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福島県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】上限915万円

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福島県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】上限915万円
福島県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】上限915万円

「見守りセンサーも介護ソフトも入れたい。でも、福島県の補助金は結局いくら出て、いつ申し込めばいいのか」——県内の特養・老健・グループホーム・デイ・訪問介護の施設長や事務長から、もっとも多く聞かれるのがこの疑問です。

介護テクノロジーの補助金は、国の制度を各都道府県が自前の要綱で実施します。つまり同じ「介護ロボット補助金」でも、上限額も締切も要件も、福島県と隣の宮城県・茨城県ではまったく違います。ネットで見つけた他県の情報で稟議を書いてしまうと、金額も日程も合いません。

結論を3行で先にお伝えします。

  • 制度名は令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業。補助率は対象経費の4/5以内です。
  • 上限は、介護テクノロジー導入支援とパッケージ型導入支援の合計で1法人につき915万円。これとは別に、業務改善支援が1事業所につき48万円です。
  • 令和8年度の事業計画書の募集は令和8年7月31日17:00で締め切られ、すでに終了しています(9月3日付の内示通知が届いている事業所のみが対象)。今から動く施設は、令和9年度の公募に向けた準備が実務上のテーマになります。

この記事では、福島県保健福祉部高齢福祉課が公開している「補助事業の手引き」と交付要綱の原文から、対象施設・対象機器・機器区分ごとの基準額・申請書類・スケジュール・福島県だけの8つの補助要件を、稟議にそのまま貼れる形で整理しました。あわせて、他県の記事ではまず触れられない「交付決定前着手届」「リース費用の1月末ルール」「ケアプランデータ連携の5万円加算」など、取りこぼしやすい論点も拾っています。

この記事は2026年10月28日時点の福島県公式情報に基づきます。

福島県庁舎の外観
写真: hyolee2 / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業の全体像

福島県の介護テクノロジー補助金は、1つの補助金の中に3つのメニューが並ぶ構成になっています。

事業名 令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業(補助金名:福島県介護テクノロジー導入支援事業費補助金)
実施主体 福島県(保健福祉部高齢福祉課 施設福祉担当)
対象施設 県内に所在する介護保険法に基づく指定または許可を受けた介護サービス事業所/老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム
対象機器 テクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAIS)に「介護テクノロジー」として掲載された機器等、介護ソフト・バックオフィスソフト、交付要綱別表第4に定める機器等
補助率・上限 対象経費の4/5以内。介護テクノロジー導入支援+パッケージ型導入支援の合計で1法人915万円、導入支援と一体的に行う業務改善支援は1事業所48万円
申請期間(令和8年度) 事業計画書等の提出:令和8年6月23日(火)〜7月31日(金)17:00必着(募集終了)。交付申請書の提出期限:令和8年10月23日(金)
窓口 福島県保健福祉部高齢福祉課 施設福祉担当(〒960-8670 福島市杉妻町2番16号 西庁舎7階)TEL 024-521-7164/024-521-7533、E-mail kourei-kaigorobot@pref.fukushima.lg.jp
公式URL 令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業について(福島県)

介護テクノロジーの導入支援は、厚生労働省が示す枠組みを受けて各都道府県が要綱を定めて実施します。国側の考え方や参考資料は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進にまとまっており、福島県の要綱も「介護ソフトを選定・導入する際のポイント集」「介護ロボットのパッケージ導入モデル」など厚生労働省発行の資料を参照して業務改善計画を作成するよう求めています。制度全体の考え方は介護テクノロジー導入支援事業の全体像でも整理していますので、県の要綱と突き合わせながら読むと理解が早くなります。

