投稿者: 介護補助金ナビ編集部

  • 令和8年度 介護テクノロジー導入支援事業とは?補助率4/5・対象機器・国と自治体の全体像

    令和8年度 介護テクノロジー導入支援事業とは?補助率4/5・対象機器・国と自治体の全体像

    介護現場の人手不足への対応策として、国は介護ロボット・ICT機器などの「介護テクノロジー」の導入費用を補助する介護テクノロジー導入支援事業(旧・介護ロボット導入支援事業/ICT導入支援事業)を、都道府県を実施主体として展開しています。令和8年度(2026年度)は、補正予算による拡充枠で補助率が最大4/5になると報じられているほか、「デジタル中核人材養成研修」の要件化など制度面の変化も伝えられており、例年以上に注目される年度となっています。

    この記事では、厚生労働省の公表資料・実施要綱など一次情報をもとに、国の制度の全体像(財源スキーム・補助率の構造・対象機器・令和8年度の変更点)を整理します。ただし、この事業の申請窓口はあくまで都道府県であり、受付期間・補助上限・補助率の実際の適用条件は自治体ごとに異なります。必ずお住まいの都道府県の公募要領で最新情報をご確認ください。

    【結論】この制度の要点

    • 国の基金(国2/3負担)を財源に、都道府県が介護事業所のテクノロジー導入費を補助する制度です(実施主体は都道府県。厚労省資料より)。
    • 補助率は基本1/2 → 要件充足で3/4 → 補正予算の拡充枠で最大4/5という多段構造です(4/5や上限額の詳細は各都道府県の公募要領で要確認)。
    • 対象は見守り・移乗支援・入浴支援・排泄支援などの介護ロボットと、介護ソフト・タブレット・インカム・通信環境整備などのICT。TAIS(福祉用具情報システム)で「介護テクノロジー」として公表された機器が原則対象とされています。

    重要:補助率・上限・締切は都道府県ごとに違います。この記事で国の全体像をつかんだら、お住まいの都道府県の補助金ページで必ず最新の公募情報を確認してください。

    見守りセンサーの通知をタブレットで確認する介護施設の職員のイメージ
    見守りセンサーの通知をタブレットで確認する介護施設の職員のイメージ

    制度の目的・背景:人手不足×生産性向上への国の対応

    厚生労働省の実施要綱では、この事業の目的が次のように整理されています。今後、介護サービスの需要がさらに高まる一方で生産年齢人口が急速に減少していくことが見込まれる中、介護人材の確保は喫緊の課題とされています。そこで、介護従事者の身体的負担の軽減や業務の効率化など、介護従事者が継続して就労するための環境整備を進めるため、介護サービス事業者が介護ロボットやICT機器等の介護テクノロジーを導入する経費を助成する、というのが制度の骨格です。

    厚労省の事業説明資料では、テクノロジー活用によって業務の改善・効率化を進め、職員の業務負担軽減を図るとともに、「生み出した時間を直接的な介護ケアの業務に充てる」ことで、介護現場の生産性向上と働きやすい職場環境の実現を推進する、という考え方が示されています。つまりこの補助金は「機器を買うための補助」ではなく、業務改善とセットで職場環境を変えるための補助という位置づけです。実際、後述のとおり業務改善計画の提出や導入後の効果報告が補助要件に組み込まれています。

    交付実績は年々拡大している

    厚労省資料に掲載されている交付実績(件数)を見ると、特にICT導入支援の伸びが大きいことがわかります。

    事業 令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度
    介護ロボット導入支援 1,813件 2,297件 2,720件 2,930件
    ICT導入支援 195件 2,560件 5,371件 5,075件

    出典:厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業」事業説明資料。旧・介護ロボット導入支援事業/ICT導入支援事業としての実績です。

    予算面では、通常分として地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)97億円の内数(令和7年度当初予算・厚労省資料より)が確保されているほか、令和6年度補正予算では「介護テクノロジー導入・協働化等支援事業」として200億円が計上されました。令和8年度に向けては、令和7年度補正予算による220億円規模の拡充が行われたと報じられています(拡充分の正確な予算額・枠組みは各都道府県の公募要領や国の公表資料でご確認ください)。

    国と都道府県の役割分担:基金スキームの全体像

    この事業の最大の特徴は、国が直接事業所に補助金を出すのではなく、都道府県が実施主体になるという点です。お金の流れは次のとおりです。

    まず国が、消費税財源を活用した地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)に費用の3分の2を拠出し、都道府県が残り3分の1を負担して基金を造成します。この基金を財源に、都道府県がそれぞれ補助事業(公募)を実施し、申請した介護事業所・施設に導入経費の一部を助成する、という三層構造です。補正予算による拡充分では、国→都道府県→(市町村を経由する場合もあり)→事業者という流れが厚労省資料に示されています。

    主体 役割 費用負担・お金の流れ
    国(厚生労働省) 実施要綱の策定、対象機器の考え方(重点分野・TAIS)の整理、基金への財源拠出 基金の2/3を負担
    都道府県 補助事業の実施主体。公募要領の作成、受付期間・補助上限・優先順位の設定、審査・交付決定 基金の1/3を負担し、基金から事業所へ補助
    介護事業所・施設 都道府県に申請。業務改善計画の提出、導入後の効果報告などの要件を履行 補助率を除いた自己負担分(1/2〜1/5程度)を負担

    実施主体が都道府県であるため、同じ国の制度でも、県によって事業名・受付期間・補助上限・要件の細部が異なります。たとえば事業名も「介護テクノロジー導入支援事業」のほか、「介護テクノロジー定着支援事業」(千葉県・埼玉県・愛媛県・和歌山県など)といった名称が使われており、公募時期も5月開始の県から夏以降の県までさまざまです。国の資料はあくまで「下限・枠組み」を定めるものであり、最終的な条件は各都道府県の交付要綱・公募要領が正となります。

    補助率の構造:1/2 → 3/4 → 4/5 の3段階

    この事業の補助率は一律ではなく、取り組みの深さに応じて段階的に高くなる構造です。厚労省の実施要綱・事業資料をもとに整理すると、次の3段階になります。

    補助率 位置づけ 主な条件(概要)
    1/2 基本の補助率(下限) 引き上げ要件を満たさない場合。「2分の1を下限に都道府県が設定した率」と要綱に規定
    3/4 要件充足で引き上げ 共通要件(賃金還元の明記・第三者による業務改善支援)+区分別要件(介護ロボットは「3点活用」等、ICTはケアプランデータ連携システムの利用等)を満たす場合。「4分の3を下限に都道府県が設定した率」
    4/5 補正予算による拡充枠 厚労省資料(令和6年度補正予算分)では、生産性向上に資する機器導入と協働化の取組等を併せて実施する場合に公費4/5・事業者1/5の負担割合が明記。令和8年度も拡充枠で4/5が適用されると報じられています(適用条件は各県の公募要領で要確認)

    3/4に引き上がる要件:カギは「3点セット」とデータ連携

    実施要綱では、補助率3/4(を下限とする率)が適用される要件が区分ごとに定められています。ポイントを整理します。

    区分 3/4引き上げの主な要件(実施要綱・厚労省資料より)
    共通 職場環境の改善により収支が改善された場合に職員賃金へ還元することを導入効果報告に明記すること/第三者による業務改善支援を受けること
    介護ロボット 入所・泊まり・居住系では、見守りセンサー、インカム・スマートフォン等のICT機器、介護記録ソフトの「3点」を活用していること(いわゆる3点セット)/従前の人員体制の効率化を行うこと/利用者のケアの質の維持・向上や職員の負担軽減に資する取組を予定していること
    ICT 在宅系では「ケアプランデータ連携システム」等を利用し、データ連携を行う相手先事業所が決定していること。それ以外のサービスでは、LIFE(科学的介護情報システム)へのデータ提供(または提供予定)、もしくは文書量半減を実現させる導入計画であること、のいずれか
    パッケージ型導入 介護ロボット・ICTの引き上げ要件をいずれも満たすこと

    なお、最高水準の4/5については、県によって扱いが異なります。たとえば宮城県は令和8年度の案内で「導入費の5分の4」と明示しています。一方で、通常枠のみ(最大3/4)で実施する県もあり得るため、「自分の県で4/5が使えるか」は必ず各県の公募要領で確認してください。

    補助上限額の目安(国の基準額)

    実施要綱に定められた基準額(上限の目安)は次のとおりです。実支出額に補助率を乗じた額と基準額を比較し、少ない方が補助額となります。

    区分 基準額(国の実施要綱・資料より)
    介護ロボット(移乗支援・入浴支援) 1機器あたり100万円(必要台数分)
    介護ロボット(上記以外:見守り等) 1機器あたり30万円(必要台数分)
    ICT(介護ソフト・タブレット等) 職員数に応じて100万〜250万円(1〜10人:100万円/11〜20人:150万円/21〜30人:200万円/31人以上:250万円)
    パッケージ型導入 上限400万〜1,000万円

    パッケージ型導入とは、見守り機器・インカム・介護記録ソフトなど複数のテクノロジーを連動させて導入する場合の区分で、見守り機器の導入に伴うWi-Fi環境の整備費(配線工事・ルーター・アクセスポイント等)やゲートウェイ装置なども対象経費に含まれます(通信費そのものは対象外とされています)。上限額が大きいため、施設系で本格的に生産性向上へ取り組む場合の本命枠と言えます。

    対象機器カテゴリ一覧とTAIS「介護テクノロジー」選定要件

    補助対象となる介護ロボットは、厚生労働省・経済産業省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に該当することが要件です。この重点分野は令和6年6月に旧「ロボット技術の介護利用における重点分野」から改訂・名称変更されたもので、3分野(機能訓練支援、食事・栄養管理支援、認知症生活支援・認知症ケア支援)が追加され、計9分野16項目となりました(2025年4月から運用開始とされています)。

    分野(9分野) 項目・機器の例
    見守り・コミュニケーション 施設向け見守りセンサー、在宅向け見守り、コミュニケーション支援機器
    移乗支援 装着型パワーアシスト、非装着型の移乗サポート機器
    入浴支援 浴槽への出入り動作等を支援する機器
    排泄支援 排泄予測・検知機器、排泄物処理装置、トイレ内の動作支援機器
    移動支援 屋外移動、屋内移動(歩行支援等)、装着型の移動支援機器
    介護業務支援 介護記録・情報共有・請求業務等を支援するソフトウェア等
    機能訓練支援(追加分野) 機能訓練を支援するテクノロジー
    食事・栄養管理支援(追加分野) 食事・栄養管理を支援するテクノロジー
    認知症生活支援・認知症ケア支援(追加分野) 認知症の方の生活・ケアを支援するテクノロジー

    ICT枠では、上記に加えて次のような経費が対象とされています(実施要綱より)。

    ICT枠の対象 内容・条件の概要
    介護ソフト 記録・情報共有・請求業務を転記なしで一気通貫処理できるもの。対象サービスではケアプランデータ連携標準仕様への準拠等が条件。既存ソフトの改修費・月額利用料・保守サポート費も対象
    タブレット・スマートフォン・インカム 介護ソフトを現場で使うための端末、職員間の情報共有のためのインカム等(据置きPC・プリンター等は対象外)
    通信環境機器等 Wi-Fiルーター等、Wi-Fi環境整備に必要な機器の購入・設置費(毎月の通信費は対象外)
    バックオフィス・その他 勤怠管理・シフト作成・給与等の業務効率化ソフト、電子サインシステム、AIを活用したケアプラン原案作成支援ソフト、クラウドサービス、セキュリティ対策費など

    TAISの「介護テクノロジー」選定=補助対象カタログ

    「うちが入れたい機器は補助対象なのか?」を判断する実務上の目安が、公益財団法人テクノエイド協会が運用する福祉用具情報システム(TAIS)です。厚労省はいわゆるカタログ方式を導入しており、TAIS上で外部有識者による検討委員会の審査を経て「介護テクノロジー」として選定・公表された製品が、都道府県の導入支援補助の対象となり得る製品のカタログとして機能しています。多くの都道府県(大阪府など)が公募案内で「TAISにおいて『介護テクノロジー』として選定された機器等が補助対象」と明示しています。

    あわせて、実施要綱では介護ロボットについて次の3要件が定められています。①目的要件(重点分野に該当し、介護従事者の負担軽減効果があること)、②技術的要件(センサー等で状況を認識し、情報を解析し、動作するロボット技術を活用していること、または国の開発補助事業の採択機器であること)、③市場的要件(販売価格が公表され、一般に購入できる状態にあること)。研究開発段階の製品は対象外です。

    介護テクノロジーの導入計画を会議で検討する介護施設スタッフのイメージ
    介護テクノロジーの導入計画を会議で検討する介護施設スタッフのイメージ

    令和8年度の主な変更点(報道・自治体公表ベース)

    ご注意:このセクションは、令和8年度の実施要綱そのもの(都道府県宛て通知)を直接確認できていない部分を含むため、報道・自治体・事業者の公表情報に基づく「〜と報じられています」ベースで記載します。正確な条件は必ず各都道府県の公募要領・交付要綱でご確認ください。

    • 令和8年度実施要綱の発出:令和8年度分の実施要綱は2026年4月7日付で厚労省から都道府県に発出されたと報じられています。
    • 「デジタル中核人材養成研修」の要件化:パッケージ型導入の補助率引き上げ要件に、従業員が「デジタル中核人材養成研修」を受講していることが追加されたと報じられています。機器だけでなく「推進役となる人材」を求める方向性です。
    • 介護情報基盤への対応:国が整備を進める介護情報基盤との連携・利用準備に関する要件が加わったと報じられています。
    • 補正予算による拡充枠の継続・拡大:令和7年度補正予算(220億円規模と報じられています)により、「介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業」としてパッケージ型で最大1,000万円(介護ソフトの定着促進支援を併用する場合は1,015万円)、補助率4/5の支援が受けられると報じられています。
    • 重点支援対象:業務時間削減の効果が確認されている見守り機器・インカム・介護記録ソフトを重点的に支援する方向性が示されていると報じられています。

    総じて令和8年度は、「機器を買うこと」よりも「誰が推進するか(人材)」「どう業務を変えるか(業務改善計画・第三者支援・委員会)」「外部とデータでつながれるか(ケアプランデータ連携・LIFE・介護情報基盤)」という体制づくりが補助の条件として強化される流れです。申請を検討する事業所は、機器選定より先に体制面の準備を始めることをおすすめします。

    【最重要】実際の条件は都道府県ごとに異なる:自分の県のページへ

    ここまで国の枠組みを解説してきましたが、実務ではこの先が本番です。補助率の実際の適用値・上限額・受付期間・締切・必要書類・採択方法(先着か審査か)は、すべて都道府県ごとに異なります。たとえば大阪府は事前エントリー制(令和8年5月25日〜7月13日)を採用し、対象サービスごとにセミナー受講やケアプランデータ連携の実績、委員会設置などの要件を定めています。宮城県は募集開始を7月14日(予定)とし補助率4/5を明示するなど、スケジュールも条件も県によって大きく違います(いずれも本記事執筆時点の各県公表情報。変更される場合があります)。

    当サイトでは都道府県ごとの公募状況・条件を個別ページで整理しています。まずはご自身の県のページをご確認ください。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 小規模な訪問介護事業所や居宅介護支援事業所も対象になりますか?

    A. 国の実施要綱では、介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所(訪問介護事業所や居宅介護支援事業所を含む)と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームが対象とされています。ICT枠の上限額は職員数1〜10人の事業所で100万円など、小規模事業所でも使いやすい設計です。ただし対象サービスの範囲を絞っている県もあるため、各県の公募要領でご確認ください。

    Q2. 補助率4/5はどの事業所でも受けられますか?

    A. いいえ。4/5は補正予算による拡充枠に関する水準で、実施の有無や適用条件は都道府県によって異なります。通常枠では「1/2を下限」「要件充足で3/4を下限」に各県が率を設定する仕組みです。宮城県のように4/5を明示する県がある一方、枠や要件が異なる県もあるため、必ず自県の公募要領でご確認ください。

    Q3. 月額課金の介護ソフトやリース導入も補助対象になりますか?

    A. 国の実施要綱では、毎月支払う介護ソフトの利用料・リース費用・保守サポート費も対象とされています。ただし対象となるのは当該年度中に係る経費のみで、毎月の通信費は対象外です。県によって取り扱いが異なる場合があるため、対象経費の範囲は公募要領でご確認ください。

    Q4. 申請前に機器を購入・契約してもよいですか?

    A. 原則として交付決定前に契約・購入した経費は対象外とする県が一般的です(宮城県の令和8年度案内などで明示)。「先に買ってから申請」は補助が受けられなくなる典型的な失敗パターンのため、必ず交付決定を待ってから発注してください。詳細なスケジュールは各県の公募要領でご確認ください。

    Q5. 導入後にやるべきことはありますか?

    A. あります。国の資料では、業務改善計画を提出した上で、一定の期間、効果を確認できるまで導入効果の報告を行うことが補助要件とされています。補助を受けた翌年度から3年間程度の報告を求める県が多いと案内されています(期間・様式は県により異なります)。導入して終わりではなく、業務改善の効果測定まで含めて計画しておきましょう。

    まとめ:国の枠組みを理解したら、自県の公募要領へ

    令和8年度の介護テクノロジー導入支援事業は、国2/3負担の基金を財源に都道府県が実施するという構造のもと、基本1/2 → 要件充足で3/4 → 拡充枠で最大4/5(と報じられる)という段階的な補助率、そして見守り・移乗・入浴・排泄・介護ソフト・インカム・通信環境まで幅広い対象カテゴリを持つ、介護事業所にとって最も使い勝手の広い補助制度のひとつです。一方で、賃金還元の明記・第三者支援・データ連携・効果報告など「本気の業務改善」を求める要件が年々強化されています。

    まずは本記事で全体像をつかみ、お住まいの都道府県の個別ページで受付期間と要件を確認するところから始めてください。受付期間が1か月程度と短い県も多く、気づいたときには締切済みというケースが少なくありません。

    最終確認日:2026年7月7日

    主な出典(一次情報):

    • 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業(地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分))」事業説明資料(mhlw.go.jp
    • 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業実施要綱」(kouseikyoku.mhlw.go.jp
    • 厚生労働省「『ロボット技術の介護利用における重点分野』を改訂しました」(mhlw.go.jp)/経済産業省 同改訂プレスリリース(meti.go.jp
    • 公益財団法人テクノエイド協会「介護テクノロジー情報の取り扱いについて」(techno-aids.or.jp
    • 大阪府「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」(pref.osaka.lg.jp)/宮城県「令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金について」(pref.miyagi.jp

    免責事項:本記事は執筆時点で確認できた公表情報をもとに、制度の一般的な枠組みを解説するものです。補助金の交付を保証するものではなく、令和8年度固有の変更点など一部は報道・自治体公表情報に基づいています。実際の補助率・上限額・対象経費・受付期間・要件は都道府県ごとに異なり、変更される場合があります。申請にあたっては必ず各都道府県の最新の公募要領・交付要綱をご確認いただくか、担当窓口へお問い合わせください。

  • 介護の見守りセンサー完全比較|マット/ベッド/カメラ/レーダー型の選び方と補助金対象

    介護の見守りセンサー完全比較|マット/ベッド/カメラ/レーダー型の選び方と補助金対象

    夜間の定時巡視や訪室対応の負担が増すなか、介護施設の見守りセンサー(見守り機器)は「介護テクノロジー導入支援事業」の補助対象にもなり、導入を検討する施設が増えています。本記事では、マット型・ベッド型・カメラ型・レーダー型など主要方式の仕組みと向き不向き、実在する代表製品、補助金の対象条件、選定チェックリストまでを、施設長・事務長・DX担当者向けに一次情報ベースで整理します。

    【結論】方式早見と選び方の要点

    方式 ひとことで言うと こんな施設に
    床置きマット型 踏んだら通知。低コスト・工事不要 まず一部の居室から始めたい
    ベッドセンサー型(マットレス下) 体動から睡眠・起き上がりを見える化 夜間の定時巡視・訪室回数を見直したい
    ベッド脚荷重型 荷重変化で「動き出し」を検知 既存ベッドを活かして後付けしたい
    カメラ・画像型 居室全体を映像・シルエットで確認 駆けつけ前に状況を確認して優先順位を付けたい
    非接触レーダー型(ミリ波) カメラなしで居室全体の動きを検知 プライバシー配慮を最優先したい
    複合プラットフォーム型 複数センサー+スマホ・記録ソフト連携 施設全体のDXとして整備したい
    • 選定の起点は製品でなく業務。「夜勤のどの業務(定時巡視・訪室判断・記録)を減らしたいか」から方式を絞る
    • ナースコール・介護記録ソフトとの連携可否を先に確認。ここで運用効率が大きく変わる
    • 補助金は重点分野④「見守り・コミュニケーション」該当+TAISに介護テクノロジーとして掲載された機器が原則対象。国の基本スキームでは見守り機器は1台あたり上限30万円、Wi-Fi等の通信環境整備も別枠で補助対象
    • 公募時期・補助率・台数上限は都道府県ごとに異なる。交付決定前の発注は対象外が原則のため、年度初めからの逆算が必須

    見守りセンサーとは?なぜ今、介護施設で導入が進むのか

    介護施設向けの見守りセンサーとは、居室やベッドに設置したセンサーで入居者の体動・起き上がり・離床・入退室などの状態を検知し、スタッフルームのPCや職員のスマートフォンに通知する機器の総称です。職員が居室に行かなくても状態の目安を把握できるため、夜間の定時巡視や訪室の優先順位付けといった見守り業務を支援し、職員の負担軽減と業務効率化につなげることが導入の主目的です。

