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群馬県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】上限額と申請の流れ

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群馬県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】上限額と申請の流れ
群馬県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】上限額と申請の流れ

この記事は2026年10月28日時点の群馬県公式情報に基づきます。

「見守りセンサーを入れたいが、群馬県の補助金は結局いくら出るのか」「介サポぐんまのセミナーを受けていないと申請できないと聞いたが、本当なのか」。令和8年度(2026年度)、群馬県内の特別養護老人ホームやグループホーム、通所介護事業所の施設長・事務長から最も多く聞こえてくるのが、この2つの疑問です。

群馬県の制度は、名前の時点で少し分かりにくいところがあります。国が「介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業」と呼ぶ枠組みを、群馬県は「介護テクノロジー定着支援事業」と名付けているためです。そのうえ、県のホームページ本文には補助率も上限額も一切書かれていません。金額は、ページに添付された交付要綱・事業概要・Q&Aという3つのPDFに分かれて載っています。

先に結論を3行でお伝えします。

  • 補助率は4/5。上限額は機器区分ごとに異なり、移乗支援・入浴支援が100万円/台、その他の分野が30万円/台、インカムが1式100万円、介護ソフトが最大265万円、パッケージ型導入支援が最大415万円です。
  • 令和8年度は、事業募集・交付申請ともにすでに終了しています(群馬県ホームページ 2026年10月9日更新)。交付決定済みの事業所にとっての次の期日は、令和9年2月15日の実績報告締切です。
  • 申請は法人単位、補助対象の可否判定は事業所単位。1事業所につき申請できる区分は1つだけです。

この記事では、群馬県の令和8年度の交付要綱・事業概要資料・Q&A(令和8年7月9日時点、No.1〜29)の原文から、事業名・対象施設・対象機器・区分別の上限額・群馬県だけの補助要件・スケジュール・実務上の注意点を順番に整理します。とくに「要件は5つ」と説明されがちな補助要件が、交付要綱の別表では7項目になっている点は、稟議書を書く前に必ず押さえておきたいところです。

令和8年度 群馬県介護テクノロジー定着支援事業補助金の基本情報
事業名 令和8年度群馬県介護テクノロジー定着支援事業補助金(要綱上の名称:群馬県介護保険事業費補助金(介護テクノロジー定着支援事業))
実施主体 群馬県 地域福祉課 福祉人材確保対策室 人材確保係
対象施設 群馬県内で介護保険法に基づくサービスを提供するすべての事業所、および老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム
対象機器 TAISに「介護テクノロジー」として選定された16分野の機器/TAIS未掲載でも同水準と知事が判断した機器/バックオフィスソフト等/これらのパッケージ型導入/導入と一体的に行う業務改善支援
補助率・上限 補助率4/5(1,000円未満切捨て)。基準額は区分ごとに30万円/台〜415万円
申請期間 令和8年度は事業募集・交付申請とも終了。実績報告は事業完了後10日以内または令和9年2月15日のいずれか早い日
窓口 〒371-8570 前橋市大手町1-1-1/電話 027-226-2564
公式URL 令和8年度群馬県介護テクノロジー定着支援事業(群馬県)

群馬県の介護テクノロジー補助金の全体像|国の基金と「定着支援事業」の関係

群馬県の事業は国の実施要綱を土台にしており、県独自の上乗せは金額ではなく「要件」の側にあります。

交付要綱第2条によれば、この補助金の根拠は、令和8年5月7日付の厚生労働省通知「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護保険事業費補助金(介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業)交付要綱」と、令和8年6月30日付の「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」です。国が定めた枠組みに基づいて都道府県が交付する、という構造になっています。

交付要綱の附則には、令和5年4月1日から施行日の前日までに「地域医療介護総合確保基金事業費補助金(介護従事者確保分)」のうち介護ロボット等導入支援事業の区分で交付決定された事業は、この要綱に基づくものとみなす、と明記されています。地域医療介護総合確保基金とは、消費税財源を使って都道府県に設置された基金で、介護人材確保や施設整備の事業に充てられるものです。つまり群馬県の「定着支援事業」は、かつて介護ロボット等導入支援事業と呼ばれていた補助の後継にあたります。過去に同名で調べて情報が見つからなかった方は、この名称変更が原因である可能性が高いといえます。

