介護テクノロジー補助金【大阪府】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

大阪府内の介護施設で見守り機器やインカムを活用して働く介護職員のイメージ

「介護ロボットや見守り機器を入れたいが、費用がネックで踏み切れない」——そんな大阪府内の介護施設・事業所の方に向けて、この記事では令和8年度(2026年度)大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金の対象機器・補助率・上限額・締切・申請の流れを、大阪府の公式資料(交付要綱・リーフレット・Q&A)にもとづいて整理します。大阪府はWebによる「事前エントリー制」を採用しており、他の都道府県とは申請の進め方が異なる点に注意が必要です。制度の内容は年度途中でも更新されることがあるため、実際の申請にあたっては、大阪府の公式ページと公募資料で最新情報をご確認ください。

【結論】大阪府の令和8年度 介護テクノロジー補助金 早わかり

  • 補助率:導入費の4/5(補助対象経費の実支出額×4/5、千円未満切捨て)
  • 上限額:移乗支援・入浴支援・インカムは1台あたり100万円、見守り機器などその他の介護テクノロジーは1台あたり30万円、介護ソフトは職員数に応じて最大250万円(Wi-Fi整備等を伴う場合は上乗せあり)、パッケージ型導入支援は合計1,000万円
  • 方式:Web事前エントリー制。エントリー総額が予算額を超えた場合は抽選(未導入事業所・見守り機器・介護ソフト・インカム導入が優先)
  • 事前エントリー期間:令和8年5月25日(月)17時〜7月13日(月)17時
  • 主な要件:令和8年5月21日開催の介護テクノロジー活用支援セミナー受講(アーカイブ視聴可)など
  • 申請先:大阪府福祉部 高齢介護室 介護事業者課 整備調整グループ

※上記は大阪府公表資料(令和8年7月3日時点の資料を含む)にもとづく要点です。金額・日程は変更される場合があるため、申請前に公式ページ・公募要領でご確認ください。

大阪府内の介護施設で見守り機器やインカムを活用して働く介護職員のイメージ
大阪府内の介護施設で見守り機器やインカムを活用して働く介護職員のイメージ

制度の概要——国の事業を大阪府が「事前エントリー制」で実施

介護テクノロジー導入支援事業(旧・介護ロボット導入支援事業/ICT導入支援事業)は、国が予算を確保し、各都道府県が窓口となって介護事業所の機器導入費用を補助する仕組みです。大阪府の令和8年度事業は、国の「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」(令和8年4月7日付 老発0407第3号 別紙1)にもとづいて実施されており、府の交付要綱は令和8年4月22日から施行されています。

大阪府のリーフレット(令和8年7月3日時点)によると、令和8年度の補助総額は1,373,248千円(約13.7億円)とされています。府の資料では、「省力化投資促進プラン」において2040年までに20%以上の業務効率化を図る必要があるとされていることを背景に、特に業務時間削減効果が確認されている見守り機器・介護記録ソフト・インカムを、小規模事業者も含めて広く普及させることに重点を置くと説明されています。

大阪府方式の最大の特徴:「セミナー受講→事前エントリー→(抽選)→交付申請」

多くの都道府県では「公募開始→交付申請→審査→交付決定」という流れですが、大阪府はWebによる事前エントリー制を採用しています。交付申請の前に、まず行政オンラインシステムのエントリーフォームから事前エントリーを行い、エントリー総額が府の予算額を上回った場合には抽選によって交付申請できる事業所が絞り込まれます。逆に、エントリー総額が予算額の範囲内であれば、全てのエントリーが交付申請の対象になるとされています。

さらに、事前エントリーの前提条件として、令和8年度介護テクノロジー活用支援セミナーの受講(または動画視聴)が補助要件とされている点も特徴です。セミナーは令和8年5月21日(木)13時00分〜15時30分に開催され、アーカイブ動画での受講も可とされています。エントリー時には導入予定機器の見積書も必要です。

