介護テクノロジー補助金【福岡県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

見守りセンサーが設置された介護施設の居室と、タブレットで通知を確認する介護職員のイメージ

「福岡県で介護ロボットや見守りセンサーを入れたいが、補助金の対象になるのか」「令和8年度の公募はいつ始まるのか」——福岡県内で介護施設・介護事業所を運営していると、必ず一度は突き当たる疑問です。じつは福岡県の介護テクノロジー導入補助は、補助率が全国標準の1/2ではなく最大4分の3と手厚く、さらに国が令和8年度に打ち出した「見守り3点セットで最大5分の4」の方針が乗る可能性もある、狙う価値の大きい制度です。本記事では、令和8年度(2026年度)の介護テクノロジー(介護ロボット・ICT)導入補助金の最新状況を、福岡県の公式情報をもとに整理しました。福岡県では、旧「介護ロボット導入支援事業」と旧「ICT導入支援事業」を統合した「福岡県介護DX支援事業費補助金」として、見守りセンサー・移乗支援機器・介護記録ソフトなどの導入費用を補助しています。本記事では、令和8年度の公募状況、補助率・上限額、対象機器、申請の流れ、よくある不採択理由や他制度との併用可否、リース・複数事業所の扱い、そして福岡市・北九州市(政令指定都市)の事業所が注意すべきポイントまで、流し読みでも要点がつかめるよう解説します。読み終えるころには、「自分の事業所は何を・どこに・いつ申請すればよいか」がはっきりするはずです。

※本記事は2026年7月7日時点の公開情報に基づいています。補助金の内容は年度・公募回によって変わるため、申請前に必ず福岡県の公式サイトと最新の公募要領をご確認ください。制度の全国共通の仕組みから理解したい方は、介護テクノロジー導入支援事業の全体像もあわせてご覧ください。

見守りセンサーが設置された介護施設の居室と、タブレットで通知を確認する介護職員のイメージ
見守りセンサーが設置された介護施設の居室と、タブレットで通知を確認する介護職員のイメージ

【結論】福岡県の介護テクノロジー補助金 早わかり

まず全体像です。福岡県の介護テクノロジー導入補助は県が実施主体の「介護DX支援事業費補助金」で、補助率は最大3/4、対象は県内の介護サービス事業所です。令和8年度の公募はまだ発表されていないため、以下の数値は令和7年度実績を参考値として掲載しています。

福岡県「介護DX支援事業費補助金」のポイント

  • 令和8年度分の公募は、2026年7月7日時点で未発表(実施時期未定)です。令和7年度は2025年7月11日〜8月29日に受付されたため、令和8年度も夏〜秋頃の公募開始が想定されますが、確定情報ではありません。
  • 補助率:補助対象経費の4分の3以内(令和7年度実績。実支出額×3/4と基準額のいずれか低い方)
  • 上限額(令和7年度実績):移乗支援・入浴支援は100万円/台、見守り等その他の機器は30万円/台、介護ソフト等は職員数に応じ100万〜250万円、パッケージ型導入は最大1,000万円
  • 対象:福岡県内に所在する介護保険法上の介護サービス事業所、養護老人ホーム・軽費老人ホーム
  • 申請先・問い合わせ窓口:福岡県 高齢者地域包括ケア推進課 介護人材確保対策室(TEL:092-643-3327)。令和7年度は申請事務局を麻生教育サービス株式会社に委託し、WEBフォームまたは郵送で受付
  • 政令市の扱い:令和7年度の要件上、福岡市・北九州市内の事業所も県の補助金の対象と読める記載でした(除外規定なし)。福岡市には大規模修繕とあわせたロボット・ICT導入の独自補助も別枠であります。

上記の数字はいずれも令和7年度の公募実績です。令和8年度は国の予算方針の変更(補助率の引き上げ・重点機器の変更など)が反映される可能性があるため、公募要領の公開後に必ず最新の条件をご確認ください。

制度の概要 — 国の「介護テクノロジー導入支援事業」と福岡県の関係

福岡県の補助金は独立した制度ではなく、国の事業を県が地域向けに運用しているものです。この節では、国と県のどちらが何を決めているのか、そして福岡県で名称が「介護DX支援事業費補助金」になっている背景を整理します。全国共通の仕組みを先に押さえると、公募要領も読みやすくなります。

