTION管理システムのリリース案内によれば、2026年4月以降の申込は「管理システムにGビズIDでログインし申込」という方式に変わり、申込直後に自己宣言IDやロゴマークを取得できるようになりました(従来は自己宣言IDの通知が申込から1週間程度、ロゴマークのダウンロードは申込から2〜3週間後)。交付申請には宣言状況がわかる書類の添付が必要なので、GビズIDのアカウント(プライムまたはメンバー。エントリーは使用不可)を先に用意しておくのが段取りとして有効です。

他補助金とは併用不可、リース・月額課金は1月末まで

手引きは「他の補助金等を受けて導入する介護ロボット等については、この補助金の対象とはなりません」と明記し、別表第2の留意事項も「他の補助金等を受けて導入する介護ロボット及びICT機器、通信環境の整備等については、本事業における補助の対象とはならない」としています。IT導入補助金など国の別制度と同じ経費で二重に受けることはできません。どちらか一方しか使えない以上、補助率4/5という水準は国のIT導入補助金より高くなる場面が多く、介護事業所であれば県の制度を軸に考えるのが基本線になります。

経費の期間にも制約があります。別表第2には「リース費用は当該年度の1月末までにかかる経費が対象となる。」とあり、Q&A問16も毎月費用を支払う介護ソフトは「当該年度の1月末までに発生した経費が対象」と回答しています。一方、問17は使用権(ライセンス)購入型について「購入時に一括して費用を支払うものであり、性質としてはパッケージ型介護ソフトの購入と同質であると考えられることから、初年度に全額を補助対象経費として扱います」としています。5年ライセンスを一括購入する契約形態なら、按分せず初年度に全額を対象経費にできるということです。月額課金か一括購入かで補助額が大きく変わるため、契約形態は見積段階で意識的に選ぶ価値があります。

選定の優先順位と、中核市の扱い

優先順位 対象となる介護事業所
1 過去2年間に福島県補助金(令和6年度介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金、令和7年度介護テクノロジー導入支援事業費補助金、令和6・7年度地域医療介護総合確保基金事業補助金(介護施設等の大規模修繕の際に併せて行う介護ロボット・ICT導入事業))の交付を受けたことがない介護事業所
2 1に該当しない事業所のうち、いわゆる見守り支援機器・インカム・介護ソフトのいずれかを今回導入する介護事業所
3 1及び2に該当しない事業所のうち、業務改善計画書(別紙様式4)の内容により、特に優先度が高いと県が判断した介護事業所

Q&A問3も「過年度に申請を行ったが今年度も申請可能か」に「申請可能です。ただし、補助対象者の選定に当たっては、過去2年間に福島県補助金の交付を受けたことがない事業所が優先となります」と答えています。初めて申請する事業所が最も有利で、過去に受けていても介護ソフト・インカム・見守り機器を入れるなら2番手に入れる設計です。

なお福島県に政令指定都市はなく、中核市は福島市・郡山市・いわき市の3市です(中核市市長会の会員市一覧)。この3市が介護保険分野で介護ソフト・ICT導入に独自の補助制度を設けているかは、2026年11月3日時点の公式サイトでは確認できませんでした。市独自の上乗せを期待するより、県の事業を軸に組み立てたうえで所在市の介護保険担当課に念のため照会する、という進め方が現実的です。隣接県と比べたい方は宮城県の介護補助金、新潟県の介護補助金、茨城県の介護補助金もどうぞ。骨格は似ていても、締切・優先順位・県独自要件は県ごとに大きく違います。

令和9年度に向けた逆算準備表

令和8年度の日程を前提に置いた、次年度の準備スケジュールです。日程は毎年変わり得るため目安としてお使いください。

時期の目安 やること 根拠(令和8年度)
4〜5月 県HPで次年度公募の告知を確認。前年度の手引き・別表第2で要件を予習し、職員数を常勤換算で仮計算 令和8年度は6月23日公募開始
5〜6月上旬 GビズIDを取得し、SECURITY ACTION(★一つ星)を宣言。申請状況画面のスクリーンショットを保存 交付申請書類⑧・Q&A問12
6月中旬 県の介護生産性向上セミナーを受講(アーカイブ視聴可)し、受講後アンケートに回答 令和8年度は6月19日開催・受講必須
6月中 ふくしま介護生産性向上支援センターに相談。介護ソフトの見積を取得(1社分で可、事業所ごとに作成) 要件オ・Q&A問8/問10
6〜7月 業務改善計画書(別紙様式4)を事業所ごと・事業ごとに作成。委員会設置またはケアプランデータ連携の利用開始を確認 要件ア・イ
7月末 事業計画書等をメールまたは郵送で提出。メール送信後は到着確認の電話まで行う 令和8年度は7月31日17:00必着
9月上旬 内示通知を受領。急ぐ場合のみ別紙様式10(交付決定前着手届)を提出(着手は内示後) 令和8年度は9月3日付内示
10月 交付申請書一式を提出 → 交付決定を待って発注・契約 令和8年度は10月23日が交付申請期限
翌1月末 事業完了・支払い・実績報告(介護ソフトは画面を撮影した写真を添付) 完了後30日以内または1月31日の早い日

制度の基本設計をもう一段深く知りたい方は、介護テクノロジー補助金の完全ガイドで全国共通の考え方を確認しておくと、福島県の要件がどこまで県独自なのかを見分けやすくなります。

よくある質問

福島県の介護ソフト・ICT導入補助金について、施設長・事務長から寄せられやすい5つの論点を整理します。

令和8年度の福島県介護ソフト・ICT導入補助金は、今から申請できますか?

