この記事は2026年10月9日時点の公式情報に基づきます(和歌山県橋本市の事業者向け)。
「うちのパートさん、もう4年も続けてくれている。そろそろ正社員にしたい」。和歌山県橋本市で店舗や工場、事務所を構える事業者の方から、よく聞く言葉です。
ただ、ここで止まってしまう方が本当に多いのです。正社員にすれば社会保険料も賞与も増える。人件費が先に出ていくのが怖い——そして「助成金があるらしいが、従業員5人のうちみたいな規模で対象になるのか」「社労士に頼まないと無理だろう」と調べる手が止まる。気持ちは分かります。
しかし、知っておいてほしい事実が1つあります。キャリアアップ助成金は、正社員にしてから申請する制度ではありません。正社員化の「前日まで」にキャリアアップ計画を出していないと、同じ正社員化をしても助成金はゼロになります。順番を間違えた時点で負けが決まる制度なのです。
この記事では、令和8年度(2026年度)のキャリアアップ助成金について、橋本市の事業者が「いくら・いつまでに・どこへ」を今日判断できる形で、厚生労働省と和歌山労働局、橋本市の公式情報だけを使って整理します。支給額の表、申請の流れ、ハローワーク橋本の窓口、そして現場でつまずきやすい落とし穴まで通して読めば、明日の一歩目が決まります。

結論|橋本市の事業者が受け取れる額と、出す先
結論から言うと、橋本市の中小企業が有期雇用のスタッフを正社員化した場合、要件を満たせば1人あたり最大80万円が支給されます。
誰が:雇用保険の適用事業所である橋本市の事業主(法人・個人事業主を問わず、小規模でも対象になり得ます)
いくら:正社員化コースで1人あたり20万円〜80万円(中小企業)。令和8年度は情報公表加算20万円も新設
いつまで:通年受付。ただしキャリアアップ計画は正社員化の前日まで、支給申請は6か月分の賃金支払日の翌日から2か月以内
どこへ:和歌山労働局 職業安定部職業対策課(ハローワークを通じて提出できる場合があるため、ハローワーク橋本にも事前確認を)
| 制度名 | キャリアアップ助成金(正社員化コースほか) |
|---|---|
| 実施主体 | 厚生労働省(受付窓口:和歌山労働局・ハローワーク) |
| 対象者 | 雇用保険適用事業所の事業主で、有期雇用労働者等のキャリアアップに取り組む事業主(橋本市の事業者も対象) |
| 補助率・上限 | 正社員化コース:中小企業1人あたり20万〜80万円(大企業15万〜60万円)。1年度1事業所あたり支給申請上限20人 |
| 申請期間 | 通年(年度ごとに制度改正あり)。キャリアアップ計画=取組実施日の前日まで/支給申請=6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内 |
| 窓口 | 支給申請書の提出先は事業所の所在地を管轄する和歌山労働局 職業対策課(073-488-1161)。ハローワークを通じて提出できる場合があるため、ハローワーク橋本(橋本市東家5丁目2番2号 橋本地方合同庁舎1階/0736-33-8609)にも事前にご確認ください |
| 公式URL | 厚生労働省:キャリアアップ助成金 |
キャリアアップ助成金とは|国の制度を橋本市の事業者がどう使うか
キャリアアップ助成金は国(厚生労働省)の制度で、橋本市独自の助成金ではありませんが、相談は橋本市内のハローワーク橋本でできます。
この制度は、有期契約労働者・短時間労働者・派遣労働者といった非正規雇用で働く人のキャリアアップ(正社員化や処遇改善)に取り組んだ事業主に対して助成するものです。つまり、国が「人件費の引き上げの初期負担」を一部肩代わりする仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
橋本市の事業者にとって押さえるべき関係は3層です。(1)国=キャリアアップ助成金そのもの(制度設計・財源)、(2)和歌山県内の窓口=和歌山労働局とハローワーク橋本(計画の受理・支給申請の受付・審査)、(3)橋本市=創業や設備など市独自の補助金で別方向から支援。人の処遇改善は国、事業そのものの初期費用は市、という役割分担です。
