【結論】新潟県の介護テクノロジー補助金は「県事業」と「新潟市の独自事業」を分けて考えるのが最初の一歩です。
- 窓口は2つ: 新潟市内の事業所は新潟市介護テクノロジー導入補助金、それ以外の市町村は新潟県介護テクノロジー導入支援補助金が入口になります。
- 令和8年度の県事業は「準備中」: 本記事執筆時点(2026年7月9日)で県の令和8年度分は未公表です。以下は令和7年度の実績を参考値として年度を明記して整理しています。
- 新潟市は令和8年度の受付を開始済み: 申請受付は2026年5月20日開始・予算上限に達し次第終了の先着順です。
- 交付決定前の契約・購入は対象外: 県・市いずれも「申請 → 交付決定 → 契約・発注」の順番が絶対です。
「介護ロボットや見守りセンサーを入れたいが、新潟県の補助金は結局どこに、いつまでに、いくらもらえるのか分からない」——現場でよく聞く声です。実は同じ新潟県内でも、新潟市か、それ以外の市町村かで申請先も金額の考え方も変わります。ここを取り違えると、締切間際に「うちは県ではなく市の窓口でした」と気づき、間に合わないケースが起こります。
意外に見落とされがちなのが、この補助金は新潟県が独自に作った制度ではなく、国(厚生労働省)の「介護テクノロジー導入支援事業」という全国共通の枠組みを、都道府県・政令市が実施しているという点です。つまり基本ルール(交付決定前契約の禁止・TAIS選定機器・生産性向上の考え方)は全国で共通しており、新潟県版もその上に乗っています。本記事では、新潟県の一次情報(県・新潟市の公式ページと交付要綱)をもとに、対象機器・補助率・上限額・締切・不採択理由・併用可否・複数事業所の扱いまでを、施設の意思決定者がそのまま稟議に使えるレベルで整理します。数字はすべて年度を明記し、最新は必ず公募要領・窓口で確認する前提でお読みください。
新潟県の介護テクノロジー補助金の全体像:国の枠組みを県と新潟市が実施
新潟県の補助金は「国の介護テクノロジー導入支援事業を、県と新潟市がそれぞれ実施している」二層構造で理解するのが正解です。国の交付金を財源に、都道府県が地域の介護事業所へ配分する仕組みで、政令指定都市である新潟市は県とは別に自前の枠を持っています。したがって、同じ「見守りセンサー導入の補助金」でも、事業所の所在地によって申請先・様式・上限額が異なります。
制度そのものの全国的な位置づけや、旧「介護ロボット導入支援事業」「ICT導入支援事業」との関係は、介護テクノロジー導入支援事業の全体像で詳しく整理しています。また、対象・補助率・申請の考え方をまとめて把握したい場合は介護テクノロジー補助金の完全ガイドを先に読むと、新潟県版の理解が早くなります。国全体の考え方は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進(厚生労働省)のページでも公開されています。
新潟市(政令指定都市)の事業所はどこに申請する?
