【結論】愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金(令和8年度)はこうなった
- 令和8年度(2026年度)の愛知県の交付申請は、2026年8月31日(月)で受付終了(申請は補助金申請システム「Jグランツ」のみ)。2026年10月22日時点で、県公式ページに追加募集の案内はありません。
- 補助率は4/5、1事業所あたりの上限は1,000万円(パッケージ型も1,000万円。介護ソフトの定着促進費用を合わせる場合は1,015万円)。令和7年度のパッケージ型500万円から倍増しました。
- 機器ごとの基準額(=補助上限)は、移乗支援・入浴支援・インカムが1台100万円、介護ソフトが職員数に応じ100万〜250万円、見守り機器などその他の重点分野機器は1台30万円です(国実施要綱 表2・表3)。
- 令和7年度にあった見守り機器「従来型20台・2ユニット定員まで」の台数上限は撤廃。令和8年度の限度台数は、施設の見守り機器は「定員数」、インカム・PC・タブレットは「職員数」までです(県交付要綱 別表)。
- 事前協議は廃止され、交付申請から受付。交付決定前に購入・契約したものは対象外。1法人あたり2事業所まで申請可。機器の契約・納品・支払いと実績報告は2027年1月31日まで。
「愛知県で介護ロボットや見守りセンサーを入れたいが、補助金はいつ・いくら出るのか」——夜勤の負担軽減や記録業務の効率化を検討し始めた施設の担当者ほど、この一点で手が止まりがちです。愛知県の補助率は令和8年度も4/5(自己負担1/5)で、100万円の機器なら実質20万円で導入できる計算です。令和8年度は申請方法がJグランツに一本化され、事前協議の廃止・見守り機器の台数上限撤廃・パッケージ型上限の1,000万円への増額と、令和7年度から制度が大きく変わりました。この記事では、愛知県内の介護事業所・施設の方に向けて、令和8年度(2026年度)の確定情報を一次資料(県公式ページ・県交付要綱と別表・国実施要綱)から整理し、対象・補助率・上限・台数・締切・不採択の落とし穴まで一気通貫でまとめました。令和7年度との違いも併記しています。国制度そのものの仕組みを先に押さえたい方は介護テクノロジー導入支援事業の全体像を、申請書類の全体像を知りたい方は補助金申請の流れ・必要書類を先にご覧ください。

愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金(令和8年度)はいつまで?現在の受付状況
要点:令和8年度分は2026年8月31日で交付申請の受付が終了しています。追加募集の有無は県公式ページでの発表待ちで、次回に備えるならGビズIDとTAIS確認を今のうちに済ませておくのが近道です。
愛知県の令和8年度交付要綱は2026年7月23日に施行され、県公式ページ「令和8年度愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金について」は2026年8月7日に更新、交付申請の締切は2026年8月31日(月)厳守とされました。申請は「補助金申請システム(Jグランツ)」のみで、持参・郵送・メールでの提出はできません。要綱の施行から締切まで約1か月強と、令和7年度(当初公募が約1か月)と同様に短い公募期間でした。
2026年10月22日時点で、県公式ページに追加募集・二次募集の記載はありません。令和7年度は当初公募のあと、9月30日〜10月20日に追加募集が行われた実績があるため、予算の執行状況によっては令和8年度も追加募集が出る可能性はゼロではありません。導入を検討中の事業所は、愛知県高齢福祉課の公式ページを定期的に確認し、問い合わせは愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金事務局(電話 050-1753-4234)へ行ってください。
令和7年度→令和8年度の主な変更点(県公式ページ・交付要綱より)
| 項目 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 申請方法 | 事前協議書類を郵送(メール不可) | Jグランツのみ(GビズIDプライムが必須。初回取得は2週間程度かかる場合あり) |