令和8年度に厚生労働省が案内しているコースは、正社員化コース/障害者正社員化コース/賃金規定等改定コース/賃金規定等共通化コース/賞与・退職金制度導入コース/短時間労働者労働時間延長支援コースです。なお、社会保険適用時処遇改善コースは厚生労働省のサイトに案内が残っていますが、令和8年3月末までに取組を行った事業主が対象とされています。令和8年4月1日以降に、従業員を新たに社会保険に加入させて収入増加の取組を行う場合は、短時間労働者労働時間延長支援コースの方をご検討ください。橋本市の小売・飲食・宿泊・製造の現場で使いやすいのは、まず正社員化コース、次に賃金引き上げに取り組む場合の賃金規定等改定コースです。
対象になる事業者と労働者|橋本市の小さな事業所でも使えるのか
結論として、従業員数が少なくても、個人事業主でも、雇用保険の適用事業所であれば対象になり得ます。
事業主側の主な前提は、雇用保険の適用事業所であること、労働保険料を納付していること、そして就業規則や労働協約で「正規雇用労働者」と「有期雇用労働者等」の区分と転換制度を定めていることです。ここは橋本市の小規模事業所でつまずきやすい点で、就業規則に転換制度の規定がないまま正社員にしてしまうと要件を満たせません。
労働者側は、正社員化コースの場合、転換前に有期雇用または無期雇用で働いていた人が対象です。支給額が大きく変わるのが「重点支援対象者」かどうかで、厚生労働省の資料では、雇入れから3年以上の有期雇用労働者、雇入れから3年未満で一定の要件に該当する有期雇用労働者、派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者が挙げられています。
そして金額の前提として外せないのが賃金要件です。正社員化後6か月間の賃金を、正社員化前6か月間の賃金と比べて3%以上増額していること、そして正規雇用労働者としての賃金を6か月分支払ったことが必要です。「肩書きだけ正社員にして賃金はそのまま」では対象になりません。
なお「正規雇用労働者」の定義(賞与や退職金の制度、昇給の取扱いなど)は改正が入りやすい部分です。自社の雇用形態が定義に当てはまるかは、キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版・PDF)と公式Q&A(PDF)で必ず確認してください。
令和8年度の支給額と加算|正社員化コースの早見表
令和8年度(2026年度)の正社員化コースは、転換前の雇用形態と「重点支援対象者」かどうかで4段階に分かれます。
| 転換パターン | 区分 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|---|
| 有期雇用 → 正規雇用 | 重点支援対象者 | 80万円 | 60万円 |
| 有期雇用 → 正規雇用 | 重点支援対象者以外 | 40万円 | 30万円 |
| 無期雇用 → 正規雇用 | 重点支援対象者 | 40万円 | 30万円 |
| 無期雇用 → 正規雇用 | 重点支援対象者以外 | 20万円 | 15万円 |
| 情報公表加算(令和8年4月8日新設/1事業所1回限り) | 20万円 | 15万円 | |
※いずれも1人あたり(情報公表加算は1事業所あたり)。支給額・加算の詳細は公式パンフレットでご確認ください。
金額は一括ではなく支給対象期ごとに分けて支給され、重点支援対象者は第2期(最長12か月)まで設定されています。つまり80万円は「正社員化して半年で全額」ではなく、1年がかりで受け取る設計です。資金計画を立てるときは、入金が後ろにずれる前提で考えてください。
令和8年度の目玉が情報公表加算です。直近3事業年度に正社員転換・直接雇用した人について、雇入日から転換日の前日までの平均期間などの所定情報を、自社サイトまたは職場情報総合サイト「しょくばらぼ」に公表した場合、1事業所あたり20万円(大企業15万円)が加算されます。自社サイトで完結できるため、橋本市の小規模事業者でも取りに行きやすい加算です。人材募集の場面でも「入社から何年で正社員になれるか」を示せる点は副産物として大きいでしょう。