新潟市内の介護事業所は、県ではなく新潟市の「新潟市介護テクノロジー導入補助金」に申請します。新潟市は政令指定都市のため、国の交付金が県を経由せず市に直接配分され、市が独自に募集・審査・交付を行います。令和8年度は2026年5月20日から受付が始まっており、予算上限に達し次第、期日前でも受付終了となる先着順方式です。窓口は新潟市 福祉部 高齢者支援課(電話 025-226-1295)です。詳細は新潟市公式の新潟市介護テクノロジー導入補助金(新潟市)で確認してください。
一方、長岡市・上越市・三条市・新発田市など新潟市以外の市町村にある事業所は、県の窓口(福祉保健部 高齢福祉保健課 介護人材確保係、電話 025-280-5272)が入口になります。「新潟県内だから県に出す」と思い込まず、まず自施設の所在地を確認するのが安全です。
対象機器・対象事業所・TAIS要件を新潟県の一次情報で確認
対象になるのは「介護ロボット(移乗・入浴・移動・排泄・見守り・介護業務支援)」と「ICT(介護ソフト・タブレット・通信環境)」で、機器はTAIS(福祉用具情報システム)などで確認できる選定要件を満たす必要があります。国の重点分野に沿った機器であることが前提で、単なるパソコンや汎用タブレットだけの購入は対象外になりやすい点に注意します。

対象となる主な機器
- 介護ロボット: 移乗支援(装着型・非装着型)、入浴支援、移動支援、排泄支援、見守り・コミュニケーション、介護業務支援。見守りセンサーの比較・選び方で製品タイプ別の違いを確認できます。
- ICT・介護ソフト: 介護記録ソフト、タブレット端末、インカム、クラウド利用料など。製品選定は介護記録ソフトの比較が参考になります。
- 通信環境整備: 見守り機器を活かすためのWi-Fiやネットワーク工事など(県事業では基準額が別枠)。
TAIS要件と「介護テクノロジー」の定義
介護ロボットは、国が定める「介護テクノロジー(旧・介護ロボット)」の分野に該当し、公益財団法人テクノエイド協会が運営するTAIS(福祉用具情報システム)への登録製品であることが確認要件になるのが一般的です。製品がTAISコードを持つかはテクノエイド協会(TAIS)のデータベースで検索できます。ただし年度ごとに対象範囲や確認方法が更新されるため、具体的な機器要件は必ず新潟県・新潟市の交付要綱で確認してください。
対象となる事業所
介護保険サービスを提供する事業所(特養・老健・グループホーム・訪問介護・通所介護など)が広く対象になります。新潟市事業は市内に所在する事業所、県事業は新潟市を除く県内事業所が対象です。法人単位でなく原則は事業所単位で上限が設定されるため、複数事業所を運営する法人は後述の「複数事業所の申請」を確認してください。
補助率・基準額・上限額(令和7年度実績を参考値として明記)
県事業の補助率は「一定の要件を満たす場合3/4、それ以外は1/2」、上限額は機器区分ごとに基準額が定められています。以下は令和7年度(2025年度)実績の参考値です。令和8年度の県事業は執筆時点で未公表(準備中)のため、正式な金額は公表され次第、必ず交付要綱で確認してください。
| 区分 | 対象の例 | 基準額(上限) | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 介護ロボット | 移乗支援・入浴支援 | 1機器あたり100万円 | 要件を満たす場合3/4 それ以外は1/2 |
| 介護ロボット | 見守りセンサー付きベッド | 10万円 | |
| 介護ロボット | その他(移動・排泄・見守り・業務支援) | 30万円 | |
| 通信環境整備 | Wi-Fi・ネットワーク工事等 | 200万円 | |
| ICT等 | 介護ソフト・タブレット・クラウド利用料 | 30万円 | 1/2 |
※令和7年度新潟県介護テクノロジー導入支援補助金の参考値。補助額は「補助対象経費 × 補助率」と「基準額」を比べて少ない方となります。3/4の適用には生産性向上の取組やデータ連携などの要件があり、詳細は交付要綱で確認が必要です。
新潟市(令和8年度)の補助率・上限
新潟市の令和8年度事業は、公式ページによると補助率は対象経費の2分の1以内、上限は1事業所あたり45万円とされています。対象は「見守りセンサー、介護記録ソフト、タブレット端末、インカム、排泄予測機器等」で、国・経済産業省が定める重点分野に該当する機器が条件です。県事業と金額の考え方が異なるため、新潟市内の事業所は市の交付要綱を基準にしてください。
補助額の計算例(新潟県版・イメージ)
例1:見守りセンサーを10台(対象経費120万円)導入、要件を満たし補助率3/4の場合