| 手続きの順番 | 事前協議 → 内示 → 契約 → 交付申請 | 事前協議を廃止し、交付申請から受付 → 交付決定 → 契約 |
| 見守り機器の台数上限 | 従来型20台/ユニット型2ユニット定員まで | 上限を撤廃。施設の見守り機器は定員数まで |
| パッケージ型の上限 | 1事業所あたり500万円 | 1事業所あたり1,000万円(介護ソフトの定着促進費用を合わせる場合1,015万円) |
| 申請できる事業所数 | 公募要領による | 1法人あたり2事業所まで(優先順位を付けて申請) |
| 補助率 | 4/5 | 4/5(据え置き) |
| 締切 | 当初 2025年7月22日/追加 2025年10月20日 | 2026年8月31日(月)厳守 |
制度の概要 — 国の基金事業を愛知県が実施する仕組み
要点:この補助金は国の基金が原資で、補助率・上限・台数・時期は都道府県が決める「地域裁量型」。だから愛知県版のルールを個別に読む必要があります。
この補助金は、国の地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)を財源とする「介護テクノロジー定着支援事業(旧・介護ロボット導入支援事業/ICT導入支援事業)」を、愛知県が実施主体となって運用するものです。令和8年度の愛知県交付要綱は、厚生労働省老健局長通知(令和8年4月7日付け老発0407第3号)に基づく「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」を国の根拠としています。国が枠組みを定め、都道府県が上限・台数・時期の詳細設計を行うため、補助率・上限額・台数上限・公募時期は都道府県ごとに異なります。制度の枠組みや全国の傾向は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進(厚生労働省)のページで公開されています。
令和8年度の国実施要綱(愛知県掲載版)では、補助率は4/5、基準額は移乗支援・入浴支援・インカムで1機器あたり100万円、それ以外の重点分野機器は30万円、介護ソフトは職員数に応じて100万〜250万円、パッケージ型導入は400万〜1,000万円の範囲内で都道府県が上限を設定する枠組みが示されています。また国実施要綱は、見守り機器・介護記録ソフト・インカムを「業務時間削減効果が確認されている」機器として優先的に補助する方針を都道府県に求めています。
愛知県はこの枠組みの中で、令和8年度のパッケージ型上限を国の範囲の最大値である1,000万円に設定しました。同じ国制度でも運用は県ごとに差があり、たとえば東京都の介護補助金や大阪府の介護補助金とは補助率・上限・スケジュールが異なります。複数県に事業所を持つ法人は、県ごとに要領を読み分けてください。なお、令和8年度の国実施要綱では、介護テクノロジーを導入する場合に「コンサルティング会社等による業務改善支援」または「介護生産性向上総合相談センター等による研修受講(生産性向上ビギナーセミナー・デジタル中核人材養成研修など)」のいずれかを受けることが要件とされています。
対象機器・対象事業所・TAIS要件(令和8年度)
要点:対象は「国の重点分野+愛知県が独自に足した拡大枠」。ただし機器はTAIS「介護テクノロジー」掲載品が基本——ここが最初の関門です。
対象事業所
令和8年度の対象(県交付要綱 別表)は、愛知県内で介護保険法に基づく事業所・施設を運営する法人、および県内で老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームを運営する法人です。国実施要綱では訪問介護事業所や居宅介護支援事業所を含む「介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所」が対象とされ、名古屋市など政令市・中核市の所在でも県内であれば対象です。県公式ページでは交付申請時点で介護事業の指定を受けていることが必須要件とされています。区分により補助要件(委員会設置やケアプランデータ連携システムの利用等)が異なるため、自事業所の該当区分を要綱で確認する必要があります。
対象機器 — 国の重点分野+愛知県独自の拡大枠