3つのメニューの役割分担

福島県の令和8年度事業は、次の3本立てです。どれか1つを選ぶのではなく、要件を満たせば3つ同時に申請することもできます(手引きQ&A11)。

  • 介護テクノロジー導入支援:介護ロボット・インカム・介護ソフト・バックオフィスソフトなどを、機器ごとに積み上げて申請するメニュー。
  • 介護テクノロジーパッケージ型導入支援:TAISで「介護業務支援」に分類されるテクノロジー(またはそれと同水準の機器)と、それに連動して効果が高まると判断できるテクノロジーを組み合わせて導入するメニュー。
  • 導入支援と一体的に行う業務改善支援:上の2つで機器を入れる際に、コンサルティング会社等の第三者から事前評価・助言指導・事後評価を受ける費用を補助するメニュー。

なお、福島県には政令指定都市がなく、中核市である郡山市・いわき市を含めて県内全域の介護サービス事業所が同じ県事業の対象です。市単独の上乗せ補助があるかどうかは本記事では確認できていないため、各市の介護保険担当課にご確認ください。

対象になる施設と、対象になる介護テクノロジー

対象は「県内の介護サービス事業所」と広く、対象機器はTAIS掲載の介護テクノロジーが軸になります。

対象事業者の範囲

交付要綱第2条は、対象事業者を「福島県内に所在する介護保険法に基づく指定若しくは許可を受けた介護サービス事業所又は老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホームを運営する者」と定めています。特養・老健・介護医療院といった施設系だけでなく、通所・訪問・居宅介護支援・小規模多機能・グループホームまで幅広く入ります。ただし申請者は施設長ではなく法人代表者で、事業計画の提出時点ですでに開設されている事業所だけが対象です(手引きQ&A1・9)。新規開設予定の事業所は、開設後の年度を待つことになります。

TAIS掲載が基本線、掲載がなくても道はある

TAIS(福祉用具情報システム)は、公益財団法人テクノエイド協会が運営する福祉用具・介護テクノロジーのデータベースです。福島県の手引きは、まずTAISの福祉用具検索(介護テクノロジーを含む)に「介護テクノロジー」として選定された機器を対象とする、と明記しています。TAISの介護テクノロジーのカテゴリは、移乗支援(装着・非装着)、移動支援(屋外・屋内・装着)、排泄支援(排泄物処理・排泄予測・検知・動作支援)、見守り・コミュニケーション(施設・在宅・コミュニケーション)、入浴支援、介護業務支援、機能訓練支援、食事・栄養管理支援、認知症生活支援・認知症ケア支援に分かれています。

実務上の注意点を1つ。手引きに記載されたTAISのURLは techno-aids.or.jp 配下ですが、2026年10月28日時点でアクセスすると techno-tais.jp へ転送されます。検索結果の画面を稟議資料に貼る際は、転送後のドメインで表示されることを前提にしておくと説明がスムーズです。

TAISに載っていない機器でも、(1)TAIS掲載の介護テクノロジーと機能等が同水準と判断される機器、(2)交付要綱別表第4の要件に該当し、介護従事者の身体的負担の軽減や間接業務時間の削減につながると判断される機器等であれば対象になり得ます。別表第4には、調理支援などの職員の負担を軽減する機器(配膳車・配膳ロボット等)、生産性向上に資する福祉用具(訪問介護事業所で使用するスライディングボード等)、過年度に導入した見守り機器を効果的に活用するための通信環境整備、バックオフィスソフト(電子サインシステム、給与、勤怠管理等)、バイタル測定が可能なウェアラブル端末が挙げられています。いずれも「一般的な用途に限定される機器等ではなく、介護事業所での使用に適合するもの」「販売価格が公表されており、一般的に購入できる状態にあること」が条件です。

どの機器を選ぶかで迷っている段階なら、見守りセンサーの比較・選び方と介護記録ソフトの比較で機能の違いを押さえたうえで、TAISの掲載有無を確認する順番が手戻りが少なくなります。

介護ソフトに付帯する経費(定着促進支援)