制度全体の設計思想や、他県との共通部分については介護テクノロジー導入支援事業の全体像にまとめています。群馬県の記事と併せて読むと、どこまでが全国共通で、どこからが群馬県独自かが切り分けやすくなります。

なお群馬県には政令指定都市がなく、この補助金の申請・問い合わせ窓口は市町村ではなく県の地域福祉課に一本化されています。ただし後述する補助上限台数の特例では「市町村の指定を受けた」地域密着型サービスという条件が付くため、指定権者が市町村である事業類型については、自事業所の指定区分を確認しておく必要があります。

対象となる施設・事業所と、TAIS16分野の対象機器

対象は県内の介護保険サービス事業所全般ですが、介護保険の指定を受けていない住まいは対象外です。

交付要綱第1条は、対象を「群馬県内の介護保険法に基づくサービスを提供する全ての事業所並びに老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム」と定めています。ここで判断に迷いやすいのがサービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームです。Q&AのNo.2は、特定施設入居者生活介護の指定を受けていないサ高住・有料老人ホームについて「対象になりません」と明確に回答しています。

さらにNo.3では、サ高住や有料老人ホームにデイサービス・訪問介護・訪問看護の介護保険事業所が併設されているケースを扱っています。回答は、通所介護・訪問介護等の指定を受けている事業者であれば申請可能だが、サ高住や有料老人ホームで使用するための機器を通所介護や訪問介護の事業所分として申請することはできない、というものです。併設型の法人では、機器をどの事業所で使うのかを申請前に整理しておく必要があります。

対象機器はTAISの16分野

申請区分①の対象機器は、公益財団法人テクノエイド協会が提供する福祉用具情報システム(TAIS)で「介護テクノロジー」として選定された機器です。TAISとは、福祉用具・介護機器の仕様や企業情報を登録・公開している国内唯一の公的データベースを指します。事業概要資料は、検索結果画面で紫色の「介護テクノロジー」表記がある機器が対象だと図解しており、TAISに載っていても「介護テクノロジー」表記がない場合は後述の「その他」区分になると注記しています。

16分野は次のとおりです。

  1. 移乗支援(装着)
  2. 移乗支援(非装着)
  3. 移動支援(屋外)
  4. 移動支援(屋内)
  5. 移動支援(装着)
  6. 排泄支援(排泄物処理)
  7. 排泄支援(排泄予測・検知)
  8. 排泄支援(動作支援)
  9. 見守り・コミュニケーション(施設)
  10. 見守り・コミュニケーション(在宅)
  11. 見守り・コミュニケーション(コミュニケーション)
  12. 入浴支援
  13. 介護業務支援(介護ソフト含む。)
  14. 機能訓練支援
  15. 食事・栄養管理支援
  16. 認知症生活支援・認知症ケア支援

自事業所が検討している製品がどの分野に入るかは、テクノエイド協会のTAIS 介護テクノロジー一覧で確認できます。分野によって1台あたりの上限額が3倍以上変わるため、ここの確認を飛ばすと試算が大きくずれます。見守り機器の製品選定そのものに迷っている場合は見守りセンサーの比較・選び方、記録ソフトの比較は介護記録ソフトの比較が参考になります。

付帯費用と、単独では買えないもの

交付要綱の別表は、機器本体だけでなく「導入に付帯して必要となる経費」も対象としています。具体例として挙げられているのは、Wi-Fi環境を整備するための配線工事(有線LANの設備工事を含む)・モデム・ルーター・アクセスポイント・システム管理サーバー・ネットワーク構築、機器導入に伴って導入するPCやタブレット等の情報端末、介護ソフト導入前後のベンダーによるサポート費用などです。

ただしQ&AのNo.16は、Wi-Fi工事やパソコン、タブレット端末等のみの導入は補助対象にならないと回答しています。16分野に該当する介護テクノロジーの導入に係る付帯費用か、パッケージ型導入支援による導入の場合に限り対象、という整理です。一方でNo.7は、見守り機器を福祉機器業者に、Wi-Fi工事を電気専門業者に、というように付帯工事を別の業者へ発注しても補助対象になると明言しています。No.13では、見守りセンサー付きベッドの設置組立費や送料も付帯費用として本体代に含めて計算してよいとされています。