対象となるのは、国実施要綱の「介護テクノロジー利用の重点分野」(移乗支援・移動支援・排泄支援・見守り・コミュニケーション・入浴支援・介護業務支援など)に該当する機器・ソフトです。加えて愛知県では、県交付要綱 別表(令和8年度)で、(1)床走行式リフト、(2)一括で調理支援を行う機器、(3)加熱・冷蔵機能等を備えた配膳車・配膳ロボット、(4)スライディングボード、(5)インカム、(6)バックオフィスソフト(電子サインシステム・給与・勤怠管理)、(7)バイタル測定が可能なウェアラブル端末、(8)とろみサーバー(令和8年度に追加)——が独自に対象経費として明記されています。見守り機器そのものの選び方・比較は見守りセンサーの比較・選び方、介護記録ソフトは介護記録ソフトの比較で製品ごとの違いを確認できます。
最重要:TAIS「介護テクノロジー」掲載要件
県公式ページ(令和8年度)では、(公財)テクノエイド協会「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定された機器のみが対象と明記され、「TAISで選定される機器の判断方法」の資料も掲載されています。国実施要綱には「申請ができていない等の理由でTAISに掲載されていない機器で、同水準と実施主体(県)が判断した機器」を対象にできる規定もありますが、県の判断に委ねられる部分です。導入したい製品が決まったら、申請前に必ずテクノエイド協会(TAIS)の公式サイトで掲載の有無をメーカーに確認してください。
補助率・上限額・台数上限の一覧表(令和8年度)
要点:補助額は「実支出額×4/5」と「基準額」の低い方(1,000円未満切り捨て)。区分ごとに基準額と台数の枠が決まっているので、稟議前にこの表で概算を出しておくと計画が立てやすくなります。
愛知県の補助額は、県交付要綱第3により「対象経費の支出額に4/5を乗じた額」と「基準額」を比較して少ない方の額です(1,000円未満切り捨て)。令和8年度の基準額は国実施要綱の表2・表3がそのまま適用され、1事業所あたりの合計上限は1,000万円です。以下はその整理です。
| 区分 | 基準額(令和8年度・補助上限) | 令和7年度との違い |
|---|---|---|
| 移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援機器、インカム、県判断機器のうちバックオフィスソフト以外(床走行式リフト・調理支援機器・配膳車/配膳ロボット・スライディングボード・ウェアラブル端末・とろみサーバー) | 1台あたり100万円 | 補助上限は同水準(令和7年度は基準額125万円×4/5) |
| 介護ソフト・バックオフィスソフト(職員数連動契約の場合) | 1〜10名:100万円/11〜20名:150万円/21〜30名:200万円/31名以上:250万円。介護ソフトとPC・タブレット・Wi-Fi等の定着促進費用を合わせる場合は各+15万円(115万〜265万円)。職員数連動でない契約は一律250万円(定着促進費用込み265万円)。居宅系で令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上と連携する場合は+5万円 | 補助上限は同水準(令和7年度は基準額125万〜312.5万円×4/5) |
| 上記以外の重点分野機器(見守り機器・排泄支援・移動支援など) | 1台あたり30万円 | 補助上限は同水準(令和7年度は基準額37.5万円×4/5) |
| 付帯経費:介護ソフト以外の機器に伴うPC・タブレット・Wi-Fi環境整備 | 主となる機器と合算して「1台あたりの基準額×導入台数」の枠内(通信費は対象外) | 考え方は同じ |
| 導入支援と一体的に行う業務改善支援(コンサルティング等) | 48万円 | 国実施要綱 表2による |
| パッケージ型導入支援(介護業務支援機器+見守り・コミュニケーション機器、介護業務支援の複数機器、介護ソフト+インカムのいずれかの組合せ) | 1事業所あたり1,000万円(介護ソフトの定着促進費用を合わせる場合1,015万円) | 500万円から倍増 |
台数上限(令和8年度・県交付要綱 別表より)
| 機器の分類 | 1回あたりの限度台数 |
|---|---|