福島県の手引きは、介護ソフトの定着を促進する費用として「介護ソフト定着促進支援」という枠を用意しています。対象費用の例として挙がっているのは、介護ソフトと一体的に使用するための情報端末(PC、タブレット端末。リース費用を含む)、介護ソフトを利用するためのWi-Fi環境整備に必要な経費(配線工事、Wi-Fi環境整備のために必要な有線LANの設備工事を含む、モデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築等)、介護ソフトの導入前後に行うベンダーによるサポート費用です。インカムやタブレット、Wi-Fi工事といった「ソフト以外のICT」も、主となる機器に付帯して一緒に導入するなら対象経費に含められます。

令和8年度の補助率4/5と、機器区分ごとの基準額早見表

補助額は「実支出額×4/5」と「基準額」を比べて少ない方になるため、基準額の読み方が金額を左右します。

交付要綱第3条は、補助額を「補助対象経費の実支出額に補助率を乗じて得た額と補助基準額を比較して少ない方の額」と定め、千円未満の端数は切り捨てるとしています。つまり、基準額を超えた分は4/5の計算に乗りません。

介護ロボット等(1台あたりの基準額)

種別 基準額
移乗支援(装着型・非装着型) 100万円/台
入浴支援
インカム
別表第4で定める機器(バックオフィスソフトを除く)
上記以外 30万円/台

見守り支援機器や移動支援、排泄支援などは「上記以外」に当たり、1台30万円が基準額の目安になります。移乗支援・入浴支援・インカムだけが100万円/台という厚めの設定になっている点が、福島県の基準額表を読むうえで最初に押さえるべきポイントです。なお基準額は、主となる機器と付帯して必要となる経費を合計し、1台当たりの基準額に導入台数を乗じた金額で判定されます。

介護ソフト・バックオフィスソフト(職員数に応じた基準額)

種別 職員数 基準額(ソフトのみ) 基準額(ソフト+定着促進支援)
介護ソフト 1名以上10名以下 100万円/事業所 115万円/事業所
11名以上20名以下 150万円/事業所 165万円/事業所
21名以上30名以下 200万円/事業所 215万円/事業所
31名以上 250万円/事業所 265万円/事業所
バックオフィスソフト 1名以上10名以下 100万円/事業所 ―(設定なし)
11名以上20名以下 150万円/事業所
21名以上30名以下 200万円/事業所
31名以上 250万円/事業所

職員数には、訪問介護員等の直接処遇職員だけでなく、ICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等の職員も算入して差し支えないとされています。算定方法は申請時点における常勤換算方法(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第2条第8号等)で、小数点以下は四捨五入。ただし居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)および管理者・生活相談員等は、従事する職務の性質上、常勤・非常勤の別を問わない実人数としても差し支えないと明記されています。この「実人数でも可」の一文は、訪問系の事業所が1つ上の職員数区分に乗れるかどうかを左右します。

パッケージ型と業務改善支援

種別 基準額(パッケージのみ) 基準額(パッケージ+定着促進支援)
介護テクノロジーパッケージ型導入支援 900万円/事業所 915万円/事業所
導入支援と一体的に行う業務改善支援 48万円/事業所

パッケージ型の例として手引きが挙げているのは、「介護業務支援」に該当する機器+「見守り・コミュニケーション」に該当する機器、「介護業務支援」に該当する複数の機器、介護ソフト+インカムなどの組み合わせです。連動するテクノロジーの考え方については、見守り支援機器から得られる情報を収集・分析できる介護業務支援ロボットを導入する場合に、見守りセンサーやカメラなど連動することでより高い効果を発揮できるものが対象になる、と説明されています。

上限額の構造も押さえておきましょう。介護テクノロジー導入支援とパッケージ型導入支援の合計で1法人につき915万円が上限です。一方、業務改善支援は法人単位の上限額を設けず、1事業所につき48万円が上限となっています。

ケアプランデータ連携の5万円加算

本補助金で「介護業務支援」に該当する介護ソフトを導入する訪問介護事業所等の居宅サービス事業所または居宅介護支援事業所(介護予防を含む)であって、令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」により5事業所以上とデータ連携を実施する場合は、補助額に5万円が加算されます。実績報告の際には、ケアプランデータ連携システムの「受信一覧」もしくは「送信一覧」の画面データを提出することになります。