介護ロボット・ICT導入補助金の大もとは、厚生労働省が地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)等を財源として実施する「介護テクノロジー導入支援事業」です。制度の全体像は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進ページで確認できます。実施主体は都道府県で、国が基金の3分の2を負担し、各都道府県が地域の実情に応じて事業名・公募時期・細かい要件を決めて運用します。つまり同じ「介護ロボット補助金」でも、名称・締切・上限額は県ごとに異なります。全国共通のルールと申請の流れは、介護テクノロジー導入支援事業の全体像補助金申請の流れ・必要書類で詳しく解説しています。

福岡県では、この枠組みを「福岡県介護DX支援事業費補助金」という名称で実施しています。以前は「介護ロボット導入支援事業費補助金」と「ICT導入支援事業費補助金」の2本立てでしたが、国の制度再編にあわせて統合されました。機器単体の導入だけでなく、複数機器を組み合わせるパッケージ型導入や、導入とセットで行う業務改善支援まで対象に含む設計になっています。制度全体の詳しい解説は介護テクノロジー補助金の完全ガイドもあわせてご覧ください。

なお、国の令和8年度方針では、見守り機器・インカム・介護記録ソフトの導入を重点的に進めるため、一定の組み合わせで導入・活用する場合に公費補助率を最大5分の4に高める方向性が示されていると報じられています(要件を満たす場合3/4、その他1/2という基本構造)。国の事業内容や補助率の考え方は、厚生労働省の介護テクノロジー導入支援事業の事業資料(PDF)にも整理されています。この引き上げが福岡県の令和8年度事業にどう反映されるかは、県の公募要領公開後に確認が必要です。

「介護DX支援事業」という福岡県独自の名称と設計

同じ国の事業でも、都道府県ごとに名称や力点が違います。福岡県が「介護ロボット」ではなく「介護DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を掲げているのは、単に機器を1台入れることではなく、機器導入と業務プロセスの見直しをセットで進め、現場全体の生産性を上げることを制度の狙いに置いているためと読めます。実際、令和7年度の設計では「導入と一体的に行う業務改善支援」が別枠(45万円/事業所)で用意され、パッケージ型導入の上限が1,000万円と大きく取られていました。この設計思想を踏まえると、単品の機器を1つだけ申請するより、見守りセンサー+インカム+介護記録ソフトのように「業務がどう変わるか」を語れる組み合わせのほうが、審査で取組の妥当性を説明しやすい傾向があります。参考として、東京都・大阪府・愛知県など他の都府県でも国の同じ事業を運用していますが、名称・上限・重点分野はそれぞれ異なります(東京都の介護補助金大阪府の介護補助金愛知県の介護補助金)。他県に事業所を持つ法人は、県ごとに公募時期がずれる点にも注意が必要です。

政令市(福岡市・北九州市)の扱い

福岡県には福岡市・北九州市という2つの政令指定都市がありますが、この補助金は都道府県が実施主体のため、令和7年度の福岡県の案内では対象を「福岡県内に所在する介護保険法上の介護サービスを実施する事業所」としており、福岡市・北九州市内の事業所を除外する記載は確認できませんでした。つまり両市内の事業所も、原則として県の補助金に申請する形と考えられます。ただし年度によって取り扱いが変わる可能性はゼロではないため、政令市内の事業所は公募開始時に対象要件の記載を必ず確認してください。福岡市・北九州市が独自に実施する別枠の補助事業もあります(後述)。

対象機器・対象事業所

この節では「何を買えば対象になるのか」を具体的に確認します。対象機器は国が定める9つの重点分野に沿っており、機器の選定にはTAIS(福祉用具情報システム)の掲載が一つの目安になります。対象事業所は施設系・在宅系を問わず幅広く設計されています。

対象機器 — 9つの重点分野

補助対象は、厚生労働省・経済産業省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に該当する機器等です。令和7年度の福岡県の案内では、次の9分野が対象とされていました。

  • 移乗支援(装着型・非装着型のパワーアシスト機器など)
  • 移動支援(歩行支援・屋内外移動のサポート機器)
  • 排泄支援(排泄予測デバイス、自動排泄処理装置など)
  • 見守り・コミュニケーション(見守りセンサー、インカム、コミュニケーションロボットなど)
  • 入浴支援(入浴介助の負担を軽減する機器)
  • 介護業務支援(介護記録ソフト、タブレット端末、勤怠・シフト管理などのバックオフィスソフト)
  • 機能訓練支援
  • 食事・栄養管理支援
  • 認知症生活支援