| 見守り・コミュニケーション(施設)、移乗支援(非装着)・移動支援・排泄支援・入浴支援・コミュニケーション・機能訓練支援・食事栄養管理支援・認知症ケア支援・床走行式リフト・スライディングボード・ウェアラブル端末 | 定員数まで(令和7年度の「従来型20台/2ユニット定員まで」は撤廃) |
| 移乗支援(装着)・インカム・PC・タブレット | 職員数まで(常勤換算。訪問職員・管理者等は実人数でも可) |
| 見守り(在宅)・介護業務支援・調理支援機器・配膳車/配膳ロボット・とろみサーバー | 合理的に必要と認められる台数 |
具体例で見る概算:定員50名の従来型特養で見守りセンサーを20台(1台20万円)導入する場合、対象経費400万円に対し基準額は「30万円×20台=600万円」なので、実費400万円×4/5=約320万円が補助、自己負担は約80万円という計算になります。令和8年度は台数上限が定員数までに広がったため、同じ単価なら50台(1,000万円)を一度に申請しても基準額1,500万円の枠内に収まり、1事業所の上限1,000万円の範囲で補助800万円が目安です(いずれも要綱の数値に基づく目安。実際はJグランツ上の様式と最新の要綱で再計算してください)。パッケージ型(介護ソフト+見守り等)なら1事業所1,000万円まで一体で補助を受けられます。

申請の流れ・締切・申請先(令和8年度)
要点:令和8年度は「Jグランツで交付申請 → 交付決定 → 契約」の順。交付決定前に発注すると対象外になるため、GビズID取得と締切から逆算した段取りが採否を分けます。
令和8年度の愛知県のスケジュールは、県公式ページによると交付申請の締切が2026年8月31日(月)厳守、申請はJグランツのみでした。令和7年度までの「事前協議」は廃止され、交付申請からの受付に変わっています。流れは概ね次のとおりです。書類の一般的な組み立て方は補助金申請の流れ・必要書類もあわせてご覧ください。
- GビズIDプライムの取得(Jグランツの利用に必須。初めて取得する法人は2週間程度かかる場合あり)
- Jグランツで交付申請(1法人あたり2事業所まで・優先順位を付す。持参・郵送・メールは不可)
- 県による審査・交付決定(応募多数の場合は優先採択基準あり。後述)
- 機器の契約・購入(県公式ページに「交付決定を受けた日以降から購入・契約をしていただいて構いません」と明記。交付決定前の購入・契約は県交付要綱第2で対象外)
- 導入・納品・支払い完了(契約・納品・支払いの3つを2027年1月31日までに完了)
- 実績報告(締切は2027年1月31日)→ 額の確定・補助金の支払い(原則、事業完了後の精算払い)
締切から逆算した準備スケジュール(令和8年度の日程を例に)
要綱の施行(7月23日)から締切(8月31日)まで約1か月強と短いのが愛知県の特徴です。締切日から逆算すると、着手すべきタイミングは次のように整理できます。
| 締切からの逆算 | やること |
|---|---|
| 締切2か月前(公表前) | GビズIDプライムの取得申請・導入機器の候補選定・TAIS掲載確認・メーカーへ見積依頼 |
| 締切1か月前(=公募開始頃) | 業務改善計画の骨子作成・SECURITY ACTION宣言の確認・生産性向上研修の受講・県公式ページで要綱と様式を確認 |
| 締切2週間前 | Jグランツ上で申請内容の入力・添付書類の作成・法人内の稟議 |
| 締切数日前 | Jグランツで申請を送信(締切日当日はアクセス集中に注意) |
所管は愛知県福祉局高齢福祉課(〒460-8501 名古屋市中区三の丸三丁目1番2号)で、令和8年度の問い合わせ窓口は愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金事務局(電話 050-1753-4234、メール aichi-kaigo-technology@his-world.com)です。提出方法・様式は年度ごとに変わるため、公募開始後に最新の交付要綱・様式を確認してください。
次回の公募(追加募集・令和9年度)に備えて今できる準備
- GビズIDプライムを法人名義で取得しておく(Jグランツ申請の前提。取得に2週間程度)
- 導入したい機器のTAIS掲載状況・見積書をメーカー/販売店に依頼しておく
- 業務改善計画(課題の抽出・導入後3年間の目標)の骨子を作っておく
