この記事は2026年10月12日時点の公式情報に基づきます。
「東京から和歌山県有田市に移住すると、100万円もらえるらしい」——そんな話をきっかけに調べ始めた方は少なくありません。
ところが有田市や和歌山県の公式ページを開くと、「10年間のうち通算5年以上」「週20時間以上の無期雇用契約」「申請日から5年以上継続して居住する意思」といった条件が並びます。結局、自分(自社に採用する人)が対象なのか、いつまでに何を出せばいいのかが分からないまま止まってしまう——これが有田市の移住支援金でいちばんつまずきやすいところです。
先に結論を3行でお伝えします。
・金額は単身60万円/2人以上の世帯100万円、さらに18歳未満の子を帯同する場合は1人につき100万円加算。
・対象の鍵は「東京23区に在住または東京圏から23区へ通勤していた」+「転入後1年以内の申請」+「5年以上の居住意思」。
・申請先は有田市役所の経営管理部 経営企画課 まちづくり係(0737-22-3731)。
そして多くの方が見落としているのが返還規定です。有田市の移住支援金は、申請日から3年未満で転出すると全額返還、3年以上5年以内の転出でも半額返還と定められています。受け取って終わりの制度ではありません。
この記事では、有田市の移住支援金について、①金額 ②対象者の要件 ③5つの就業等の区分 ④申請の流れと必要様式 ⑤返還規定と落とし穴 ⑥有田市で併せて検討したい制度、の順に公式情報だけで整理します。読み終えたときに「自分は対象か」「次に誰へ電話すべきか」が決まる構成にしています。

有田市の移住支援金とは|誰が・いくら・いつまでに・どこへ
有田市の移住支援金は、東京圏から有田市へ移住して就業・テレワーク・起業などの要件を満たす方に、単身60万円・2人以上世帯100万円を交付する制度です。
この制度は有田市が単独で行っているものではありません。和歌山県の「和歌山県移住支援事業」の枠組みにもとづき、県内30市町村がそれぞれ実施しています。費用負担は県の実施要領に「県が2分の1、市町村が2分の1を負担する」と明記されており、県はさらに国からの交付金を加えて市町村へ配分する仕組みです。
つまり要件の骨格は県の実施要領で共通、関係人口の範囲や運用は市町村ごと、申請窓口は移住先の市町村という三層構造になっています。有田市へ移住する方は、県ではなく有田市役所に申請します。
| 制度名 | 有田市移住支援金(和歌山県移住支援事業) |
|---|---|
| 実施主体 | 有田市(和歌山県・国と協調して実施/費用負担は県1/2・市町村1/2) |
| 対象者 | 東京23区に在住、または東京圏の条件不利地域以外に在住して東京23区へ通勤していた方(住民票を移す前日までの10年間のうち通算5年以上、または連続して1年以上)で、有田市へ移住し、マッチングサイト掲載企業への就業・専門人材・テレワーク・関係人口・起業のいずれかの要件を満たす方(2人以上の世帯で申請する場合は、申請者を含む世帯員がいずれも令和元年7月1日以降に転入していること) |
| 補助率・上限 | 単身60万円/2人以上の世帯100万円。18歳未満の世帯員を帯同する場合は1人につき100万円を加算(補助率の概念はなく定額) |
| 申請期間 | 移住した日(転入日)以後1年以内。年度ごとに予算の範囲内で実施 |
| 窓口 | 有田市 経営管理部 経営企画課 まちづくり係 〒649-0392 和歌山県有田市箕島50/TEL 0737-22-3731 |
| 公式URL | 有田市移住支援金(有田市公式ウェブサイト)/和歌山県移住支援事業(移住支援金)等について |
金額は単身60万円・世帯100万円+18歳未満1人100万円加算
有田市の支給額は定額で、申請が単身か世帯か、そして18歳未満の子を帯同するかで決まります。
| 申請の区分 | 支給額 | 公式の記載 |
|---|---|---|
| 単身での申請 | 60万円 | 「単身での申請の場合60万円」(有田市チェックリスト) |
| 2人以上の世帯での申請 | 100万円 | 「2人以上の世帯での申請の場合100万円」(同) |
| 18歳未満の子を帯同 | 1人につき100万円を加算 | 「18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合、18歳未満の者1人につき100万円を加算」(同) |
たとえば夫婦+小学生の子ども1人で移住し、要件を満たした場合は世帯100万円+子ども加算100万円=200万円という計算になります。県の実施要領でも「2人以上の世帯の場合にあっては最大100万円、単身の場合にあっては最大60万円」「18歳未満の者1人につき最大100万円を加算」と定められています。
ただし有田市のページでは、子育て世帯加算について令和5年4月1日以降に転入した方を対象とする旨が示されています。それより前の転入はそもそも申請期限(転入後1年以内)を過ぎているケースがほとんどですが、加算の適用可否は必ず事前に窓口で確認してください。
