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鳥取県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】補助率4/5と上限額

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鳥取県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】補助率4/5と上限額
鳥取県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】補助率4/5と上限額

この記事は2026年10月29日(JST)時点で確認した鳥取県および厚生労働省の公式情報に基づきます。

「鳥取県で介護ロボットや見守りセンサー、介護記録ソフトを入れたい。でも、県の補助金がどこにあるのか分からない」——特別養護老人ホームやグループホームの事務長から、よくいただく声です。

探しにくいのには理由があります。鳥取県の事業名には「介護ロボット導入支援」も「ICT導入支援」も付いていません。県のサイトで「介護ロボット 補助金」と検索しても、目当てのページにたどり着きにくいのです。鳥取県の介護テクノロジー補助金は、ロボットもICTもまとめて「鳥取県介護テクノロジー定着支援事業補助金」という1本の制度に統合されています。

結論を3行で示します。

  • 窓口は鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局長寿社会課、制度名は「鳥取県介護テクノロジー定着支援事業補助金」の1本。
  • 補助率は5分の4(4/5)。基準額は機器区分ごとに1機器30万円〜250万円、パッケージ型導入支援なら1事業所につき1,000万円。
  • 令和8年度の事前申請(令和8年7月17日)と、令和9年度の要望調査(令和8年10月16日)はいずれも受付終了。次の機会に向けた準備段階です。

この記事では、鳥取県の交付要綱(令和8年6月12日施行版)の原文から、対象になる事業所・対象機器・機器区分別の基準額・1事業所あたりの限度台数・満たすべき8つの要件・申請から実績報告までの日程を、表で整理します。

とくに見落とされやすいのが2点あります。1つは「事前申請を行わないと交付申請そのものができない」という鳥取県独特の二段構え。もう1つは、交付要綱第3条第3項の「県内事業者への発注に努めなければならない」という一文です。どちらも他県の要綱にはあまり見られない条件なので、本文で詳しく扱います。

鳥取県庁舎の外観
写真: Tomomarusan / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

結論:鳥取県の介護テクノロジー補助金は「定着支援事業」1本

鳥取県では介護ロボット・見守りセンサー・介護ソフト・インカムのすべてが、1つの補助金のなかで区分分けされて扱われます。

制度の正式名称は「鳥取県介護テクノロジー定着支援事業補助金」です。根拠となる鳥取県介護テクノロジー定着支援事業補助金交付要綱は令和7年7月23日施行、令和8年6月12日施行の改正を経た版が現行です。要綱第2条は、この補助金の目的を「介護サービス事業者等が介護ロボットやICT機器等の介護テクノロジーの導入や定着に向けた補助を通じて、介護現場の生産性向上による職場環境の改善を図ること」と定めています。

「導入」だけでなく「定着」が事業名に入っている点が、鳥取県の制度設計を読み解く鍵です。後述するとおり、研修の受講、業務改善計画の作成と提出、補助を受けた翌年度から3年間の効果報告まで、買って終わりにさせない仕組みが要綱に書き込まれています。

事業名 鳥取県介護テクノロジー定着支援事業補助金(令和8年度)
実施主体 鳥取県(福祉保健部ささえあい福祉局長寿社会課)
申請できる者 対象事業所を運営する法人等
対象事業所 介護保険法に基づくサービスを提供する県内のサービス事業所(訪問介護事業所や居宅介護支援事業所を含む)/老人福祉法に基づく県内の養護老人ホーム及び軽費老人ホーム
対象機器 福祉用具情報システム(TAIS)に掲載された介護テクノロジー等、TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器等およびこれと機能等が同水準と県が判断した機器等/そのほか県が有効と判断した機器等(バックオフィスソフト等)
補助率・上限 補助率5分の4(千円未満切り捨て)。基準額は1機器30万円・100万円、介護ソフト等は職員数に応じて100万〜250万円、パッケージ型導入支援は1事業所につき1,000万円
令和8年度の申請期間 事前申請:令和8年7月17日(金)【受付終了】/本申請:事前申請を行った事業所へ後日通知【受付終了】/実績報告:令和9年1月31日(日)(同日までに「発注・納品・支払」の完了が必要)
令和9年度の要望調査 令和8年10月16日(金)午後5時【受付終了】
窓口 鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局長寿社会課(〒680-8570 鳥取市東町1丁目220/電話 0857-26-7174・0857-26-7176/choujyushakai@pref.tottori.lg.jp。本補助金の問い合わせは原則メール)
公式URL 鳥取県介護テクノロジー定着支援事業(とりネット)