補助率4/5と区分別の上限額|群馬県の補助額一覧表

補助率は全区分で4/5に統一され、違いは基準額(上限額)と上限台数に出ます。

交付要綱第3条は、補助額を「補助対象経費の実支出額に補助率を乗じて得た額」と「補助基準額」を比較して少ない方の額とし、1,000円未満の端数は切り捨てると定めています。ここが誤解されやすい点です。基準額はあくまで上限であって、基準額がそのまま交付されるわけではありません。

令和8年度 群馬県介護テクノロジー定着支援事業の区分別 補助基準額
申請区分 対象 補助基準額(上限) 補助率 補助上限台数
①TAISに掲載された介護テクノロジー 移乗支援(装着・非装着)、入浴支援 100万円/台 4/5 利用者定員数の2割(小数点以下切り上げ)。市町村の指定を受けた利用者定員29名以下の地域密着型サービスは9台まで
上記以外の分野(移動支援・排泄支援・見守り・機能訓練・食事栄養・認知症ケア等) 30万円/台 4/5
インカム(介護業務支援) 100万円(親機・子機の台数を問わず1式) 4/5 台数表の対象外
介護ソフト(介護業務支援) 職員数1〜10名100万円/11〜20名150万円/21〜30名200万円/31名以上250万円。職員数で金額が変動しない契約は一律250万円 4/5 台数表の対象外
②その他 TAIS未掲載だがTAIS掲載機器と同水準の機能と知事が判断した機器 区分①と同額(移乗・入浴100万円/台、インカム100万円、介護ソフトは職員数別、上記以外30万円/台) 4/5 区分①と同じ
知事が業務効率化に有効と判断した機器(例:バックオフィスソフト=電子サインシステム、給与、勤怠管理等) 100万円/台。ただしバックオフィスソフトは職員数別に100/150/200/250万円、変動しない契約は一律250万円 4/5 バックオフィスソフトは台数表の対象外。バックオフィスソフト以外は区分①と同じ
③介護テクノロジーのパッケージ型導入支援 介護業務支援に分類される機器と、連動で効果が高まる機器の組み合わせ(例:介護ソフト+見守り機器、介護ソフト+インカム) 400万円 4/5 —
④導入支援と一体的に行う業務改善支援 コンサルティング会社等による業務改善支援、または介護職場サポートセンターぐんま等による業務改善支援 48万円 4/5 —

上限額に上乗せされる2つの加算

基準額には2種類の加算があります。1つ目は介護ソフトの付帯費用加算です。介護ソフトを、Wi-Fi工事・PC・タブレット端末・導入サポート費といった付帯費用と併せて導入する場合、補助上限額に15万円が加算されます。結果として介護ソフトの基準額は115/165/215/265万円(変動しない契約は265万円)、パッケージ型導入支援は415万円になります。

2つ目はケアプランデータ連携加算です。訪問介護事業所等の居宅サービス事業所または居宅介護支援事業所(介護予防を含む)であって、令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」により5事業所以上とデータ連携を実施する場合、基準額に5万円が加算されます。ただしQ&AのNo.18は、この5万円加算はパッケージ型導入支援には加算されないと明記しています。加算対象は区分①と区分②で介護ソフトを導入する場合に限られます。

公式資料にある3つの計算例

事業概要資料は、実際の交付額の計算例を示しています。数字の動き方が分かるため、稟議書の試算にそのまま使えます。

  • 見守りセンサーベッド12万円/台を5台+Wi-Fi工事100万円:補助上限額は5台×30万円=150万円。原則の補助額は(5台×12万円+100万円)×4/5=128万円。少ない方の128万円が実際の補助額です。
  • 介護ソフト250万円(職員数で金額が変わらない契約)+Wi-Fi工事100万円:補助上限額は250万円+付帯費用加算15万円=265万円。原則の補助額は(250万円+100万円)×4/5=280万円。少ない方の265万円が補助額になります。
  • パッケージ型(介護ソフト250万円+見守りセンサー20万円/台×5台+情報端末15万円/台×5台+Wi-Fi設備100万円):補助上限額は400万円+15万円=415万円。原則の補助額は525万円×4/5=420万円。少ない方の415万円が補助額です。

台数が少なく単価が低い機器では「実支出額×4/5」が、台数が多く単価が高い構成では「基準額」が効いてくる、という関係になります。補助額の考え方そのものを詳しく確認したい場合は介護テクノロジー補助金の完全ガイドも併せてご覧ください。