    導入が加速している背景は大きく3つあります。

    • 人材不足の長期化:厚生労働省の第9期介護保険事業計画に基づく推計では、必要な介護職員数は2026年度に約240万人、2040年度には約272万人。2022年度の約215万人から大幅な上積みが必要とされており、採用強化だけでは埋めきれない差を生産性向上で補う必要があります。
    • 国・都道府県の補助制度の整備:介護ロボット導入支援事業とICT導入支援事業を再構築した「介護テクノロジー導入支援事業」により、見守り機器本体に加えWi-Fi等の通信環境整備まで補助対象になっています(詳細は後述)。
    • 介護報酬上の評価:2021年度介護報酬改定では、見守り機器を入所者全員に導入しインカム等のICTを使用すること等を要件に、夜勤職員配置加算の人員要件を緩和する区分(0.9人→0.6人)が設けられるなど、テクノロジー活用が制度面でも位置づけられています(対象サービス・算定要件の詳細は最新の告示・通知の確認が必要です)。

    なお、見守りセンサーはあくまで職員の見守り業務を支援するツールであり、事故や体調変化を防ぐことを保証する機器ではありません。本記事も業務効率化・補助金活用の観点から整理しており、機器の医療的な効果を述べるものではない点をあらかじめお断りします。

    夜勤帯にスタッフルームのモニターとスマートフォンで入居者の状態表示を確認する介護職員
    夜勤帯にスタッフルームのモニターとスマートフォンで入居者の状態表示を確認する介護職員

    方式別比較|マット型・ベッド型・カメラ型・レーダー型の違い

    見守りセンサーは検知の仕組みによって大きく6方式に分かれます。どの方式にも一長一短があり、「どの方式が一番良いか」ではなく「自施設の課題にどれが合うか」で選ぶのが基本です。

    方式 仕組み 長所 短所・注意点 向く施設・場面
    床置きマット型 ベッドサイドの床に敷いたマットを踏むと荷重で検知し、ナースコール等に通知 安価・設置が簡単・工事不要。既存ナースコールに接続できる製品が多い 検知は離床「後」になりやすい。踏み外し・マットまたぎは検知できない。コード式はつまずきに注意(コードレス製品あり) 特定の入居者からスモールスタートしたい施設
    ベッドセンサー型(マットレス下シート・マット) マットレスの下に敷いたシート状センサーが体動を捉え、呼吸・心拍の目安や睡眠・覚醒、起き上がり・離床の動きを推定 身体に何も装着せず使える。睡眠リズムのデータが蓄積され、訪室タイミングの検討材料になる 検知範囲はベッド上のみ。居室内の転倒などは分からない。Wi-Fi等の通信環境が前提の製品が多い 夜間の定時巡視のあり方を見直したい施設、睡眠データを日中ケアの検討に使いたい施設
    ベッド脚荷重型 ベッドの脚の下に荷重センサーを設置し、荷重・重心の変化から「動き出し」「起き上がり」「端座位」等の姿勢を判定 既存ベッドに後付けできる。離床に至る前の予備動作の段階で通知設定できる製品がある。臥床のまま体重測定できる製品も 検知範囲はベッド上のみ。ベッドの型式・脚形状との適合確認が必要 ベッドからの立ち上がり対応の駆けつけ判断を早めたい施設
    カメラ・画像型(天井・壁設置) 天井等に設置したカメラ・3Dセンサー・赤外線センサーで居室全体の動きを捉え、起き上がり・離床・転倒などの行動を検知して映像やシルエットとともに通知 ベッド外も含む居室全体をカバー。駆けつけ前に映像で状況確認でき、訪室の優先順位を付けやすい。記録映像を事故後の状況確認や運営改善に使える製品もある プライバシーへの配慮(シルエット表示・ぼかし・撮影範囲設定等)と本人・家族への説明が不可欠。通信帯域・設置工事の検討が必要 夜間の少人数体制で駆けつけ判断の精度を上げたい施設
    非接触レーダー型(ミリ波等) ミリ波レーダー等の電波で人の位置・動き・姿勢を検知。カメラ映像を使わずに居室全体を見守る 映像を撮らないためプライバシー面の心理的抵抗が小さい。暗所でも検知でき、トイレ等カメラを置きにくい場所にも設置しやすい 映像による状況確認はできない。比較的新しい方式のため、検知内容・実績はデモでの確認が重要 カメラ設置に抵抗が大きい施設、居室外(トイレ・浴室前等)も見守りたい施設
    複合プラットフォーム型(スマホ連携) ベッドセンサー・人感センサー・温湿度センサー等を組み合わせ、クラウド経由でPC・スマホに一覧表示。ナースコールや介護記録ソフト、インカムと連携する製品が多い 居室内の在不在や環境まで含め多面的に把握できる。記録連携で転記作業の削減が期待できる。パッケージ型補助と相性が良い 初期設計(何をどこまで連携するか)の検討負荷が大きい。月額利用料が発生するSaaS型が多く、ランニングコストの確認が必要 施設全体のDX・記録業務の効率化まで一体で進めたい施設

    実際の現場では、入居者の状態や居室タイプに応じて複数方式を使い分けるのが一般的です。全居室に同一機器を一斉導入する前提ではなく、「ベッド上の見守りはベッドセンサー型、行動範囲が広い方の居室はカメラ型またはレーダー型」のような組み合わせも検討しましょう。

    主要な見守りセンサー製品10選(実在製品・客観整理)

    ここでは公式サイト等で内容を確認できた代表的な製品を方式別に整理します。優劣のランキングではなく、方式と特徴の対応を確認するための一覧です。価格は構成・台数・契約形態により大きく変わるため記載していません。必ず各社に見積もりを依頼してください。

    製品名 提供企業 方式 主な特徴(公式情報より)
    眠りSCAN パラマウントベッド ベッドセンサー型 マットレス下に敷くシート状の体動センサー。体動から呼吸数・心拍数の目安、睡眠・覚醒、起き上がり・離床をリアルタイムに把握。カメラ連動オプション『眠りSCAN eye』では通知時に居室の様子を映像で確認できる
    aams(アアムス) バイオシルバー ベッドセンサー型 マットレス下設置のセンサーマットで心拍・呼吸・体動・離着床・睡眠状態(3段階)を表示。アラート履歴等を30日分蓄積。各社ナースコール・介護記録ソフトとの連携に対応
    見守りライフ トーテックアメニティ ベッド脚荷重型 既存ベッドの脚下に荷重センサーを設置し、荷重・重心変化から動き出し・起き上がり・端座位等を判定。通知タイミングを入居者ごとに設定可能。臥床したままの体重測定機能あり
    コールマット・コードレス テクノスジャパン 床置きマット型 ベッドサイドに敷き、踏むとナースコールで通知する定番の離床センサー。コードレスで通り道のコードを排除。ナースコール端子への接続で設置工事不要
    Neos+Care(ネオスケア) ノーリツプレシジョン カメラ・画像型(3Dセンサー) 距離センサーと独自アルゴリズムで起き上がり等の動作を検知する予測型見守りシステム。状態をシルエット画像で表示しプライバシーに配慮。介護施設向けに加え医療機関向けの展開もある
    HitomeQ ケアサポート コニカミノルタ カメラ・画像型(天井設置) 天井の行動分析センサーが起き上がり・離床・転倒等の行動を認識し、職員のスマートフォンに映像付きで通知。映像オフ・ぼかし設定などプライバシー配慮機能あり。2026年発表の新型では2眼3Dカメラ・ミリ波センサー・AIによる行動検知を採用
    A.I.Viewlife エイアイビューライフ カメラ・画像型(広角赤外線) 広角IR(赤外線)センサーと生体センサーの連動で居室全域を見える化。プライバシーに配慮した画像で危険につながり得る動作を昼夜問わず検知・通知・記録
    ヴェスタ メティスコム 非接触レーダー型(ミリ波) ミリ波(4Dレーダー)センサーで居室内の活動状況や転倒・臥床等の状態を検知。カメラを使わない構成でプライバシーに配慮しつつ遠隔での見守りを支援
    ライフリズムナビ+Dr. エコナビスタ 複合プラットフォーム型 マットレス下の非接触睡眠センサーに加え、温湿度センサー・人感センサー等を組み合わせるSaaS型見守りシステム。睡眠・活動量・室内環境をクラウドで一覧化し、アラート通知やレポート作成に対応。介護記録ソフトやインカムとの連携実績も公表されている
    まもる〜の(SHIP) ZIPCARE 複合プラットフォーム型 施設向け『まもる〜のSHIP』はベッド上のセンサーで脈拍・呼吸の目安・入離床・睡眠を、環境センサーで室温・湿度・照度を取得し、クラウド上でPC・スマホから一元的に確認できる見守りプラットフォーム

    注意:各製品の検知項目のうち呼吸数・心拍数等は、体動から推定する「目安」として提供されるものであり、医療機器としての測定を意味するものではありません。仕様・対応連携先は変更されることがあるため、最終確認は必ず各社公式サイト・営業窓口で行ってください。

    介護ベッドのマットレスの下にシート状の見守りセンサーを設置する様子
    介護ベッドのマットレスの下にシート状の見守りセンサーを設置する様子

    補助金の対象になる条件|介護テクノロジー導入支援事業との関係

    見守りセンサーの導入で最も活用されているのが、地域医療介護総合確保基金を財源に都道府県が実施する「介護テクノロジー導入支援事業」(旧・介護ロボット導入支援事業/ICT導入支援事業の統合再編)です。厚生労働省の事業資料に基づく国の基本スキームは次のとおりです。

    区分 補助対象の例 補助上限(国スキーム) 補助率
    介護ロボット(見守り機器を含む) 重点分野に該当する見守りセンサー等(移乗支援・入浴支援以外) 1台あたり上限30万円(移乗支援・入浴支援は上限100万円)・必要台数 一定の要件を満たす場合3/4、それ以外1/2
    ICT 介護ソフト・タブレット・スマートフォン・インカム・Wi-Fi機器の購入設置 等 事業所の職員数に応じ100万〜260万円 同上
    生産性向上に係る環境づくり 見守りセンサー導入に伴う通信環境整備(Wi-Fi工事)、見守り情報を介護記録にシステム連動させるネットワーク構築 等 上限1,000万円 3/4

    見守りセンサーが補助対象となるためのポイントは3つです。

    1. 重点分野④「見守り・コミュニケーション」への該当:厚労省・経産省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」(2024年改訂で9分野16項目に拡大)のうち、見守りセンサーは第4分野「見守り・コミュニケーション」の「見守り(施設)」項目に該当することが前提です。
    2. TAIS(福祉用具情報システム)への掲載:多くの都道府県で、テクノエイド協会のTAISに「介護テクノロジー」として選定・掲載された機器であることが原則要件とされています。例えば愛知県の令和7年度要綱では、単にTAISコードが付与されているだけでは不十分で、介護テクノロジーとしての掲載が必要と明示されています。検討中の製品が掲載済みかは、メーカーと都道府県窓口の双方に必ず確認してください。
    3. 生産性向上の取組計画と効果報告:導入計画(業務改善計画)を提出し、導入後一定期間の効果を報告することが必須要件とされています。関連事業では補助を受けた翌年度から3年間の効果報告を求める例もあります。

    都道府県で条件が大きく異なる点に注意:補助率を4/5に引き上げている県(例:愛知県)、見守り機器の台数上限(例:愛知県は従来型施設20台まで、ユニット型は2ユニットの定員まで)、パッケージ型導入(見守り機器+インカム+介護記録ソフト等の一体導入)の上限額設定など、実施要綱は都道府県ごとに異なります。また通信環境整備を「機器導入に付帯する経費のみ」に限定する運用もあります。必ず自施設の所在県の当該年度要綱を確認してください。制度全体の仕組みは介護テクノロジー導入支援事業の補助金完全ガイドで詳しく解説しています。

    見守りセンサー選定チェックリスト

    方式と候補製品を絞ったら、契約前に次の項目を確認しましょう。導入後の「使われないセンサー化」を防ぐ鍵は、機器スペックよりも運用設計です。

    確認項目 チェックポイント
    通信環境 全居室にWi-Fiが届くか(鉄筋造は電波減衰に注意)。Wi-Fi工事が必要な場合は補助金の「通信環境整備」枠を併用できるか。カメラ型は帯域が足りるか
    既存ナースコール連携 現在のナースコール設備(メーカー・型式)と接続可能か。通知がナースコールとセンサーアプリの二重管理にならないか
    介護記録ソフト連携 使用中の記録ソフトにデータ連携できるか(転記作業が残ると効果が半減)。連携ソフトの選定・見直しは介護ソフト比較記事も参照
    夜勤動線・通知設計 通知の受け先(スマホ・インカム・PC)が夜勤者の動線に合っているか。通知が多すぎて疲弊しない感度設定・入居者ごとの通知条件設定ができるか
    プライバシー配慮 カメラ型はシルエット・ぼかし・撮影オフ設定の有無、録画データの保存期間・閲覧権限。入居者本人・家族への説明と同意取得のフローを用意できるか
    設置形態・工事 天井工事の要否、既存ベッドとの適合(荷重型)、居室レイアウト変更の要否、退去・入替時の付け替えやすさ
    試用・デモ 本契約前に実環境でのデモ・貸出ができるか。夜勤帯の実運用で誤通知の頻度・通知の遅れを確認したか
    教育・定着支援 職員向け研修・マニュアル・導入後のフォロー体制。委員会等での運用ルール整備を支援してくれるか
    コスト構造 本体価格に加え、月額利用料(SaaS)・保守費・通信費・更新費まで含めた5年総額で比較したか。補助対象経費と対象外経費の切り分けを確認したか
    補助金スケジュール適合 所在県の公募時期・交付決定時期と導入計画が整合しているか。交付決定前の発注・契約になっていないか

    導入の流れと注意点

    1. 課題の言語化(〜1か月):夜勤帯のタイムスタディ等で「どの見守り業務に何分かかっているか」を把握し、減らしたい業務を特定する。都道府県の介護生産性向上総合相談センターの活用も補助要件に位置づけられている。
    2. 情報収集・デモ(1〜2か月):方式を2〜3に絞り、複数メーカーのデモ・貸出で夜勤帯の実運用を試す。TAIS掲載状況とナースコール・記録ソフト連携可否をこの段階で確認。
    3. 都道府県の公募確認・計画書作成:当該年度の実施要綱・公募期間を確認し、業務改善計画(生産性向上の取組計画)と見積書を揃えて申請する。予算枠に達し次第締め切る県もあるため早めに動く。
    4. 交付決定→発注・設置:原則として交付決定通知の後に発注・契約する(先行発注は補助対象外となるのが一般的)。Wi-Fi工事を伴う場合は工期も含めて年度内完了を逆算する。
    5. 運用開始・定着(導入後1〜3か月):通知条件のチューニング、職員研修、運用ルール(通知対応の優先順位・記録方法)の整備。委員会での振り返りを定例化する。
    6. 実績報告・効果報告:導入効果(業務時間の変化等)を測定し、都道府県に報告する。翌年度以降も継続報告を求められる場合がある。

    よくあるつまずき:①Wi-Fi未整備のまま機器だけ導入して通知が不安定になる(通信環境整備枠の併用を検討)、②通知の感度が高すぎて夜勤者が通知疲れを起こす(入居者ごとの条件設定と試用期間が重要)、③記録ソフト未連携で二重入力が発生する、④交付決定前に発注してしまい補助対象外になる——の4点は事前設計で回避できます。

    よくある質問(FAQ)

    Q1. 見守りセンサーの補助金はいくら受けられますか?

    国の基本スキームでは、見守り機器は1台あたり上限30万円(必要台数分)、補助率は一定要件を満たす場合3/4(それ以外1/2)です。都道府県によっては補助率4/5への引き上げや、パッケージ型導入(見守り機器+インカム+介護ソフト等)でのより大きな上限額の設定があります。加えて、Wi-Fi整備等の通信環境整備が別枠で補助される場合があります。金額・条件は年度と都道府県で異なるため、必ず所在県の当該年度要綱を確認してください。

    Q2. どの製品でも補助対象になりますか?

    なりません。重点分野④「見守り・コミュニケーション」に該当し、テクノエイド協会のTAISに「介護テクノロジー」として掲載されている機器であることが原則です(単なるTAISコード付与では不十分とする県もあります)。候補製品が対象かどうかは、メーカーの営業窓口と都道府県の補助金窓口の両方に確認するのが確実です。

    Q3. 施設にWi-Fiがなくても導入できますか?

    多くの見守りセンサーはWi-Fi等のネットワークを前提とするため、未整備の場合は通信環境の工事が必要です。介護テクノロジー導入支援事業では「見守りセンサーの導入に伴う通信環境整備」(Wi-Fi環境の整備、見守り情報を介護記録に連動させるネットワーク構築等)が補助対象に含まれています。ただし、機器導入に付帯する経費のみを対象とする県もあるため、Wi-Fi単独整備が可能かは要綱の確認が必要です。

    Q4. カメラ型はプライバシー面が心配です。導入時に何をすべきですか?

    シルエット表示・ぼかし・映像オフ設定など配慮機能の有無を確認したうえで、①撮影範囲と録画データの保存期間・閲覧権限を内規で定める、②入居者本人・家族へ目的と運用を説明し同意を得る、③居室の状況に応じてカメラを使わないレーダー型やベッドセンサー型と使い分ける——の3点が基本です。機器の機能と施設側の運用ルールをセットで整備することが重要です。

    Q5. 見守りセンサーを導入すれば夜勤の人員を減らせますか?

    2021年度介護報酬改定以降、見守り機器の入所者全員への導入やインカム等ICTの使用、安全確保の委員会設置などを要件に、夜勤職員配置加算等の人員要件を緩和する仕組みが設けられています。ただし要件は細かく、機器導入割合・試行期間・職員の負担軽減の確認などが求められます。人員削減を先に立てるのではなく、まず巡視・訪室業務の負担軽減と業務再設計を目的に導入し、基準緩和の適用は最新の告示・通知と指定権者への確認を経て検討することをおすすめします。

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    最終確認日・一次情報・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日

    本記事の主な一次情報:

    【免責事項】本記事は介護施設の業務効率化および補助金活用に関する情報提供を目的としたものであり、特定製品の購入を勧誘するもの、または機器による事故防止・健康管理等の効果を保証するものではありません。見守りセンサーは職員の見守り業務を支援する機器であり、その導入をもってケアの安全が確保されるものではありません。補助金の要件・金額・スケジュールは年度および都道府県により異なり、変更される場合があります。申請にあたっては必ず所在都道府県の最新の実施要綱および厚生労働省の公表資料をご確認ください。製品仕様・連携対応は変更されることがあるため、最新情報は各メーカー公式サイトにてご確認ください。

  • 介護テクノロジー補助金の申請の流れ・必要書類・スケジュール完全ガイド【令和8年度】

    介護テクノロジー補助金の申請の流れ・必要書類・スケジュール完全ガイド【令和8年度】

    【最重要】交付決定(内示)前の契約・発注はNGです。交付決定より前に契約・発注・購入した機器は、採択されても補助対象外となるのが全国共通の原則です(一部で年度開始日を基準とするなど運用が異なる自治体もあるため、必ず申請先の公募要領で確認してください)。

    • 介護テクノロジー補助金は国の基金を財源に、都道府県が窓口となって実施する制度。申請先は各都道府県(またはその指定機関)です。
    • 大まかな流れは「セミナー受講→計画作成・事前協議→交付申請→審査・交付決定→契約・納品・支払→実績報告→効果報告」の順。交付は原則、後払い(精算払い)です。
    • 令和8年度は5〜7月に公募が集中し、交付決定は10月頃という自治体が目立ちます。締切・様式・要件は自治体ごとに異なるため、必ず各公募要領で確認してください。

    「介護ロボットやICTを導入したいが、補助金の申請手順がわからない」「どの書類を、いつまでに、どこへ出せばよいのか」——介護テクノロジー導入支援事業(いわゆる介護ロボット・ICT補助金)は、都道府県ごとに公募要領が異なる一方、国の実施要綱に基づく共通の骨格があります。

    この記事では、厚生労働省の実施要綱と複数の都道府県(大阪府・群馬県・兵庫県・埼玉県・東京都など)の令和8年度公募情報を横断的に確認し、全国どの自治体でも通用する「申請の流れ・必要書類・スケジュールの考え方」を、施設・事業所の事務担当者向けに整理しました。個別の金額・締切は必ずお住まいの都道府県の最新の公募要領でご確認ください。

    介護テクノロジー補助金の申請書類とチェックリストを確認する事務担当者
    介護テクノロジー補助金の申請書類とチェックリストを確認する事務担当者

    国のスキームと都道府県実施の関係——「申請先は国ではなく都道府県」

    介護テクノロジー導入支援事業は、厚生労働省が実施要綱を定め、実施主体は都道府県と明記された制度です(実施要綱「2 実施主体」)。財源は地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)で、国が基金の3分の2を負担し、都道府県が残りを負担して事業所に補助します。令和8年度は基金(86億円の内数)に加え、補正予算による220億円規模の財源(国の負担割合は5分の4)が確保され、国は補正予算の優先活用を都道府県に求めていると報じられています。実施要綱は2026年4月7日に都道府県へ発出されました。

    主体 役割
    国(厚労省) 実施要綱の策定、基金の3分の2(補正分は5分の4)を負担。補助対象や補助率の「下限」を全国共通で提示
    都道府県 公募要領の作成、公募・審査・交付決定・支払いの実務。補助率・上限台数・締切・様式・セミナー要件などを独自に設定
    介護事業所・施設 都道府県へ申請。業務改善計画の作成、機器の導入・支払、実績報告、導入後3年間の効果報告を担う

    対象となるのは、介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所(訪問介護事業所や居宅介護支援事業所を含む)と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームです。補助率は、要件を満たす場合で4分の3を下限に都道府県が設定した率、それ以外は2分の1が下限とされ、協働化等の取組と一体で実施する場合に5分の4となるスキームもあります。

    ここで重要なのは、「国の要綱=そのまま自分の県のルール」ではないという点です。国の要綱は下限・枠組みを示すもので、実際の補助率・限度台数・締切・提出様式は都道府県ごとに違います。必ず申請先の都道府県が公表する最新の公募要領・実施要領をご確認ください。