制度の全体像:国の枠組みと鳥取県の事業名の関係

介護テクノロジーの補助金は国が旗を振り、都道府県が実施主体となって交付する構造になっています。

厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進のページでは、国の事業が「介護テクノロジー導入・定着支援事業」として整理されています。この枠組みのもとで、各都道府県が自県の要綱をつくり、名称・補助率・基準額を決めて事業所へ交付します。だから同じ介護ロボットでも、鳥取県と隣の兵庫県・広島県では補助率も上限額も申請時期も違う、ということが起こります。

国の枠組みと都道府県事業の関係をもう一段くわしく知りたい方は、介護テクノロジー導入支援事業の全体像と介護テクノロジー補助金の完全ガイドをあわせてご覧ください。隣県の設計と比べたい場合は兵庫県の介護補助金や広島県の介護補助金が参考になります。

なお、都道府県の介護人材確保関連事業は一般に「地域医療介護総合確保基金」(消費税財源をもとに各都道府県に設けられた基金で、医療・介護の提供体制整備に充てられるもの)を財源とすることが多い仕組みです。ただし鳥取県の交付要綱の本文には、財源として同基金を明示する記載は見当たりませんでした。財源区分を稟議書に書く必要がある場合は、長寿社会課に確認してください。

もう一点、鳥取県には政令指定都市がありません。そのため「県事業と政令市独自事業のどちらに出すか」という他県でよくある悩みは生じにくく、県内の介護サービス事業所は原則としてこの県事業の一本道になります。鳥取市・米子市など市町村が独自に介護テクノロジー補助金を設けているかどうかは、今回の調査では公式には確認できませんでした。市町村単独の上乗せを探す場合は、各市町村の介護保険担当課へ直接お問い合わせください。

対象になる施設・事業所と対象機器(重点分野の9分野16項目)

対象事業所の範囲は広く、入所系だけでなく訪問介護事業所や居宅介護支援事業所も含まれます。

要綱の別表1第3欄は、対象事業所を次の2つと定めています。

  • 介護保険法に基づくサービスを提供する県内のサービス事業所(訪問介護事業所や、居宅介護支援事業所を含む)
  • 老人福祉法に基づく県内の養護老人ホーム及び軽費老人ホーム

特養・老健・介護医療院・グループホーム・特定施設・小規模多機能・デイサービス・訪問介護・ケアマネ事業所まで、介護保険サービスを提供していれば入口は開いています。「うちは訪問系だから対象外だろう」と自己判断で見送るのが、もっとももったいないパターンです。

対象機器の判定はTAIS掲載がベース

対象機器の第一の基準は、公益財団法人テクノエイド協会が提供する福祉用具情報システム(TAIS)への掲載です。TAISとは、国内の福祉用具製造事業者や輸入事業者から企業・福祉用具の情報を収集し、同協会のホームページから発信しているデータベースのことです。TAISは「介護テクノロジーとは、令和6年6月28日、厚生労働省と経済産業省においてプレスリリースされた『介護テクノロジー利用の重点分野』に該当する9分野16項目の機器等も含みます」としています。国が定める重点分野の9分野16項目は次のとおりです。

  • 移乗支援(装着・非装着)/移動支援(屋外・屋内・装着)/排泄支援(排泄物処理・予測検知・動作支援)
  • 見守り・コミュニケーション(施設・在宅・コミュニケーション)/入浴支援/介護業務支援
  • 機能訓練支援/認知症生活支援・認知症ケア支援/食事・栄養管理支援