群馬県だけの補助要件|「5つ」と「7項目」の食い違いに注意

群馬県の最大の特徴は金額ではなく、介サポぐんまへの相談を含む要件の作り込みにあります。

事業概要資料の【補助要件】欄には、次の5つが並んでいます。

  1. 業務改善支援において実施する、コンサルティング会社等による業務改善支援、または介サポぐんまが開催するセミナーを受講すること
  2. 業務改善計画や業務改善の取組の実施にあたって、介サポぐんまに相談すること
  3. 入所系サービス事業所の場合、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会を設置すること
  4. 居宅系サービス事業所の場合、令和8年度内に「ケアプランデータ連携システム」の利用を開始すること
  5. 「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言すること

資料には補足も付いています。①は令和8年5月22日に開催された介サポぐんまの「介護テクノロジー導入支援セミナー」に参加した場合に充足、②は補助金申請の際に添付する「業務改善計画書」の提出をもって充足、③はすでに該当する委員会を設置している場合は充足、とされています。

ただし、ここで注意が必要です。交付要綱の別表「備考1」は、事業所等が満たすべき事項を(ⅰ)から(ⅶ)までの7項目として定めています。概要資料の5つに加えて、次の4項目が要綱には書かれています。

  • 導入・活用により生産性向上が図られるとともに収支の改善が図られた場合には、職員の賃金にも適切に還元し、その旨を職員等に周知すること(業務改善計画の効果報告の際の報告内容に含まれる)
  • 補助を受けた事業所等は、科学的介護情報システム(LIFE)による情報収集に協力すること
  • 厚生労働省が発行する「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」等を参考に業務改善に取り組み、業務改善計画を作成すること
  • 厚生労働省等が実施する効果検証事業等に可能な限り協力すること

Q&AのNo.6も、セミナー参加以外の要件を列挙したうえで「が主な要件です」という書き方をしています。社内説明で「要件は5つだけ」と断言すると、要綱の記載と食い違うおそれがあります。

セミナーを逃した場合の代替ルート

Q&AのNo.10は、5月22日のセミナーに参加できなかった場合でも申請は可能で、9月11日に2回目のセミナーを実施予定と回答しています。さらにNo.6・No.10はいずれも、厚生労働省委託事業「令和8年度 介護現場の生産性向上に関する普及加速化事業一式」(株式会社NTTデータ経営研究所受託)で実施する「生産性向上ビギナーセミナー」および「生産性向上フォローアップセミナー(講義形式)」を受講した場合でも要件を満たす、としています。なお交付要綱の区分④には、これらに加えて「デジタル中核人材養成研修」も代替対象として記載されています。

相談先である介サポぐんまの正式名称は介護・福祉職場サポートセンターぐんまです。公益財団法人介護労働安定センター群馬支部内(前橋市千代田町1-14-1 橋詰広瀬川ビル2階)にあり、電話は027-226-1153、開所時間は9時から17時です。生産性向上・業務改善の総合相談窓口のほか、専門家の無料派遣、前橋・高崎・桐生の3事業所のモデル事業所見学を受け付けています。

SECURITY ACTIONの実務

SECURITY ACTIONは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する、中小企業・小規模事業者等が自ら情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。交付要綱は、宣言に加えて個人情報保護の観点から十分なセキュリティ対策を講じること、対策にあたっては最新版の厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参考にすることを求めています。

実務上の救済もあります。Q&AのNo.28は、GビズID取得に時間がかかり事業募集の締切までに宣言できない場合、7月31日締切の事業募集の段階では宣言を示す資料の提出を省略して差し支えないが、交付申請(9月中旬頃を予定)までには必ず準備するよう求めています。また、No.23は、昨年度以前に法人単位または事業所単位で自己宣言IDを取得している場合、あらためて宣言する必要はないと回答しています。No.29では、令和8年7月7日付の要綱一部改正により、便宜上個人事業主として申請する取扱いは不要になったことが案内されています。

群馬県前橋市の街並み
写真: Nankou Oronain (as36… / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