120万円 × 3/4 = 90万円。基準額(その他30万円 × 台数などの積み上げ)と比較し、少ない方が交付額。上限管理があるため、実際の交付額は必ず交付要綱の積算方法で確認します。
例2:介護記録ソフトを導入(対象経費50万円)、ICTで補助率1/2の場合
50万円 × 1/2 = 25万円。ただしICT等の基準額は30万円のため、この場合は25万円が上限内に収まり交付対象の目安。年度内(3月末)までに支払い完了が条件です。
※上記はあくまで制度の考え方を示すイメージであり、実際の交付額・積算方法は年度・交付要綱により異なります。採択・満額交付を保証するものではありません。
申請の流れと締切:交付決定前の契約は絶対NG
申請は「公募 → 電子申請で交付申請 → 交付決定 → 契約・購入・導入 → 実績報告 → 交付」の順で進み、交付決定より前に契約・発注すると対象外になります。新潟県は県の電子申請システム(e-tumo)を使い、募集案内・交付要綱・申請様式一式が公式ページで配布されます。申請書類の考え方や必要書類の全体像は補助金申請の流れ・必要書類にまとめています。
令和7年度の締切と「早期終了」リスク
令和7年度の県事業は、募集が2025年9月末頃から始まり、申請期限は令和7年12月26日(金)まででした。ただし公式には「令和7年12月21日(日)までの申請は原則交付対象として審査を進めるが、12月22日(月)以降は予算の関係で交付を受けられない可能性がある」と追記されています。つまり「締切=予算がある保証」ではなく、予算上限に達すれば期日前でも終了します。新潟市の令和8年度事業も先着順・予算上限方式のため、早めの申請が実質的な必須条件です。募集案内・交付要綱・申請様式は新潟県公式ページ(令和7年度介護テクノロジー導入支援補助金)で配布されています。
締切から逆算するスケジュール早見(目安)
| タイミング | やること |
|---|---|
| 締切の8週間前 | 導入機器の選定・見積取得(複数社)、TAIS登録の確認 |
| 6週間前 | 交付要綱の精読、業務改善計画書の作成、稟議・理事会承認 |
| 4週間前 | 電子申請システムのアカウント準備、添付書類の収集 |
| 2〜3週間前 | 交付申請の提出(予算枠のあるうちに早期提出) |
| 交付決定後 | 契約・発注・導入 → 実績報告 → 年度内(3月末)までに支払い完了 |
※新潟県は年度内(令和8年3月31日まで)の支払い完了が要件です。予算上限による早期終了を見込み、公募開始直後の申請が安全です。
よくある不採択・対象外の理由と対策
不採択・対象外の大半は「交付決定前の契約」「対象外機器」「予算切れ」「書類不備」の4つに集約されます。いずれも事前準備で回避できるため、申請前にチェックしておきましょう。
- 交付決定前に契約・購入した: 最も多いミス。見積までは可、契約・発注・支払いは交付決定後に。
- 対象外の機器を含めた: 重点分野・TAIS要件を満たさない汎用機器や、事務用途中心のPC等は対象外になりやすい。
- 予算上限に達した後の申請: 先着順のため、締切前でも受付終了。公募開始直後に動くのが対策。
- 業務改善計画・実績報告の不備: 生産性向上の目的・効果や、支払いを裏付ける書類の不足。年度内支払い期限の超過も対象外の原因。
他の補助・助成との併用可否
同一の経費を複数の補助金で二重取りすることはできませんが、対象経費が別であれば他制度との組み合わせは検討可能です。例えば介護テクノロジー補助金で見守り機器を、別枠の職場環境改善や賃上げ関連の補助で別経費を——という整理は現場でよく行われます。ただし、同じ機器・同じ費用に対する重複申請は不可で、国のIT導入補助金など他制度と対象が重なる場合は、どちらか一方を選ぶ必要があります。判断に迷う場合は申請前に県・市の窓口へ確認してください。
他県がどのように制度を組んでいるかを比較すると、新潟県版の位置づけがつかみやすくなります。東京都の介護補助金、大阪府の介護補助金、愛知県の介護補助金もあわせて確認すると、上限額や締切運用の違いが分かります。
リース・クラウド・複数事業所の扱い
リースやクラウド利用料は「当該年度中に発生する費用」に限って対象になり得ますが、翌年度以降の費用は対象外になるのが原則です。複数事業所を運営する法人は、事業所単位で上限が管理される点に注意が必要です。

リース・クラウド利用料の考え方
介護ソフトの月額利用料やリース費、保守・サポート費は、当該年度中(その年度の3月末まで)に発生する分のみが対象になるのが一般的です。数年分を一括で対象にすることはできず、初期費用と当年度分の運用費を切り分けて申請する必要があります。クラウド型の介護記録ソフトを検討している場合は、介護記録ソフトの比較で初期費用・月額の構造を確認しておくと申請がスムーズです。