鳥取県の要綱は、TAIS掲載機器に加えて「TAISにおいて『介護テクノロジー』として選定された機器等およびこれと機能等が同水準と県が判断した機器等」も対象にしています。さらに別枠(別表1第4欄イ)として、「介護従事者の身体的負担の軽減や、間接業務時間の削減等の業務の効率化など、介護従事者が継続して就労するための職場環境整備として有効であり、介護サービスの質の向上につながると県が判断した機器等」も対象とされ、例としてバックオフィスソフト(電子サインシステム、給与、勤怠管理等)が挙げられています。

機器選定の前段として、見守りセンサーの比較・選び方と介護記録ソフトの比較で、自施設の課題に合う製品タイプを絞り込んでおくと申請書が書きやすくなります。

補助対象外になるもの

要綱の注記は「販売価格が公表されており、一般に購入できる状態にある機器等が補助対象となる。開発に要する経費は補助対象とはならない」と明記しています。特注の試作機や、自法人向けに新規開発するシステムは対象外と読めます。また、通信費は付帯経費に含まれません。

補助率5分の4と機器区分別の基準額

補助率は一律4/5、変動するのは基準額(上限額)のほうです。

要綱別表1の第5欄は補助率を「4/5」と定め、千円未満の端数の切り捨ては要綱第3条第2項に定められています(県の公式ページも「補助率 5分の4 ※千円未満切り捨て」と案内しています)。補助金の額は、補助対象経費に4/5を乗じた額と、第6欄の基準額のいずれか低い方になります。つまり基準額は「必ずもらえる額」ではなく「ここで頭打ちになる上限」であり、実際の交付額は見積額の4/5と基準額を比べて低い方になります。

(1)介護テクノロジー等の導入支援

機器区分 基準額
「移乗支援(装着型・非装着型)」「入浴支援」、および「介護業務支援」のうちインカム 1機器につき100万円
「介護業務支援」のうち介護ソフト 職員数に応じ100万〜250万円(下表)/契約方式により1事業所250万円
上記以外(見守り・コミュニケーション、移動支援、排泄支援、機能訓練支援、認知症ケア支援、食事・栄養管理支援 等) 1機器につき30万円
バックオフィスソフト以外の「その他」機器(第4欄イ) 1機器につき100万円
バックオフィスソフト 職員数に応じ100万〜250万円(下表)/契約方式により1事業所250万円

介護ソフト・バックオフィスソフトの職員数別の基準額

職員数に応じて必要なライセンス数が変動するなど、職員数により合計金額が変動する契約方式の場合は、次の表によります。

職員数(申請時点) 基準額
1名以上10名以下 100万円
11名以上20名以下 150万円
21名以上30名以下 200万円
31名以上 250万円

この表以外の契約方式の場合は、1事業所につき250万円です。なお職員数の数え方について要綱は、「訪問介護員等の直接処遇職員だけでなく、ICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等の職員も算入して差し支えない」としています。算定は申請時点の常勤換算方法(小数点以下四捨五入)が原則ですが、居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)および管理者や生活相談員等は、従事する職務の性質上、実人数(常勤・非常勤の別は問わない)としても差し支えないとされています。職員数が10名・20名・30名の境目にある事業所は、数え方ひとつで基準額が50万円動くため、申請前に長寿社会課へ確認する価値があります。

加算される2つの15万円・5万円

  • 介護ソフトの導入に伴い、一体的に使用するためのタブレット端末の購入費用やWi-Fi環境整備に必要な経費が発生する場合は、基準額に15万円を加算。
  • 訪問介護事業所等の居宅サービス事業所または居宅介護支援事業所(介護予防も含む)であって、交付決定年度中に「ケアプランデータ連携システム」により5事業所以上とデータ連携を実施する場合は、基準額に5万円を加算。