    申請の流れ——全国共通の9ステップ一覧表

    名称や順序の細部は自治体で異なりますが、複数県の公募情報を突き合わせると、おおむね次の9ステップに整理できます。

    ステップ 内容と注意点
    1 公募要領の確認・情報収集 都道府県の高齢福祉担当課ページで公募要領・様式・締切を確認。令和8年度は5〜7月に公募が集中し、公募期間が1〜2か月程度と短い県が多い
    2 導入前セミナー・研修の受講 県指定セミナーの受講を申請要件とする自治体が多い(例:大阪府「介護テクノロジー活用支援セミナー」受講必須、群馬県は生産性向上セミナー2種の受講、埼玉県は研修・相談会の受講が原則)。受講漏れは申請不可につながるため最優先で確認
    3 業務改善計画の作成・見積取得・事前協議(エントリー) 課題を抽出し業務改善計画(事業計画)を作成。機器の見積書を取得。大阪府の事前エントリーや兵庫県の申請見込額調査、埼玉県の事前協議のように、交付申請の前段に「事前提出」を挟む自治体が多い。この段階で見積書が必要になる例あり
    4 交付申請 交付申請書+必要書類一式を提出(後述のチェックリスト参照)。内示を受けた事業所のみ交付申請に進める運用の自治体もある
    5 審査・内示・交付決定 県が審査。応募多数の場合は抽選や減額調整が行われることがある(大阪府は抽選方式を明示)。交付決定は10月頃という自治体が目立つ(大阪府「10月以降」、群馬県「10月初旬頃」)
    6 契約・発注(交付決定後に着手) 群馬県公募情報の原文では「交付決定前に着手している事業については、本補助金を採択された場合でも補助対象外となります(着手とは、契約や発注などの具体的な行為を開始することを指します)」と明記。この原則は全国共通と考えて動くのが安全
    7 納品・検収・支払 年度内(自治体指定の期日まで)に納品と支払を完了させる必要がある(例:埼玉県は令和9年1月31日までに導入・支払完了)。リース等は当該年度分の経費のみ対象
    8 実績報告・補助金請求・入金 実績報告書+支払証憑等を提出(例:大阪府は事業完了後20日以内)。額の確定後に請求し入金される精算払い(後払い)が原則のため、購入資金は一旦全額立て替える前提で資金繰りを組む
    9 導入効果の報告(翌年度から3年間) 実施要綱により、補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果の報告が求められる。入金されて終わりではない点に注意

    ※ステップの名称・順番・締切は自治体ごとに異なります(事前協議がない県、内示を経ずに交付決定する県など)。必ず申請先の都道府県の公募要領で最新のフローをご確認ください。

    必要書類チェックリスト——典型パターンと根拠

    提出様式は自治体ごとに違いますが、国の実施要綱と各県の公募情報から、「ほぼ確実に求められる書類」「サービス種別・機器種別によって求められる書類」に分けて整理できます。

    書類 ポイント
    交付申請書・補助金所要額調書 県指定様式。収支予定額内訳書とセットの県もある
    業務改善計画書(事業計画書) 実施要綱で作成・提出が必須と規定。生産性向上ガイドライン等を参考に、課題→導入機器→期待する業務改善を記載。補助率4分の3の要件(文書量半減計画やデータ連携など)はこの計画で確認される
    機器の見積書・カタログ 事前エントリー段階で見積書を求める県もある(大阪府)。相見積もりを求める自治体もあるため要領を確認
    SECURITY ACTION自己宣言の確認資料 実施要綱の補助要件として、IPAの「SECURITY ACTION」★一つ星または★★二つ星の宣言が必要。申込完了が確認できる資料の添付を求める県がある(群馬県ほか)
    対象サービスの指定が確認できる書類 介護保険法・老人福祉法に基づくサービス提供事業所であることの確認資料(指定通知書の写し等)を求める県がある
    機器のTAIS掲載確認(TAISコード) 実施要綱では、福祉用具情報システム(TAIS)で「介護テクノロジー」として選定された機器は原則補助対象。申請書にTAISコードの記載を求める自治体がある。※要綱上は「TAISに公表されていない機器等であっても、対象として差し支えない」とされ、最終判断は都道府県
    委員会設置の確認資料(入所・泊まり・居住系) 特養・老健・GH・小多機など対象サービスは「利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会」の設置が要件。設置がわかる資料の提出を求める県がある
    ケアプランデータ連携システム関係(在宅系) 訪問介護・通所介護・居宅介護支援など在宅系サービスは同システムの利用開始が要件とされ、利用開始の宣言書や、実績報告時に送受信一覧の画面コピーを求める県がある(群馬県・大阪府)。大阪府は「データ連携の実績が確認できない場合、代金支払後であっても補助対象外」と明記
    セミナー受講の証憑 受講証明や事後アンケートの写しの提出を求める自治体がある
    役員等名簿・誓約書・同意書 暴力団排除等に係る名簿・同意書の提出を求める県がある

    実績報告の段階では、請求書・領収書等の支払証憑、納品書、導入機器の写真、実績報告書(県様式)などが典型です。交付申請時の書類は「計画」を、実績報告時の書類は「実際に買って払ったこと」を証明するもの、と覚えると整理しやすくなります。書類名・様式は自治体ごとに異なるため、必ず各公募要領の「提出書類一覧」で確認してください。

    電子申請の準備——GビズID・jGrants・自治体独自フォーム

    申請方法も自治体ごとにバラバラです。今回確認できた範囲では、群馬県はLogoform(電子申請フォーム)、大阪府は行政オンラインシステム、兵庫県はメール提出と、県独自の電子受付が主流でした。一方、国や自治体の補助金全般では、デジタル庁が運営する電子申請システムjGrants(Jグランツ)の利用が広がっており、jGrantsを使う補助金ではGビズIDプライムのアカウントが必須です。

    準備項目 内容・所要期間の目安
    申請方法の確認 公募要領で「電子フォーム/jGrants/メール/郵送」のどれかを最初に確認。アカウント登録が必要なシステムもある
    GビズIDプライムの取得 GビズID公式サイトによると、書類(郵送)申請の審査は最大1か月程度(2026年7月以降)。マイナンバーカードを使ったオンライン申請は速やかに処理されるとされる。締切直前の取得は間に合わないおそれがあるため、jGrants利用の可能性があるなら早めに取得を
    SECURITY ACTION宣言 IPAサイトから自己宣言を申し込み、確認資料を保存。法人番号がない事業所は代表者を「個人事業主」として申し込む(実施要綱)
    メール・添付ファイルの体裁 県指定のExcel様式(所要額調書等)はファイル名・形式の指定があることが多い。指定に沿わない提出は差戻しの原因になる

    GビズIDプライムは介護テクノロジー補助金に限らず、IT導入補助金など他の公的支援策の電子申請でも使う共通IDです。「使うかどうか未確定でも先に取っておく」のが実務上は安全です。なお、どの申請方式かは自治体ごとに異なるため、必ず公募要領でご確認ください。

    スケジュール逆算の考え方——「公募は初夏、勝負は書類準備の1〜2か月」

    締切から逆算して補助金申請のスケジュールを立てるカレンダーとパソコン
    締切から逆算して補助金申請のスケジュールを立てるカレンダーとパソコン

    令和8年度の各都道府県の公募状況(2026年7月時点の報道ベース)を見ると、公募開始は5月中旬から、締切は7月がピークという分布でした。例えば、三重県は5月上旬公開で7月6日締切、島根県は6月上旬から7月17日締切、京都府の事業は6月11日〜7月31日、大阪府の事前エントリーは5月25日〜7月13日、群馬県は7月31日締切、東京都の事業計画書は7月31日締切です。公募期間は1〜2か月程度と短く、公募が出てから準備を始めると間に合わないことがあります。

    時期の目安(令和8年度の傾向) やること
    前年度末〜4月 導入したい機器・課題の洗い出し、ベンダー情報収集、TAIS掲載の確認、SECURITY ACTION宣言、(必要に応じ)GビズID取得
    4〜6月 県の公募要領公開をウォッチ。県指定セミナーの日程確認・受講申込(受講が申請要件の県が多い)。見積書の取得、業務改善計画の下書き
    5〜7月 事前エントリー・事前協議・交付申請の提出(締切厳守。多くの県で7月中に締切)
    8〜10月 審査・内示・交付決定(10月頃の県が目立つ)。この間、契約・発注はしない
    10月〜翌1月 交付決定後に契約・発注→納品・検収→支払。機器によっては納期が数か月かかるため、交付決定から支払期限まで実質3〜4か月しかないことを想定して段取りする(例:埼玉県は令和9年1月31日までに導入・支払完了)
    1〜3月 実績報告書の提出→額の確定→請求→入金(後払い)。翌年度からは3年間の効果報告

    逆算のコツは3つです。第一に、セミナー受講日を起点に組むこと。受講が要件の県では、受け損ねた時点でその年度の申請自体ができなくなるおそれがあります。第二に、見積取得と業務改善計画に2〜4週間を見込むこと。ベンダーの繁忙期は見積が遅れがちです。第三に、納期の長い機器は交付決定後の日程が最大のボトルネックになること。見守りセンサーの通信工事などは、年度内の支払完了に間に合うかを申請前にベンダーへ確認しておくと安全です。なお、公募時期・回数(追加募集の有無)は自治体と年度により異なるため、必ず各県の公表情報でご確認ください。

    よくある不採択・減額・対象外の理由と対策

    この補助金は「申請すれば必ず採択・満額」という制度ではありません。予算枠を超える応募があれば抽選・減額調整が行われることがあり(大阪府は抽選方式を明示)、要件不備は対象外の直接原因になります。実施要綱・公募情報から確認できる典型パターンと対策を整理します。

    典型的な理由 対策
    交付決定前の契約・発注・購入(事前着手) 交付決定通知を受け取るまで、見積取得より先の行為(契約書締結・発注書送付・支払)をしない。社内の稟議・発注フローに「交付決定通知の確認」を組み込む
    要件セミナー・研修の未受講 公募要領の「補助要件」を最初に読み、受講対象・回・受講者単位(事業所ごと等)を確認して早期に申し込む
    対象外経費の計上 実施要綱上、据置型のパソコン・プリンター、通信費、介護ロボットのメンテナンス費などは対象外。機器と一体で使う情報端末は1台あたり10万円以内。同一目的での複数機種導入は1機種限り。見積の内訳を要領と突き合わせる
    他の補助金との重複 IT導入補助金等、他の補助金で助成を受けた経費は対象外(実施要綱)。同一機器での二重申請をしない
    業務改善計画の記載不足 補助率4分の3の適用要件(データ連携先の決定、LIFE提供、文書量半減計画など)は計画書の記載で確認される。「何を・どれだけ・どう改善するか」を数値で書く
    実績報告段階での要件未達 大阪府は「実績報告段階でケアプランデータ連携の実績が確認できない場合、代金支払後であっても補助対象外」と明記。申請時だけでなく完了時まで要件を維持する前提で運用計画を立てる
    予算超過による抽選落ち・減額 事業所側で完全にコントロールはできないが、優先枠(伴走支援プログラムの受講など)を設ける県もある。不採択でも翌年度・追加募集に備えて計画と書類を維持する

    採択の可否や補助額は、各都道府県の予算・審査によって決まります。「必ず採択される」「満額もらえる」という前提での資金計画は避け、自己負担分(原則1/4〜1/2)と立替資金を織り込んでください。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 交付決定の前に機器を契約・発注してしまいました。補助は受けられますか?

    原則として受けられません。群馬県の公募情報のように「交付決定前に着手している事業は、採択された場合でも補助対象外」と明記する自治体があり、着手には契約・発注が含まれます。一方で、対象経費の起算日を年度開始日とするなど運用が異なる自治体も見られるため、既に動いてしまった場合は自己判断せず、直ちに都道府県の担当課に相談し、公募要領の規定を確認してください。

    Q2. 補助率は必ず4分の3ですか?満額交付されますか?

    いいえ。国の実施要綱は「一定の要件を満たす場合は4分の3を下限、それ以外は2分の1を下限に都道府県が設定した率」という枠組みで、実際の率は都道府県が決めます。さらに応募状況によっては抽選・減額調整が行われることがあり、上限額(例:介護ソフト等は職員数に応じ100万〜250万円、移乗・入浴支援ロボットは1機器100万円など)との比較で少ない方が補助額になります。「必ず満額」という前提は持たず、各公募要領で条件を確認してください。

    Q3. TAIS(福祉用具情報システム)に載っていない機器は申請できませんか?

    国の実施要綱では、TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器は原則補助対象とされる一方、「TAISに公表されていない機器等であっても、対象として差し支えない」と明記されています。ただし、実際に対象と認めるかは都道府県の判断であり、TAISコードの記載を求める自治体もあります。候補機器がTAISに掲載されているかを先に確認し、未掲載の場合は申請前に県へ照会するのが確実です。

    Q4. 公募はいつ頃行われますか?締切を過ぎてしまったら今年度はもう無理ですか?

    令和8年度は5月中旬から公募が始まり、7月締切の自治体が多い状況でした(2026年7月時点の報道ベース)。一方、公募時期が未定の県や、予算残に応じて追加募集を行う自治体もあります。締切後でも、追加募集の有無を担当課に確認しつつ、翌年度に向けてセミナー受講・業務改善計画・見積などを先に整えておくと、次の公募に素早く対応できます。

    Q5. 補助金の入金後にも義務はありますか?

    あります。国の実施要綱では、補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果の報告が求められます。また、LIFE(科学的介護情報システム)による情報収集や国の効果検証事業への協力、収支改善時の職員賃金への還元とその周知なども補助要件です。報告の様式・期限は都道府県から案内されるため、担当者の引き継ぎ事項として記録しておきましょう。

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    締切・様式・セミナー要件は47都道府県で異なります。都道府県別の最新公募情報のまとめから、該当ページをご確認ください。

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    最終確認日・出典・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日

    主な出典(一次情報)

    • 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業実施要綱」(地域医療介護総合確保基金・介護従事者確保分)
    • 厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業」事業概要資料・「介護人材確保・職場環境改善等に向けた総合対策(介護テクノロジー導入・協働化等支援事業)」予算資料(mhlw.go.jp)
    • 厚生労働省「介護テクノロジーの利用促進」ページ(mhlw.go.jp/stf/kaigo-ict.html)
    • 大阪府「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」
    • 群馬県「令和8年度群馬県介護テクノロジー定着支援事業について」
    • 兵庫県「令和8年度介護業務における介護テクノロジー導入支援事業の実施」
    • 埼玉県「介護テクノロジー定着支援事業について」
    • シルバー産業新聞ケアニュース「2026年度(令和8年度)介護テクノロジー関連補助事業 都道府県の実施状況」(2026年7月3日更新)
    • デジタル庁「GビズID」公式サイト(申請方法・審査期間)、「jGrants(Jグランツ)」ポータル
    • IPA「SECURITY ACTION」、(公財)テクノエイド協会「福祉用具情報システム(TAIS)」

    【免責事項】本記事は、介護施設・事業所の補助金申請手続きに関する一般的な情報の提供を目的としたものであり、特定の機器・サービスの導入効果や採択を保証するものではありません。補助対象・補助率・締切・必要書類などの条件は都道府県ごとに異なり、年度途中で変更される場合があります。申請にあたっては、必ず申請先の都道府県が公表する最新の公募要領・実施要領および担当課への確認に基づいてご判断ください。本記事の情報に基づく行動により生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

  • 令和8年度 介護テクノロジー導入支援事業 完全ガイド|補助率・対象機器・申請の全体像

    令和8年度 介護テクノロジー導入支援事業 完全ガイド|補助率・対象機器・申請の全体像

    この記事の結論(30秒で分かる要点)

    項目 概要(令和8年度・2026年度)
    補助率 国の要綱では要件を満たす場合3/4を下限に都道府県が設定(満たさない場合は1/2下限)。令和8年度は千葉県のように4/5を設定する県もある
    上限額の目安 介護ロボット:移乗支援・入浴支援100万円/機器、その他30万円/機器
    ICT・介護ソフト:職員数に応じ100万〜250万円
    パッケージ型導入:400万〜1,000万円(都道府県が設定)
    対象 介護保険法に基づく全サービス事業所(訪問系・居宅介護支援含む)+養護老人ホーム・軽費老人ホーム。機器は「介護テクノロジー利用の重点分野」9分野該当品・TAIS選定機器が原則対象
    申請先 事業所の所在する都道府県(東京都は福祉保健財団が窓口)。国への直接申請ではない
    令和8年度の受付 2026年5〜8月に各都道府県で順次公募中。例:大阪府 事前エントリー7/13締切、東京都 計画書7/31締切、千葉県 事前協議7/13締切

    ※補助率・上限・締切は都道府県ごとに異なり、年度途中でも変更されます。必ず所在地の都道府県の公募要領・交付要綱で最新情報をご確認ください。

    介護人材の確保が年々難しくなるなか、見守りセンサーや介護記録ソフト、移乗支援ロボットなどの「介護テクノロジー」を、公費で最大8割前後の補助を受けながら導入できるのが「介護テクノロジー導入支援事業」です。国(厚生労働省)が地域医療介護総合確保基金等で財源を確保し、各都道府県が公募・交付を行う仕組みで、かつての「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」が一本化された現在の主力メニューです。

    本記事では、施設長・事務長・法人本部のDX担当者の方向けに、令和8年度(2026年度)の補助率・上限額・対象9分野・申請の流れ・落とし穴を、厚生労働省の実施要綱と都道府県の公募情報(一次情報)に基づいて整理します。

    介護施設の事務室で補助金申請資料とタブレットの介護ソフト画面を確認する施設長と職員
    介護施設の事務室で補助金申請資料とタブレットの介護ソフト画面を確認する施設長と職員

    介護テクノロジー導入支援事業とは|制度の全体像

    国が財源を確保し、都道府県が公募する「間接補助」の仕組み

    介護テクノロジー導入支援事業は、地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)を財源とする都道府県実施の補助事業です。基金の負担割合は国2/3・都道府県1/3で、事業所は都道府県に申請し、都道府県から補助金の交付を受けます。厚生労働省の実施要綱では、事業の目的を「介護従事者の身体的負担の軽減や業務の効率化など、介護従事者が継続して就労するための環境整備」と定めており、職場環境の改善・生産性向上のための投資支援という位置づけです(出典:厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業実施要綱」)。

    かつては「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」という2本立てのメニューでしたが、現在は「介護テクノロジー導入支援事業」として統合され、①介護ロボットの導入支援、②ICT等の導入支援、③複数機器を組み合わせるパッケージ型導入支援、④導入と一体的に行う業務改善支援、の4つの柱で構成されています。さらに近年は補正予算による上乗せ(令和6年度補正「介護テクノロジー導入・協働化等支援事業」200億円など)が続いており、令和8年度についても、基金に加えて令和7年度補正予算を財源とする集中支援が講じられていると報じられています(シルバー産業新聞ケアニュース等)。財源構成は年度ごとに変わるため、事業所側は「自分の県の今年度の公募要領」を起点に確認するのが確実です。

    対象となる事業所の範囲は広い

    国の実施要綱上、対象は介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所(特養・老健・介護医療院などの施設系はもちろん、訪問介護事業所や居宅介護支援事業所も含む)に加え、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームも含まれます。「うちは在宅系だから対象外だろう」という思い込みで機会を逃している法人が少なくありませんが、訪問系・居宅系こそ介護ソフトやケアプランデータ連携の補助メニューが手厚く用意されています。ただし、都道府県によって当該年度の重点対象や優先順位(例:見守り機器優先、初導入の事業所優先など)が設定される場合があるため、この点も公募要領での確認が必要です。

    対象機器|「介護テクノロジー利用の重点分野」9分野と機器の例

    補助対象となる介護ロボットは、厚生労働省と経済産業省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に該当することが要件です。この重点分野は令和6年6月の改訂で「機能訓練支援」「食事・栄養管理支援」「認知症生活支援・認知症ケア支援」の3分野が追加され、9分野16項目に拡大されました(出典:厚生労働省・経済産業省 令和6年6月28日公表)。

    分野 項目 機器の例(導入イメージ)
    ① 移乗支援 装着型/非装着型 パワーアシストスーツ、リフト型移乗支援機器など。職員の腰部負担軽減・移乗介助の省力化を目的とする機器
    ② 移動支援 屋外/屋内 等 歩行アシストカート、施設内移動をサポートする機器など
    ③ 排泄支援 排泄物処理/排泄予測・検知 等 排泄予測デバイス、自動排泄処理装置など。排泄介助業務の効率化を目的とする機器
    ④ 見守り・コミュニケーション 施設/在宅/コミュニケーション ベッドセンサー・シート型センサー等の見守り機器、インカム、コミュニケーション機器。夜間巡視業務の効率化の中心分野
    ⑤ 入浴支援 入浴支援 浴槽への出入りを支援する機器など。入浴介助の負担軽減を目的とする機器
    ⑥ 介護業務支援 介護業務支援 介護記録ソフト(記録・情報共有・請求を一気通貫で処理できるもの)、タブレット端末、バックオフィスソフト等
    ⑦ 機能訓練支援(令和6年追加) 機能訓練支援 機能訓練業務(計画作成・実施・記録)を支援する機器・システム
    ⑧ 食事・栄養管理支援(令和6年追加) 食事・栄養管理支援 食事量の記録・栄養管理業務を支援する機器・システム
    ⑨ 認知症生活支援・認知症ケア支援(令和6年追加) 認知症生活支援・認知症ケア支援 認知症ケアに関わる職員業務を支援する機器・システム

    ※項目の正式な定義文は厚生労働省・経済産業省の公表資料(改訂後の重点分野定義)をご確認ください。個別の製品が対象になるかは、公益財団法人テクノエイド協会の「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定された機器が原則補助対象とされており(国の実施要綱より。TAIS未掲載機器も都道府県判断で対象になり得ます)、最終的には各都道府県の判断となります。