対象事業所・対象機器

対象となる事業所

補助の対象は、大阪府内で介護保険法にもとづくサービスを提供する全てのサービス事業所と、老人福祉法にもとづく養護老人ホーム・軽費老人ホームです(交付要綱第2条)。訪問介護・通所介護などの居宅サービス、居宅介護支援、特別養護老人ホーム・老健などの施設サービス、地域密着型サービスまで幅広く含まれます。法人本部が府外にあっても、事業所が府内にあれば対象になるとQ&Aで示されています。

一方で注意したいのは次の点です。

  • 障がい福祉サービス事業所・施設は対象外とされています(Q&A)。
  • 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅は、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている場合のみ対象です。
  • 交付申請時点で介護保険法にもとづく指定・許可を受け、サービスを開始していることが必要とされています。

対象となる機器等(TAIS掲載が基本要件)

対象機器の基本は、公益財団法人テクノエイド協会が提供する福祉用具情報システム(TAIS)において「介護テクノロジー」として選定・掲載された機器等です。TAISに掲載されていない機器でも、掲載機器と機能等が同水準と大阪府知事が判断した機器等は対象になり得るとされています。対象となる介護テクノロジーの分野は次のとおりです。

  • 移乗支援(装着型・非装着型)
  • 移動支援(屋外・屋内・装着型)
  • 排泄支援(排泄予測・検知、排泄物処理、動作支援)
  • 入浴支援
  • 見守り・コミュニケーション(施設見守り・在宅見守り・コミュニケーション)
  • 介護業務支援(インカム含む)
  • 機能訓練支援、食事・栄養管理支援、認知症生活支援・認知症ケア支援

このほか、記録・情報共有・請求業務を一気通貫で行える介護ソフト、電子サイン・給与・勤怠管理などのバックオフィスソフト、バイタル測定が可能なウェアラブル端末などのその他機器(知事が有効と判断したもの)も対象区分として設けられています。TAIS掲載機器等の導入に付帯して必要となるWi-Fi環境整備(配線工事含む)、スマートフォン・タブレット等の経費も補助対象とされていますが、通信費(回線契約料等)・メンテナンス費・消耗品・予備購入分は対象外です。

介護ソフトについては要件が細かく、居宅介護支援・居宅サービス(介護予防含む)の場合は「ケアプランデータ連携標準仕様」に準拠したCSV出力・取込機能とサポート体制が確認できるソフトであること、施設サービス等の場合は「CSV連携仕様書(LIFE)」に準じたCSV出力機能を有することが求められています。記録機能のみ・請求機能のみのソフトを単体で申請することは対象外とされている点(令和8年5月25日更新のQ&A)にも注意してください。

補助率・上限額の一覧表

大阪府の令和8年度事業の補助率は、区分を問わず補助対象経費(消費税を除く実支出額)の4/5です。算出額と下表の基準額(上限額)を比較して、少ない方が補助額となります(千円未満切捨て)。

区分 上限額(基準額) 補助率
移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援・介護業務支援のインカム(TAIS掲載+同水準機器) 1台あたり100万円 4/5
上記以外のTAIS掲載介護テクノロジー(見守り機器・排泄支援・移動支援等) 1台あたり30万円 4/5
介護ソフト(記録・情報共有・請求の一気通貫) 職員数に応じて100万〜250万円(Wi-Fi整備・タブレット等の定着促進費用を伴う場合は115万〜265万円) 4/5
バックオフィスソフト(電子サイン・給与・勤怠管理等) 介護ソフトと同様(付帯経費は対象外) 4/5
その他機器(知事が有効と判断した機器・ウェアラブル端末等) 1台あたり100万円(付帯経費は対象外) 4/5
パッケージ型導入支援(介護業務支援機器+連動機器の組合せ) 合計1,000万円 4/5
導入支援と一体的に行う業務改善支援(第三者による事前評価・助言・事後評価) 48万円 4/5

介護ソフト・バックオフィスソフトの上限額は、申請時点の職員数(常勤換算)に応じて次のように区分されています。職員数に連動しない契約方式の場合は一律250万円(定着促進費用を伴う場合265万円)が基準額です。

職員数(申請時点) 基準額 定着促進費用(Wi-Fi・タブレット等)併用時
1名以上10名以下 100万円 115万円
11名以上20名以下 150万円 165万円
21名以上30名以下 200万円 215万円
31名以上 250万円 265万円