(2)介護テクノロジーのパッケージ型導入支援

複数の機器を組み合わせて導入する場合は、こちらの枠が使えます。対象経費は「介護業務支援」に分類されているテクノロジー(または同水準と判断される機器等)と、それと連動することで効果が高まると判断できる機器等を導入する場合に要する経費です。要綱が挙げる例は次のとおりです。

  • 「介護業務支援」に該当する機器+「見守り・コミュニケーション」に該当する機器
  • 「介護業務支援」に該当する複数の機器
  • 介護ソフト+インカム 等

基準額は機器等の合計経費で1事業所につき1,000万円。こちらもタブレット端末やWi-Fi環境整備の経費が発生する場合は15万円が加算されます。鳥取県で「上限1,000万円」と紹介されるのは、このパッケージ型導入支援の枠を指しています。

1事業所当たりの限度台数

「移乗支援」「移動支援」「排泄支援」「入浴支援」に該当するテクノロジーには、導入目的ごとに台数の上限が設けられています。

区分 限度台数
施設・居住系サービス 利用定員数に1/10を乗じた数
在宅系サービス 利用定員数に1/20を乗じた数

1台未満の端数は切り上げです。たとえば利用定員50名の施設系サービスなら、移乗支援機器は5台が上限という計算になります。見守りセンサーや介護ソフトなど、この4区分に当たらないテクノロジーには、この限度台数の定めは置かれていません。

鳥取砂丘の風景
写真: Mti / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

申請の流れと締切:鳥取県は「事前申請」が関門

鳥取県の最大の特徴は、交付申請の前に事前申請(要望調査)という関門があることです。

県の公式ページは【留意事項】として「事前申請がない場合、本補助金の交付申請を行うことはできません」と明記しています。あわせて「前年度に実施した要望調査に回答していない法人も、事前申請が可能です」「予算枠を超過する場合は、前年度の要望調査に回答した法人を優先した上で、交付額の調整を行いますので、予め御了承ください」とされており、要望調査への回答は事前申請の必須条件ではないものの、予算枠を超えたときの調整で優先されます。予算枠を確保する段階が別に設けられているため、機器を決めてから動き出したのでは間に合わない設計になっています。

手順 内容 令和8年度の期日
0. 要望調査 翌年度分の要望を県が事前に把握する調査(R9年度分) 令和8年10月16日(金)午後5時【受付終了】
1. 事前申請 導入計画書・所要額調書・業務改善計画様式等を提出 令和8年7月17日(金)【受付終了】
2. 本申請(交付申請) 交付申請書・収支予算書等を提出。事前申請を行った事業所へ後日通知 県から個別通知【受付終了】
3. 交付決定 原則として交付申請を受けた日から30日以内(要綱第5条) 申請後30日以内が原則
4. 契約・発注・導入 機器の契約、納品、設置、職員への研修 交付決定後
5. 変更がある場合 増額(事業所単位)を伴う変更は知事の承認が必要(要綱第6条) 随時
6. 実績報告 実績報告書・導入報告書・精算額調書・収支決算書・口座振込依頼書を提出 令和9年1月31日(日)
7. 効果報告 業務改善計画に対する効果を報告(要綱第9欄イは「県に対し報告」、県の公式ページは「厚生労働省に報告(別途県から依頼)」と案内) 補助を受けた翌年度から3年間

要綱第7条は実績報告の時期を「補助事業の完了、中止若しくは廃止の日から30日を経過する日又は別に通知する日のいずれか早い日まで」と定めています。県が通知する令和9年1月31日が最終期限ですが、機器の導入が早く終わった事業所はその30日後が先に来る点に注意してください。あわせて県の公式ページは「令和9年1月31日までに『発注・納品・支払』が完了している必要があります」としています。