機器の選定にあたっては、公益財団法人テクノエイド協会の「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定・掲載されている機器であることが条件の一つとされています。TAIS掲載機器はテクノエイド協会の公式サイトで型番から検索できます。ただし令和7年度の福岡県の案内では、TAISに掲載されていない機器でも重点分野に該当すれば補助対象となる可能性がある旨が示されていました。導入したい機器がTAIS掲載機器かどうかは、申請前にメーカーまたは事務局に確認しておくとスムーズです。また、機器の導入に付帯して必要となる経費(設置工事費など)は、主となる機器とあわせて導入する場合に限り対象となります。国の制度枠組みでは、見守り機器の導入に伴うWi-Fi等の通信環境整備も支援メニューに含まれているため(国資料では1事業所あたり上限750万円の例示)、福岡県での取り扱いは公募要領でご確認ください。見守りセンサーの機種選定や通信環境整備の考え方は見守りセンサーの比較・選び方、介護記録ソフトの選定やLIFE連携は介護記録ソフトの比較で詳しく解説しています。

移乗支援リフトと介護記録用タブレットを使う福岡県内の介護事業所スタッフのイメージ
移乗支援リフトと介護記録用タブレットを使う福岡県内の介護事業所スタッフのイメージ

対象事業所

令和7年度の対象は、次のとおりでした。

  • 福岡県内に所在する介護保険法上の介護サービスを実施する事業所(特養・老健・グループホーム・デイサービス・訪問介護など)
  • 福岡県内に所在する老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム

施設系・在宅系を問わず幅広い事業所が対象になり得る設計です。ご自身の事業所類型が対象かどうか迷う場合は、公募要領の対象一覧を確認するか、事務局に問い合わせるのが確実です。

リース・レンタルでの導入は対象になるか

「機器を買い取りではなくリースで入れたい」という相談は多く寄せられます。国の介護テクノロジー導入支援事業では、補助対象経費は原則として購入(取得)費用を前提としており、リース・レンタル料が対象になるかは都道府県・年度の運用によって扱いが分かれます。一般に、所有権が事業者に移らない純粋なリース料は対象外とされるケースが多く、対象となる場合でも「事業期間内に支払う分のみ」など条件が付くことがあります。福岡県の令和7年度案内では取得を前提とした基準額(○万円/台)で整理されていたため、リース導入を検討している場合は、申請前に必ず事務局へ対象可否と算定方法を確認してください。リース会社によっては補助金申請に対応した契約スキームを用意していることもあります。

補助率・上限額(令和7年度実績)

補助額は「補助対象経費の実支出額×3/4」と「基準額」を比較して少ない方の額となります。区分ごとに基準額が決まっているため、見積を取ったら区分に当てはめて概算しておくと計画が立てやすくなります。令和8年度の条件は変更される可能性があるため、あくまで直近実績としてご覧ください。

区分 基準額(上限) 補助率
移乗支援・入浴支援の機器 100万円/台 補助対象経費の3/4以内
(実支出額×3/4と基準額の低い方)
上記以外の機器(移動支援・排泄支援・見守り・コミュニケーション等) 30万円/台
介護ソフト等(介護業務支援・ICT) 職員数に応じ100万〜250万円(区分の詳細は公募要領で確認)
パッケージ型導入(複数機器の一体導入) 最大1,000万円
導入と一体的に行う業務改善支援 45万円/事業所

出典:福岡県「令和7年度福岡県介護DX支援事業費補助金に係るご案内」(2026年7月7日確認)。金額・区分は令和7年度のものです。

補助額の計算例(令和7年度実績で試算)

たとえば見守りセンサー(1台20万円)を10台導入する場合、対象経費は200万円。補助率3/4で計算すると150万円ですが、見守り機器の基準額は「30万円/台」なので上限は30万円×10台=300万円。実支出額×3/4(150万円)と基準額(300万円)を比べて低い方=150万円が補助額となり、自己負担は50万円です。移乗リフト(1台80万円)1台なら、対象経費80万円×3/4=60万円が補助額(基準額100万円以内)。あくまで概算であり、実際の額は公募要領・審査結果によります。