なお、訪問介護等の居宅サービス事業所または居宅介護支援事業所(介護予防含む)で、令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」により5事業所以上とデータ連携を実施する場合は、基準額に5万円が加算されるとされています。導入台数にも上限があり、見守り機器等は施設の床数(利用定員)、インカム・情報端末・装着型移乗支援機器等は実際に利用する職員数またはソフトのライセンス数が上限とされています。

補助率と上限額を電卓と書類で確認する介護事業所の管理者のイメージ
補助率と上限額を電卓と書類で確認する介護事業所の管理者のイメージ

申請の流れ——セミナー受講から実績報告まで

大阪府の令和8年度事業は、おおむね次のステップで進みます(日程は府公表資料にもとづくもので、変更される場合があります)。

ステップ 内容・時期
STEP1:セミナー受講 令和8年度介護テクノロジー活用支援セミナー(令和8年5月21日開催)を受講。アーカイブ動画の視聴でも要件を満たすとされています。
STEP2:見積書の準備 導入予定機器の見積書を販売事業者等から取得(エントリー時に必要。通信費など対象外経費を含めない形で作成)。
STEP3:事前エントリー 令和8年5月25日(月)17時〜7月13日(月)17時。行政オンラインシステムで法人担当者が利用者登録(ID取得)のうえ、事業所ごとにエントリーフォームへ入力・送信。
STEP4:抽選(予算超過時のみ) エントリー総額が予算額を超過した場合、優先順位にもとづき交付申請対象を選定。予算内なら全エントリーが対象。
STEP5:交付申請 エントリー結果発表後〜令和8年8月下旬(予定)。法人でとりまとめ、計画書・所要額調書等を添えて提出。
STEP6:機器の契約・導入・支払 Q&Aでは、契約日・支払日・導入日(納品日)が令和8年4月1日〜令和9年1月31日の期間内であることが必要とされています。
STEP7:実績報告・業務改善計画 実績報告書を提出し、額の確定後に補助金が交付されます。補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を府へ報告する義務があります(報告期限等は府の通知で確認)。

抽選になった場合の優先順位

交付要綱の別表第1では、抽選時の選定順位が明示されています。まず、府の生産性向上支援センターが実施する「働きやすい職場環境づくり伴走支援プログラム」(全5回)を修了見込みの事業所と、介護ソフト未導入で「はじめての介護ソフト導入セミナー」を受講しソフトを導入する事業所が最優先とされています。その上で、①介護テクノロジーをいずれも未導入の事業所 → ②自己負担等で既導入・令和3年度以前に府補助で導入済みの事業所 → ③バックオフィスソフト等その他機器のみを導入する事業所 → ④令和4〜7年度に府の補助金交付を受けた事業所、の順に選定され、さらに見守り機器・インカム・介護ソフトのいずれかを導入する事業所が優先されるとされています。過去に府の補助を受けた事業所は優先順位が低くなるため、初めて申請する事業所ほど採択の可能性が相対的に高い設計です。

大阪府特有の注意点

1. 交付決定前の契約・購入でも対象になり得る(ただしリスクあり)

多くの補助金では「交付決定前の契約・発注は対象外」が原則ですが、大阪府の交付要綱第2条第3項では、補助対象経費は契約日・支払日・導入日が令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間の経費(消費税を除く)とされ、「その間の経費であれば、交付申請日以前の経費も対象とする」と明記されています。つまり令和8年4月1日以降であれば、エントリー前・交付決定前に購入した機器も対象になり得る運用です。ただし、抽選に外れたり交付申請の審査で対象外と判断された場合は全額自己負担となるため、先行購入は慎重に判断し、事前に府へ確認することをおすすめします。なお、令和8年3月31日以前に導入していた機器は「既導入」扱いとなります。

2. セミナー受講・ケアプランデータ連携などの要件が細かい

補助要件として、①介護テクノロジー活用支援セミナーの受講(アーカイブ可)に加えて、②居宅介護支援・居宅サービス事業所は令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」でのデータ連携実績があることが求められています。実績報告時にはログイン画面や送受信一覧のスクリーンショット提出が必要とされ、データ連携実績が確認できない場合は代金支払済みでも補助対象外となる旨が府ページに記載されています。また、施設系サービスでは利用者の安全・サービスの質確保・職員負担軽減を検討する委員会の設置、全事業所共通でIPA「SECURITY ACTION」(一つ星または二つ星)の宣言、業務改善計画の作成・提出、収支が改善した場合の職員賃金への還元周知などが要件に含まれています。