交付決定前の契約はどう扱われるか

鳥取県の要綱と公式ページには、「交付決定前の契約・発注は補助対象外」という文言は明記されていませんでした。一般に県補助金は交付決定後の着手が原則で、多くの都道府県の介護テクノロジー補助金は交付決定前契約を明確に対象外としています。鳥取県でも、交付決定の通知を受け取る前に発注書や契約書の日付を入れるのは避け、着手のタイミングを必ず長寿社会課に確認してください。一般的な進行手順は補助金申請の流れ・必要書類で整理しています。

鳥取県特有の7つの注意点

金額よりも、ここで挙げる要件の読み落としのほうが実務上のリスクになります。

要綱別表1第8欄は、補助を受けるために「全て満たすこと」とされる要件をア〜クの8項目で列挙しています。ア 委員会の設置(別表2のサービス)、イ ケアプランデータ連携システムの利用開始(別表3のサービス)、ウ 収支が改善した場合の職員の賃金への還元と周知、エ SECURITY ACTIONの宣言、オ 厚生労働省の資料を参考にした業務改善と業務改善計画の作成、カ 科学的介護情報システム(LIFE)による情報収集への協力、キ 厚生労働省等が実施する効果検証事業等への可能な限りの協力、ク 研修の受講の8つです。以下では、このうち準備に時間がかかるものと、要綱第3条第3項の規定を実務の観点で整理します。

1. 施設・居住系は委員会の設置が必須

別表2に掲げるサービス(短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、各介護予防サービス等)については、「利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会(名称は問わない)」を設置することが求められます。参考資料として厚生労働省の委員会のポイント・事例集が指定されています。

2. 在宅系はケアプランデータ連携システムの利用開始が必須

別表3に掲げるサービス(訪問介護、訪問看護、通所介護、通所リハビリテーション、福祉用具貸与、居宅介護支援、各種の介護予防サービス、総合事業の訪問型・通所型サービス等)については、交付決定年度内にケアプランデータ連携システムの利用を開始することが要件です。「介護保険資格確認等WEBサービス」に統合された場合は当該サービスを指し、「居宅介護支援費に係るシステム評価検討会」において同等の機能とセキュリティを有すると認められたシステムも含むとされています。

3. SECURITY ACTIONの宣言が必須

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施するSECURITY ACTIONの「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言する必要があります。SECURITY ACTIONは、中小企業・小規模事業者等が自ら情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。事業所単位で単一の法人番号を有していない場合は、法人単位として、または事業所の代表者を「個人事業主」として申し込むこととされています。SECURITY ACTIONの対象外の事業所は、同等の対策(一つ星または二つ星)を講じていることを宣言します。

4. 研修の受講と受講報告書

県が設置する介護生産性向上総合相談センターが実施する研修の受講が原則です。令和8年度に県の公式ページが指定していたのは「介護現場における生産性向上の取組普及セミナー」(令和8年7月13日(月)13時〜14時30分、米子コンベンションセンター・オンラインあり、申込期限 令和8年6月26日(金))で、申込は受付終了です。やむを得ず受講できない場合は、厚生労働省委託事業による「生産性向上ビギナーセミナー」「生産性向上フォローアップセミナー」または「デジタル中核人材養成研修」を受講し、別途指示する方法により受講報告書を提出します。

5. 業務改善計画の作成・提出と3年間の効果報告

補助を受ける事業所等は業務改善計画を作成し、県に提出します。計画の作成や取組の実施にあたっては、原則として県に設置されている介護生産性向上総合相談センターに相談するものとされています。さらに、補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を報告する義務があります(報告先は要綱第9欄イでは「県」、県の公式ページでは「厚生労働省」(別途県から依頼)と案内されており表記が分かれています)。機器が納品された時点ではなく、3年後まで続く約束だと理解して稟議を通してください。

6. 収支が改善したら職員の賃金へ還元

要綱は、介護テクノロジーの導入・活用により業務の改善・効率化等が進められ、職員の業務負担軽減やサービスの質の向上など生産性向上が図られるとともに、収支の改善が図られた場合には、職員の賃金へも適切に還元することとし、その旨を職員等に周知することを求めています。還元の実施は、業務改善計画の効果報告により確認されます。