令和8年度の注目ポイント:国は令和8年度、見守り機器・インカム・介護記録ソフトの「3点セット」導入など一定の要件を満たす場合に補助率を最大4/5へ引き上げる方針と報じられています。福岡県がこれをどの形で採用するかは未確定のため、公募要領の公開を待って確認してください。

申請の流れ・締切

この節では、公募時期の見通しと申請の6ステップ、そして「いつ何を準備すればよいか」を締切から逆算して整理します。福岡県の受付期間は約1か月半と短めのため、公募前の準備が採否を分けると言っても過言ではありません。

令和8年度の公募時期の見通し

2026年7月7日時点で、福岡県の令和8年度分の公募はまだ発表されていません(複数の業界情報サイトでも「実施日未定」「準備中」と整理されています)。参考として、令和7年度は2025年7月11日〜8月29日という約1か月半の受付期間でした。同様のスケジュール感であれば令和8年度も夏〜秋頃の公募が想定されますが、これはあくまで過去実績からの推測です。受付期間が短い傾向にあるため、公募開始前から見積書や導入計画の準備を進めておくことを強くおすすめします。

申請ステップ(令和7年度実績ベース)

  1. 公募要領の確認:福岡県公式サイトで対象機器・要件・様式を確認
  2. 導入計画の作成:現場の課題を抽出し、生産性向上(業務負担軽減・記録業務の効率化など)に資する取組計画を作成。導入機器の見積書を取得
  3. 交付申請:令和7年度は県から委託を受けた麻生教育サービス株式会社が事務局となり、WEB申請フォーム(kintone)または郵送で受付
  4. 審査・交付決定:予算の範囲内で審査のうえ交付決定
  5. 機器の導入・支払い・実績報告:事業期間内に導入を完了し、実績報告書を提出
  6. 補助金の受領・効果報告:導入後、一定期間の効果報告(業務改善の効果検証)が求められます

必要書類や各ステップの具体的な進め方は、全国共通の観点で補助金申請の流れ・必要書類にまとめています。はじめて申請する方は先に目を通しておくと、福岡県の公募要領がスムーズに読めます。

締切から逆算した準備スケジュール

受付期間が約1か月半と短いため、「公募が出てから動く」と間に合わないことがあります。令和7年度の日程(7/11公募〜8/29締切)を目安に、締切から逆算した準備を組んでおきましょう。

時期の目安 やっておくこと
公募の2〜3か月前(春頃) 現場の課題整理(夜間見守り・記録業務など)、導入したい機器の候補選定、前年度の公募要領を読んで要件を把握
公募の1か月前 メーカー・販売店から見積書を取得、TAIS掲載の確認、導入計画(取組内容・期待効果)の下書き
公募開始〜締切 公募要領で最新要件を確認し様式に記入、WEBフォーム/郵送で申請。締切直前は事務局が混み合うため早め提出が安全
交付決定後〜年度末 機器の発注・導入・支払い、実績報告書の提出、効果報告の準備

交付決定前の契約・購入の扱い

補助金は原則「交付決定後の発注・契約」が基本ですが、福岡県の令和7年度の案内では、令和7年4月1日〜令和8年1月31日までに実施された事業であれば、交付決定前であっても遡って補助対象となり得るという柔軟な取り扱いが明記されていました。ただし「申請の時点で補助が確約されるものではない」ともされており、交付決定前の購入は不採択リスクを自己負担で負うことになります。令和8年度に同じ遡及ルールが適用されるかは未確定のため、先行して購入を検討している場合は必ず公募要領(または事務局への問い合わせ)で確認してください。

よくある不採択理由・つまずきポイント

補助金は要件を満たしていても、書類の不備や計画の説明不足で不採択・差し戻しになることがあります。ここでは、介護テクノロジー導入補助で一般的に指摘されやすいつまずきポイントを整理します。いずれも事前準備で防げるものばかりです。