- SECURITY ACTION(★一つ星/★★二つ星)を宣言し、施設系サービスは委員会を設置しておく
- 在宅系はケアプランデータ連携システムの利用開始を検討する(令和8年度は対象サービスで年度内の利用開始が要件)
- あいち介護生産性向上総合相談センターの伴走支援・研修を受けておく(応募多数時の優先採択基準の一つ)
- 県公式ページをブックマークし、更新を定期チェックする
よくある不採択・対象外の理由と対策
要点:愛知県の補助金は「予算枠内なら要件を満たせば通る」タイプですが、要件のうっかり漏れで対象外になる例が目立ちます。令和8年度は応募多数時の優先採択基準も要綱に明記されました。
- TAIS未掲載機器を選んでしまう:性能が良くてもTAIS「介護テクノロジー」に載っていなければ原則対象外。まずテクノエイド協会(TAIS)で掲載を確認する。
- 交付決定前に発注・契約してしまう:県交付要綱第2で「交付決定前に購入または契約したものは補助の対象外」と明記。契約書・注文書の日付が交付決定日以降であることが必須。
- GビズIDが間に合わない:Jグランツ申請にはGビズIDプライムが必要で、初回取得に2週間程度かかる場合がある。公募を待たずに取得しておく。
- 1法人3事業所以上を申請する:令和8年度は1法人あたり2事業所まで。優先順位を付けて申請する。
- 見積・仕様書の不備:対象経費に含められない付帯費用(通信費・保守費用の一部・消耗品等)が混在していると減額・差戻しの原因になる。
- SECURITY ACTIONや委員会設置・研修受講などの前提要件の未充足:令和8年度は情報セキュリティ対策の宣言、施設系サービスの委員会設置、生産性向上研修の受講が要件。要件表を1つずつチェックする。
- 他の補助金との重複:IT導入補助金など他の補助金で助成を受けている(受ける見込みの)経費は対象外。
令和8年度の県交付要綱第5では、応募多数の場合に(1)令和8年度に「あいち介護生産性向上総合相談センター」から伴走支援や試用貸出等の具体的な業務改善支援を受けている事業所、(2)令和7年度の「愛知県介護事業所人材育成認証評価事業」で認証を受けた事業所、(3)過去に介護ロボット・ICT・介護テクノロジーの各導入支援補助金の交付を受けていない事業所——に該当する事項が多い事業所から優先して採択し、残額が生じた場合は過去の交付額累計が少ない事業所から採択すると定めています。初めて申請する事業所ほど有利な設計です。要件の読み解きに不安がある場合は、国制度の全体像を介護テクノロジー補助金の完全ガイドで押さえたうえで、愛知県の交付要綱と突き合わせるのが確実です。
他制度との併用・リース/クラウド・複数事業所の扱い
要点:「同じ費用に二重で補助は受けられない」「リースは県要綱に規定あり」「複数事業所は事業所単位・1法人2事業所まで」——実務でつまずきやすい3点を整理します。
他の補助金・助成金との併用
介護テクノロジー導入支援事業と、国のIT導入補助金・ものづくり補助金、あるいは介護職員の処遇改善・生産性向上関連の加算などは、目的や対象が重なる場面があります。愛知県の交付要綱第2は「他の補助金等によって既に交付を受けているもの、又は今後交付を受ける見込みがあるもの」は補助の対象外と定めており、国実施要綱でもIT導入補助金等で助成されているものは対象外とされています。別の機器・別の費目であれば併用できる余地はありますが、判断は年度の要綱と各制度の要綱によります。複数制度の活用を考える場合は、対象経費が重複しないよう費目を切り分け、事前に事務局・各補助金事務局に確認してください。なお県公式ページでは、介護分野でも使える「中小企業省力化投資補助金」の案内も掲載されています。
リース・クラウド(SaaS)の扱い
介護テクノロジー導入支援事業は機器の「購入(買い取り)」を基本とする制度ですが、令和8年度の県交付要綱 別表では、介護ソフトと一体的に使用するPC・タブレット端末について「リース費用含む」と明記され、交付要綱第4ではリース等で導入した財産の契約解除に事前承認を求める規定もあります。月額サブスクリプション(クラウド/SaaS型の介護ソフト等)は、対象になる範囲が「補助対象期間内に発生する費用分」などに限定されることがあります。クラウド型ソフトを検討している場合は、初期導入費用・買い切りライセンス相当分が対象になるか、月額利用料がどこまで見られるかを、申請前に必ず要綱と事務局で確認してください。ソフトの契約形態ごとの違いは介護記録ソフトの比較も参考になります。