郡山市の市街地と駅前の風景
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

申請の流れ・締切・「交付決定前に発注したら対象外」の線引き

福島県は計画書の事前提出→内示→交付申請→交付決定という2段構えで、着手のタイミングが特に重要です。

事業の流れ 時期(令和8年度)
(1) 事業計画書等の提出【事業者→県】 令和8年6月23日(火)〜7月31日(金)17:00必着
(2) 内示通知【県→事業者】 令和8年9月上旬頃(9月3日付で通知)
(3) 交付申請書等の提出【事業者→県】 内示時に提出期限を通知(県ホームページでは令和8年10月23日(金))
(4) 交付決定【県→事業者】 交付申請後随時
(5) 事業の実施【事業者】 県の交付決定日から令和9年1月31日まで
(6) 完了届・実績報告書等の提出【事業者→県】 事業完了後30日以内、または令和9年1月31日のいずれか早い日
(7) 確定通知(必要な場合)【県→事業者】 事業実績確認後
(8) 補助金の支払【県→事業者】 確定通知後随時

注意したいのが(6)です。「事業完了後30日以内」と「令和9年1月31日」の早い方が実績報告の期限なので、1月に納品すると報告まで数日しかない、という事態が起こり得ます。12月中の納品・検収・支払完了を基本線に置くほうが安全です。申請書類の一般的な考え方は補助金申請の流れ・必要書類にまとめていますが、福島県は様式の種類が多いので、必ず県ページの様式一式と突き合わせてください。

交付決定前の契約・発注はどう扱われるか

県の案内は「県の交付決定日から令和9年1月31日までに実施する事業が対象」「県の交付決定前に着手した場合、補助金を交付できません」と明記しています。そのうえで、やむを得ない理由により交付決定前に着手する場合は、内示後に別紙様式10(交付決定前着手届)を提出すれば、交付決定を待たずに着手できます。ただし、その場合でも着手は内示後でなければなりません。

さらにQ&Aが具体的です。着手年月日とはメーカーに注文した日(契約日)、完了年月日とは代金の支払日(領収書の日付)を指します。見積合わせは着手に含まれず、着手とは商品をメーカー等に注文(契約)することを意味します。そして、募集前に購入した介護ロボットやICT機器は、別紙様式10を提出しても補助対象になりません。様式10はあくまで「内示から交付決定までの間に着手する必要がある場合」に提出する書類だと説明されています。

提出方法と見積書

提出先は福島県保健福祉部高齢福祉課 施設福祉担当。郵送で1部、または電子メールで提出します。手引きには「アドレス入力誤りにより申請メールが届かない事例がおきています」という注意書きがあり、メール送信後にしばらくしてから到着確認の電話を入れるよう求められています。見積書は1社分で構いませんが、法人でまとめて機器等を購入する場合でも、原則として申請する事業所ごとに作成してもらう扱いです。計画書・申請書・実績報告書は、事業所ごとかつ事業ごとに個別に作成します。