    ICT側の対象経費は幅広く、国の実施要綱では①介護ソフト(新規導入だけでなく、ケアプランデータ連携標準仕様やLIFE標準仕様に対応するための既存ソフトの改修費も対象)、②タブレット・インカム等の情報端末、③Wi-Fiルーター等の通信環境機器(購入・設置費。通信費は対象外)、④クラウド利用料・保守サポート費、⑤勤怠管理・シフト作成・電子契約・AIケアプラン作成支援等のバックオフィスソフト、まで認められています。

    補助率と上限額|国の基準と都道府県の実例

    国の実施要綱が定める基準(ベースライン)

    国の実施要綱では、補助率は「4分の3を下限に都道府県が設定した率」(見守りセンサー・インカム等ICT機器・介護記録ソフトの3点活用、人員体制の効率化、職員の負担軽減の取組予定などの要件を満たす場合)、それ以外は「2分の1を下限に都道府県が設定した率」とされています。上限額(基準額)は次のとおりです。

    対象 補助上限(基準額)
    介護ロボット:移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援 100万円/1機器(台数は都道府県が必要と認める台数)
    介護ロボット:上記以外(見守り・排泄支援等) 30万円/1機器
    ICT(介護ソフト・端末・クラウド・バックオフィスソフト等の合計) 職員数1〜10名:100万円/11〜20名:150万円/21〜30名:200万円/31名以上:250万円(利用人数等で金額が変動しない契約は一律250万円)
    パッケージ型導入(複数テクノロジーの組み合わせ+見守り機器の通信環境整備) 400万〜1,000万円の範囲で都道府県が設定
    導入と一体的に行う業務改善支援(第三者コンサル等・原則必須) 45万円

    出典:厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業実施要綱」(令和7年度版・厚生局掲載)および厚生労働省 予算概要資料。機器等と一体的に使用するPC・タブレットは1台あたり10万円以内、同一目的での複数機種導入は1機種限り、といった細則もこの要綱に定められています。なお補正予算メニューでは、介護事業所の協働化・大規模化支援(1グループあたり上限1,200万円)や、導入支援と協働化支援を併せて実施する場合に公費負担が4/5となる特例等も措置されています(厚生労働省 令和6年度補正予算資料)。

    令和8年度・都道府県の実例(一次情報で確認できたもの)

    実際の補助率・上限・受付方式は都道府県ごとに差があります。令和8年度の公式ページで確認できた実例を挙げます(2026年7月7日時点)。

    都道府県 令和8年度の内容(確認できた範囲)
    千葉県 介護テクノロジー定着支援事業費補助金。補助率4/5(税抜対象経費)。介護ソフトは職員数に応じ最大250万円、パッケージ型は上限1,015万円、導入支援は1事業所あたり最大1,000万円。事前協議 2026年6月10日〜7月13日17時、交付申請は8月頃、実績報告の最終締切は2027年1月15日。2026年4月1日より前の導入は対象外
    東京都 「次世代介護機器導入促進支援事業」として都独自の枠組みで実施(窓口:東京都福祉保健財団)。導入支援・導入推進・パッケージ型の3類型で、事業計画書の提出期限は2026年7月31日必着機器の購入・リース契約は採択(補助内示)の翌日以降が条件。参考:令和7年度は導入支援が補助率3/4、導入推進が7/8又は3/4で募集
    大阪府 介護テクノロジー導入支援事業補助金。事前エントリー制(2026年5月25日17時〜7月13日17時)で、セミナー受講→事前エントリー→抽選→交付申請という流れ。TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器等が補助対象
    兵庫県 介護業務における介護テクノロジー導入支援事業。まず申請見込額調査書の提出(2026年7月6日17時締切)を経て本申請へ進む方式。詳細は実施要綱(案)で公表

    ※上記は各公式ページの記載を2026年7月7日に確認したものです。締切・方式は変更される場合があります。業界紙の集計では、2026年7月上旬時点で福島・群馬・千葉・東京・富山・福井・京都・和歌山・山口・熊本・沖縄など多数の都道府県が受付中または受付開始済みと報じられています(ケアニュース調べ)。

    申請の流れ|事前協議から効果報告まで7ステップ

    名称や順序は都道府県で多少異なりますが、標準的な流れは次の7ステップです。千葉県のように「事前協議→交付申請」の2段階を取る県、大阪府のように「セミナー受講→事前エントリー→抽選」を挟む県があります。

    ステップ やること・ポイント
    STEP1 情報収集 所在地の都道府県の公募ページ・公募要領を確認。年度当初(4〜6月)に要綱発出→5〜8月に公募開始が近年のパターン。都道府県の介護生産性向上総合相談センターへの相談も要綱上推奨されている
    STEP2 課題整理と機器選定 厚労省の生産性向上ガイドライン等を参考に自事業所の課題を抽出し、対象機器(TAIS掲載か、重点分野該当か、介護ソフトなら一気通貫要件・ケアプランデータ連携標準仕様対応か)を確認。メーカー・販売店から見積書を取得
    STEP3 事前協議・エントリー 県指定の様式で事前協議書・見込額調査書・エントリーを提出。この段階で予算枠の配分や抽選が行われる県が多い
    STEP4 交付申請 業務改善計画(課題・導入機器・期待する業務改善効果・賃金還元方針)を添えて申請。SECURITY ACTION(IPA)の宣言、施設系サービスは安全・負担軽減検討委員会の設置、在宅系はケアプランデータ連携システムの利用開始など、要綱上の補助要件を満たしておく
    STEP5 交付決定→発注・導入 交付決定(または採択・内示)の後に契約・発注・導入するのが大原則。年度内(多くの県で1〜2月まで)に納品・支払いまで完了させる必要がある
    STEP6 実績報告→補助金受領 領収書・納品書・写真等を添えて実績報告→県の額確定→振込。補助金は原則精算払い(後払い)のため、いったん全額を立て替えるキャッシュフローを想定しておく
    STEP7 効果報告(翌年度〜) 国の要綱では、補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果の報告が求められる。LIFEによる情報収集や国の効果検証事業への協力も要件
    介護施設の居室でベッド上部の見守りセンサーを確認する職員と、廊下でインカムを使って連携するスタッフ
    介護施設の居室でベッド上部の見守りセンサーを確認する職員と、廊下でインカムを使って連携するスタッフ

    よくある落とし穴6選|不採択・返還を防ぐために

    落とし穴① 交付決定前にメーカーと契約・発注してしまう

    最も多い失敗です。東京都は募集要項で「機器の購入・リース契約は採択(補助内示)の翌日以降」と明記しており、多くの県で交付決定前の契約・発注・納品分は補助対象外になります。展示会やメーカー営業の勢いで先に契約書を交わさないこと。見積取得までは問題ありません。

    落とし穴② 「申請すれば必ず・満額もらえる」と思い込む

    本事業は予算枠のある補助金であり、大阪府のように抽選制を取る府県もあります。申請額が予算を超えれば減額配分・不採択もあり得ます。上限額は「基準額と実支出額×補助率の少ない方」であり、満額支給を前提にした資金計画は組まないでください。

    落とし穴③ 補助要件(業務改善計画・委員会・データ連携等)の準備不足

    国の要綱は、業務改善計画の作成・提出、第三者による業務改善支援(または相談センターの研修受講)、IPA「SECURITY ACTION」の宣言、施設系サービスでの委員会設置、在宅系でのケアプランデータ連携システム利用開始、収支改善時の職員賃金への還元方針の明記などを補助要件としています。機器選定より先に、この「要件チェックリスト」を潰すのが採択への近道です。

    落とし穴④ 対象外経費を見積に含めてしまう

    月々の通信費、介護ロボットのメンテナンス費、事業所据え置きのPC・プリンター、研究開発品や事業所独自開発ソフトの開発費は対象外です。また情報端末(PC・タブレット)は1台10万円以内、同一目的の機器は1機種限りという細則もあります。IT導入補助金など他の補助金との重複受給もできません。

    落とし穴⑤ 導入後の効果報告義務を軽く見る

    補助を受けた翌年度から3年間の効果報告が要綱上の義務です。稟議段階から「誰が・どの指標で(残業時間、記録業務時間、夜間巡視回数など業務指標)報告するか」を決めておかないと、担当者の異動で報告が途切れるリスクがあります。

    落とし穴⑥ 締切・スケジュールの見落とし

    令和8年度は7月中に事前協議・エントリーを締め切る県が目立ちます(大阪7/13、千葉7/13、東京7/31など・2026年7月7日確認時点)。事前協議を逃すと本申請に進めない県が多いため、公募ページのブックマークと担当者のリマインダー設定を推奨します。二次募集の有無も県により異なります。

    機器選定の次の一歩|関連ガイド

    補助金の枠組みを押さえたら、次は「どの機器・ソフトを入れるか」です。分野別の選び方・比較は以下の記事で詳しく解説しています。

    令和8年度の申請準備に使えるチェックリストを無料配布中

    補助要件チェックリスト・業務改善計画の記載例・都道府県窓口リンク集をまとめたPDFです。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 小規模な訪問介護事業所やケアマネ事業所でも申請できますか?

    A. 国の実施要綱上は、介護保険法に基づく全サービス事業所(訪問介護・居宅介護支援を含む)と養護老人ホーム・軽費老人ホームが対象です。職員数1〜10名の事業所でもICTは上限100万円の枠があります。ただし在宅系はケアプランデータ連携システムの利用開始が補助要件になっている点に注意してください。都道府県によって当該年度の優先対象が設けられる場合もあるため、公募要領で確認を。

    Q2. リース契約やクラウドの月額利用料も補助対象になりますか?

    A. 国の要綱では、介護ソフトの月額利用料・リース費用・保守サポート費・クラウドサービス費も対象経費に含まれます。ただし対象となるのは当該年度中に係る経費のみで、通信費(回線料金)は対象外です。リースの扱いは県によって細部が異なるため、交付要綱の経費区分を確認してください。

    Q3. すでに介護ソフトを使っています。入れ替えや改修でも使えますか?

    A. 使える可能性があります。国の要綱は、既存ソフトをケアプランデータ連携標準仕様やLIFE標準仕様に対応させるための改修費用も対象経費と明記しています。入れ替えの場合は、新ソフトが「記録・情報共有・請求を一気通貫で処理できる」要件を満たすかを、厚労省の介護ソフト機能調査結果や国保中央会のベンダー試験結果で確認しましょう。

    Q4. 補助金はいつ入金されますか?先にお金は必要ですか?

    A. 原則として精算払い(後払い)です。交付決定→導入・支払い→実績報告→額の確定→振込という順序のため、導入費用はいったん全額立て替える前提で資金繰りを組んでください。千葉県の令和8年度スケジュールでは実績報告の最終締切が2027年1月15日で、入金はその後になります。概算払いの可否は県によって異なります。

    Q5. 今年度の募集はもう終わっていますか?間に合わない場合は?

    A. 令和8年度は2026年5月頃から各都道府県で順次公募が始まっており、7月中に一次締切を迎える県が多い状況です(2026年7月7日時点)。一次募集に間に合わなくても、予算残による二次募集が行われる県や、翌年度の公募に向けて事前相談を受け付ける県もあります。まずは所在地の都道府県担当課または介護生産性向上総合相談センターに問い合わせてみてください。

    最終確認日と一次情報リンク

    本記事の内容は2026年7月7日に以下の一次情報を確認して作成しました。

    【免責事項】本記事は介護施設・事業所の補助金活用と業務効率化に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、補助金の交付を保証するものではありません。補助率・上限額・対象機器・締切等は都道府県および年度により異なり、予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず所在地の都道府県が公表する最新の公募要領・交付要綱をご確認のうえ、担当窓口にお問い合わせください。

  • 介護テクノロジー補助金【埼玉県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【埼玉県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    埼玉県内で介護事業所を運営している方に向けて、令和8年度(2026年度)の介護テクノロジー(介護ロボット・ICT)導入補助金の最新情報を、埼玉県の公式発表をもとに整理しました。埼玉県では令和8年度分の公募(事前協議)がすでに始まっており、事前協議の提出期限は令和8年7月22日(水)と案内されています。締切が迫っているため、導入を検討中の事業所は早めの準備をおすすめします。なお、本記事は制度の概要をわかりやすくまとめたものであり、最終的な要件・金額は必ず埼玉県の交付要綱・実施要領・Q&Aでご確認ください。

    【結論】埼玉県の介護テクノロジー補助金(令和8年度)はここを押さえる

    • 制度名:埼玉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金(令和8年度実施分の公募中)
    • 補助率:1機器につき所要経費の5分の4または機器区分ごとの基準額のいずれか低い額(令和8年度時点)
    • 上限額:移乗支援・入浴支援・業務支援機器等は1台100万円・1事業所500万円、パッケージ型導入は1事業所750万円、介護ソフトは職員数に応じ100万〜250万円(定着促進支援ありで115万〜265万円)
    • 締切:事前協議は令和8年7月22日(水)まで/機器の導入・支払完了は令和9年1月31日まで
    • 申請窓口:埼玉県 福祉部 高齢者福祉課 施設整備担当(電話 048-830-3260/問い合わせはメール推奨)。申請は埼玉県電子申請・届出サービス経由
    • 注意:予算の範囲内での交付のため、申請すれば必ず採択されるわけではありません。詳細は必ず県の交付要綱・Q&Aでご確認ください
    移乗支援ロボットを活用する埼玉県内の介護施設スタッフのイメージ
    移乗支援ロボットを活用する埼玉県内の介護施設スタッフのイメージ

    制度の概要:国の枠組みを埼玉県が実施する補助金

    埼玉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金は、介護ロボットやICT機器などの「介護テクノロジー」の導入費用の一部を県が助成する制度です。埼玉県の公式ページでは、介護従事者の負担軽減と働きやすい職場環境の整備を通じて、介護人材の確保・定着につなげることが目的とされています。

    この補助金は、国(厚生労働省)が示す介護テクノロジー導入支援の枠組みを踏まえて、都道府県が実施主体となって公募・審査・交付を行うタイプの事業です。つまり「国に直接申請する補助金」ではなく、埼玉県内の事業所は埼玉県に申請するのが基本の流れになります。同種の事業は全国の都道府県で行われていますが、対象機器の区分・補助率・締切・独自要件は都道府県ごとに差があるため、他県の情報をそのまま流用しないよう注意が必要です(財源や国の枠組みの詳細は県の公募資料でご確認ください)。

    なお、埼玉県の案内によれば、本補助金は「令和8年度生産性向上伴走支援事業補助金」とは別の補助金であり、両方に申請することも可能とされています。生産性向上の取り組みを幅広く進めたい事業所は、あわせて検討する価値があります。

    さいたま市(政令指定都市)の事業所はどこに申請する?

    さいたま市は政令指定都市のため「市独自の窓口があるのでは?」と迷いやすいポイントです。結論から言うと、通常の介護テクノロジー定着支援事業(本記事のメイン制度)は埼玉県が実施しており、補助対象は「埼玉県内に所在する介護事業所」と案内されています。さいたま市の公式ページでも、介護ロボット普及促進やICT導入支援は「埼玉県が実施する事業」として案内されています(令和6年10月30日更新時点)。

    一方で、「介護施設等の大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICTの導入支援事業」については、さいたま市のページで地域密着型サービス事業所等はさいたま市が、居宅サービス・施設サービス事業所等は埼玉県がそれぞれ実施すると案内されています(令和6年10月30日更新時点の情報)。地域密着型サービスは指定権者が市町村のため、事業の種類によって窓口が分かれるケースがあるわけです。さいたま市内の地域密着型サービス事業所は、申請前に県(高齢者福祉課)とさいたま市(介護保険課 事業者係 048-829-1265)のどちらが管轄かを必ず確認しておくと安心です。

    対象機器・対象事業所・TAIS要件

    対象となる事業所

    令和8年度の事前協議案内では、補助対象者(協議対象者)は次の介護事業所を運営する法人および個人とされています。

    • 介護保険法に基づく指定または許可を受けた、埼玉県内に所在する介護事業所
    • 老人福祉法に基づく養護老人ホームおよび軽費老人ホーム

    県交付要綱では、対象となる「介護サービス事業」として、居宅サービス(福祉用具貸与・特定福祉用具販売を除く)、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス、基準該当サービス等が挙げられています(令和8年度交付要綱第2条)。自事業所のサービス種別が対象かどうかは、交付要綱の原文で確認してください。なお、特別養護老人ホームと併設ショートステイなど介護保険事業者番号が別の場合は、事業所ごとに別々の申請が必要とQ&Aで案内されています。

    対象機器とTAIS要件:「介護テクノロジー」選定機器のみが対象

    埼玉県の令和8年度Q&A(令和8年6月23日現在)では、補助対象となる機器について次のように明確化されています。

    • 公益財団法人テクノエイド協会が提供する「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定された機器が補助対象
    • TAISに掲載されていても「介護テクノロジー」の選定を受けていない機器は補助対象外
    • 介護ソフトは、TAISで「介護テクノロジー」として選定され「介護業務支援」に分類されているもので、かつ実施要領の機能要件(記録・情報共有・請求業務の一気通貫、ケアプランデータ連携標準仕様対応など)を満たすものが対象
    • 一般的な防犯(監視)カメラは見守り機器の定義に該当しないため対象外

    検討中の機器が対象になるかは、TAISの検索サイトで「介護テクノロジー」選定の有無を確認するのが第一歩です。メーカーのホームページに「本補助金の対象」と記載されていても、県の審査の結果、補助対象外となることがあると県が明記している点にも注意してください。また、Wi-Fi環境整備(配線工事・モデム・ルーター等)や、介護テクノロジーの利用にともなって導入するPC・タブレット端末、ベンダーのサポート費用・保守経費などの付帯経費は、主となる機器と併せて導入する場合に限り補助対象になるとされています。

    補助率・基準額・上限額(令和8年度時点)

    補助額は、1機器につき「所要経費の5分の4」または「機器区分ごとの基準額」のいずれか低い額で、さらに1事業所あたりの上限額が設定されています(1,000円未満切捨て)。令和8年度の区分と金額は次のとおりです。

    対象経費の区分 1台あたり基準額 1事業所あたり上限
    ① TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器のうち、移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援に該当する機器、「介護業務支援」に掲載されている機器・インカム 100万円 500万円
    ② TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器のうち、①③以外の機器等(見守り・排泄支援・移動支援など) 30万円 ①と合わせて500万円
    ③ TAISで「介護テクノロジー」に選定され「介護業務支援」に該当する介護ソフト 職員数別(下表)
    ④ 介護ソフトの定着促進支援(導入するソフトの経費と合算) 下表の加算額による パッケージ型と併用時は上限に15万円上乗せ
    ⑤ パッケージ型導入支援(複数機器の一括導入) 750万円

    ※令和8年度の埼玉県公式ページ・交付要綱に基づく。①と②の機器を併せて導入する場合、1事業所あたりの上限は合計500万円(1,000万円にはなりません)。また、通常の導入支援(①〜③)とパッケージ型(⑤)を同一事業所で併用申請することはできないとQ&Aで案内されています。

    介護ソフトの基準額(職員数別)

    職員数(申請時点) 基準額(定着促進支援なし) 基準額(定着促進支援あり)
    1名以上10名以下 100万円 115万円
    11名以上20名以下 150万円 165万円
    21名以上30名以下 200万円 215万円
    31名以上 250万円 265万円

    ※職員数によりライセンス数・合計金額が変動する契約の場合の区分。それ以外の契約方式では一律250万円(定着促進支援ありは265万円)が基準額とされています。基準額とソフト導入所要額の5分の4のいずれか低い金額が補助額になります(令和8年度時点・県公式ページより)。

    計算例:区分②の機器を複数台導入する場合(県Q&Aより)

    1台100万円の「排泄支援」ロボットを6台導入するケースでは、1台あたり「100万円×4/5=80万円」と「基準額30万円」を比べて低いほうの30万円が1台あたりの補助額となり、合計は30万円×6台=180万円になります(80万円×6台=480万円にはなりません)。排泄支援機器は①ではなく②の30万円区分に該当する点も含め、機器ごとの区分は必ず県に確認しましょう。

    事業所内でタブレットの介護記録ソフトを確認するスタッフのイメージ
    事業所内でタブレットの介護記録ソフトを確認するスタッフのイメージ

    申請の流れと締切(令和8年度スケジュール)

    埼玉県の令和8年度スケジュールは次のように案内されています。最初の関門は7月22日の「事前協議」で、これを提出しないとその後の交付申請に進めません。

    手続き 期限・時期(令和8年度)
    (1)事前協議(埼玉県電子申請・届出サービスで提出) 令和8年7月22日(水)まで
    (2)交付申請(補助内示を受けた事業所のみ) 令和8年8月下旬(予定)
    (3)介護テクノロジーの導入・支払完了 令和9年1月31日まで
    (4)実績報告書の提出 令和9年1月31日まで
    (5)請求書の提出 令和9年3月上旬(予定)
    (6)業務改善に係る効果の報告 導入後3年間(翌年度から毎年)

    ※令和8年度の埼玉県公式ページに基づく。日程は「予定」を含むため、最新の案内で必ず確認してください。

    事前協議で提出する書類は、協議申請書・経費所要額調書・見積書の写し・導入機器のカタログ等・事前協議チェックリスト(介護ソフト導入の場合は職員数がわかる書類も)とされています。提出は埼玉県電子申請・届出サービスの申請フォームからワード・エクセル形式のまま提出する方式で、異なる方法では受付できない場合があると案内されています。申請後2営業日以内に完了通知メールが届かない場合は担当への連絡が必要です。

    また、補助要件として次の4点がすべて求められます(詳細は県交付要綱・実施要領を参照)。

    • 導入支援と一体的に行う業務改善支援を受けること:県が設置する「介護のみらいサポートセンター」(埼玉県社会福祉協議会)の研修会・相談会の受講で要件を満たせます
    • IPA「SECURITY ACTION」の「★一つ星」以上を宣言すること
    • 業務改善計画を作成し、交付申請書類と併せて提出すること
    • 補助を受けた翌年度から3年間、効果を報告すること

    埼玉県ならではの注意点

    1. 交付決定前の購入・契約は補助対象外

    県Q&A(令和8年6月23日現在)で、交付決定日以降に購入したものが補助対象となり、交付決定日より前に購入したものは補助対象外と明記されています。「先に買っておいて後から補助金を充てる」ことはできません。さらに埼玉県では、補助対象事業の契約について原則一般競争入札に付するなど県が行う契約手続の取扱いに準拠することが交付決定の条件とされています(交付要綱第8条)。見積を取って終わりではなく、入札等の契約手続きが必要になり得る点は他の補助金と比べても要注意です。

    2. 令和8年度から「データ連携の実績」が要件化

    埼玉県は、令和8年度から「ケアプランデータ連携システム」等でのデータ連携の実績があることを補助要件としています。年度内(令和9年1月31日までを予定)にデータ連携の実績が必要とQ&Aで案内されており、国保中央会のケアプランデータ連携システムのほか、同等の機能とセキュリティを有すると認められたシステムでの連携実績でも要件を満たすとされています。「利用申込だけ」では足りない可能性があるため、スケジュールに組み込んでおきましょう。

    3. 生産性向上セミナーの受講タイミング

    業務改善支援の要件を満たすための県のセミナーは、令和8年度第1回はすでに募集を締め切っており、補助要件を満たすには原則として夏頃開催予定の第2回研修・相談会の受講が必要と案内されています。セミナー受講前でも事前協議の提出は可能ですが、交付申請書の提出までに受講が必要です。受講は原則事業所ごととされている点にも注意してください。

    4. 予算枠と過去の交付実績

    交付は予算の範囲内で行われ、予算を超える申請があった場合は過去の補助金交付状況等を考慮して補助事業者が選定されるとQ&Aに明記されています。過去に補助を受けた事業者の再申請自体は可能ですが、初申請の事業所が相対的に有利になる可能性がある運用です。また、リース・レンタル費も年度内支出分は対象になりますが、効果報告義務(3年間)との関係でリース・レンタル期間は3年以上に設定するよう求められています。厚生労働省系の「人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)」など、他の補助・助成と同一機器で重複を受けることはできない点も要チェックです。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 令和8年度の申請締切はいつですか?間に合わなかった場合は?