複数事業所・複数施設を運営する法人の申請
補助上限・台数上限の多くは「1事業所あたり」で設定されています。同一法人が複数の事業所を持つ場合、事業所ごとに要件を満たせばそれぞれで申請できますが、令和8年度は1法人あたり2事業所までと県交付要綱第5に明記され、提出時に優先順位を付す必要があります。3事業所以上での導入を計画している法人は、効果の大きい事業所から順に年度を分けて申請する計画が現実的です。
愛知県特有の注意点
要点:高い補助率とTAIS限定・Jグランツ一本化がセット。愛知県ならではのルールを一覧で押さえておきましょう。
- TAIS「介護テクノロジー」掲載機器が基本:県公式ページで掲載機器のみ対象と明記され、判断方法の資料も公開されています。候補機器の掲載有無の確認が申請準備の最初の一歩です。
- 見守り機器の台数上限は撤廃:令和7年度の「従来型20台/2ユニット定員まで」がなくなり、施設の見守り機器は定員数まで申請できます。全床一斉導入も1事業所1,000万円の枠内で検討可能です。
- 補助率4/5は全国でも高水準:令和7年度・令和8年度とも4/5で据え置きです。ただし令和9年度も同率とは限りません。
- 県独自の対象機器拡大:床走行式リフト・配膳ロボット・インカム・バックオフィスソフト・とろみサーバー等が対象経費に明記されている点は愛知県の特色です。
- 申請はJグランツのみ・GビズID必須:持参・郵送・メールは不可。GビズIDプライムの取得に時間がかかるため、公募前の取得が必要です。
- 交付決定前の契約はNG:令和8年度は交付決定日以降の契約・購入が認められ、交付決定前の購入・契約は要綱で対象外とされています。
- 1法人2事業所まで・優先採択基準あり:相談センターの伴走支援・人材育成認証・過去未交付が優先されます。
あわせて読みたい関連記事
- 介護テクノロジー導入支援事業の全体像|令和8年度制度のポイント
- 介護テクノロジー補助金の完全ガイド|国制度の仕組み・補助率・全国の傾向
- 補助金申請の流れ・必要書類|事前協議から実績報告まで
- 見守りセンサーの比較・選び方|TAIS掲載機器の確認方法つき
- 介護記録ソフト・介護請求ソフトの比較と補助金対象になる要件
- 東京都の介護補助金|補助率・上限・申請先
- 大阪府の介護補助金|補助率・上限・申請先
よくある質問(FAQ)
Q1. 愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金(令和8年度)は今から申請できますか?
令和8年度分の交付申請は2026年8月31日(月)で受付が終了しています(Jグランツのみ)。2026年10月22日時点で県公式ページに追加募集の案内はありません。令和7年度は9月30日〜10月20日に追加募集があったため、県公式ページの更新を確認し、不明点は事務局(050-1753-4234)へ問い合わせてください。
Q2. 愛知県の介護テクノロジー補助金の補助率と上限はいくらですか?
令和8年度は補助率4/5、1事業所あたりの上限は1,000万円です(パッケージ型も1,000万円、介護ソフトの定着促進費用を合わせる場合1,015万円)。機器別の基準額は、移乗支援・入浴支援・インカムが1台100万円、介護ソフトが職員数に応じ100万〜250万円、見守り機器などその他の重点分野機器が1台30万円です。
Q3. 補助率4/5は令和9年度も維持されますか?
未確定です。4/5は令和7年度・令和8年度の交付要綱に基づく値で、次年度は国の基金の配分や要件変更に伴い、補助率や要件が変わる可能性があります。次年度の交付要綱の公表を待って確認してください。
Q4. 見守り機器は何台まで申請できますか?
令和8年度は、令和7年度にあった「従来型施設20台・ユニット型2ユニット定員まで」の上限が撤廃され、施設の見守り機器は定員数までが限度台数です(県交付要綱 別表)。1事業所あたりの補助上限1,000万円の範囲内で申請できます。
Q5. TAISに掲載されていない機器は補助対象になりますか?