  • 対象外の機器を申請していた:9つの重点分野に該当しない機器や、TAIS要件を満たさない機器を申請してしまうケース。見積前にメーカー・事務局へ対象可否を確認しておく。
  • 導入効果の説明が薄い:「便利だから」ではなく、どの業務がどれだけ軽減されるか(夜間巡回の削減、記録時間の短縮など)を具体的に書けていないと、生産性向上の取組として評価されにくい。
  • 見積書・様式の不備:見積の宛名・日付・内訳が要件と合わない、必要書類の添付漏れ、様式の記入欄の空欄など。提出前のダブルチェックが有効。
  • 予算上限に達して締切前に受付終了:予算の範囲内で交付されるため、申請が集中すると早期に受付を終える場合がある。公募開始後は早めに申請する。
  • 交付決定前に発注してしまう:遡及ルールが適用されない年度・経費では、交付決定前の契約が対象外になる。原則は交付決定後の発注。
  • 効果報告を怠る:導入後の効果報告が要件に含まれる場合、報告を怠ると次年度以降の申請や補助金返還に影響することがある。

これらは福岡県固有というより、介護テクノロジー導入補助全般で共通するポイントです。申請書の書き方や必要書類の詳細は補助金申請の流れ・必要書類を参考にしてください。

他の補助金・支援制度との併用と、複数事業所の申請

「介護DX支援事業と、他の補助金を同時に使えるのか」「複数の事業所を運営しているが、まとめて申請できるのか」——規模の大きい法人ほど気になる点を整理します。いずれも最終判断は公募要領・事務局の確認が必要ですが、考え方の基本を押さえておきましょう。

同一経費への「二重補助」は不可が原則

補助金制度では、同一の経費に対して国・自治体の複数の補助金を重ねて受け取ること(二重補助)は原則できません。たとえば、福岡市の「大規模修繕にあわせたロボット・ICT導入補助」で補助を受けた機器の費用を、同時に県の介護DX支援事業でも申請する、といった使い方は認められないのが通常です。一方で、対象経費が別であれば(例:Aの機器は県補助、Bの機器は別制度)併用の余地があります。福岡市の独自補助と県補助のどちらを使うべきかは、対象施設類型・基準額・スケジュールを比較して選ぶことになります。

複数事業所を運営する法人の申請

複数の介護事業所を運営する法人の場合、基準額の多くが「1台あたり」「1事業所あたり」で設定されているため、事業所単位で対象経費・上限が積み上がる設計です。ただし、1回の公募で1法人あたりの申請上限や、同一機器の台数上限が設けられることもあります。複数拠点で一斉に導入したい場合は、事業所ごとに申請が必要か・法人でまとめるか、1法人あたりの上限があるかを公募要領で必ず確認してください。拠点数が多い法人は、優先度の高い事業所から段階的に申請する戦略も有効です。他県にも拠点がある法人は、東京都の介護補助金大阪府の介護補助金など、それぞれの県の公募時期・要件も並行して確認しておくと取りこぼしがありません。

福岡県特有の注意点 — 政令市(福岡市・北九州市)の事業所はここをチェック

福岡県は福岡市・北九州市という2つの政令指定都市を抱えており、「県と市のどちらに申請するのか」が分かりにくいのが実情です。この節では、政令市の事業所が迷いやすい4点を、県・市の役割分担とあわせて整理します。

1. 福岡市・北九州市の事業所も、介護テクノロジー導入補助は「県」に申請

介護施設の整備補助などは政令市が独自窓口を持つことが多い一方、介護テクノロジー導入支援(介護DX支援事業費補助金)は都道府県事業のため、令和7年度の要件上は福岡市・北九州市内の事業所も福岡県(委託事務局)に申請する枠組みでした。「市の補助金だと思って市役所に問い合わせたが見つからない」というケースがあり得るのでご注意ください。

2. 福岡市には「大規模修繕とあわせた介護ロボット・ICT導入」の独自補助がある

福岡市は令和8年度事業として、介護施設等の大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICT導入支援事業(国の地域介護・福祉空間整備等の枠組み)を実施しています。対象は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウスなどの施設系で、基準額は一般施設で1床あたり39万6千円(都市型軽費老人ホーム等は1床あたり19万8千円、定期巡回は1施設660万円)とされています。大規模修繕工事費そのものは対象外で、修繕と直接関連するロボット・ICT導入費のみが対象です。詳細は福岡市の介護サービス事業所に関する補助金・支援金ページで確認できます。令和8年度分の希望調査は令和7年5月28日締切で既に終了しているため、次年度分を狙う場合は福岡市介護保険課(TEL:092-733-5452)からの調査案内を毎年春にチェックしてください。