正社員化以外のコースも、処遇改善に取り組むなら検討価値があります。令和8年度版パンフレットでは、基本給の賃金規定等を3%以上増額改定する賃金規定等改定コースが引き上げ率に応じて1人あたり4万円〜7万円(中小企業)、賞与または退職金制度を導入する賞与・退職金制度導入コースが1事業所あたり40万円(同時導入でさらに加算)、社会保険加入とあわせて労働時間を延長する短時間労働者労働時間延長支援コースが1年目の取組で1人あたり40万円(中小企業。小規模企業50万円・大企業30万円)、と案内されています(延長時間と賃金引き上げ率は支給の要件側で定められています)。各コースの最新の区分・金額は必ず公式パンフレットの該当ページで確認してください。
申請の流れと期限|「計画が先」を外すと全部やり直し
キャリアアップ助成金の申請は、計画→実施→6か月の賃金支払い→支給申請、という順番が固定されています。
(1)キャリアアップ計画の作成・提出…労働組合や労働者代表の意見を聴いて作成し、各コースの取組実施日の前日までに提出します。ここが最大の関門です。
(2)就業規則等の整備…正規雇用労働者と有期雇用労働者等の区分、転換の制度と手続を就業規則または労働協約に規定します。
(3)正社員化の実施…計画期間内に転換し、転換後の賃金を前6か月と比べて3%以上増額します。
(4)6か月分の賃金支払い…正規雇用労働者としての賃金を6か月分支払います。
(5)支給申請…6か月分の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内に、事業所の所在地を管轄する和歌山労働局へ提出します(ハローワークを通じて提出できる場合があるため、ハローワーク橋本にも事前確認を)。賃金台帳、出勤簿、労働条件通知書、就業規則などで要件を1つずつ確認されます。
この流れを逆算すると、たとえば2026年12月に正社員化したい場合、計画の提出は11月中に済ませておくのが安全です。繁忙期に入ってから慌てるのではなく、閑散期に書類を整えておくほうが現実的です。
助成金は審査を伴う制度です。要件を満たしていても書類の不備や期限の経過で不支給となることがあり、「申請すれば必ず受け取れる」ものではありません。支給要領の改正も年度途中に入るため、着手前に必ず窓口へ確認してください。

橋本市の相談・申請窓口|どこへ行けばよいか
橋本市の事業者の場合、キャリアアップ助成金の相談と提出先はハローワーク橋本または和歌山労働局です。
ハローワーク橋本(橋本公共職業安定所)…〒648-0072 橋本市東家5丁目2番2号 橋本地方合同庁舎1階/電話 0736-33-8609。管轄地域は橋本市と伊都郡です。令和8年度版パンフレットでは、支給申請書は「ハローワークを通じて提出できる場合があります」とされているため、まず市内のハローワーク橋本に相談できるのが橋本市の事業者の強みです(提出できるかどうかと最新の受付体制は、事前に電話で確認してください)。
和歌山労働局 職業安定部職業対策課…〒640-8581 和歌山市黒田二丁目3番3号 和歌山労働総合庁舎/電話 073-488-1161。令和8年度版パンフレットの都道府県労働局一覧でも、和歌山県のキャリアアップ助成金の担当課は職業対策課(073-488-1161)と案内されています。同課が担当するその他の雇用関係助成金の種類や受付体制は和歌山労働局:各種助成金制度の公式サイト・公募要領でご確認ください。所在地と電話番号は厚生労働省:和歌山県の労働局・ハローワーク所在地一覧に掲載されています。
橋本市 経済推進部産業振興課 産業支援係…〒648-8585 橋本市東家1丁目1番1号/電話 0736-33-1247(平日8:30〜17:15)。キャリアアップ助成金そのものの窓口ではありませんが、市独自の事業者支援を扱う部署です。たとえば橋本市創業スタートアップ支援事業補助金は令和8年度の申請期間が令和8年4月6日〜12月25日、補助率2/3以内・補助限度額30万円(U39・Hashi-Mo・空き家バンク・店舗賃貸借購入・移住者の各加算10万円を最大2区分まで選択でき、加算を含めた補助金の上限額は50万円)で、予算到達時点で受付終了とされています。創業期に人を正社員化していく事業者は、市の補助金と国の助成金を時間軸で組み合わせて設計すると無理がありません。
よくある落とし穴|橋本市の事業者がつまずく5つ