令和8年度の県公式ページでは、TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器のみが対象とされています。国実施要綱には、申請ができていない等の理由でTAIS未掲載でも同水準と県が判断した機器を対象にできる規定がありますが、県の判断によります。未掲載の機器を検討している場合は、メーカーに掲載予定を確認するか、事務局に取り扱いを相談してください。
Q6. 交付決定前に機器を発注してしまった場合はどうなりますか?
令和8年度の県交付要綱第2は「本補助金の交付決定前に購入または契約したものは補助の対象外とする」と定め、県公式ページでも「交付決定を受けた日以降から購入・契約をしていただいて構いません」とされています。発注のタイミングは必ず交付決定の通知を待ち、判断に迷う場合は事前に事務局へ確認してください。
Q7. リースやクラウド型(月額)の介護ソフトも対象になりますか?
本事業は機器の購入(買い取り)を基本とする制度ですが、令和8年度の県交付要綱 別表では介護ソフトと一体的に使うPC・タブレット端末について「リース費用含む」と明記されています。月額サブスクリプションは対象になる範囲が限定される場合があるため、クラウド型ソフトの初期導入費用や利用料がどこまで対象になるかは、契約前に事務局へ確認してください。
Q8. 複数の事業所をまとめて申請できますか?
補助上限・台数上限は「1事業所あたり」で設定され、事業所ごとに要件を満たせばそれぞれ申請できますが、令和8年度は1法人あたり2事業所までで、提出時に優先順位を付す必要があります(県交付要綱第5)。3事業所以上の導入計画は年度を分けて検討してください。
Q9. 他の補助金と併用できますか?
他の補助金等で既に交付を受けているもの、または今後交付を受ける見込みがあるものは対象外です(県交付要綱第2)。別の機器・別の費目であれば併用できる余地はありますが、対象経費が重複しないよう費目を切り分ける必要があります。判断は各制度の要綱によるため、事前に事務局・各補助金事務局に確認してください。
Q10. 名古屋市や豊田市など市内の介護事業所も愛知県の補助金の対象ですか?
令和8年度の県交付要綱 別表では「県内で介護保険法に基づく事業所・施設を運営する法人」が補助事業者とされており、名古屋市などの政令市・中核市に所在する事業所も愛知県内であれば対象です。交付申請時点で介護事業の指定を受けていることが必要です。
補助金を使った介護テクノロジー導入を検討中の方へ
機器選定からTAIS確認・申請書類の準備まで、導入step別のチェックリストを無料で配布しています。次回公募前の今こそ準備のチャンスです。
最終確認日・出典
最終確認日:2026年10月22日
- 愛知県「令和8年度愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金について」(2026年8月7日更新):https://www.pref.aichi.jp/soshiki/korei/kaigotech-kouhu.html
- 愛知県「令和8年度愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金交付要綱」(令和8年7月23日施行):https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/625017.pdf
- 愛知県 交付要綱 別表(令和8年度):https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/625018.pdf
- 厚生労働省「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」(愛知県掲載版):https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/626554.pdf
- 愛知県「『福祉用具情報システム(TAIS)』で選定される機器の判断方法」:https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/625447.pdf
- 愛知県 高齢福祉課(所属ページ):https://www.pref.aichi.jp/soshiki/korei/
- 厚生労働省「介護テクノロジーの利用促進」:https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-ict.html
- (公財)テクノエイド協会「福祉用具情報システム(TAIS)」:https://www.techno-aids.or.jp/
- ※令和7年度の数値(補助率4/5・パッケージ型500万円・見守り20台上限・当初公募2025年6月20日〜7月22日・追加募集2025年9月30日〜10月20日)は、本記事の前回確認日(2026年7月8日)時点の愛知県公式ページ・令和7年度交付要綱別表に基づく記載です。当該ページは2026年10月22日時点で閲覧できません。
免責事項
本記事は公開情報に基づく一般的な情報提供を目的としたもので、補助金の交付を保証するものではありません。追加募集や次年度の制度内容・金額・締切は変更される可能性があります。申請にあたっては、必ず愛知県が公表する最新の交付要綱・様式をご確認のうえ、愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金事務局(050-1753-4234)または愛知県福祉局高齢福祉課へお問い合わせください。