    A. 事前協議の提出期限は令和8年7月22日(水)と案内されています(令和8年度時点)。追加募集の有無は現時点で案内されていないため、間に合わない場合や不明点は埼玉県高齢者福祉課(048-830-3260/問い合わせはメール推奨)に直接確認してください。

    Q2. 交付決定前に機器を購入・契約してしまっても補助は受けられますか?

    A. 県Q&Aでは、交付決定日より前に購入したものは補助対象外と明記されています。さらに契約は県の契約手続(原則一般競争入札等)に準拠する必要があるため、必ず交付決定を待ち、契約方法も事前に県へ確認してください。

    Q3. さいたま市内の事業所は、県とさいたま市のどちらに申請しますか?

    A. 介護テクノロジー定着支援事業(本記事の制度)は埼玉県が実施しており、対象は「埼玉県内に所在する介護事業所」とされています。一方、大規模修繕にあわせて行う介護ロボット・ICT導入支援事業では、地域密着型サービス事業所等はさいたま市、居宅・施設サービス事業所等は埼玉県が実施すると案内されています(令和6年10月30日更新時点)。地域密着型の事業所は、県とさいたま市介護保険課(048-829-1265)の双方に管轄を確認するのが確実です。

    Q4. リースやレンタル、ソフトのライセンス購入でも補助対象になりますか?

    A. 県Q&Aでは、令和8年度分のリース・レンタル費やライセンス購入費も対象とされています。補助対象額は当該年度中(令和9年1月31日までを予定)に支出する金額で、リース・レンタル期間は効果報告義務にあわせて3年以上に設定するよう求められています。

    Q5. 過去にこの補助金を受けたことがありますが、再度申請できますか?

    A. 可能とされています。ただし予算を超える申請があった場合は、過去の補助金交付状況等を考慮して補助事業者が選定されるため、必ず採択されるとは限りません。使用状況・効果の報告書類は導入計画と同じ枚数分の提出が必要など、継続的な義務もあわせて確認してください。

    最終確認日・一次情報・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日。本記事の金額・締切等は、令和8年度時点の埼玉県公式発表に基づいています。

    本記事は補助制度の概要を紹介する情報提供を目的としたものであり、採択・交付を保証するものではありません。制度内容・金額・締切は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず埼玉県の交付要綱・実施要領・Q&A等の一次情報と申請窓口(埼玉県 福祉部 高齢者福祉課 施設整備担当)で最新情報をご確認ください。

  • 介護テクノロジー補助金【東京都】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【東京都】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    東京都内で介護施設・事業所を運営していて、「見守りセンサーや移乗支援機器を導入したいが費用がネック」と感じていませんか。東京都には、国のスキームとは別建ての都独自補助である「次世代介護機器導入促進支援事業」があり、令和8年度も公募が実施されています。本記事では、令和8年度の東京都の制度について、補助率・基準額・締切・申請窓口・注意点を、東京都福祉保健財団の公式資料(募集要項・Q&A・概要資料)に基づいて整理しました。

    【結論】東京都の介護テクノロジー補助金(令和8年度)の要点

    • 制度名:令和8年度 次世代介護機器導入促進支援事業(東京都独自の「介護現場改革促進事業」の一環)
    • 補助率4/5(80%)が基本。導入推進事業の移乗介護・入浴支援機器は7/8(87.5%)
    • 補助基準額:見守り・排泄支援等は1台あたり37万5千円〜56万3千円、移乗介護・入浴支援は1台あたり125万円〜133万4千円、パッケージ型の通信環境整備は法人合計1,250万円
    • 締切:事業計画書は令和8年7月31日(金曜日)必着(受付は令和8年7月1日から)
    • 申請窓口:公益財団法人 東京都福祉保健財団 福祉情報部 福祉人材対策室 介護現場改革担当(補助金) TEL 03-3344-8532
    • 最重要注意:機器の購入・リース契約・工事契約は採択(補助内示)日の翌日以降に行う必要あり。内示前の契約分は補助対象外

    ※令和8年度公募時点の情報です。時期・内容は変更される可能性があるため、最新情報は必ず東京都福祉保健財団の公式ページと募集要項でご確認ください。

    東京都内の介護施設で見守り支援機器の画面を確認する介護職員のイメージ
    東京都内の介護施設で見守り支援機器の画面を確認する介護職員のイメージ

    東京都の制度概要 — 国の「介護テクノロジー導入支援事業」との違い

    全国的には、介護ロボット・ICT導入補助の多くが、地域医療介護総合確保基金(国が2/3を負担)を財源として各都道府県が実施する「介護テクノロジー導入支援事業」のスキームで行われています。一方、東京都は令和3年度から、次世代介護機器の導入補助を都独自の「介護現場改革促進事業」の一環として位置づけて実施しており、制度名・類型・要件・スケジュールが他県の基金事業とは異なります。他県の解説記事の情報をそのまま東京都に当てはめないよう注意が必要です。

    令和8年度の東京都の次世代介護機器導入促進支援事業は、次の3つの類型で構成されています。

    類型 概要
    (1)次世代介護機器導入支援事業 最も標準的な類型。導入計画に基づく次世代介護機器の購入・リースを補助率4/5で支援
    (2)次世代介護機器導入推進事業 他事業所のモデルとなる「アドバンスト施設」(令和8年度は24か所募集)向け。基準額が高く、移乗介護・入浴支援は補助率7/8。アドバンストセミナー受講(3回程度・必須)や公開見学会・事例集への協力等の役割あり
    (3)パッケージ型導入支援事業 見守り支援機器と通信環境(Wi-Fi・タブレット・インカム・介護ソフト・ナースコール等で見守り機器と一体的に効果的使用するもの)をセットで整備する類型。通信環境整備は法人合計1,250万円が基準額

    なお、いわゆる「一気通貫」型の介護業務支援システム(介護記録ソフト等)は、この事業ではなく、同じ東京都の「デジタル機器導入促進支援事業」という別事業での申請となる旨がQ&Aに明記されています。介護ソフト単体の導入を検討している場合は、そちらの公募情報を財団ホームページで確認してください。

    対象機器・対象事業所

    対象となる機器(TAIS要件)

    補助対象となる「次世代介護機器」は、ロボット技術の応用により利用者の自立支援や介護者の負担軽減の効果を有する機器を指し、次のいずれかを満たす必要があります(令和8年度募集要項より)。

    • (ア)TAIS要件:事業計画書の申請日時点で、福祉用具情報システム「TAIS」に「介護テクノロジー」として選定・掲載された機器であること。TAISに掲載されていても「介護テクノロジー」として選定されていない福祉用具は原則対象外
    • (イ)目的要件+技術的要件:経済産業省・厚生労働省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に該当し介護従事者の負担軽減効果がある機器で、かつロボット技術(外界・自己の状況を認識→解析→動作)を活用するもの、または経産省の開発補助事業で採択された機器であること

    対象分野は、移乗介護・移動支援・排泄支援・入浴支援・見守り・コミュニケーション・介護業務支援・機能訓練支援・食事栄養管理支援・認知症生活支援・認知症ケア支援と幅広く設定されています。販売価格等が公表され一般に購入可能な状態にあること(市場的要件)も必要です。附属品のみの申請は不可で、本体と併せて申請する必要があります。

    対象となる事業所

    • 都内に所在する、介護保険法に定める介護施設・事業所が対象(事業計画書の提出時点で介護保険法上の指定等を受けて開設済みであることが条件)
    • 養護老人ホーム・軽費老人ホーム(特定施設入居者生活介護の指定を受けていないもの)は別枠で、東京都福祉局高齢者施策推進部施設支援課(03-5320-4264)への問い合わせが案内されています
    • 応募資格として、法人税・消費税・地方税等の滞納がないこと、東京都暴力団排除条例に抵触しないこと、過去5年間に介護保険法等に基づく指定取消等の行政処分を受けていないこと等が求められます
    • 1法人から複数事業所の申請は可能ですが(申請は事業所ごと)、審査の際に同一法人内の応募状況が考慮され、一部が採択されない可能性があります

    補助率・補助基準額の一覧表

    令和8年度の概要資料に示された補助基準額・補助率は次のとおりです。実際の交付額は、対象経費・基準額・補助率の関係や補助内示額を上限として算定されるため、「基準額×台数が満額もらえる」とは限りません。算定方法の詳細は交付要綱・募集要項で必ず確認してください。

    類型 対象機器の分野 補助基準額 補助率
    (1)導入支援事業 移動支援/排泄支援/見守り・コミュニケーション/介護業務支援/機能訓練支援/食事・栄養管理支援/認知症生活支援・認知症ケア支援 37万5千円(1台当たり) 4/5
    移乗介護/入浴支援 125万円(1台当たり) 4/5
    (2)導入推進事業
    (アドバンスト施設・24か所)
    移動支援/排泄支援/見守り・コミュニケーション/介護業務支援/機能訓練支援/食事・栄養管理支援/認知症生活支援・認知症ケア支援 56万3千円(1台当たり) 4/5
    移乗介護/入浴支援 133万4千円(1台当たり) 7/8
    (3)パッケージ型導入支援事業 見守り支援機器 37万5千円(1台当たり) 4/5
    見守り支援機器の導入に伴う通信環境整備 1,250万円(法人合計額) 4/5

    導入台数の上限は設けられていませんが、定員数や職員数等に対して合理的な説明ができる台数であることが必要とされています(Q&A No.28)。リース契約も対象ですが、令和9年3月31日までに支払を完了した費用のみが対象で、複数年度にわたる事業実施は認められません。

    一方、補助対象外の経費として、インターネット回線使用料等の通信費、保険料・配送料、機器設置に伴う建物の改修費、初期設定費などが明示されています。

    見守り機器・介護ソフトの選定と補助金活用をまとめて検討したい方へ

    補助金対応の機器選定ガイドを見る

    申請の流れ・スケジュール(令和8年度)

    補助金の事業計画書類を準備する事業所担当者のイメージ
    補助金の事業計画書類を準備する事業所担当者のイメージ

    令和8年度の手続きの流れ(予定)は次のとおりです。時期は今後変更になる可能性があると明記されているため、最新のスケジュールは財団ホームページで確認してください。

    時期(予定) 内容
    令和8年7月1日〜7月31日(金)必着 事業計画書の受付(郵送+主要様式はExcelデータをメール送付)
    令和8年10月下旬 審査結果の通知・採択(補助内示)
    令和8年11月上旬〜12月上旬 交付申請書の提出
    令和9年1月下旬 交付決定・補助金の支払(概算払)
    令和9年4月上旬まで 実績報告書の提出(納品・支払は令和9年3月31日までに完了)
    令和9年6月以降 額の確定・補助金の精算(返還)

    提出先・提出方法

    • 提出先:〒163-0719 東京都新宿区西新宿二丁目7番1号 新宿第一生命ビルディング19階 公益財団法人東京都福祉保健財団 福祉情報部 福祉人材対策室 介護現場改革担当(補助金)
    • 提出方法:郵送によることとされ、事業計画書等の主要様式(Excel)は指定メールアドレスへのデータ送付も必要です。様式は財団ホームページからダウンロードできます
    • 問い合わせ:03-3344-8532(補助対象となる事業所の運営事業者のみ。機器メーカー・販売業者からの問い合わせは不可)
    • セミナー受講:交付要綱上、対象事業所は財団が実施する導入前セミナー等の受講が必要とされています(Q&A No.23)。導入推進事業ではさらにアドバンストセミナーの受講(3回程度・必須)等が課されます

    審査のポイント

    提出書類は財団が設置する審査委員会で審査され、その結果を踏まえて東京都が対象事業所を採択します。審査では、①導入に向けた検討体制、②解決すべき課題とその原因の分析状況、③機器の活用方法、④活用により期待される効果、⑤導入後の効果検証の体制が中心的に見られます。事業計画書を提出すれば必ず補助を受けられるわけではなく、予算の範囲内での採択となるため、申込多数の場合は対象とならない可能性があります。

    東京都特有の注意点・落とし穴

    • 内示前の契約は全額対象外:機器の購入・リース契約・工事契約は「採択(補助内示)日の翌日以降」に行う必要があります。公募中や審査中に先行発注した機器は補助対象になりません。年度内の納期を見据えて、内示(10月下旬予定)後すぐ契約できるよう見積・機種選定は先に済ませておくのが現実的です
    • 年度内完結が必須:納品・支払は令和9年3月31日までに完了する必要があり、複数年度にわたる支払(リースの翌年度分等)は対象外です
    • 支払方法の制限:対象経費のクレジットカード払いは原則不可とされています。また、支払時に付与されたポイント相当額は対象経費から控除する必要があります
    • (1)と(2)の併願不可:1つの事業所が導入支援事業と導入推進事業の両方に申請することはできません(推進事業に落選した場合に支援事業の申込として扱ってもらえる仕組みはあります)
    • パッケージ型の過去受給制限:令和元〜7年度に見守り機器・通信環境関連の都補助(パッケージ型導入支援事業、ICT活用促進事業、デジタル環境整備促進事業等)を受けた法人は、(3)パッケージ型に申請できません。この場合も見守り支援機器単体は(1)(2)で申請可能です
    • 他の補助金との重複不可:同一経費を複数の公的補助に申請することは認められません
    • 導入後の報告義務:補助事業完了年度を初年度として3年間、毎年度3月31日を基準日に導入効果を東京都へ報告する必要があります。帳簿・領収書等の証拠書類は事業完了後5年間の保管義務があります
    • セキュリティ項目:事業計画書にはSECURITY ACTION宣言や個人情報保護の観点から実施するセキュリティ対策の実施状況に関する項目があり、それぞれ要件を満たす必要があります

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 令和8年度の締切(7月31日)を過ぎてしまった場合、もう申請できませんか?

    A. 令和8年度の次世代介護機器導入促進支援事業の事業計画書は令和8年7月31日(金曜日)必着とされています。締切後の扱いや追加募集の有無は公表情報からは断定できないため、東京都福祉保健財団(03-3344-8532)へ直接確認してください。介護ソフト等が目的であれば、別事業「デジタル機器導入促進支援事業」の公募スケジュールも確認する価値があります。

    Q2. 見守りセンサーは何台まで申請できますか?

    A. 導入台数の上限は設けられていませんが、定員数や職員数等に対して合理的な説明ができる台数であることが必要です。必要性の審査にあたって追加資料の提出を求められる場合があります。

    Q3. 介護記録ソフト(介護ソフト)はこの補助金の対象ですか?

    A. いわゆる「一気通貫」型の介護業務支援システムは、本事業ではなく東京都の「デジタル機器導入促進支援事業」での申請とされています。ただし、ロボット技術の技術的要件を満たす介護業務支援機器は本事業(導入支援・導入推進)の対象となり、パッケージ型では見守り支援機器と一体的に効果的に使用するタブレット・Wi-Fi・インカム・介護ソフト・ナースコール等が「通信環境整備」として対象になり得ます。どちらに該当するかは公募要領とQ&Aで確認してください。

    Q4. すでに購入してしまった機器にも補助金は使えますか?

    A. 使えません。購入・リース契約・工事契約は採択(補助内示)日の翌日以降に行う必要があり、内示日以前に契約したものは補助対象外と明記されています。

    Q5. 申請すれば必ず採択されますか?

    A. 必ず採択されるわけではありません。審査委員会による審査を経て予算の範囲内で採択されるため、申込多数の場合は補助の対象とならない可能性があると案内されています。課題分析・活用方法・効果検証体制を事業計画書で具体的に示すことが重要です。

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    一次情報(出典)・最終確認日・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日(令和8年7月7日)。本記事の数値・日程は、いずれも令和8年度公募時点の以下の一次情報に基づいています。

    【免責事項】本記事は介護施設・事業所の設備導入と補助金活用に関する情報提供を目的としたもので、特定の機器の効果や採択を保証するものではありません。補助率・基準額・締切・要件等は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず東京都福祉保健財団の最新の募集要項・交付要綱・Q&Aを確認し、不明点は窓口(03-3344-8532)へお問い合わせください。

  • 介護記録ソフト比較|補助金対象・料金・連携で選ぶ【主要7製品を一次情報で整理】

    介護記録ソフト比較|補助金対象・料金・連携で選ぶ【主要7製品を一次情報で整理】

    介護記録ソフト(介護ソフト)は、介護現場の記録業務・職員間の情報共有・介護報酬請求(レセプト)を支える基幹システムです。2026年度(令和8年度)も、介護ソフト導入を支援する「介護テクノロジー導入支援事業」(いわゆるICT補助金)が各都道府県で実施されており、要件を満たすソフトの導入・改修費用は、職員数に応じた上限額の範囲で補助対象になります。本記事では、施設長・事務長・DX担当者向けに、実在する主要製品の対応範囲と連携仕様、補助対象になる条件、選定チェックリスト、導入の流れを、厚生労働省の実施要綱・各社公式サイトなど一次情報に基づいて整理します。

    【結論】介護記録ソフト選びの要点と補助対象の条件

    • 比較軸は5つ:①自事業所のサービス種別への対応 ②記録→情報共有→請求の「一気通貫」 ③ケアプランデータ連携標準仕様・LIFEへの対応 ④入力手段(タブレット・スマホ・音声入力) ⑤料金体系(公開/非公開・初期費用・法改正対応費)
    • 補助対象となる介護ソフトの基本要件は、実施要綱上「記録業務・情報共有業務・請求業務を一気通貫で行えること(転記等の業務が発生しないこと)」です
    • 居宅系サービスでは、最新版ケアプランデータ連携標準仕様に準拠したCSVの出力・取込機能を実装したソフトであることが対象要件になります
    • 新規導入だけでなく、既存ソフトの改修費(LIFE標準仕様対応の改修を含む)も補助対象です
    • 補助上限は職員数に応じて100万〜250万円、補助率は要件充足で「3/4を下限に都道府県が設定した率」が適用されます(詳細は都道府県の公募要領で要確認)
    • 介護ソフトは料金非公開(要見積)の製品が多数派です。公式サイトで料金を公開しているのはカイポケ、ナーシングネットプラスワンなど一部に限られます

    介護記録ソフトとは|記録・情報共有・請求を一気通貫で処理する業務システム

    介護記録ソフトとは、介護現場で発生する日々のケア記録・バイタル等の入力から、職員間・多職種間の情報共有、そして国保連合会への介護報酬請求(レセプト)までを一つの流れで処理する業務支援システムです。厚生労働省の「介護テクノロジー導入支援事業実施要綱」でも、介護ソフトなどのICT化は「介護記録・情報共有・報酬請求等の業務の効率化を図るとともに、介護サービスの質の向上を図るもの」と位置づけられています。

    主要機能は次の4領域に整理できます。

    機能領域 内容
    記録 ケア記録・経過記録・バイタル等をタブレット・スマートフォンでその場で入力。定型文・写真・音声入力に対応する製品もあり、手書きとPCへの転記作業を削減
    情報共有 申し送り・掲示板・多職種間の情報連携。事業所内だけでなく、居宅サービス計画書やサービス利用票(提供票)を他事業所とやり取りする外部連携も含む
    請求(レセプト) サービス提供実績から介護給付費請求データを自動作成し、国保連へ伝送。実績と請求が連動することで転記ミス・返戻リスクを低減
    加算・データ提出 科学的介護情報システム(LIFE)関連加算の様式作成とCSV提出、ケアプランデータ連携システムへの対応など、制度対応のためのデータ入出力