7. 県内事業者への発注に努める

要綱第3条第3項は「鳥取県産業振興条例(平成23年鳥取県条例第68号)の趣旨を踏まえ、補助事業の実施に当たっては、県内事業者への発注に努めなければならない」と定めています。義務ではなく努力義務ですが、他県の要綱にはあまり見られない鳥取県独自の規定です。機器の販売店・設置工事業者を選ぶ際に、県内の取扱店を検討しておくと申請時の説明がスムーズになります。

付帯経費と通信費の扱い

Wi-Fi環境整備の配線工事(有線LANの設備工事を含む)、モデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築、介護ソフト以外の介護テクノロジーの導入に伴って導入するPC・タブレット端末などは、主となる機器と併せて導入する場合に限り補助対象になります。この場合の基準額は、主となる機器と付帯経費を合計して、1台あたりの基準額に導入台数を乗じた金額が上限です。パッケージ型導入支援では基準額の範囲内で付帯費用が対象になります。いずれも通信費(ランニングコスト)は含まれません。

次の機会に向けた逆算スケジュールと相談先

令和8年度の受付はすべて終了しているため、いま取り組むべきは次年度に向けた準備です。

令和9年度の要望調査が令和8年10月16日に締め切られていることからも分かるとおり、鳥取県では「申請する年度の前年秋」に動きが始まります。令和10年度を視野に入れる施設は、秋の要望調査に間に合うよう、夏までに機種と見積を固めておく必要があります。

時期の目安 やること
要望調査の約6か月前 現場の課題(記録、移乗、夜間巡視、間接業務)を洗い出し、どの区分の機器で解決するか仮決め
約4か月前 介護生産性向上総合相談センターに相談。TAIS掲載の有無を確認し、複数社から見積を取得
約3か月前 委員会設置(施設・居住系)/ケアプランデータ連携システムの準備(在宅系)/SECURITY ACTIONの宣言手続き
約2か月前 業務改善計画を作成。職員数の数え方を確定し基準額を試算。研修受講の予定を押さえる
要望調査・事前申請 県の様式で提出。事前申請を逃すと交付申請に進めない(要望調査が未回答でも事前申請は可能だが、予算枠を超えた場合は要望調査に回答した法人が優先)
交付決定後 契約・発注・導入・職員研修。完了から30日以内に実績報告

相談窓口は2か所に分かれています

制度・様式・期限の照会は鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局長寿社会課(電話 0857-26-7174/0857-26-7176)です。ただし県の公式ページは「本補助金に関する問い合わせは、原則メールにてお願いします」としており、宛先はchoujyushakai@pref.tottori.lg.jpです。一方、業務改善計画の作成や機器選定といった中身の相談は、鳥取県介護生産性向上総合相談センターが担当します。同センターは公益財団法人介護労働安定センター鳥取支部内に置かれ、所在地は鳥取市扇町116 田中ビル2号館2階、電話 0857-21-6571、受付は平日9時〜17時30分(土日祝・年末年始を除く)です。相談支援(対面・メール・オンライン・電話)のほか、研修会、介護ロボット・ICTの体験展示、試用貸出のメニューがあります。

全国の相談センターの位置づけは、厚生労働省の介護生産性向上総合相談センター相談窓口一覧で確認できます。同ページによれば、相談センターは「厚生労働省が取り組む介護生産性向上推進総合事業のもと、都道府県が主体となり生産性向上や人材確保に関するワンストップ窓口として、全国47都道府県すべてに設置」されています。鳥取県では研修受講が要件に組み込まれているため、このセンターとの接点を早めに持っておくことが実質的な申請準備になります。

他県の運用と見比べたい方は、大阪府の介護補助金、京都府の介護補助金、東京都の介護補助金もあわせてご覧ください。補助率や限度台数の考え方が県ごとにどう違うかが見えてきます。