申請の流れと締切|交付決定前の発注は対象外

群馬県の年間スケジュールは5月のセミナーから翌年3月の交付まで約10か月に及び、発注のタイミングが成否を分けます。

県が公表した実施スケジュール(令和8年6月22日時点)と交付要綱・Q&Aを突き合わせると、令和8年度の流れは次のとおりでした。

令和8年度 群馬県介護テクノロジー定着支援事業の実施スケジュール
時期 手続き 主体
令和8年5月22日 介護テクノロジー導入支援セミナー(第1回) 事業者
令和8年5月下旬〜6月上旬(実施スケジュールに日付の記載なし) 補助金交付要綱案の提示 県
令和8年6月下旬〜7月下旬(Q&A No.28では7月31日締切) 事業募集。並行して導入機器の選定・見積の徴取 事業者
令和8年7月下旬〜8月下旬 審査 県
令和8年8月下旬 内示 県
令和8年8月下旬〜9月中旬 交付申請受付(様式第1号による交付申請書) 事業者
令和8年9月11日 交付申請セミナー(第2回) 事業者
令和8年10月上旬 交付決定(ここまで発注・契約は不可) 県
令和8年10月上旬〜令和9年2月15日 事業実施(機器の発注・導入・支払い) 事業者
事業完了後10日以内または令和9年2月15日の早い日 実績報告(様式第4号) 事業者
令和9年3月31日まで 補助金の交付 県

最も重要なのは発注の時期です。交付要綱第5条第4項は「事業の着手は、補助金交付決定通知を受けて行うものとする」と定め、Q&AのNo.25は交付決定(10月初旬予定)前に着手している事業は、採択された場合でも補助対象外になると回答しています。ここでいう着手とは「契約や発注などの具体的な行為を開始すること」を指します。年度前半に見積を取るところまでは問題ありませんが、発注書を出した瞬間に対象外になり得る、と理解しておくのが安全です。

資金繰りにも注意が必要です。Q&AのNo.26は、この補助金では前払い(概算払い)ができないと回答しています。支払いは実績報告の締切(令和9年2月15日)後から年度末(令和9年3月31日)までの間に行われます。つまり機器代金はいったん全額を自己資金または借入で立て替える前提で、資金計画を組む必要があります。申請書類の作り方や様式の考え方は補助金申請の流れ・必要書類で整理しています。

2026年10月28日時点で、令和8年度の事業募集・交付申請はいずれも終了しています。これから新たに機器を導入したい事業所にとっては、令和9年度の募集を待つ形になります。ただしQ&AのNo.5は次年度の補助金の実施の有無について「現時点での回答は出来かねます」としているため、令和9年度の実施は確定していません。

令和9年度に向けた逆算準備

令和8年度と同じ日程で動くと仮定した場合、準備は年度初めから始まります。あくまで令和8年度実績からの逆算であり、令和9年度の日程を保証するものではありませんが、社内の段取りを考える材料にはなります。

令和8年度実績から逆算した準備スケジュール(令和9年度の日程は未発表)
逆算 やること
募集の約2か月前(4〜5月想定) 介サポぐんまのセミナー日程を確認し受講予約。SECURITY ACTIONの自己宣言(GビズID取得を含む)に着手
募集の約1か月前(5〜6月想定) 導入機器をTAISで確認し分野を特定。複数社から見積を徴取。入所系は委員会設置、居宅系はケアプランデータ連携の利用開始を準備
募集期間(6〜7月想定) 業務改善計画書を作成し介サポぐんまに相談。法人単位で申請書を作成し、複数事業所分は経費を按分
内示〜交付申請(8〜9月想定) 交付申請書を提出。SECURITY ACTION宣言の資料をこの時点までに準備
交付決定後(10月想定) 交付決定通知を受けてから発注。立替資金を手配
年明け(1〜2月想定) 導入・支払いを完了し、実績報告。居宅系はデータ連携実績の資料を添付

群馬県特有の注意点|複数事業所・年契約・他補助金との併用

群馬県のQ&Aは実務の細部まで踏み込んでおり、法人規模が大きいほど確認しておく価値があります。

申請は法人単位、判定は事業所単位

Q&AのNo.9は、法人が運営する全事業所にバックオフィスソフトを導入する場合の申請方法について、本事業は法人単位で申請するが、補助対象の可否は事業所単位で判定するため、各事業所ごとに経費を按分する必要があると回答しています。見積書等の金額が分かる資料を提出する際には、どの事業所でいくら分の経費か明確にすることが求められ、按分方法は各事業所のライセンス数や従業員数など合理的な方法であれば問いません。No.11も、同じ建物内に地域密着型特養と短期入所が併設されている場合について、申請は法人単位、可否判定は事業所ごとと説明しています。