県の案内には「支援金額は市町村によって異なります」との注記があり、和歌山県内でも金額が一律ではありません。他市町村の記事やまとめサイトの金額をそのまま当てはめず、有田市の公式ページの数字で確認してください。また、はたらコーデわかやまには「予算の範囲内で実施するため、支給できない場合がある」旨の記載があります。要件を満たせば必ず満額が出ると保証された制度ではありません。
対象者の要件|移住元・移住後・4つの就業区分
要件は「どこから来たか(移住元要件)」「移住後にどう住むか(移住先要件)」「どう働くか(就業等の区分)」の3つを同時に満たす必要があります。
移住元の要件(東京23区の在住・通勤)
有田市の公式ページと和歌山県のチェックリスト(令和8年4月1日版)には、次のいずれかに該当することが示されています。
- 転入の前日まで10年間のうち通算5年以上、東京23区内に在住、または東京圏のうち条件不利地域以外の地域に在住して雇用保険の被保険者として東京23区内へ通勤していたこと
- または、転入の前日まで連続して1年以上、同様に在住・通勤していたこと
東京圏とは東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県を指します(県公式ページの記載)。「東京圏に住んでいた」だけでは足りず、23区内在住か23区への通勤が軸である点が最大の誤解ポイントです。
移住後・居住継続の要件
- 2人以上の世帯で申請する場合、申請者を含む世帯員がいずれも令和元年7月1日以降に転入していること(有田市公式ページの記載)
- 申請時において、転入後1年以内であること
- 有田市に、移住支援金の申請日から5年以上、継続して居住する意思を有していること
働き方の5区分(マッチングサイト掲載企業への就業・専門人材・テレワーク・関係人口・起業)
就業等の要件は、有田市の公式ページでは次の5区分に分かれており、どれか1つに当てはまる必要があります。
| 区分 | 主な要件(公式の記載より) |
|---|---|
| マッチングサイト掲載企業への就業 | 週20時間以上の無期雇用契約に基づく就業で、就業先が和歌山県のマッチングサイト(はたらコーデわかやま)に移住支援金の対象として掲載している求人であること。求人への応募日が、移住支援金の対象求人として掲載された日以降であること。当該法人に申請日から5年以上継続して勤務する意思があり、転勤・出向等による勤務地の変更ではなく新規に雇用されること(3親等以内の親族が経営を担う法人への就業は対象外)。県の実施要領では、就業先から資本金10億円以上の営利企業等が除かれています |
| 専門人材 | 国が実施するプロフェッショナル人材事業又は先導的人材マッチング事業を利用して移住及び就業する者。あわせて週20時間以上の無期雇用契約、申請日から5年以上の勤務意思、新規雇用であることが必要(はたらコーデわかやま掲載求人であることは、この区分の要件ではありません) |
| テレワーク | 所属先企業等からの命令ではなく自己の意思による移住で、移住先を生活の本拠とし、移住元での業務を引き続き行うこと。県のチェックリストでは「移住先でテレワークにより勤務する(原則として、恒常的に通勤しない)」かつ「週20時間以上テレワークを実施する」とされています |
| 関係人口 | 有田市が設定する区分。「有田市のワンストップパーソン(移住担当職員)へ移住相談をしたことがある」ことが必須で、そのうえで「有田市内で農林水産業に就業する者」「有田市内で営まれている家業に従業する者」のいずれかに該当すること |
| 起業 | 移住支援金の申請日以前1年以内に、わかやま地域課題解決型起業支援補助金(起業支援金)の交付決定を受けていること |
この関係人口区分が、有田市で移住支援金を使う際の実務上の要点です。県の要領では関係人口は「移住先の市町村が当該移住希望者を個別に本事業における関係人口と認め」、その市町村で対象範囲が明確化されていることが前提とされており、みかん産地である有田市では農林水産業への就業と家業への従業が対象範囲として示されています。ただし有田市の関係人口区分は、「有田市のワンストップパーソン(移住担当職員)へ移住相談をしたことがある」ことが必須要件です(有田市公式ページ、および県のチェックリスト令和8年4月1日版の有田市欄)。相談をせずに転入するとこの区分は使えないため、移住を考えた時点で経営企画課まちづくり係へ連絡してください。マッチングサイト掲載求人の要件を満たせない働き方でも、ここに該当する可能性があります。
なお、次のような方は対象外とされています。
- 暴力団等の反社会的勢力、またはこれと関係を有する者
- 過去10年以内に、申請者を含む世帯員として移住支援金を受給している場合(返還済みの場合や18歳未満の時期などの例外あり)
- 定められた在留資格以外の在留資格を有する者

申請の流れ・必要書類・有田市の窓口
申請は転入後に有田市役所へ行いますが、動き出すのは「移住を決めた時点」が正解です。
基本的な流れ
- 移住前に窓口へ相談…自分の職歴・勤務形態が5区分のどれに当たるか、有田市 経営企画課 まちづくり係に事前確認します。マッチングサイト掲載企業への就業区分を狙う場合は、応募先の求人が「はたらコーデわかやま」の移住支援金対象求人かどうかを応募前に確認します(企業側が「移住支援金対象法人に係る登録申請書」を提出する仕組みです)。関係人口区分を使う場合は、この事前の移住相談そのものが要件になります。