複数事業所・法人でまとめて申請したいとき
補助の上限は原則として事業所単位で設定されるため、複数の事業所で導入する場合は事業所ごとに申請区分を整理します。法人本部でまとめて手続きする場合も、どの事業所のどの機器かを明確にする必要があります。予算が限られる先着順制度では、優先度の高い事業所から順に申請するのが現実的です。
新潟県ならではの注意点
新潟県で申請する際に特に押さえたいのは「県か新潟市かの窓口分岐」「電子申請システムの利用」「予算上限による早期終了」「年度内支払い完了」の4点です。豪雪地域を含む広域自治体である新潟県では、機器の設置工事(通信環境整備等)にリードタイムがかかることもあるため、スケジュールに余裕を持たせるのが安全です。
- 窓口分岐: 新潟市内=市(高齢者支援課 025-226-1295)、それ以外=県(高齢福祉保健課 介護人材確保係 025-280-5272)。
- 電子申請: 県事業は電子申請システム(e-tumo)で提出。アカウント準備を早めに。
- 早期終了: 締切より予算が先に尽きる前提で、公募開始直後に申請。
- 年度内支払い: 令和8年3月31日までに支払いを完了。工事・納品の遅延に注意。
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新潟県の申請を進める前に、制度の全体像と申請実務を押さえておくと、手戻りが減ります。まず介護テクノロジー導入支援事業の全体像で国の枠組みを、次に補助金申請の流れ・必要書類で提出物を確認するのがおすすめです。機器選定では見守りセンサーの比較・選び方と介護記録ソフトの比較が役立ちます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 令和8年度の新潟県の補助金はいつ募集されますか?
A. 執筆時点(2026年7月9日)で県事業の令和8年度分は未公表(準備中)です。令和7年度は9月末頃〜12月26日に募集されました。新潟市は令和8年度分を2026年5月20日から受付中です。最新は各公式ページで確認してください。
Q2. 新潟市の事業所は県に申請できますか?
A. できません。新潟市は政令指定都市のため、市内事業所は新潟市の補助金(高齢者支援課)に申請します。新潟市以外の県内事業所が県の窓口です。
Q3. 先に機器を買ってから申請できますか?
A. できません。交付決定前の契約・購入・支払いは対象外です。見積取得までは可能ですが、契約・発注は必ず交付決定後に行ってください。
Q4. 介護ソフトの月額利用料やリースも対象ですか?
A. 当該年度中(3月末まで)に発生する分は対象になり得ます。翌年度以降の費用は対象外が原則です。詳細は交付要綱で確認してください。
Q5. 補助率はいくらですか?
A. 県事業は一定の要件を満たす場合3/4、それ以外は1/2(令和7年度実績)。新潟市は対象経費の1/2以内・上限45万円/事業所(令和8年度)です。年度により変わるため公募要領で確認してください。
最終確認日・一次情報・免責事項
最終確認日:2026年7月9日
本記事は、以下の一次情報および公的機関の公表資料をもとに作成しています。制度内容・金額・締切は年度や予算状況により変更されるため、申請前に必ず公式の公募要領・交付要綱および各窓口で最新情報をご確認ください。
- 新潟県:令和7年度新潟県介護テクノロジー導入支援補助金について https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kourei/kaigo-technology2025.html
- 新潟市:新潟市介護テクノロジー導入補助金 https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/kaigo/kaigojinzai/kaigo_techno.html
- 厚生労働省:介護テクノロジーの利用促進 https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-ict.html
- 公益財団法人テクノエイド協会(TAIS 福祉用具情報システム) https://www.techno-aids.or.jp/
【免責事項】本記事は介護施設の業務効率化・補助制度活用に関する情報提供を目的としたものであり、補助金の採択・交付や特定の効果を保証するものではありません。医療・健康上の効果を述べるものではありません。最新かつ正確な情報は、新潟県・新潟市の公式ページおよび担当窓口で必ずご確認ください。
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