1事業所1区分という制約

事業概要資料の留意事項とQ&AのNo.12は、申請区分の選び方を細かく整理しています。介護ソフトと見守り機器、介護ソフトとインカムのように、本来パッケージ型導入支援で申請すべき組み合わせを区分①でそれぞれ申請することはできません。一方、入浴支援機器と移乗支援機器の組み合わせはパッケージ型に該当しないため、区分①での申請が可能です。

さらに、介護ソフト・見守り機器・移乗支援機器の3点を導入したい場合は、介護ソフトと見守り機器がパッケージ型に該当するため区分①では申請できず、しかも1事業所につき1区分しか申請できないため、どちらかを選択することになります。区分④の業務改善支援だけは例外で、Q&AのNo.27が「機器の導入が前提となっていますので、機器を導入しない場合は、この区分のみの申請は出来ません」と回答しているとおり、区分①〜③と併せて申請する前提の区分です。

なお、すでに介護ソフトを導入済みで今年度は見守り機器とWi-Fi工事だけを行う場合、パッケージ型では申請できません(No.4)。パッケージ型は、介護ソフトと連携することで効果が高まる機器を「導入する場合に」申請可能という建て付けです。

クラウド・年契約の利用料の扱い

クラウド型の介護ソフトで気になるのが、何年分の利用料が対象になるかです。Q&AのNo.17は、年契約の利用料については本年度に支払った金額が補助対象経費になると回答し、交付決定後から実績報告の締切までに5年分の利用料を支払った場合は5年分が補助対象になる、という例を挙げています。前払いの範囲で複数年分を対象にできる点は、群馬県の実務上の大きなポイントです。なお、導入済みソフトをケアプランデータ連携システムに対応させるための改修費も対象になります(No.24)。

他の補助金との併用

交付要綱第5条第3項は「この事業に係る補助金の交付と対象経費を重複して他の補助金の交付を受けてはならない」と定めています。Q&AのNo.19はこれを噛み砕き、他の補助金を申請しているだけの状態であれば本補助金の申請は可能だが、申請時点ですでに他の補助金の交付を受けている場合は申請できない、交付決定後に同じ対象経費について他の補助金の交付を受けた場合は本補助金が対象外になる、と整理しています。重複するのは「対象経費」であって制度そのものではないため、経費の切り分けが鍵になります。

過年度に補助を受けている場合

Q&AのNo.8は、令和7年度の介護テクノロジー定着支援事業で補助を受けていても令和8年度の申請は可能で、補助金額・台数についても昨年度事業の影響はないと回答しています。No.20も、過年度に利用者定員の2割分で交付を受けた場合でも、今年度あらためて2割まで申請可能としています。年度をまたいで段階的に導入を進める計画が立てやすい設計です。

採択は確約されない

Q&AのNo.14は採択基準について、見守り機器・インカム・介護ソフトを導入する場合は優先的に採択するとしたうえで、「予算の範囲内で実施するため、採択をお約束するものではありません」と明記しています。交付要綱の留意事項にも、補助事業所の選定方針として見守り機器・インカム・介護ソフトを優先的に補助する方針が書かれています。要件を満たせば必ず採択される制度ではない点は、稟議書でも正確に伝えておきたいところです。

交付決定後の管理義務

交付要綱第5条は、取得価格または効用の増加した価格が30万円以上の機器・器具について、減価償却資産の耐用年数等に関する省令に定める期間を経過するまで、知事の承認を受けずに目的に反して使用・譲渡・交換・貸付・担保提供・取壊し・廃棄をしてはならないと定めています。帳簿および証拠書類は、事業が完了する日の属する年度の終了後5年間保管する義務があります。

また第11条により、業務改善計画で定めた内容に対する効果を、補助を受けた翌年度から3年間、知事に報告することとされています。第10条では、消費税および地方消費税の申告により仕入控除税額が確定した場合、事業完了日の属する年度の翌々年度6月30日までに報告し、仕入控除税額があれば返還する義務も定められています。導入して終わりではなく、3年間の報告が続く制度だと理解しておく必要があります。

他県の制度と見比べて自県の位置づけを確認したい場合は、南に隣接する埼玉県の介護補助金、北に隣接する新潟県の介護補助金、関東圏では茨城県の介護補助金や千葉県の介護補助金、東京都の介護補助金が参考になります。同じ国の要綱を土台にしていても、要件の作り込みや上限台数の考え方は県ごとに異なります。

よくある質問

群馬県の介護施設・事業所から特に多い5つの質問を、公式資料の記載に沿って整理します。

群馬県の介護テクノロジー定着支援事業の補助率と上限額はいくらですか?