よくある質問

鳥取県の介護テクノロジー定着支援事業について、問い合わせの多い5点をまとめます。

鳥取県の介護テクノロジー補助金はいつ申請できますか。

令和8年度は事前申請が令和8年7月17日(金)で締め切られ、本申請(交付申請)も受付終了です。令和9年度分の要望調査も令和8年10月16日(金)午後5時で終了しています。令和9年度以降の公募日程・予算額は2026年10月29日時点で公表されていません。鳥取県の公式ページで最新の案内をご確認ください。

補助率4/5で、見守りセンサーはいくらまで補助されますか。

「見守り・コミュニケーション」は要綱別表1の「上記以外」に当たり、基準額は1機器につき30万円です。補助金の額は、補助対象経費の4/5と基準額の低い方(千円未満切り捨て)になります。機器単価が37万5千円を超えると、4/5を乗じた額が30万円を上回るため、基準額の30万円が上限として適用される計算です。実際の交付額は審査によって決まります。

介護ソフトの基準額はどのように決まりますか。

職員数に応じてライセンス数が変動するなど、職員数により合計金額が変動する契約方式の場合は、申請時点の職員数が1〜10名で100万円、11〜20名で150万円、21〜30名で200万円、31名以上で250万円です。それ以外の契約方式は1事業所につき250万円。タブレット端末やWi-Fi環境整備の経費が発生する場合は15万円が加算され、居宅系でケアプランデータ連携システムにより5事業所以上とデータ連携する場合はさらに5万円が加算されます。

交付決定前に機器を契約してもよいですか。

鳥取県の交付要綱および公式ページには、交付決定前の契約の可否に関する明示の記載が見当たりませんでした。一般に県補助金は交付決定後に着手するのが原則です。発注書や契約書の日付が交付決定より前になると対象外と判断される可能性があるため、必ず事前に長寿社会課へ確認してください(県は本補助金の問い合わせを原則メール choujyushakai@pref.tottori.lg.jp で受け付けています。電話は0857-26-7174/0857-26-7176)。

訪問介護事業所や居宅介護支援事業所も対象になりますか。

要綱別表1第3欄は対象事業所を「介護保険法に基づくサービスを提供する県内のサービス事業所(訪問介護事業所や、居宅介護支援事業所を含む)」としており、訪問系・居宅介護支援も含まれます。ただし別表3に掲げるサービスに該当する場合は、交付決定年度内にケアプランデータ連携システムの利用を開始することが要件に加わります。要件を満たせば申請できますが、審査があり採択を保証するものではありません。

まとめ:鳥取県は「事前申請」と「3年間の効果報告」が分かれ目

鳥取県の介護テクノロジー補助金は、制度が1本に統合されている分、押さえるべき点は明確です。

整理すると次のとおりです。制度名は鳥取県介護テクノロジー定着支援事業補助金。補助率は4/5(千円未満切り捨て)。基準額は見守り等が1機器30万円、移乗支援・入浴支援・インカムが1機器100万円、介護ソフト・バックオフィスソフトが職員数に応じて100万〜250万円、パッケージ型導入支援が1事業所1,000万円。移乗・移動・排泄・入浴支援の機器には利用定員数の1/10(施設・居住系)または1/20(在宅系)という限度台数があります。

そして最大の分かれ目は、事前申請を出していなければ交付申請に進めないという二段構えと、補助を受けた翌年度から3年間続く効果報告の義務です。機器の値段だけで判断せず、委員会設置・ケアプランデータ連携・SECURITY ACTION・研修受講・業務改善計画という5つの下準備を、要望調査の前から並行して進めてください。

本記事に記載した数値・日程は、鳥取県介護テクノロジー定着支援事業補助金交付要綱(令和8年6月12日施行)および鳥取県公式ページの原文によるものです。要件を満たせば申請できますが、審査があり、採択や満額の交付を保証するものではありません。最新の内容は必ず鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局長寿社会課または公募要領でご確認ください。この記事は2026年10月29日(JST)時点の公式情報に基づきます。

出典(すべて公式)


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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