できません。県の公式ページには「事業募集は終了しています。(9月3日付けの内示通知が届いている事業所のみが対象です)」と明記されています。事業計画書の受付は6月23日〜7月31日17時必着で締め切られ、内示を受けた事業所の交付申請期限も令和8年10月23日でした。これから新規に申請できるのは令和9年度(2027年度)の公募であり、その時期・内容は現時点で公表されていません。最新の公募情報は福島県高齢福祉課のページでご確認ください。

介護ソフトの補助上限を決める「職員数」はどう数えますか?

原則は申請時点における常勤換算方法で算出した人数、小数点以下は四捨五入です。ただし別表第2の※2により、居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)と管理者・生活相談員等は実人数(常勤・非常勤の別は問わない)としても差し支えありません。※1により、直接処遇職員だけでなくICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等も算入できます。階段の境界は「1名以上10名以下/11名以上20名以下/21名以上30名以下/31名以上」で、手引きP6の略記ではなく別表第2の本表の表記が正です。判断に迷う場合は申請前に県高齢福祉課へご確認ください。

タブレット・Wi-Fi環境整備だけでも補助対象になりますか?

条件付きで対象になり得ます。Q&A問18は「Wi-Fi環境整備のみの場合でも補助対象となるか」に対し「過年度に導入した見守り機器を効果的に活用するために整備するものであれば、Wi-Fi環境整備のみでも補助対象になります。(交付要綱別表第4-1ウ)」と回答しています。別表第4の1ウは「過年度に導入した見守り機器を効果的に活用するために必要な通信環境整備に要する経費(配線工事、モデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築等)」を対象に挙げています。一方、介護ソフトに付随する端末・Wi-Fiは「介護ソフトの定着促進支援」として基準額が15万円上積みされる扱いです。具体的な積算方法は案件ごとに判断が分かれるため、福島県の公式サイト(手引き・別表)および県高齢福祉課でご確認ください。

月額課金のクラウド型介護ソフトやリースは、どこまで対象経費になりますか?

月額で支払うタイプは当該年度の1月末までに発生した経費が対象です(Q&A問16)。リース費用も別表第2に「当該年度の1月末までにかかる経費が対象となる。」と注記されています。これに対し、5年間などの使用権(ライセンス)を購入時に一括して支払うタイプは「パッケージ型介護ソフトの購入と同質であると考えられることから、初年度に全額を補助対象経費として扱います」とされています(問17)。同じ製品でも契約形態が月額課金か一括購入かで対象になる金額が大きく変わるため、見積依頼の段階で両方のパターンを出してもらうのが実務上の定石です。なお通信に係る経費、機器のメンテナンス費用、消費税及び地方消費税は補助対象外経費です。

IT導入補助金など、他の補助金と併用できますか?

同じ機器・同じ経費での併用はできません。手引きに「他の補助金等を受けて導入する介護ロボット等については、この補助金の対象とはなりません」、別表第2の留意事項に「他の補助金等を受けて導入する介護ロボット及びICT機器、通信環境の整備等については、本事業における補助の対象とはならない」と明記されています。要件を満たせば県の事業で補助率4/5が適用されますが審査があり、手引きにも「全体の応募額によっては、補助上限額が記載を下回る場合や交付できない場合があります」と書かれています。満額の交付や採択が保証されるものではない点にご留意ください。

まとめ|福島県の介護ICT補助は「介護テクノロジー導入支援事業」から探す

  • 福島県の介護ソフト・ICT補助は「令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業」の中にあり、事業名に「ICT」も「介護ソフト」も入らないため検索で見つけにくい
  • 令和8年度の補助率は4/5以内。介護ソフトは職員数別に100万〜250万円/事業所、定着促進支援(PC・タブレット・Wi-Fi・ベンダーサポート)を併用すると115万〜265万円/事業所
  • インカムは100万円/台、見守り支援機器等は30万円/台。セット導入ならパッケージ型(900万/915万円)という選択肢もある
  • 導入支援とパッケージ型の合計で1法人915万円が上限。業務改善支援(1事業所48万円)だけは法人単位の上限がない
  • 県独自要件が重く、セミナー受講(アーカイブ可)、SECURITY ACTION宣言、委員会設置またはケアプランデータ連携の利用開始、LIFEへの協力、3年間の効果報告がセット
  • 令和8年度は募集終了。次は令和9年度の公募だが、SECURITY ACTIONの宣言・職員数の算定・相見積もりの取得は今からでも進められる

交付決定前の契約・発注は原則として補助対象外で、やむを得ない場合でも着手できるのは内示後に別紙様式10を提出してからです。公募開始後に製品選定を始めると日程が足りないため、相見積もりまでは先に済ませておくのが現実的な進め方になります。見積合わせは着手に含まれないと県のQ&Aが明言しているので、先行して動くこと自体に問題はありません。

福島県の制度全体(介護ロボット本体の区分や915万円の使い切り方)は福島県の介護補助金に、情報量の多い自治体の運用例は東京都の介護補助金にまとめています。読み方の型を増やしておくと、次年度の要領が出たときに差分だけを素早く確認できます。

この記事は2026年11月3日時点の公式情報に基づきます。補助率・上限額・締切・要件は年度ごとに変更され得ます。最新の内容は必ず福島県の公式サイトおよび公募要領(手引き・交付要綱別表)でご確認ください。また、要件を満たした場合でも審査があり、採択や満額の交付が保証されるものではありません。

出典(すべて公式サイト)


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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