    導入メリットの中心は「転記の廃止による記録業務時間の削減」と「実績連動による請求業務の効率化」です。紙の記録をPCに打ち直す運用では、同じ情報を複数回入力することになり、記録の抜け漏れや請求時の突合作業が発生します。記録・請求が一体化したソフトでは、現場で入力した実績データがそのまま請求データの基礎になるため、月初の請求業務の負荷が大きく変わります。実施要綱でも、補助率の引き上げ要件の一つとして「文書量を半減させる導入計画」が挙げられており、国も文書削減効果を重視しています。

    タブレットで介護記録を入力する施設職員のイメージ
    タブレットで介護記録を入力する施設職員のイメージ

    タイプ別比較|施設系・在宅系・小規模事業所ではソフトの向き不向きが異なる

    介護ソフトには「施設系(特養・老健等の入所サービス)に強い製品」「在宅系(訪問・通所)に強い製品」「訪問系の記録に特化した製品」があり、自事業所のサービス種別に対応しているかどうかが最初の絞り込み条件になります。以下は、実在確認できた主要7製品について、各社公式サイトの対応サービス一覧をもとに整理したものです(2026年7月7日確認。○=公式サイトに対応の記載あり、−=公式サイトの対応一覧に記載なし、△=要確認)。

    製品名(提供会社) 施設系
    (特養・老健等)
    在宅系
    (訪問・通所)
    居宅介護支援 障がい福祉 小規模事業所の導入しやすさ
    (料金公開・定額制)
    カイポケ(エス・エム・エス)
    ※サ高住・有料は○
    ○ 料金公開・月額定額
    ほのぼのNEXT(エヌ・デーソフトウェア) 要見積
    ワイズマンシステムSP(ワイズマン) 要見積(料金ページあり)
    絆Coreシリーズ(内田洋行ITソリューションズ) 要見積
    ケアカルテ/ちょうじゅ(ケアコネクトジャパン) 要見積
    Care-wing 介護の翼(ロジック)
    ※サ高住・有料は○

    ※訪問系特化
    要見積
    ナーシングネットプラスワン(プラスワンソリューションズ) ○ 料金公開・月額定額

    ※各社公式サイトの対応サービス掲載内容に基づく整理です。同一ベンダーでもサービス種別ごとに別製品・別オプションとなる場合があるため、契約前に必ず自事業所のサービス種別(介護予防・総合事業・加算算定の要否を含む)で見積・確認してください。

    ざっくりした傾向としては、複数施設・多サービスを運営する法人はフルラインナップ型(ほのぼのNEXT・ワイズマン・絆Core・ナーシングネットプラスワン等)在宅系中心で料金の見通しを重視する事業所は料金公開型(カイポケ・ナーシングネットプラスワン)訪問介護の記録・サ責業務の効率化が最優先なら訪問特化型(Care-wing)+請求ソフト連携という組み合わせが検討の出発点になります。ただし優劣は事業所の体制・既存環境によって変わるため、後述のチェックリストで必ず複数社比較を行ってください。

    主要介護記録ソフト7製品の特徴と連携対応(実在確認済み)

    ここでは各製品の客観的な特徴を、公式サイトで確認できた範囲で紹介します。介護ソフトは料金非公開の製品が多く、公式に金額が確認できたもの以外は「要見積」と記載しています。表中の連携対応も公式サイト・公式発表で確認できた内容のみです。

    製品名 LIFE対応 ケアプランデータ連携 音声入力 料金(公式確認分のみ)
    カイポケ ○(LIFE関連加算に対応) ○(月額内・追加費用なし) 要確認 月額定額・初期費用0円。例:居宅介護支援5,000円/通所介護25,000円/訪問介護25,000円(税別・公式料金表より)
    ほのぼのNEXT ○(標準仕様V4.1ベンダ試験実施済みと公式発表) ○(記録アプリで音声入力) 要見積(規模・構成により個別見積)
    ワイズマンシステムSP ○(LIFE様式の入出力に対応) 要確認 要見積(公式サイトに料金案内ページあり)
    絆Coreシリーズ 要確認 要確認 要確認 要見積
    ケアカルテ/ちょうじゅ ○(LIFE帳票全種類に対応と公式記載) 要確認 ○(音声記録ツール「ハナスト」) 要見積(初期費用は初年度のみ、更新費用なしの体系と公式記載)
    Care-wing 介護の翼 要確認 要確認(請求は連携先ソフト側で対応) 要見積
    ナーシングネットプラスワン 要確認 月額8,000円〜の定額制。初期費用・更新費用・サポート費用0円(公式記載)

    ※「要確認」は本記事の確認時点で公式サイト上に明確な記載を確認できなかった項目です。非対応という意味ではありません。ケアプランデータ連携標準仕様への準拠状況は、国保中央会が公表するベンダ試験合格ソフト一覧でも確認できます。

    カイポケ(株式会社エス・エム・エス)

    タブレット・スマートフォンで入力した記録が請求データに連動するクラウド型ソフトです。居宅介護支援・通所介護・訪問介護(介護/障害福祉)・訪問看護・サ高住など14以上のサービス類型に対応し、公式サイトでサービス別の月額料金を公開している点が特徴です。初期費用・法改正対応費用・サポート費用・解約金は0円、ケアプランデータ連携機能も月額利用料内で追加費用なしと明記されており、2か月間の無料体験があります。

    ほのぼのNEXT(エヌ・デーソフトウェア株式会社)

    施設サービス(特養・老健等)から居宅介護支援、訪問・通所系、地域密着型まで広くカバーする統合型の介護ソフトです。ケア記録から介護請求までの連動、記録アプリでの音声入力に対応し、LIFE・ケアプランデータ連携の両方に対応しています。ケアプランデータ連携標準仕様V4.1のシステムベンダ試験実施済みであることを公式に発表しています。料金は事業所の規模・要望により個別見積です。

    ワイズマンシステムSP(株式会社ワイズマン)

    介護老人保健施設・介護老人福祉施設などの施設系、訪問・通所系、居宅介護支援、障がい福祉まで幅広い製品ラインナップを持つベンダーです。介護給付・予防給付・総合事業に対応し、LIFEの様式入力・出力、ケアプランデータ連携システムへの対応を公式に案内しています。医療機関向けシステムも手がけており、医療・介護間の連携を重視する法人で検討されることが多い製品群です。料金は個別見積です。

    絆Coreシリーズ(株式会社内田洋行ITソリューションズ)

    1984年製品化の「絆」シリーズを起源とするクラウド対応の高齢者介護システムです。入所・入居系、通所・訪問系、居宅介護支援、地域包括支援センターまでを製品群でカバーします。タブレット・スマートフォンからの記録閲覧・登録に加え、ナースコールや各種センサーの情報を自動で介護記録に取り込む機器連携を公式に打ち出しており、見守り機器と記録ソフトを組み合わせるパッケージ型導入と相性のよい設計です。料金は個別見積です。

    ケアカルテ(CAREKARTE)/ちょうじゅ(株式会社ケアコネクトジャパン)

    「記録・プラン・請求」までを一体で支援する介護ソフトで、公式サイトでは全国約19,000事業所での採用実績を掲載しています。介護保険サービス(入所・通所・訪問)と障がい福祉サービスに対応し、LIFEについては帳票全種類に対応、基本情報や他帳票からの自動転記で入力負荷を抑える設計です。AI音声記録ツール「ハナスト」により、手を止めずに記録・申し送りを音声で残せます。「ちょうじゅ」は同社の施設向け記録管理システムとして長年利用されてきた製品で、LIFE対応もケアカルテと同等と公式に案内されています。料金は個別見積(初期費用は初年度のみ、更新費用なしの体系)です。

    Care-wing 介護の翼(株式会社ロジック)

    訪問介護・障がい福祉・訪問看護・定期巡回・サ高住向けの訪問系特化型の記録ICTシステムです。利用者宅のICタグにスマートフォンをかざすだけでサービス開始・終了を記録でき、定型文や音声入力によりスマホ操作が苦手なヘルパーでも記録を完結できる設計です。公式サイトでは3,000超の事業所での導入実績を掲載しています。請求機能は「楽すけ」など外部の介護請求ソフトとの連携で実現する構成が案内されており、記録から請求までを複数ソフトの連携で組み立てるタイプです。料金は個別見積です。

    ナーシングネットプラスワン(プラスワンソリューションズ株式会社)

    2000年に全国で初めてASP(クラウド)型介護保険請求ソフトの販売を開始した老舗のクラウド型介護ソフトで、公式サイトでは全国6,000以上の事業所での利用実績を掲載しています。25種類以上のサービス種別に対応し、記録から国保連請求までの一気通貫、LIFE対応、ケアプランデータ連携システム対応を公式に案内しています。月額8,000円〜の定額制で初期費用・更新費用・サポート費用が0円と料金を公開しており、小規模事業所でもコストの見通しを立てやすい製品です。

    補助金対象になる介護ソフトの条件|介護テクノロジー導入支援事業(ICT枠)

    介護ソフトの導入費用は、都道府県が実施する「介護テクノロジー導入支援事業」のICT導入支援の対象です。地域医療介護総合確保基金を財源とし、毎年度、都道府県ごとに公募が行われます。実施要綱で定められた対象経費・要件の骨子は次のとおりです。

    対象となる介護ソフトの要件(実施要綱より)

    • 一気通貫要件:記録業務、情報共有業務(居宅サービス計画やサービス利用票等を他事業所と連携する場合を含む)、請求業務を一気通貫で行えるソフトであること(転記等の業務が発生しないこと)
    • ケアプランデータ連携標準仕様への準拠:同仕様の連携対象となる介護サービス事業所の場合、最新版の標準仕様に準拠し、居宅サービス計画書・サービス利用票(提供票)のCSVファイルの出力・取込機能を実装した介護ソフトであること(活用促進のサポート体制が確認できること)
    • 複数ソフトの連携でも可:一気通貫要件は、複数のソフトウェアを連携させて実現する場合も要件を満たすと明記されています(記録特化型ソフト+請求ソフトの組み合わせなど)
    • 音声入力等を推奨:タブレット端末等による音声入力機能など、職員の入力負荷軽減機能が実装されている介護ソフトが推奨されています

    対象経費の範囲|既存ソフトの改修費・端末・Wi-Fi・クラウド利用料も対象

    対象経費 ポイント
    介護ソフト(新規導入) 上記要件を満たすソフトの導入費用。毎月支払う利用料・リース費用も対象(当該年度分)
    既存ソフトの改修費 既に使用している介護ソフトを補助要件(一気通貫・ケアプランデータ連携標準仕様)に適合させるための改修や、LIFE標準仕様に対応するための改修費用も対象と明記
    タブレット・スマートフォン等 介護ソフトを使用するための持ち運び前提の端末、インカム等。据え置きのPC・プリンターは対象外。導入時は介護ソフトをインストールし業務専用とすることが条件
    Wi-Fi環境の整備 Wi-Fiルーター等の機器購入・設置費用。毎月の通信費は対象外
    保守・クラウド利用料等 クラウドサービス利用料、保守・サポート費、セキュリティ対策費など
    バックオフィスソフト等 勤怠管理・シフト作成・人事給与等の業務効率化ソフト、電子サインシステム、AIを活用したケアプラン原案作成支援ソフトも、転記等の業務が発生しない(一気通貫の)環境が実現できている場合に限り対象

    補助上限額と補助率

    職員数(常勤換算) 基準額(上限)
    1〜10名 100万円
    11〜20名 150万円
    21〜30名 200万円
    31名以上 250万円

    補助率は、「ケアプランデータ連携システム等を利用し連携先事業所が決まっている(在宅系)」「LIFE標準仕様に準じたCSVでLIFEにデータ提供している・提供予定」「文書量半減を実現させる導入計画」等の要件を満たす場合に3/4を下限に都道府県が設定した率、それ以外は1/2を下限とした率が適用されます。さらに、見守り機器等と組み合わせて複数の介護テクノロジーを導入する「パッケージ型導入」では、都道府県の定める400万〜1,000万円の範囲で基準額が設定されます。センサー機器との組み合わせを検討する場合は見守りセンサー比較の記事も参考にしてください。

    【注意】補助上限・補助率・加算(例:令和8年度はケアプランデータ連携を5事業所以上と実施する場合の加算等が案内されています)・公募期間・必要書類は年度と都道府県によって異なります。また、多くの自治体で交付決定前に契約・支払いした経費は対象外とされます。申請前に必ず所在地の都道府県の最新の公募要領・実施要綱を確認してください。制度全体の解説は介護テクノロジー導入支援事業(ICT補助金)完全ガイドにまとめています。

    補助を受けるためのその他の要件

    • IPA「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言すること
    • 厚生労働省の生産性向上ガイドライン等を参考に業務改善計画を作成し、効果を報告・公表すること
    • LIFEによる情報収集や厚生労働省の効果検証事業等への協力
    • 短期入所・特定施設・小規模多機能・グループホーム・特養・老健・介護医療院等の施設系サービスでは、利用者の安全とサービスの質の確保・職員の負担軽減に資する方策を検討する委員会の設置
    • 訪問介護・通所介護等の居宅系サービスでは、ケアプランデータ連携システムの利用開始

    介護記録ソフト選定チェックリスト|見積・デモで確認すべき8項目

    厚生労働省も「介護ソフトを選定・導入する際のポイント集」を公表しており、ソフトの切り替え・新規導入時の確認観点を示しています。実務では以下の8項目を、候補2〜3社の見積・デモで横並び比較することをおすすめします。

    チェック項目 確認ポイント
    □ サービス種別対応 現在のサービス種別に加え、介護予防・総合事業、将来増やす予定のサービスまで対応しているか。多角化予定があるならフルラインナップ型が有利
    □ 一気通貫の範囲 記録→実績→請求まで転記なしでつながるか。複数ソフト連携で構成する場合は、どこで手作業が発生するかを確認(補助要件にも直結)
    □ レセプト・伝送対応 国保連へのインターネット伝送に対応しているか、伝送ソフトが別料金か、返戻管理・利用者請求(口座振替等)まで対応するか
    □ データ連携・制度対応 ケアプランデータ連携標準仕様(最新版)準拠のCSV出力・取込、LIFE様式対応、法改正時のアップデート費用の有無
    □ 既存端末・環境 手持ちのタブレット・スマホ・OSで動作するか、Wi-Fi整備が必要か(端末・Wi-Fi機器は補助対象になり得る)、見守り機器・ナースコール連携の要否
    □ 入力のしやすさ 音声入力・定型文・写真記録など、ICTが苦手な職員でも使えるか。デモは事務職員だけでなく現場職員にも触ってもらう
    □ サポート体制 導入時の初期設定・研修支援、請求期間中の電話サポートのつながりやすさ、データ移行支援の有無と費用
    □ 料金体系 初期費用・月額・端末台数やユーザー数による従量課金の有無・オプション費用・解約時の条件。非公開の場合は必ず総額5年分で見積比較する
    介護ソフトの見積書を比較検討する事務長のイメージ
    介護ソフトの見積書を比較検討する事務長のイメージ

    導入の流れ|補助金を使う場合は「交付決定前に契約しない」が鉄則

    1. 現状業務の棚卸し(1か月目):記録・請求・共有のどこに時間がかかっているかを洗い出し、削減目標(文書量・残業時間など)を数値で設定する。この内容がそのまま補助金申請時の業務改善計画の材料になります
    2. 情報収集・デモ(1〜2か月目):サービス種別対応で2〜3社に絞り、現場職員を交えてデモ・トライアルを実施
    3. 見積取得・比較(2か月目):初期+月額+端末+改修+データ移行の総額で比較。補助対象経費の切り分けをベンダーに確認
    4. 補助金の公募確認・申請(都道府県のスケジュールに依存):所在地の都道府県の公募期間・様式を確認し、業務改善計画・見積書等を添えて申請。交付決定前の契約・発注は補助対象外となるのが一般的なため、契約タイミングは必ず公募要領で確認
    5. 導入・データ移行・研修(交付決定後1〜3か月):利用者情報・過去記録の移行、マスタ設定、職員研修。請求の切り替え月は旧運用と並走期間を設けると安全です
    6. 効果測定・実績報告:削減効果を測定し、都道府県への実績報告・効果報告を行う。補助事業では導入後の報告が要件になっています

    よくある質問(FAQ)

    Q1. 補助金はいつ・どこに申請すればよいですか?

    介護テクノロジー導入支援事業の実施主体は都道府県です。公募時期・回数・様式は都道府県ごとに異なり、年度前半(おおむね5〜8月)に公募が始まる自治体が多い一方、予算消化により早期終了する場合もあります。所在地の都道府県の介護保険担当課ページで最新の公募要領を確認してください。

    Q2. すでに介護ソフトを使っています。乗り換えや改修も補助対象になりますか?

    対象になり得ます。実施要綱では、新規導入費用に加えて、既存ソフトを補助要件(一気通貫・ケアプランデータ連携標準仕様)に適合させるための改修費用や、LIFE標準仕様に対応するための改修費用も対象経費として認められています。要件を満たすソフトへの乗り換えも対象です。

    Q3. 記録特化型ソフトと請求ソフトの組み合わせでも補助対象になりますか?

    実施要綱では、一気通貫の補助要件は「複数のソフトウェアを連携させることにより実現する場合も要件を満たす」と明記されています。Care-wingのような記録特化型ソフトと介護請求ソフトを連携させる構成でも、転記等の手作業が発生しない連携が実現できていれば対象になり得ます。連携の実装状況はベンダーと都道府県窓口の双方に確認してください。

    Q4. 介護ソフトの料金相場はどのくらいですか?

    介護ソフトは事業所の規模・サービス数・オプション構成で金額が大きく変わるため、料金非公開(個別見積)のベンダーが多数派です。公式に料金を公開している例では、カイポケがサービス別月額(居宅介護支援5,000円、通所介護・訪問介護各25,000円など・税別)、ナーシングネットプラスワンが月額8,000円〜の定額制です。非公開の製品は、初期費用・月額・端末・保守を含む5年総額で見積を取り、公開型製品と比較するのが実務的です。

    Q5. ケアプランデータ連携システムとは何ですか?介護ソフトとの関係は?

    国民健康保険中央会が運用する、居宅介護支援事業所とサービス提供事業所の間で居宅サービス計画書・サービス利用票(提供票)のデータをオンラインでやり取りする仕組みです(2023年4月本格稼働、2025年4月30日にV4対応版をリリース)。FAX・紙のやり取りと転記作業を減らせるため、補助金の補助率引き上げ要件・在宅系サービスの補助要件にも組み込まれています。利用には、厚生労働省のケアプランデータ連携標準仕様に準拠した介護ソフト側のCSV出力・取込機能が必要で、準拠状況は国保中央会が公表するベンダ試験の合格情報で確認できます。

    補助金を使った介護ソフト導入を検討中の方へ

    お住まいの都道府県の公募状況の確認方法、業務改善計画の書き方、対象経費の切り分けは「介護テクノロジー導入支援事業 完全ガイド」で詳しく解説しています。

    ICT補助金ガイドを読む

    最終確認日:2026年7月7日

    一次情報・出典:

    【免責】本記事は介護施設の記録・請求業務の効率化と補助金活用に関する情報提供を目的としたものであり、特定製品の購入を推奨するものではありません。製品の機能・料金・連携対応および補助金の要件・金額・公募期間は変更される場合があります。契約・申請の際は必ず各社公式サイト、所在地の都道府県の最新の公募要領・実施要綱をご確認ください。

  • 介護テクノロジー補助金【神奈川県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【神奈川県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    【結論】神奈川県の介護テクノロジー補助金(令和8年度)の要点

    • 令和8年度(2026年度)の補助内容・申請受付期間は「準備中」(神奈川県公式サイト・2026年7月確認時点)。例年どおりなら秋頃に約2週間の短期公募となる可能性があり、今から準備しておくのが安全です。
    • 制度名は「神奈川県介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金」。直近の令和7年度は補助率4/5、基準額は移乗・入浴支援100万円/台、その他機器30万円/台、介護ソフト100万〜250万円(職員数による)、パッケージ型は上限1,000万円/事業所でした(令和8年度の条件は公募要領で要確認)。
    • 令和8年度の申請・問合せはデジタル庁の電子申請システム「jGrants」を利用予定。GビズID(取得に2週間程度)が必要です。
    • 相談窓口:かながわ介護スマート相談室(045-514-3152)/県の所管は福祉子どもみらい局福祉部高齢福祉課
    • 横浜市・川崎市・相模原市(政令市)内の事業所も、県公表の対象事業所の定義上は県補助金の対象に含まれます。さらに横浜市には市独自の「介護ロボット等導入支援事業費補助金」(9/10補助・上限67万5千円)が別枠で存在します(詳細は本文⑥)。

    介護現場の人手不足対策として、国と都道府県が一体で進めているのが「介護テクノロジー導入支援事業」です。神奈川県では「神奈川県介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金」という名称で、見守り機器・移乗支援機器・介護記録ソフト・インカムなどの導入費用を補助しています。本記事では、令和8年度(2026年度)の神奈川県の制度について、2026年7月時点で確認できる一次情報(神奈川県公式サイト等)をもとに、対象・補助率・上限・締切・申請先を整理します。なお、令和8年度の詳細は本記事執筆時点で「準備中」と公表されており、確定情報ではありません。実際の申請にあたっては、必ず神奈川県の公募要領・交付要綱をご確認ください。

    神奈川県内の介護施設で見守りセンサーとインカムを活用しながら夜間巡回の負担を減らすスタッフのイメージ
    神奈川県内の介護施設で見守りセンサーとインカムを活用しながら夜間巡回の負担を減らすスタッフのイメージ

    制度概要 — 国の基金事業を神奈川県が実施。政令市の扱いは?