- 有田市へ転入…住民票を異動します。ここから申請期限の1年がカウントされます。
- 就業・テレワーク・起業の開始…各区分の要件(週20時間以上など)を満たす状態にします。
- 様式をそろえて申請…交付申請書に就業証明書等を添えて提出します。
- 審査・交付決定・支給…予算の範囲内で審査が行われます。
有田市の様式(公式ページ掲載)
| 様式 | 名称 |
|---|---|
| 様式第1号 | 交付申請書 |
| 様式第2号 | 就業証明書(一般・専門人材用) |
| 様式第3号 | 就業証明書(テレワーク用) |
| 様式第4号 | 就業時間の申告書(テレワーク用) |
| 様式第5号 | 就業証明書(関係人口用) |
| 様式第6号 | 誓約書兼同意書 |
添付書類としては、写真付きの本人確認書類、転入前の住民票の除票、転入後の住民票、各区分に応じた就業証明書、起業の場合は起業支援金の決定通知書、市税の完納証明書などがチェックリストに挙げられています。就業証明書は勤務先に記入してもらう書類なので、転職活動と並行して早めに依頼しておくと期限に余裕が生まれます。
有田市の移住支援金ページは令和7年10月18日更新で、掲載様式のファイル名は2025年(令和7年度)版です。令和8年度の様式・受付状況は、ダウンロード前に窓口(0737-22-3731)または公式ページで最新版をご確認ください。
返還規定と、有田市で起きやすい落とし穴
有田市の移住支援金で最も注意すべきは、受給後の転出・離職で返還義務が生じる点です。
| 事由 | 返還額 |
|---|---|
| 虚偽の申請をした場合 | 全額 |
| 申請日から3年未満で有田市から転出した場合 | 全額 |
| 申請日から3年以上5年以内に転出した場合 | 半額 |
| 申請日から1年以内に、就業要件を満たす職を辞職した場合 | 全額 |
| 起業支援金の交付決定が取り消された場合 | 全額 |
県の実施要領では、雇用先企業の倒産などやむを得ない事情がある場合は返還要件から除外される旨が示されています。とはいえ、「とりあえず移住して合わなければ戻る」という前提では使いにくい制度であることは、申請前に家族で共有しておきたいところです。
そのほか、相談で挙がりやすい落とし穴を整理します。
- 転入後1年を過ぎてから気づく…県の要領は「移住した日以後1年以内」と明記しています。制度を知った時点で残り期間を数えてください。
- 求人が対象外だった…マッチングサイト掲載企業への就業区分は「はたらコーデわかやま」に移住支援金対象として掲載されている求人が前提で、応募日がその求人の掲載日以降であることも必要です。内定後に気づくと手遅れになり得ます。
- 週20時間のラインを満たさない…マッチングサイト掲載企業への就業・専門人材・テレワークはいずれも週20時間以上が基準です。時短勤務や副業的な働き方は要注意です。
- 会社命令の転勤でテレワーク移住した…テレワーク区分は「自己の意思による移住」が条件です。
- 世帯の誰かが過去に受給していた…過去10年以内に世帯員として受給していると対象外です。
- 予算…年度の予算の範囲内で実施されるため、要件充足=支給確定ではありません。県の案内には、年度末(2月〜3月)には受付を締め切っている場合があるとの注記があります。
有田市で併せて検討したい移住・住まいの支援
移住支援金は現金の交付ですが、住まいの取得・改修には有田市の別メニューがあり、窓口も同じ経営企画課まちづくり係です。
代表例が三世代定住等支援事業です。令和8年度の案内では、親世帯と同居・近居するために住宅を取得する子世帯に対し「取得費用の50%(千円未満切捨)上限20万円」を助成するとされています。主な要件は、親世帯と同居または近居すること、中学生以下の子がいること、親世帯が有田市に1年以上継続して住民登録されていること、世帯内に市税等の滞納がないこと、そして同居・近居の状態が3年以上継続すること。対象住宅は平成30年4月1日以降に工事請負契約または売買契約を行い、令和9年3月31日までに本人または親の名義で所有権登記がされた住宅で、申請は助成対象住宅の取得日から6か月以内です。
有田市のページからは【フラット35】地域連携型による住宅ローン金利引き下げなど、住宅取得に関する案内もリンクされています。起業して移住する方は、起業区分の前提となるわかやま地域課題解決型起業支援補助金の募集時期を先に押さえてください。令和8年度の募集期間は令和8年4月1日〜5月8日で、県公式ページでは「令和8年度の募集は終了しました」と案内されています(2026年10月12日時点)。起業支援金の交付決定が移住支援金の入口になるため、順番を間違えると使えません。
移住支援金と三世代定住等支援事業の併用可否について、公式ページに明示はありません。同一の経費・同一目的の二重受給は認められないことが一般的ですので、両方を検討する場合は申請前に経営企画課まちづくり係へ併用の可否を確認してください。

よくある質問
和歌山県内や大阪からの引っ越しでも対象になりますか?