福島県だけの8つの補助要件と、見落としやすい注意点

金額以上に差が出るのが、交付要綱第4条が定める8つの要件です。1つでも欠けると申請が成り立ちません。

要件(1)〜(8)の要約

  1. 委員会の設置:短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院など別表第3(1)のサービスは、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会(名称は問わない)を設置すること。
  2. ケアプランデータ連携システムの利用開始:訪問介護、通所介護、居宅介護支援、小規模多機能型居宅介護など別表第3(2)のサービスは、令和8年度までに同システムの利用を開始すること。
  3. 賃金への還元と周知:導入・活用により生産性向上が図られ収支の改善が図られた場合には、職員の賃金へも適切に還元し、その旨を職員等に周知すること。
  4. SECURITY ACTIONの宣言:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言すること。申請状況が分かる書類(宣言申込後のメールの写し等)を交付申請時に添付します。宣言の方法はIPAのSECURITY ACTION管理システムリリースのご案内で確認できます。
  5. 業務改善支援の受講・受審:コンサルティング会社等による業務改善支援を受けるか、ふくしま介護生産性向上支援センターが実施する研修、または厚生労働省委託事業の「生産性向上ビギナーセミナー」「生産性向上フォローアップセミナー」「デジタル中核人材養成研修」を受講すること。
  6. 業務改善計画の作成:厚生労働省発行の「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」「介護サービス事業所におけるICT機器・ソフトウェア導入に関する手引き」「介護ソフトを選定・導入する際のポイント集」「介護ロボットのパッケージ導入モデル」「介護現場で活用されるテクノロジー一覧」を参考に業務改善計画を作成すること。
  7. LIFEへの協力:科学的介護情報システム(LIFE)による情報収集に協力すること。タブレット端末等のみを導入する場合も同様。
  8. 効果検証事業への協力:厚生労働省等が実施する効果検証事業等に可能な限り協力すること。

加えて令和8年度は、6月19日(金)にふくしま介護生産性向上支援センター主催で開催された「令和8年度第1回福島県介護生産性向上支援セミナー」の受講が必須とされました(後日配信のアーカイブ動画の受講でも可)。導入効果の報告も要件で、補助を受けた翌年度から3年間、福島県および厚生労働省老健局高齢者支援課介護業務効率化・生産性向上推進室に業務改善効果等を報告します。

ふくしま介護生産性向上支援センターの使い方

要件(5)にも登場するふくしま介護生産性向上支援センターは、県内介護サービス事業所からの介護ロボットやICT機器の導入など生産性向上に関する相談を受け付けるワンストップ窓口です。所在地は郡山市富田町字満水田27番8のふくしま医療機器開発支援センター内、電話は024-954-4035、受付は月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで。相談のほか、出張展示会の開催、介護ロボットの試用貸出、研修会やセミナーの開催を行っています。交付要綱第17条は、特に活用定着に向けたサポートが必要な介護ロボットやICT等を導入する事業者について、業務改善計画の作成や取組の実施に当たり原則としてセンターに相談することを求めています。機器を選ぶ前に試用貸出で現場に合うかを確かめるのが、結果的に遠回りにならない進め方です。

対象外経費・リース・他補助金との併用

対象外経費として明記されているのは、消費税及び地方消費税、通信に係る経費、機器のメンテナンス費用、その他本事業の趣旨から適当とは認められない費用です。業務改善支援ではこれに加えて、メーカーや販売店等による機器の操作説明に係る経費も対象外とされています。

リース費用は、交付要綱別表第2(補助対象経費)の注記で当該年度の1月末までにかかる経費のみが対象と定められています。月額費用を支払う介護ソフトも、当該年度の1月末までに発生した経費が対象です。一方で、使用権(ライセンス)購入型の介護ソフトは、使用期限はあるものの購入時に一括して費用を支払うものであり、性質としてはパッケージ型介護ソフトの購入と同質であることから、初年度に全額を補助対象経費として扱うと整理されています。クラウド月額とライセンス買い切りで扱いが真逆になるため、見積の取り方を発注前に決めておく必要があります。

他補助金との関係は明快です。申請にあたっての注意点に「他の補助金等を受けて導入する介護ロボット等については、この補助金の対象とはなりません」と記載されています。同じ機器に二重に補助を当てることはできません。

また、応募額によっては補助上限額が記載を下回る場合や交付できない場合があるとあらかじめ案内されています。選定は、(1)過去2年間に福島県補助金の交付を受けたことがない介護事業所、(2)(1)に該当しない事業所のうち見守り支援機器・インカム・介護ソフトのいずれかを今回導入する事業所、(3)(1)(2)に該当しない事業所のうち業務改善計画書の内容により特に優先度が高いと県が判断した事業所、の順に優先されます。ここでいう福島県補助金とは、令和6年度福島県介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金、令和7年度福島県介護テクノロジー導入支援事業費補助金、令和6年度・令和7年度の福島県地域医療介護総合確保基金事業補助金(介護施設等の大規模修繕の際に併せて行う介護ロボット・ICT導入支援事業)を指します。直近2年に県の補助を受けていない施設ほど通りやすい設計であり、裏を返せば連続採択を前提にした計画は立てにくいということです。