    介護テクノロジー導入支援事業は、国の地域医療介護総合確保基金を財源として、都道府県が実施主体となる補助事業です。そのため、事業名・公募時期・補助率・対象要件は都道府県ごとに異なります。神奈川県では「介護生産性向上推進事業」という大きな枠組みの中で、(1)かながわ介護スマート相談室による相談支援、(2)介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金による導入費補助、(3)伴走支援・先進施設見学などの現場支援、を組み合わせて展開しているのが特徴です(出典:神奈川県「介護生産性向上推進事業について」)。

    国の標準的な枠組みとの違いとして、神奈川県の直近実績(令和7年度)では補助率が4/5と全国的に見ても高水準に設定されていた点が挙げられます。一方で、補助金申請時に「コンサルティング会社等による業務改善支援を受ける」か「県の指定する研修動画等を視聴する」かのいずれかの支援を受けることが条件とされており、単に機器を買うだけでなく業務改善とセットで取り組むことが求められます(出典:神奈川県公式サイト・令和7年度の運用)。令和8年度も同様の枠組みが維持されるかは、公募要領の公表を待って確認する必要があります。

    政令市(横浜市・川崎市・相模原市)の扱い:神奈川県が公表している対象事業所は「神奈川県内に所在する介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所及び老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム」とされており、政令市内の事業所を除外する記載は確認できません。つまり横浜市・川崎市・相模原市内の事業所も、原則として県の補助金に申請できる建て付けです(令和7年度時点の県公表情報に基づく)。ただし横浜市には市独自の別制度もあるため、併用可否や申請先の選び方は本文⑥で解説します。最終的な取り扱いは令和8年度公募要領でご確認ください。

    対象機器・対象事業所

    対象事業所

    直近の県公表情報では、対象は神奈川県内に所在する介護保険法に基づく全てのサービス事業所、および老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームとされています。特別養護老人ホームや老健などの施設系だけでなく、訪問介護・通所介護・居宅介護支援などの在宅系事業所も広く対象に含まれる、間口の広い制度です(出典:神奈川県「介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金の交付」ページ・令和7年度運用)。令和8年度の対象範囲は公募要領で確認してください。

    対象機器とTAIS要件

    対象となるのは、厚生労働省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に該当する機器が中心です。県の直近運用では、移乗支援・入浴支援見守り・コミュニケーション(見守りセンサー等)介護業務支援(介護記録ソフト等の介護ソフトを含む)のほか、床走行式リフト、配膳ロボット、インカムなどの通信機器、バイタル測定ができるウェアラブル端末、バックオフィスソフトなどが例示されています。機器要件としては、公益財団法人テクノエイド協会の福祉用具情報システム「TAIS」において「介護テクノロジー」として選定・掲載されている機器、または県の補助対象機器一覧に掲載された機器であることが求められるのが直近の運用です。導入したい機器がTAIS登録済みか、事前にメーカー・販売店へ確認しておくと申請がスムーズです(令和8年度の機器要件の詳細は公募要領で要確認)。

    補助率・上限額(直近実績ベース)

    令和8年度の補助内容は2026年7月時点で「準備中」のため、ここでは神奈川県公式サイトに掲載されている直近(令和7年度)の補助率・基準額を参考値として整理します。令和8年度は変更される可能性があります。

    区分 補助率 基準額・上限(令和7年度実績)
    移乗支援・入浴支援機器 4/5 基準額100万円/台
    その他の介護ロボット・機器(見守り機器・インカム等) 4/5 基準額30万円/台
    介護ソフト(介護記録・情報共有等) 4/5 基準額100万〜250万円(職員数に応じて変動)
    事業所あたり上限 500万円/事業所(複数機種の併用時は最大750万円との記載あり)
    パッケージ型導入(複数機器+業務改善の一体導入) 4/5 上限1,000万円/事業所
    業務改善支援(コンサルティング等) 4/5 基準額48万円/事業所(税抜。実支出額×4/5と比較して少ない方)

    ※出典:神奈川県「介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金の交付」ページ(2026年7月確認・令和7年度運用の掲載値)。令和8年度の補助率・基準額は「準備中」であり、変更の可能性があります。必ず最新の公募要領・交付要綱でご確認ください。

    申請の流れ・締切 — 例年「秋の短期公募」。jGrantsとGビズIDの準備を

    神奈川県の公募期間は例年かなり短いのが特徴です。確認できた実績では、令和6年度は2024年11月5日〜11月15日(約10日間)(出典:補助金ポータル)、令和7年度は2025年10月10日〜10月24日(約2週間)(出典:ケア樹・都道府県別まとめ)と、いずれも秋に2週間前後の短期公募でした。令和8年度の申請受付期間は未公表ですが、同様のスケジュール感になる場合、公募開始を知ってから準備を始めると間に合わないリスクがあります。

    直近の運用をベースにした準備〜申請の流れは以下のとおりです(令和8年度の正式な手順は公募要領で要確認)。

    1. GビズID(gBizIDプライム)を取得 — 令和8年度の申請はデジタル庁の電子申請システム「jGrants」を利用すると県が公表済み。IDの取得に2週間程度かかるため、未取得の事業所は今すぐ着手を。
    2. 導入機器の選定・見積取得 — TAIS登録(「介護テクノロジー」選定)や県の対象機器一覧への掲載を確認。かながわ介護スマート相談室(045-514-3152)で機器選定の無料相談も可能です。
    3. 業務改善計画の作成・支援要件の充足 — 直近運用では、コンサル等による業務改善支援または県指定の研修動画視聴のいずれかが申請条件でした。
    4. 公募開始後、jGrantsで申請 — 補助メニュー(介護ロボット/ICT/パッケージ型)ごとに申請ポータルが分かれる運用です。
    5. 交付決定 → 導入・支払い → 実績報告 — 令和7年度は実績報告の締切が令和8年2月27日(金)厳守とされていました。年度内に支払いまで完了させるスケジュール管理が重要です。

    交付決定前の契約について:多くの都道府県では「交付決定前の契約・購入は補助対象外」が原則ですが、神奈川県の直近運用では「交付決定前に購入・賃借その他契約を行った場合であっても、交付決定と同一年度内に行ったものであれば補助対象」と明記されており、比較的柔軟です。ただし原則として実績報告(2月末締切)までに支払いを終えたものが対象(契約書・請求書等で3月末までの費用確定が確認できるものは対象に含む扱い)とされていました。令和8年度も同じ扱いとは限らないため、契約タイミングは必ず公募要領と相談窓口で確認してください。

    なお、神奈川県では令和8年度の「介護生産性向上推進事業」として、業務アドバイザーが機器選定から定着まで並走する伴走支援対象施設の募集(2026年5月1日開始・6事業所程度)が行われており、伴走支援対象事業所には令和8年度の県補助金が優先交付される予定と案内されています(出典:かながわ福祉総合研究所・横浜市総合リハビリテーションセンター介護ロボット相談窓口)。本格的な導入を検討している事業所は、こうした関連事業の情報もあわせてチェックしておくと有利です。

    jGrantsの申請画面を前に、GビズIDと見積書・業務改善計画書を確認しながら補助金申請の準備をする介護事業所の管理者のイメージ
    jGrantsの申請画面を前に、GビズIDと見積書・業務改善計画書を確認しながら補助金申請の準備をする介護事業所の管理者のイメージ

    神奈川県特有の注意点 — 政令市内の事業所はどこに申請する?

    神奈川県は横浜市・川崎市・相模原市という3つの政令指定都市を抱えており、補助金の「窓口がどこか」で迷いやすい県です。2026年7月時点で確認できた状況を整理します。

    所在地 県の補助金 市独自の制度
    横浜市内の事業所 対象に含まれる建て付け(県の対象定義に除外記載なし) あり。「介護ロボット等導入支援事業費補助金」— 40歳以上の中高齢者または外国人を3か月以上雇用した市内事業所が対象。補助率9/10・対象経費上限67万5千円。窓口は健康福祉局高齢健康福祉課介護人材担当(045-671-3920)
    川崎市内の事業所 対象に含まれる建て付け(同上) 令和8年度の恒常的な介護テクノロジー導入補助は確認できず(過去には大規模修繕と一体の導入補助の事例あり)。最新情報は市の高齢者福祉担当課へ
    相模原市内の事業所 対象に含まれる建て付け(同上) 令和8年度の介護テクノロジー特化型の独自補助は確認できず。最新情報は市の高齢福祉担当課へ

    ポイントは3つあります。第一に、介護テクノロジー導入支援事業(基金事業)の実施主体は都道府県のため、政令市内の事業所でも県の補助金に申請するのが基本ルートという点です。第二に、横浜市の独自制度は「中高齢者・外国人の雇用」を要件とする雇用促進型で、県の制度とは目的も要件も異なります。雇用要件を満たす横浜市内の事業所であれば、導入内容に応じて県制度と市制度のどちらが有利か(または対象経費を分けて活用できるか)を両方の窓口に確認する価値があります。ただし、同一の経費に対して複数の補助金を重複して受給することは一般に認められないため、併用の可否は必ず事前に確認してください。第三に、県の公募は前述のとおり短期決戦のため、政令市内の事業所も「市の情報だけ見ていて県の公募を見逃す」ことがないよう、県公式ページとかながわ介護スマート相談室の両方から情報を取ることをおすすめします。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 令和8年度の神奈川県の申請受付はいつ始まりますか?

    A. 2026年7月時点で、神奈川県は「令和8年度の補助内容及び申請受付期間は準備中」と公表しており、開始時期は未定です。参考として、令和6年度は2024年11月上旬、令和7年度は2025年10月中旬に、いずれも約2週間の短期公募が行われました。県公式ページとかながわ介護スマート相談室で最新情報を確認してください。

    Q2. 横浜市内の事業所ですが、県と市のどちらに申請すべきですか?

    A. 介護テクノロジー導入支援(基金事業)は県が実施主体のため、県の「介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金」への申請が基本ルートです。横浜市の「介護ロボット等導入支援事業費補助金」(9/10補助・上限67万5千円)は40歳以上の中高齢者または外国人の雇用が要件の別制度で、要件を満たせば選択肢になります。同一経費への重複受給は一般に不可のため、併用可否は県・市双方の窓口へ事前確認をおすすめします。

    Q3. 交付決定前に機器を契約・購入しても補助対象になりますか?

    A. 神奈川県の直近運用では「交付決定前の契約であっても、交付決定と同一年度内に行ったものであれば補助対象」と案内されており、他県より柔軟な扱いでした。ただし支払いは原則実績報告(2月末)まで、遅くとも3月末までの費用確定が条件とされていました。令和8年度も同じ扱いとは限らないため、契約前に公募要領と相談窓口で必ず確認してください。

    Q4. 訪問介護や居宅介護支援などの在宅系事業所も対象ですか?

    A. 直近の県公表情報では「県内に所在する介護保険法に基づく全てのサービス事業所」および養護老人ホーム・軽費老人ホームが対象とされており、在宅系事業所も広く含まれる建て付けです。介護記録ソフトやインカム、タブレット等のICT導入で活用されるケースが想定されます。令和8年度の対象範囲は公募要領でご確認ください。

    Q5. 導入したい機器が補助対象かどうかは、どうやって確認できますか?

    A. 直近の運用では、テクノエイド協会の福祉用具情報システム「TAIS」で「介護テクノロジー」として選定されている機器、または県の補助対象機器一覧に掲載された機器が対象とされています。メーカー・販売店にTAIS登録の有無を確認するか、かながわ介護スマート相談室(045-514-3152/roboconsul@kanafuku.jp)に相談すると確実です。

    最終確認日・出典・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日

    出典(一次情報・参照情報):

    • 神奈川県「介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金の交付」(2026年7月確認)
      https://www.pref.kanagawa.jp/docs/u6s/cnt/f420373/p1075201.html
    • 神奈川県「介護生産性向上推進事業について」
      https://www.pref.kanagawa.jp/docs/u6s/cnt/f420373/index.html
    • 横浜市「介護人材関連情報(介護ロボット等導入支援事業費補助金)」(2026年7月確認)
      https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/shigoto/kaigo/zinzaikakuho.html
    • 一般社団法人かながわ福祉総合研究所「令和8年度 神奈川県『介護生産性向上推進事業』伴走支援対象施設募集のご案内」
      https://www.kanafuku-souken.jp/info/robot_ict-info/2554/
    • ケア樹「【令和8年度】介護テクノロジー導入支援事業の実施状況|都道府県別まとめ」(令和7年度公募期間の参照)
      https://caretree.jp/ict_hj_2026
    • 補助金ポータル「神奈川県:介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金」(令和6年度公募期間の参照)
      https://hojyokin-portal.jp/subsidies/49282

    免責事項:本記事は2026年7月7日時点で確認できた公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、補助金の交付を保証するものではありません。令和8年度(2026年度)の神奈川県の補助内容・申請受付期間は本記事執筆時点で「準備中」とされており、掲載した補助率・基準額等は直近年度の実績値を参考として示したものです。制度内容・要件・スケジュールは変更される場合があります。実際の申請にあたっては、必ず神奈川県の最新の公募要領・交付要綱をご確認のうえ、神奈川県福祉子どもみらい局福祉部高齢福祉課またはかながわ介護スマート相談室(045-514-3152)へお問い合わせください。本記事の情報に基づく判断・行動により生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

    ※本記事は特定の機器・サービスの購入を勧誘するものではありません。

  • 介護テクノロジー補助金【大阪府】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【大阪府】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    「介護ロボットや見守り機器を入れたいが、費用がネックで踏み切れない」——そんな大阪府内の介護施設・事業所の方に向けて、この記事では令和8年度(2026年度)大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金の対象機器・補助率・上限額・締切・申請の流れを、大阪府の公式資料(交付要綱・リーフレット・Q&A)にもとづいて整理します。大阪府はWebによる「事前エントリー制」を採用しており、他の都道府県とは申請の進め方が異なる点に注意が必要です。制度の内容は年度途中でも更新されることがあるため、実際の申請にあたっては、大阪府の公式ページと公募資料で最新情報をご確認ください。

    【結論】大阪府の令和8年度 介護テクノロジー補助金 早わかり

    • 補助率:導入費の4/5(補助対象経費の実支出額×4/5、千円未満切捨て)
    • 上限額:移乗支援・入浴支援・インカムは1台あたり100万円、見守り機器などその他の介護テクノロジーは1台あたり30万円、介護ソフトは職員数に応じて最大250万円(Wi-Fi整備等を伴う場合は上乗せあり)、パッケージ型導入支援は合計1,000万円
    • 方式:Web事前エントリー制。エントリー総額が予算額を超えた場合は抽選(未導入事業所・見守り機器・介護ソフト・インカム導入が優先)
    • 事前エントリー期間:令和8年5月25日(月)17時〜7月13日(月)17時
    • 主な要件:令和8年5月21日開催の介護テクノロジー活用支援セミナー受講(アーカイブ視聴可)など
    • 申請先:大阪府福祉部 高齢介護室 介護事業者課 整備調整グループ

    ※上記は大阪府公表資料(令和8年7月3日時点の資料を含む)にもとづく要点です。金額・日程は変更される場合があるため、申請前に公式ページ・公募要領でご確認ください。

    大阪府内の介護施設で見守り機器やインカムを活用して働く介護職員のイメージ
    大阪府内の介護施設で見守り機器やインカムを活用して働く介護職員のイメージ

    制度の概要——国の事業を大阪府が「事前エントリー制」で実施

    介護テクノロジー導入支援事業(旧・介護ロボット導入支援事業/ICT導入支援事業)は、国が予算を確保し、各都道府県が窓口となって介護事業所の機器導入費用を補助する仕組みです。大阪府の令和8年度事業は、国の「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」(令和8年4月7日付 老発0407第3号 別紙1)にもとづいて実施されており、府の交付要綱は令和8年4月22日から施行されています。

    大阪府のリーフレット(令和8年7月3日時点)によると、令和8年度の補助総額は1,373,248千円(約13.7億円)とされています。府の資料では、「省力化投資促進プラン」において2040年までに20%以上の業務効率化を図る必要があるとされていることを背景に、特に業務時間削減効果が確認されている見守り機器・介護記録ソフト・インカムを、小規模事業者も含めて広く普及させることに重点を置くと説明されています。

    大阪府方式の最大の特徴:「セミナー受講→事前エントリー→(抽選)→交付申請」

    多くの都道府県では「公募開始→交付申請→審査→交付決定」という流れですが、大阪府はWebによる事前エントリー制を採用しています。交付申請の前に、まず行政オンラインシステムのエントリーフォームから事前エントリーを行い、エントリー総額が府の予算額を上回った場合には抽選によって交付申請できる事業所が絞り込まれます。逆に、エントリー総額が予算額の範囲内であれば、全てのエントリーが交付申請の対象になるとされています。

    さらに、事前エントリーの前提条件として、令和8年度介護テクノロジー活用支援セミナーの受講(または動画視聴)が補助要件とされている点も特徴です。セミナーは令和8年5月21日(木)13時00分〜15時30分に開催され、アーカイブ動画での受講も可とされています。エントリー時には導入予定機器の見積書も必要です。

    対象事業所・対象機器

    対象となる事業所

    補助の対象は、大阪府内で介護保険法にもとづくサービスを提供する全てのサービス事業所と、老人福祉法にもとづく養護老人ホーム・軽費老人ホームです(交付要綱第2条)。訪問介護・通所介護などの居宅サービス、居宅介護支援、特別養護老人ホーム・老健などの施設サービス、地域密着型サービスまで幅広く含まれます。法人本部が府外にあっても、事業所が府内にあれば対象になるとQ&Aで示されています。

    一方で注意したいのは次の点です。

    • 障がい福祉サービス事業所・施設は対象外とされています(Q&A)。
    • 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅は、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている場合のみ対象です。
    • 交付申請時点で介護保険法にもとづく指定・許可を受け、サービスを開始していることが必要とされています。

    対象となる機器等(TAIS掲載が基本要件)

    対象機器の基本は、公益財団法人テクノエイド協会が提供する福祉用具情報システム(TAIS)において「介護テクノロジー」として選定・掲載された機器等です。TAISに掲載されていない機器でも、掲載機器と機能等が同水準と大阪府知事が判断した機器等は対象になり得るとされています。対象となる介護テクノロジーの分野は次のとおりです。

    • 移乗支援(装着型・非装着型)
    • 移動支援(屋外・屋内・装着型)
    • 排泄支援(排泄予測・検知、排泄物処理、動作支援)
    • 入浴支援
    • 見守り・コミュニケーション(施設見守り・在宅見守り・コミュニケーション)
    • 介護業務支援(インカム含む)
    • 機能訓練支援、食事・栄養管理支援、認知症生活支援・認知症ケア支援

    このほか、記録・情報共有・請求業務を一気通貫で行える介護ソフト、電子サイン・給与・勤怠管理などのバックオフィスソフト、バイタル測定が可能なウェアラブル端末などのその他機器(知事が有効と判断したもの)も対象区分として設けられています。TAIS掲載機器等の導入に付帯して必要となるWi-Fi環境整備(配線工事含む)、スマートフォン・タブレット等の経費も補助対象とされていますが、通信費(回線契約料等)・メンテナンス費・消耗品・予備購入分は対象外です。

    介護ソフトについては要件が細かく、居宅介護支援・居宅サービス(介護予防含む)の場合は「ケアプランデータ連携標準仕様」に準拠したCSV出力・取込機能とサポート体制が確認できるソフトであること、施設サービス等の場合は「CSV連携仕様書(LIFE)」に準じたCSV出力機能を有することが求められています。記録機能のみ・請求機能のみのソフトを単体で申請することは対象外とされている点(令和8年5月25日更新のQ&A)にも注意してください。

    補助率・上限額の一覧表

    大阪府の令和8年度事業の補助率は、区分を問わず補助対象経費(消費税を除く実支出額)の4/5です。算出額と下表の基準額(上限額)を比較して、少ない方が補助額となります(千円未満切捨て)。

    区分 上限額(基準額) 補助率
    移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援・介護業務支援のインカム(TAIS掲載+同水準機器) 1台あたり100万円 4/5
    上記以外のTAIS掲載介護テクノロジー(見守り機器・排泄支援・移動支援等) 1台あたり30万円 4/5
    介護ソフト(記録・情報共有・請求の一気通貫) 職員数に応じて100万〜250万円(Wi-Fi整備・タブレット等の定着促進費用を伴う場合は115万〜265万円) 4/5
    バックオフィスソフト(電子サイン・給与・勤怠管理等) 介護ソフトと同様(付帯経費は対象外) 4/5
    その他機器(知事が有効と判断した機器・ウェアラブル端末等) 1台あたり100万円(付帯経費は対象外) 4/5
    パッケージ型導入支援(介護業務支援機器+連動機器の組合せ) 合計1,000万円 4/5
    導入支援と一体的に行う業務改善支援(第三者による事前評価・助言・事後評価) 48万円 4/5

    介護ソフト・バックオフィスソフトの上限額は、申請時点の職員数(常勤換算)に応じて次のように区分されています。職員数に連動しない契約方式の場合は一律250万円(定着促進費用を伴う場合265万円)が基準額です。

    職員数(申請時点) 基準額 定着促進費用(Wi-Fi・タブレット等)併用時
    1名以上10名以下 100万円 115万円
    11名以上20名以下 150万円 165万円
    21名以上30名以下 200万円 215万円
    31名以上 250万円 265万円

    なお、訪問介護等の居宅サービス事業所または居宅介護支援事業所(介護予防含む)で、令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」により5事業所以上とデータ連携を実施する場合は、基準額に5万円が加算されるとされています。導入台数にも上限があり、見守り機器等は施設の床数(利用定員)、インカム・情報端末・装着型移乗支援機器等は実際に利用する職員数またはソフトのライセンス数が上限とされています。