3. 北九州市は独自の介護テクノロジー導入補助が確認できず(2026年7月時点)

北九州市の介護サービス事業者向け補助金ページ(2026年7月7日確認)には、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金や物価高騰対策支援金などの掲載はあるものの、介護ロボット・ICT導入に特化した市独自補助の掲載は確認できませんでした。北九州市内の事業所は、基本的に県の介護DX支援事業費補助金の公募を待つ形になると考えられます(最新状況は市・県の両方でご確認ください)。

4. 事務局委託方式のため「問い合わせ先」が2つある

福岡県は申請受付・審査事務を外部事務局(令和7年度は麻生教育サービス株式会社)に委託しています。制度自体の所管は福岡県 高齢者地域包括ケア推進課 介護人材確保対策室(TEL:092-643-3327)、申請書類や手続きの実務は委託事務局、という役割分担です。制度の一次情報は福岡県の介護DX支援事業費補助金の公式ページで確認できます。令和8年度も同様の体制になるかは公募発表時に確認してください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 福岡県の令和8年度の公募はいつ始まりますか?

A. 2026年7月7日時点で未発表です。令和7年度は7月11日〜8月29日の受付だったため、同時期の公募が想定されますが確定ではありません。福岡県公式サイトの「介護DX支援事業費補助金」ページを定期的に確認するか、所管課(高齢者地域包括ケア推進課 介護人材確保対策室)にお問い合わせください。

Q2. 福岡市・北九州市の事業所は、県と市のどちらに申請すればよいですか?

A. 介護テクノロジー(ロボット・ICT)導入補助は県事業のため、令和7年度実績では政令市内の事業所も福岡県(委託事務局)への申請でした。一方、福岡市の施設系事業所は、大規模修繕にあわせたロボット・ICT導入の市独自補助(希望調査方式)を利用できる場合があります。両制度は目的・要件が異なるため、併用可否も含めて各窓口にご確認ください。

Q3. 交付決定前に機器を購入してしまいました。補助対象になりますか?

A. 令和7年度の福岡県の案内では、令和7年4月1日〜令和8年1月31日に実施された事業は交付決定前でも遡って対象となり得るとされていました。ただし採択が確約されるわけではなく、不採択の場合は全額自己負担になります。令和8年度に同じ取り扱いが継続するかは公募要領で必ず確認してください。

Q4. TAIS(福祉用具情報システム)に掲載されていない機器は対象外ですか?

A. 令和7年度の福岡県の案内では、TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器であることが条件の一つとされる一方、未掲載の機器でも重点分野に該当すれば対象となる可能性がある旨が示されていました。個別の機器の可否は、見積取得の段階で事務局に確認するのが確実です。

Q5. 補助率が4分の3より高くなるケースはありますか?

A. 国の令和8年度方針では、入所・泊まり・居住系サービスで見守り機器・インカム等のICT機器・介護記録ソフトを組み合わせて導入・活用する場合などに、補助率を最大4/5とする方向性が示されていると報じられています。福岡県の令和8年度事業に採用されるか、またその要件の詳細は、県の公募要領公開後に確認してください。

Q6. リースで導入した機器も補助対象になりますか?

A. 国の事業は原則として購入(取得)費用を対象としており、リース・レンタル料が対象になるかは都道府県・年度の運用によって異なります。福岡県の令和7年度案内は取得を前提とした基準額で整理されていたため、リース導入を検討している場合は、申請前に必ず事務局へ対象可否と算定方法を確認してください。

Q7. 複数の事業所を運営していますが、まとめて申請できますか?

A. 基準額の多くが「1台あたり」「1事業所あたり」で設定されているため、事業所単位で対象経費が積み上がる設計です。ただし1公募あたり1法人の申請上限や台数上限が設けられる場合があるため、事業所ごとに申請が必要か・法人でまとめるか、上限の有無を公募要領で確認してください。

最終確認日・出典・免責事項

最終確認日:2026年7月7日

主な出典(いずれも2026年7月7日閲覧):

【免責事項】本記事は公開情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、補助金の交付を保証するものではありません。記載の補助率・上限額・締切等は主に令和7年度実績であり、令和8年度の公募内容は変更される可能性があります。申請にあたっては、必ず福岡県・各市の公式サイトおよび最新の公募要領で内容をご確認のうえ、所管窓口にお問い合わせください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

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