財産管理の論点も稟議で問われます。交付要綱第16条は、処分制限の対象を取得価格または効用の増加価格が50万円以上(事業者が地方公共団体以外の場合は30万円以上)の機械、器具、その他の備品とし、期間は減価償却資産の耐用年数等に関する省令に定める耐用年数に相当する期間としています。会計帳簿等は、補助事業完了の日の属する会計年度の翌年度から起算して5年間保存が必要です。軽微な変更として扱われるのは、補助対象経費の2割以内の増減と、費目間で2割以内の流用までです。

令和9年度に向けた逆算スケジュール(福島県の年間パターン)

令和8年度の募集は終了しているため、ここからは「次の年度に間に合わせる」ための逆算が実務になります。

令和8年度は6月23日公募開始・7月31日締切・9月上旬内示・10月下旬交付申請・1月31日完了という流れでした。令和9年度の日程は発表されていませんが、この年間パターンを前提に置くと準備の開始時期が見えてきます。以下はあくまで令和8年度の実績から逆算した目安で、令和9年度の公募時期・要件は県の発表で必ず確認してください。

時期の目安 やること 福島県の根拠となるルール
公募の約4か月前(2〜3月頃) 現場の課題を洗い出し、どの業務をどう変えるかを決める 業務改善計画書(別紙様式4)が全メニュー共通の必須書類
約3か月前(3〜4月頃) ふくしま介護生産性向上支援センターに相談、試用貸出で機器を検証 交付要綱第17条が原則としてセンターへの相談を求める
約2か月前(4〜5月頃) TAIS掲載の有無を確認し、機器とベンダーを絞る/見積取得 TAIS掲載機器が対象の基本線、見積は1社分で可
約1か月前(5〜6月頃) SECURITY ACTIONを宣言、委員会設置・ケアプランデータ連携の状況を確認 交付要綱第4条(1)(2)(4)の要件
公募開始直後(6月頃) 県主催の生産性向上セミナーを受講(アーカイブ可) 令和8年度は第1回セミナーの受講が必須要件
公募締切まで(7月頃) 所要額調書・業務改善計画書・見積書・製品パンフレットを提出 令和8年度は7月31日17:00必着
内示後(9月頃) 交付申請書一式を提出。急ぐ場合は別紙様式10を提出して着手 着手は内示後。注文(契約)日が着手日
交付決定後〜12月 発注・納品・検収・支払を完了させる 実績報告は完了後30日以内または1月31日の早い方

この表で最も重要なのは、SECURITY ACTIONの宣言とセミナー受講を「公募が始まってから」ではなく「公募前後に確実に終える」ことです。機器選定より先に片づく事務なので、年度初めに済ませておくと締切前の負荷が大きく下がります。申請全体の設計は介護テクノロジー補助金の完全ガイドも参考にしてください。

近隣県と比べてどうか

福島県は補助率4/5、1法人915万円という比較的厚い設計ですが、都道府県ごとに上限も締切も異なります。法人が県をまたいで事業所を持っている場合は、宮城県の介護補助金、茨城県の介護補助金、新潟県の介護補助金も並べて確認すると、どの事業所から着手するかの判断材料になります。首都圏に拠点がある法人は東京都の介護補助金、埼玉県の介護補助金、千葉県の介護補助金もあわせてどうぞ。

福島県会津若松市の鶴ヶ城天守閣
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

よくある質問

福島県の介護テクノロジー補助金について、問い合わせの多い5点を公式資料の記載に沿って整理します。

令和8年度の福島県介護テクノロジー導入支援事業は、今から申請できますか?