有田市移住支援金の移住元要件は「東京23区内に在住」または「東京圏のうち条件不利地域以外の地域に在住し東京23区内へ通勤」です。したがって和歌山県内間の転居や、大阪など東京圏以外からの移住はこの制度の対象になりません。県内移住で使える支援の有無は、有田市 経営企画課まちづくり係(0737-22-3731)にご確認ください。
転入してから1年を過ぎました。申請できますか?
和歌山県の実施要領は「移住支援金の申請時において、移住した日以後1年以内であること」と定めています。1年を超えた場合は要件を満たしません。移住を検討している段階であれば、転入前に窓口へ相談し、必要な就業証明書の準備を並行して進めるのが安全です。
有田市で農業に就く場合も対象になりますか?
有田市の公式ページと和歌山県のチェックリストには、関係人口の区分として「有田市内で農林水産業に就業する者」「有田市内で営まれている家業に従業する者」が示されています。ただしこの区分は、「有田市のワンストップパーソン(移住担当職員)へ移住相談をしたことがある」ことが前提条件です。使用する様式は様式第5号(就業証明書・関係人口用)です。就業形態によって判断が分かれるため、転入前の移住相談とあわせて計画段階で市へ確認してください。
フリーランスや個人事業主として移住する場合はどうなりますか?
マッチングサイト掲載企業への就業・専門人材の区分は「週20時間以上の無期雇用契約」が前提のため、雇用契約のない働き方は該当しません。移住元の業務を継続するならテレワーク区分(自己の意思による移住・週20時間以上・恒常的に通勤しない)、有田市で新たに事業を起こすなら県の起業支援金の交付決定を受ける起業区分、農林水産業や家業なら関係人口区分(事前にワンストップパーソンへの移住相談が必要)、という順に当てはまりを確認することになります。
要件を満たせば必ず支給されますか?
いいえ。審査があり、年度の予算の範囲内で実施されます。県が運営する「はたらコーデわかやま」にも、予算の範囲内で実施するため支給できない場合がある旨が記載されています。また受給後も、3年未満の転出や1年以内の辞職で全額返還となる規定があります。
まとめ|有田市の移住支援金は「転入後1年以内」と「5年の居住意思」が分かれ目
・金額は単身60万円、2人以上の世帯100万円、18歳未満の子1人につき100万円加算。
・移住元要件は東京23区在住、または東京圏(条件不利地域以外)在住+23区通勤で、10年間のうち通算5年以上または連続1年以上。
・働き方はマッチングサイト掲載企業への就業(週20時間以上の無期雇用・はたらコーデわかやま掲載求人)、専門人材(国のプロフェッショナル人材事業等の利用)、テレワーク(週20時間以上)、関係人口(ワンストップパーソンへの移住相談+有田市内の農林水産業・家業)、起業(県起業支援金の交付決定)の5区分。
・申請は転入後1年以内、提出先は有田市 経営管理部 経営企画課 まちづくり係(0737-22-3731/有田市箕島50)。
・3年未満の転出は全額、3年以上5年以内は半額、1年以内の辞職は全額返還。
・令和8年度の様式・受付状況・予算枠は必ず公式ページと窓口で最終確認。
一次情報は次の公式ページで確認できます。
- 有田市移住支援金(有田市公式ウェブサイト)
- 和歌山県移住支援事業(移住支援金)等について(和歌山県)
- 和歌山県移住支援金チェックリスト(PDF・令和8年4月1日時点)
- はたらコーデわかやま 移住支援金(和歌山県商工労働政策局 労働政策課)
- 令和8年度三世代定住等支援事業のお知らせ(有田市)
この記事は2026年10月12日時点の公式情報に基づきます。金額・要件・受付状況は変更される場合がありますので、申請前に有田市公式サイト(公募要領・交付要綱)および窓口でご確認ください。