不支給の原因は制度の難しさより、順番と書類の詰めの甘さに集中します。
(1)計画を出す前に正社員にしてしまう…最も多い失敗です。キャリアアップ計画は取組実施日の前日までが期限で、後出しは認められません。
(2)就業規則に転換制度がない…従業員10人未満で就業規則を作成していない事業所は、ここから着手する必要があります。整備には時間がかかるため、正社員化の予定が立った段階で動き出してください。
(3)3%以上の増額になっていない…何を賃金に含めて比較するかで結果が変わります。手当や賞与の扱いは自己判断せず、公式Q&Aと窓口で確認しましょう。
(4)支給申請の2か月を過ぎる…6か月分の賃金支払日の翌日から2か月以内です。6か月後の自分は忙しいので、転換した日にカレンダーへ申請期限を入れておくのが確実です。
(5)上限人数と年度の変更を見落とす…正社員化コースは1年度1事業所あたり支給申請上限20人です。また支給要領は年度ごとに改正されるため、前年度に通った進め方が今年度も同じとは限りません。
これらはいずれも、事前にハローワーク橋本へ一度相談すれば潰せる論点です。「正社員化を考えている」という段階での相談が、最もコストの低い行動です。
よくある質問
橋本市の事業者から寄せられやすい疑問を、公式情報の範囲で整理します。
橋本市の事業者はどこに申請すればよいですか?
支給申請書の提出先は、事業所の所在地を管轄する和歌山労働局 職業安定部職業対策課(073-488-1161)です。ハローワークを通じて提出できる場合があるため、ハローワーク橋本(橋本市東家5丁目2番2号 橋本地方合同庁舎1階/0736-33-8609)にも事前にご確認ください。提出先と必要書類は年度や様式改正で変わることがあるため、事前に電話で確認してください。
パート1人だけ、個人事業主でも対象になりますか?
雇用保険の適用事業所であり、就業規則等に転換制度を定め、賃金3%以上の増額など要件を満たせば、法人・個人事業主を問わず対象になり得ます。従業員数の下限で一律に除外される制度ではありません。ただし審査がありますので、自社が要件を満たすかは必ず窓口でご確認ください。
締切はいつですか?年度末までに間に合いますか?
公募型の補助金と違い通年の制度ですが、2つの期限があります。キャリアアップ計画は取組実施日の前日まで、支給申請は6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内です。正社員化から支給申請まで半年以上かかるため、年度内に入金まで終える前提では考えないほうが安全です。
橋本市の補助金と併用できますか?
国の助成金と市の補助金は制度が別で、対象とする経費も異なります。ただし同一の取組・同一の経費に対する重複受給は認められない場合があるため、併用の可否は和歌山労働局(またはハローワーク橋本)と橋本市産業振興課の両方に事前確認してください。
社労士に依頼しないと申請できませんか?
事業主自身での申請も可能です。一方で就業規則の整備や賃金要件の判定は専門的で、不備があると不支給になります。まずハローワーク橋本で相談し、自社で対応が難しい部分だけ専門家に依頼する進め方が現実的です。なお、助成金の採択や満額支給を保証できる人はいません。
・令和8年度のキャリアアップ助成金・正社員化コースは、中小企業で1人あたり20万〜80万円。令和8年4月8日からは情報公表加算20万円が新設
・キャリアアップ計画は正社員化の前日まで。ここを外すと要件を満たしても支給されない
・賃金は転換前6か月と比べて3%以上の増額、6か月分の支払い後2か月以内に支給申請
・支給申請書の提出先は和歌山労働局 職業対策課。相談とハローワーク経由で提出できるかはハローワーク橋本へ。市独自の支援は橋本市産業振興課
・金額・要件は年度途中でも改正されるため、着手前に公式パンフレットと窓口で最終確認を

この記事は2026年10月9日時点の公式情報(厚生労働省・和歌山労働局・橋本市)に基づいて作成しています。支給額・要件・窓口は改正される場合がありますので、申請前に必ず厚生労働省のキャリアアップ助成金ページおよびキャリアアップ助成金のご案内(令和8年4月8日・PDF)でご確認ください。