できません。県のページには「事業募集は終了しています。(9月3日付けの内示通知が届いている事業所のみが対象です)」と明記されています。事業計画書の提出期間は令和8年6月23日から7月31日17:00まで、交付申請書の提出期限は令和8年10月23日(金)でした。次に申請できるのは令和9年度の公募となる見込みですが、公募の有無・時期・内容は県の発表でご確認ください。

交付決定前に発注してしまった機器は補助対象になりますか?

原則として対象外です。県の交付決定前に着手した場合は補助金を交付できないとされています。やむを得ない理由がある場合は、内示後に別紙様式10(交付決定前着手届)を提出することで交付決定を待たずに着手できますが、その場合でも着手は内示後である必要があります。募集前に購入した介護ロボットやICT機器は、様式10を提出しても補助対象になりません。着手日はメーカーに注文した日(契約日)を指し、見積合わせは着手に含まれません。

1法人で複数の事業所分をまとめて申請できますか?

可能です。Q&Aでは「1つの法人から複数の事業所を申請することは可能です。事業所ごとに申請書を提出してください」と案内されています。ただし令和8年度の上限は、介護テクノロジー導入支援とパッケージ型導入支援の合計で1法人につき915万円です。導入支援と一体的に行う業務改善支援は法人単位の上限がなく、1事業所につき48万円が上限となります。補助金振込口座は原則として法人で1つに統一します。

Wi-Fi工事だけ、タブレットだけでも補助対象になりますか?

Wi-Fi環境整備のみでも、過年度に導入した見守り機器を効果的に活用するために整備するものであれば対象になります(交付要綱別表第4-1ウ)。情報端末(PC、タブレット等)は、主として導入する介護テクノロジーに付帯して必要となる場合に対象となります。介護ソフトと一体的に使用するための端末やWi-Fi環境整備は「介護ソフトの定着促進支援」として整理され、基準額が15万円上乗せされる区分に該当します。

リース契約やクラウド型ソフトの月額費用は、どこまで対象ですか?

リース費用は当該年度の1月末までにかかる経費のみが対象です。毎月費用を支払う介護ソフトも、当該年度の1月末までに発生した経費が対象となります。一方、使用権(ライセンス)購入型の介護ソフトは初年度に全額を補助対象経費として扱うとされています。なお、通信に係る経費と機器のメンテナンス費用は対象外です。

まとめ:福島県の介護テクノロジー補助金で、今日決めておくこと

令和8年度は募集が終わっていますが、次年度の準備は今日から始められます。

令和8年度福島県介護テクノロジー導入支援事業は、補助率4/5、介護テクノロジー導入支援とパッケージ型導入支援の合計で1法人915万円、業務改善支援は1事業所48万円という設計でした。介護ロボットは移乗支援・入浴支援・インカム・別表第4の機器が100万円/台、それ以外が30万円/台。介護ソフトは職員数に応じて100万〜250万円、定着促進支援を組み合わせると115万〜265万円。パッケージ型は900万円(定着促進支援と組み合わせて915万円)です。これらはいずれも基準額であり、実支出額×4/5と比べて少ない方が補助額になります。採択や満額交付が約束されるものではなく、応募額によっては上限額を下回る場合があることも県が明示しています。

次年度に向けて今できるのは、(1)業務改善計画の土台となる現場の課題整理、(2)ふくしま介護生産性向上支援センターへの相談と試用貸出、(3)SECURITY ACTIONの宣言、(4)委員会設置やケアプランデータ連携システムの利用状況の確認——の4点です。この4つは公募が始まってからでは間に合いにくく、しかも公募前でも進められる準備です。最新の公募情報は福島県高齢福祉課の事業ページでご確認ください。確認できない点は、必ず福島県の公募要領または高齢福祉課(024-521-7164/024-521-7533)にお問い合わせください。

この記事は2026年10月28日時点の公式情報に基づきます。制度内容は変更される場合があります。

出典(公式)


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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