3. 導入・支払の実質期限は令和9年1月31日

Q&A(令和8年7月3日版)では、契約・支払・納品が令和9年1月31日までに完了しない場合は補助対象とならず、製造業者の都合等で年度内に納品できない場合は申請の辞退が必要とされています。人気機種は納期が延びることもあるため、発注時期とメーカーの納期は早めに確認しておきましょう。リース・レンタルの場合は契約期間を3年以上に設定する必要があり、3年経過前に契約を解除すると補助金の返還を求められることがあるとされています。

4. 他の補助金との重複・対象外経費に注意

本事業で導入した機器について他の補助金の交付を受けることはできません。IT導入補助金などとは対象経費が重複しない場合に併用できる可能性があるとQ&Aに示されていますが、個別のケースは府への確認が必要です。また、ナースコールは原則対象外(TAISに介護業務支援として掲載されているもの、見守り機器一体型は対象)、通信費・メンテナンス費・修繕費・消耗品・クレジットカード払い(原則)なども対象外とされています。単価30万円以上の機器は法定耐用年数を経過するまで処分制限がかかる点も押さえておきましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 抽選に外れた場合、令和8年度中に再チャレンジできますか?

A. 抽選が行われるのはエントリー総額が予算額を超過した場合のみで、予算内であれば全エントリーが交付申請の対象になるとされています。抽選から外れた場合の追加募集の有無は公表資料からは確認できないため、大阪府高齢介護室へ直接お問い合わせください。過去に府の補助を受けていない事業所や、見守り機器・インカム・介護ソフトを導入する事業所は優先順位が高く設定されています。

Q2. 交付決定前に機器を購入してしまった場合は対象外ですか?

A. 大阪府の交付要綱では、契約・支払・導入が令和8年4月1日以降であれば交付申請日以前の経費も対象とすると定められています。ただし、抽選に外れた場合や要件を満たさない場合は補助を受けられず自己負担となるため、先行購入はリスクを理解した上で判断し、不明点は府へ確認することをおすすめします。

Q3. 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も申請できますか?

A. 「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている場合のみ対象とされています(交付申請時に指定書等の写しが必要)。指定を受けていない有料老人ホーム・サ高住に据え置いて使用する機器や、そうした施設のWi-Fi環境整備の経費は対象外とされています。なお、障がい福祉サービス事業所・施設は本事業の対象外です。

Q4. リース契約でも補助対象になりますか?

A. リース・レンタルも対象とされていますが、補助対象となるのは令和8年4月1日〜令和9年3月31日の期間分で、支払は令和9年1月31日までに完了させる必要があります(令和9年1〜3月分の前倒し払いは対象になり得るとQ&Aに記載)。また、導入効果の報告期間に合わせて契約期間は満3年以上に設定する必要があり、3年未満で解約すると補助金返還の可能性があります。

Q5. 補助金はいつ受け取れますか?申請前に手元資金は必要ですか?

A. 補助金は実績報告の提出と額の確定後に交付される精算払いの仕組みです(交付要綱第10条)。機器代金はいったん事業所側で支払う必要があるため、導入から補助金入金までの資金繰りを見込んでおくことが大切です。具体的な交付時期は年度や事務処理状況によって変わり得るため、交付決定通知や府の案内でご確認ください。

最終確認日・出典・免責事項

最終確認日:2026年7月7日

【お問い合わせ先】大阪府福祉部 高齢介護室 介護事業者課 整備調整グループ(電話:06-6944-7104)

【免責事項】本記事は上記の公表資料にもとづき作成していますが、補助金の内容・日程・要件は変更される場合があります。記事の情報によって生じたいかなる損害についても当サイトは責任を負いかねます。申請にあたっては、大阪府の公式ページ・公募要領・交付要綱の最新版をご確認のうえ、不明点は上記窓口へお問い合わせください。

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