    補助率と上限額を電卓と書類で確認する介護事業所の管理者のイメージ
    補助率と上限額を電卓と書類で確認する介護事業所の管理者のイメージ

    申請の流れ——セミナー受講から実績報告まで

    大阪府の令和8年度事業は、おおむね次のステップで進みます(日程は府公表資料にもとづくもので、変更される場合があります)。

    ステップ 内容・時期
    STEP1:セミナー受講 令和8年度介護テクノロジー活用支援セミナー(令和8年5月21日開催)を受講。アーカイブ動画の視聴でも要件を満たすとされています。
    STEP2:見積書の準備 導入予定機器の見積書を販売事業者等から取得(エントリー時に必要。通信費など対象外経費を含めない形で作成)。
    STEP3:事前エントリー 令和8年5月25日(月)17時〜7月13日(月)17時。行政オンラインシステムで法人担当者が利用者登録(ID取得)のうえ、事業所ごとにエントリーフォームへ入力・送信。
    STEP4:抽選(予算超過時のみ) エントリー総額が予算額を超過した場合、優先順位にもとづき交付申請対象を選定。予算内なら全エントリーが対象。
    STEP5:交付申請 エントリー結果発表後〜令和8年8月下旬(予定)。法人でとりまとめ、計画書・所要額調書等を添えて提出。
    STEP6:機器の契約・導入・支払 Q&Aでは、契約日・支払日・導入日(納品日)が令和8年4月1日〜令和9年1月31日の期間内であることが必要とされています。
    STEP7:実績報告・業務改善計画 実績報告書を提出し、額の確定後に補助金が交付されます。補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を府へ報告する義務があります(報告期限等は府の通知で確認)。

    抽選になった場合の優先順位

    交付要綱の別表第1では、抽選時の選定順位が明示されています。まず、府の生産性向上支援センターが実施する「働きやすい職場環境づくり伴走支援プログラム」(全5回)を修了見込みの事業所と、介護ソフト未導入で「はじめての介護ソフト導入セミナー」を受講しソフトを導入する事業所が最優先とされています。その上で、①介護テクノロジーをいずれも未導入の事業所 → ②自己負担等で既導入・令和3年度以前に府補助で導入済みの事業所 → ③バックオフィスソフト等その他機器のみを導入する事業所 → ④令和4〜7年度に府の補助金交付を受けた事業所、の順に選定され、さらに見守り機器・インカム・介護ソフトのいずれかを導入する事業所が優先されるとされています。過去に府の補助を受けた事業所は優先順位が低くなるため、初めて申請する事業所ほど採択の可能性が相対的に高い設計です。

    大阪府特有の注意点

    1. 交付決定前の契約・購入でも対象になり得る(ただしリスクあり)

    多くの補助金では「交付決定前の契約・発注は対象外」が原則ですが、大阪府の交付要綱第2条第3項では、補助対象経費は契約日・支払日・導入日が令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間の経費(消費税を除く)とされ、「その間の経費であれば、交付申請日以前の経費も対象とする」と明記されています。つまり令和8年4月1日以降であれば、エントリー前・交付決定前に購入した機器も対象になり得る運用です。ただし、抽選に外れたり交付申請の審査で対象外と判断された場合は全額自己負担となるため、先行購入は慎重に判断し、事前に府へ確認することをおすすめします。なお、令和8年3月31日以前に導入していた機器は「既導入」扱いとなります。

    2. セミナー受講・ケアプランデータ連携などの要件が細かい

    補助要件として、①介護テクノロジー活用支援セミナーの受講(アーカイブ可)に加えて、②居宅介護支援・居宅サービス事業所は令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」でのデータ連携実績があることが求められています。実績報告時にはログイン画面や送受信一覧のスクリーンショット提出が必要とされ、データ連携実績が確認できない場合は代金支払済みでも補助対象外となる旨が府ページに記載されています。また、施設系サービスでは利用者の安全・サービスの質確保・職員負担軽減を検討する委員会の設置、全事業所共通でIPA「SECURITY ACTION」(一つ星または二つ星)の宣言、業務改善計画の作成・提出、収支が改善した場合の職員賃金への還元周知などが要件に含まれています。

    3. 導入・支払の実質期限は令和9年1月31日

    Q&A(令和8年7月3日版)では、契約・支払・納品が令和9年1月31日までに完了しない場合は補助対象とならず、製造業者の都合等で年度内に納品できない場合は申請の辞退が必要とされています。人気機種は納期が延びることもあるため、発注時期とメーカーの納期は早めに確認しておきましょう。リース・レンタルの場合は契約期間を3年以上に設定する必要があり、3年経過前に契約を解除すると補助金の返還を求められることがあるとされています。

    4. 他の補助金との重複・対象外経費に注意

    本事業で導入した機器について他の補助金の交付を受けることはできません。IT導入補助金などとは対象経費が重複しない場合に併用できる可能性があるとQ&Aに示されていますが、個別のケースは府への確認が必要です。また、ナースコールは原則対象外(TAISに介護業務支援として掲載されているもの、見守り機器一体型は対象)、通信費・メンテナンス費・修繕費・消耗品・クレジットカード払い(原則)なども対象外とされています。単価30万円以上の機器は法定耐用年数を経過するまで処分制限がかかる点も押さえておきましょう。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 抽選に外れた場合、令和8年度中に再チャレンジできますか?

    A. 抽選が行われるのはエントリー総額が予算額を超過した場合のみで、予算内であれば全エントリーが交付申請の対象になるとされています。抽選から外れた場合の追加募集の有無は公表資料からは確認できないため、大阪府高齢介護室へ直接お問い合わせください。過去に府の補助を受けていない事業所や、見守り機器・インカム・介護ソフトを導入する事業所は優先順位が高く設定されています。

    Q2. 交付決定前に機器を購入してしまった場合は対象外ですか?

    A. 大阪府の交付要綱では、契約・支払・導入が令和8年4月1日以降であれば交付申請日以前の経費も対象とすると定められています。ただし、抽選に外れた場合や要件を満たさない場合は補助を受けられず自己負担となるため、先行購入はリスクを理解した上で判断し、不明点は府へ確認することをおすすめします。

    Q3. 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も申請できますか?

    A. 「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている場合のみ対象とされています(交付申請時に指定書等の写しが必要)。指定を受けていない有料老人ホーム・サ高住に据え置いて使用する機器や、そうした施設のWi-Fi環境整備の経費は対象外とされています。なお、障がい福祉サービス事業所・施設は本事業の対象外です。

    Q4. リース契約でも補助対象になりますか?

    A. リース・レンタルも対象とされていますが、補助対象となるのは令和8年4月1日〜令和9年3月31日の期間分で、支払は令和9年1月31日までに完了させる必要があります(令和9年1〜3月分の前倒し払いは対象になり得るとQ&Aに記載)。また、導入効果の報告期間に合わせて契約期間は満3年以上に設定する必要があり、3年未満で解約すると補助金返還の可能性があります。

    Q5. 補助金はいつ受け取れますか?申請前に手元資金は必要ですか?

    A. 補助金は実績報告の提出と額の確定後に交付される精算払いの仕組みです(交付要綱第10条)。機器代金はいったん事業所側で支払う必要があるため、導入から補助金入金までの資金繰りを見込んでおくことが大切です。具体的な交付時期は年度や事務処理状況によって変わり得るため、交付決定通知や府の案内でご確認ください。

    最終確認日・出典・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日

    【お問い合わせ先】大阪府福祉部 高齢介護室 介護事業者課 整備調整グループ(電話:06-6944-7104)

    【免責事項】本記事は上記の公表資料にもとづき作成していますが、補助金の内容・日程・要件は変更される場合があります。記事の情報によって生じたいかなる損害についても当サイトは責任を負いかねます。申請にあたっては、大阪府の公式ページ・公募要領・交付要綱の最新版をご確認のうえ、不明点は上記窓口へお問い合わせください。

  • 介護テクノロジー補助金【福岡県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【福岡県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    福岡県内で介護施設・介護事業所を運営されている方に向けて、令和8年度(2026年度)の介護テクノロジー(介護ロボット・ICT)導入補助金の最新状況を、福岡県の公式情報をもとに整理しました。福岡県では、旧「介護ロボット導入支援事業」と旧「ICT導入支援事業」を統合した「福岡県介護DX支援事業費補助金」として、見守りセンサー・移乗支援機器・介護記録ソフトなどの導入費用を補助しています。本記事では、令和8年度の公募状況、補助率・上限額、対象機器、申請の流れ、そして福岡市・北九州市(政令指定都市)の事業所が注意すべきポイントまで解説します。

    ※本記事は2026年7月7日時点の公開情報に基づいています。補助金の内容は年度・公募回によって変わるため、申請前に必ず福岡県の公式サイトと最新の公募要領をご確認ください。

    見守りセンサーが設置された介護施設の居室と、タブレットで通知を確認する介護職員のイメージ
    見守りセンサーが設置された介護施設の居室と、タブレットで通知を確認する介護職員のイメージ

    【結論】福岡県の介護テクノロジー補助金 早わかり

    福岡県「介護DX支援事業費補助金」のポイント

    • 令和8年度分の公募は、2026年7月7日時点で未発表(実施時期未定)です。令和7年度は2025年7月11日〜8月29日に受付されたため、令和8年度も夏〜秋頃の公募開始が想定されますが、確定情報ではありません。
    • 補助率:補助対象経費の4分の3以内(令和7年度実績。実支出額×3/4と基準額のいずれか低い方)
    • 上限額(令和7年度実績):移乗支援・入浴支援は100万円/台、見守り等その他の機器は30万円/台、介護ソフト等は職員数に応じ100万〜250万円、パッケージ型導入は最大1,000万円
    • 対象:福岡県内に所在する介護保険法上の介護サービス事業所、養護老人ホーム・軽費老人ホーム
    • 申請先・問い合わせ窓口:福岡県 高齢者地域包括ケア推進課 介護人材確保対策室(TEL:092-643-3327)。令和7年度は申請事務局を麻生教育サービス株式会社に委託し、WEBフォームまたは郵送で受付
    • 政令市の扱い:令和7年度の要件上、福岡市・北九州市内の事業所も県の補助金の対象と読める記載でした(除外規定なし)。福岡市には大規模修繕とあわせたロボット・ICT導入の独自補助も別枠であります。

    上記の数字はいずれも令和7年度の公募実績です。令和8年度は国の予算方針の変更(補助率の引き上げ・重点機器の変更など)が反映される可能性があるため、公募要領の公開後に必ず最新の条件をご確認ください。

    制度の概要 — 国の「介護テクノロジー導入支援事業」と福岡県の関係

    介護ロボット・ICT導入補助金の大もとは、厚生労働省が地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)等を財源として実施する「介護テクノロジー導入支援事業」です。実施主体は都道府県で、国が基金の3分の2を負担し、各都道府県が地域の実情に応じて事業名・公募時期・細かい要件を決めて運用します。

    福岡県では、この枠組みを「福岡県介護DX支援事業費補助金」という名称で実施しています。以前は「介護ロボット導入支援事業費補助金」と「ICT導入支援事業費補助金」の2本立てでしたが、国の制度再編にあわせて統合されました。機器単体の導入だけでなく、複数機器を組み合わせるパッケージ型導入や、導入とセットで行う業務改善支援まで対象に含む設計になっています。

    なお、国の令和8年度方針では、見守り機器・インカム・介護記録ソフトの導入を重点的に進めるため、一定の組み合わせで導入・活用する場合に公費補助率を最大5分の4に高める方向性が示されていると報じられています(要件を満たす場合3/4、その他1/2という基本構造)。この引き上げが福岡県の令和8年度事業にどう反映されるかは、県の公募要領公開後に確認が必要です。

    政令市(福岡市・北九州市)の扱い

    福岡県には福岡市・北九州市という2つの政令指定都市がありますが、この補助金は都道府県が実施主体のため、令和7年度の福岡県の案内では対象を「福岡県内に所在する介護保険法上の介護サービスを実施する事業所」としており、福岡市・北九州市内の事業所を除外する記載は確認できませんでした。つまり両市内の事業所も、原則として県の補助金に申請する形と考えられます。ただし年度によって取り扱いが変わる可能性はゼロではないため、政令市内の事業所は公募開始時に対象要件の記載を必ず確認してください。福岡市・北九州市が独自に実施する別枠の補助事業もあります(後述)。

    対象機器・対象事業所

    対象機器 — 9つの重点分野

    補助対象は、厚生労働省・経済産業省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に該当する機器等です。令和7年度の福岡県の案内では、次の9分野が対象とされていました。

    • 移乗支援(装着型・非装着型のパワーアシスト機器など)
    • 移動支援(歩行支援・屋内外移動のサポート機器)
    • 排泄支援(排泄予測デバイス、自動排泄処理装置など)
    • 見守り・コミュニケーション(見守りセンサー、インカム、コミュニケーションロボットなど)
    • 入浴支援(入浴介助の負担を軽減する機器)
    • 介護業務支援(介護記録ソフト、タブレット端末、勤怠・シフト管理などのバックオフィスソフト)
    • 機能訓練支援
    • 食事・栄養管理支援
    • 認知症生活支援

    機器の選定にあたっては、公益財団法人テクノエイド協会の「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定・掲載されている機器であることが条件の一つとされています。ただし令和7年度の福岡県の案内では、TAISに掲載されていない機器でも重点分野に該当すれば補助対象となる可能性がある旨が示されていました。導入したい機器がTAIS掲載機器かどうかは、申請前にメーカーまたは事務局に確認しておくとスムーズです。また、機器の導入に付帯して必要となる経費(設置工事費など)は、主となる機器とあわせて導入する場合に限り対象となります。国の制度枠組みでは、見守り機器の導入に伴うWi-Fi等の通信環境整備も支援メニューに含まれているため(国資料では1事業所あたり上限750万円の例示)、福岡県での取り扱いは公募要領でご確認ください。

    移乗支援リフトと介護記録用タブレットを使う福岡県内の介護事業所スタッフのイメージ
    移乗支援リフトと介護記録用タブレットを使う福岡県内の介護事業所スタッフのイメージ

    対象事業所

    令和7年度の対象は、次のとおりでした。

    • 福岡県内に所在する介護保険法上の介護サービスを実施する事業所(特養・老健・グループホーム・デイサービス・訪問介護など)
    • 福岡県内に所在する老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム

    施設系・在宅系を問わず幅広い事業所が対象になり得る設計です。ご自身の事業所類型が対象かどうか迷う場合は、公募要領の対象一覧を確認するか、事務局に問い合わせるのが確実です。

    補助率・上限額(令和7年度実績)

    令和7年度の福岡県介護DX支援事業費補助金の補助率・基準額は次のとおりです。補助額は「補助対象経費の実支出額×3/4」と「基準額」を比較して少ない方の額となります。令和8年度の条件は変更される可能性があるため、あくまで直近実績としてご覧ください。

    区分 基準額(上限) 補助率
    移乗支援・入浴支援の機器 100万円/台 補助対象経費の3/4以内
    (実支出額×3/4と基準額の低い方)
    上記以外の機器(移動支援・排泄支援・見守り・コミュニケーション等) 30万円/台
    介護ソフト等(介護業務支援・ICT) 職員数に応じ100万〜250万円(区分の詳細は公募要領で確認)
    パッケージ型導入(複数機器の一体導入) 最大1,000万円
    導入と一体的に行う業務改善支援 45万円/事業所

    出典:福岡県「令和7年度福岡県介護DX支援事業費補助金に係るご案内」(2026年7月7日確認)。金額・区分は令和7年度のものです。

    令和8年度の注目ポイント:国は令和8年度、見守り機器・インカム・介護記録ソフトの「3点セット」導入など一定の要件を満たす場合に補助率を最大4/5へ引き上げる方針と報じられています。福岡県がこれをどの形で採用するかは未確定のため、公募要領の公開を待って確認してください。

    申請の流れ・締切

    令和8年度の公募時期の見通し

    2026年7月7日時点で、福岡県の令和8年度分の公募はまだ発表されていません(複数の業界情報サイトでも「実施日未定」「準備中」と整理されています)。参考として、令和7年度は2025年7月11日〜8月29日という約1か月半の受付期間でした。同様のスケジュール感であれば令和8年度も夏〜秋頃の公募が想定されますが、これはあくまで過去実績からの推測です。受付期間が短い傾向にあるため、公募開始前から見積書や導入計画の準備を進めておくことを強くおすすめします。

    申請ステップ(令和7年度実績ベース)

    1. 公募要領の確認:福岡県公式サイトで対象機器・要件・様式を確認
    2. 導入計画の作成:現場の課題を抽出し、生産性向上(業務負担軽減・記録業務の効率化など)に資する取組計画を作成。導入機器の見積書を取得
    3. 交付申請:令和7年度は県から委託を受けた麻生教育サービス株式会社が事務局となり、WEB申請フォーム(kintone)または郵送で受付
    4. 審査・交付決定:予算の範囲内で審査のうえ交付決定
    5. 機器の導入・支払い・実績報告:事業期間内に導入を完了し、実績報告書を提出
    6. 補助金の受領・効果報告:導入後、一定期間の効果報告(業務改善の効果検証)が求められます

    交付決定前の契約・購入の扱い

    補助金は原則「交付決定後の発注・契約」が基本ですが、福岡県の令和7年度の案内では、令和7年4月1日〜令和8年1月31日までに実施された事業であれば、交付決定前であっても遡って補助対象となり得るという柔軟な取り扱いが明記されていました。ただし「申請の時点で補助が確約されるものではない」ともされており、交付決定前の購入は不採択リスクを自己負担で負うことになります。令和8年度に同じ遡及ルールが適用されるかは未確定のため、先行して購入を検討している場合は必ず公募要領(または事務局への問い合わせ)で確認してください。

    福岡県特有の注意点 — 政令市(福岡市・北九州市)の事業所はここをチェック

    1. 福岡市・北九州市の事業所も、介護テクノロジー導入補助は「県」に申請

    介護施設の整備補助などは政令市が独自窓口を持つことが多い一方、介護テクノロジー導入支援(介護DX支援事業費補助金)は都道府県事業のため、令和7年度の要件上は福岡市・北九州市内の事業所も福岡県(委託事務局)に申請する枠組みでした。「市の補助金だと思って市役所に問い合わせたが見つからない」というケースがあり得るのでご注意ください。

    2. 福岡市には「大規模修繕とあわせた介護ロボット・ICT導入」の独自補助がある

    福岡市は令和8年度事業として、介護施設等の大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICT導入支援事業(国の地域介護・福祉空間整備等の枠組み)を実施しています。対象は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウスなどの施設系で、基準額は一般施設で1床あたり39万6千円(都市型軽費老人ホーム等は1床あたり19万8千円、定期巡回は1施設660万円)とされています。大規模修繕工事費そのものは対象外で、修繕と直接関連するロボット・ICT導入費のみが対象です。令和8年度分の希望調査は令和7年5月28日締切で既に終了しているため、次年度分を狙う場合は福岡市介護保険課(TEL:092-733-5452)からの調査案内を毎年春にチェックしてください。

    3. 北九州市は独自の介護テクノロジー導入補助が確認できず(2026年7月時点)

    北九州市の介護サービス事業者向け補助金ページ(2026年7月7日確認)には、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金や物価高騰対策支援金などの掲載はあるものの、介護ロボット・ICT導入に特化した市独自補助の掲載は確認できませんでした。北九州市内の事業所は、基本的に県の介護DX支援事業費補助金の公募を待つ形になると考えられます(最新状況は市・県の両方でご確認ください)。

    4. 事務局委託方式のため「問い合わせ先」が2つある

    福岡県は申請受付・審査事務を外部事務局(令和7年度は麻生教育サービス株式会社)に委託しています。制度自体の所管は福岡県 高齢者地域包括ケア推進課 介護人材確保対策室(TEL:092-643-3327)、申請書類や手続きの実務は委託事務局、という役割分担です。令和8年度も同様の体制になるかは公募発表時に確認してください。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 福岡県の令和8年度の公募はいつ始まりますか?

    A. 2026年7月7日時点で未発表です。令和7年度は7月11日〜8月29日の受付だったため、同時期の公募が想定されますが確定ではありません。福岡県公式サイトの「介護DX支援事業費補助金」ページを定期的に確認するか、所管課(高齢者地域包括ケア推進課 介護人材確保対策室)にお問い合わせください。

    Q2. 福岡市・北九州市の事業所は、県と市のどちらに申請すればよいですか?

    A. 介護テクノロジー(ロボット・ICT)導入補助は県事業のため、令和7年度実績では政令市内の事業所も福岡県(委託事務局)への申請でした。一方、福岡市の施設系事業所は、大規模修繕にあわせたロボット・ICT導入の市独自補助(希望調査方式)を利用できる場合があります。両制度は目的・要件が異なるため、併用可否も含めて各窓口にご確認ください。

    Q3. 交付決定前に機器を購入してしまいました。補助対象になりますか?

    A. 令和7年度の福岡県の案内では、令和7年4月1日〜令和8年1月31日に実施された事業は交付決定前でも遡って対象となり得るとされていました。ただし採択が確約されるわけではなく、不採択の場合は全額自己負担になります。令和8年度に同じ取り扱いが継続するかは公募要領で必ず確認してください。

    Q4. TAIS(福祉用具情報システム)に掲載されていない機器は対象外ですか?

    A. 令和7年度の福岡県の案内では、TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器であることが条件の一つとされる一方、未掲載の機器でも重点分野に該当すれば対象となる可能性がある旨が示されていました。個別の機器の可否は、見積取得の段階で事務局に確認するのが確実です。

    Q5. 補助率が4分の3より高くなるケースはありますか?

    A. 国の令和8年度方針では、入所・泊まり・居住系サービスで見守り機器・インカム等のICT機器・介護記録ソフトを組み合わせて導入・活用する場合などに、補助率を最大4/5とする方向性が示されていると報じられています。福岡県の令和8年度事業に採用されるか、またその要件の詳細は、県の公募要領公開後に確認してください。

    最終確認日・出典・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日

    主な出典(いずれも2026年7月7日閲覧):

    【免責事項】本記事は公開情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、補助金の交付を保証するものではありません。記載の補助率・上限額・締切等は主に令和7年度実績であり、令和8年度の公募内容は変更される可能性があります。申請にあたっては、必ず福岡県・各市の公式サイトおよび最新の公募要領で内容をご確認のうえ、所管窓口にお問い合わせください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。