補助率は全区分で4/5です。上限額(補助基準額)は、移乗支援(装着・非装着)と入浴支援が100万円/台、その他の分野が30万円/台、インカムが親機・子機の台数を問わず1式100万円、介護ソフトが職員数に応じて100〜250万円、パッケージ型導入支援が400万円、業務改善支援が48万円です。介護ソフトやパッケージ型は付帯費用と併せて導入すると15万円が加算されます。実際の補助額は、実支出額×4/5と基準額を比較して少ない方の額(1,000円未満切捨て)になります。

令和8年度の申請はまだ間に合いますか?

2026年10月28日時点で、令和8年度の事業募集・交付申請はいずれも終了しています(群馬県ホームページ 2026年10月9日更新)。交付決定を受けた事業所の次の期日は、事業完了後10日以内または令和9年2月15日のいずれか早い日の実績報告です。令和9年度の実施については、Q&AのNo.5が現時点では回答できないとしているため、群馬県地域福祉課(027-226-2564)または公式サイトでご確認ください。

介サポぐんまのセミナーを受けていないと申請できませんか?

補助要件には「コンサルティング会社等による業務改善支援、または介サポぐんまが開催するセミナーを受講すること」が含まれます。令和8年度は5月22日と9月11日の2回が設定されており、Q&AのNo.10は第1回に参加できなかった場合でも第2回の受講で申請可能としています。また、厚生労働省委託事業による「生産性向上ビギナーセミナー」「生産性向上フォローアップセミナー(講義形式)」を受講した場合も要件を満たします。いずれの場合も、業務改善計画の作成にあたって介サポぐんまへ相談することは別途求められます。

交付決定の前に機器を発注してもよいですか?

交付決定前の発注・契約は補助対象外です。交付要綱第5条第4項は事業の着手を交付決定通知後と定め、Q&AのNo.25は、交付決定(令和8年度は10月初旬予定)前に着手した事業は採択されても補助対象外になると回答しています。着手とは契約や発注などの具体的な行為を開始することを指します。見積の徴取までは問題ありませんが、発注のタイミングは必ず交付決定通知の後にしてください。

複数の事業所を運営している場合、申請は法人単位ですか事業所単位ですか?

申請は法人単位で行いますが、補助対象の可否は事業所単位で判定します(Q&A No.9・No.11)。法人全体で1つのソフトを導入する場合も、各事業所ごとに経費を按分し、どの事業所でいくら分かを明確にした見積資料を提出する必要があります。按分方法はライセンス数や従業員数など合理的な方法であれば問われません。また、申請できる区分は1事業所につき1つだけである点にもご注意ください。

まとめ|群馬県の介護テクノロジー補助金で今やるべきこと

令和8年度の群馬県介護テクノロジー定着支援事業は、補助率4/5、基準額30万円/台〜415万円という水準で、見守り機器・インカム・介護ソフトを優先的に採択する方針が明示された制度でした。金額面は国の枠組みに沿っていますが、介サポぐんまへの相談、入所系の委員会設置、居宅系のケアプランデータ連携の実績、SECURITY ACTIONの宣言という要件の作り込みが群馬県の特徴です。

すでに交付決定を受けている事業所は、令和9年2月15日の実績報告と、翌年度から3年間続く効果報告を見据えた記録の残し方を整えておくことが次の課題になります。これから導入を検討する事業所は、令和9年度の募集が実施されるかどうかが未確定であることを前提に、セミナー受講・SECURITY ACTION宣言・委員会設置・ケアプランデータ連携といった「募集前に済ませておける準備」から着手しておくと、短い募集期間でも動けます。

最新の情報と様式は必ず群馬県の公式ページでご確認ください。本記事に記載のない予算総額・採択件数・採択率・二次募集の有無・リース契約の扱いについては、公式に確認できていないため、群馬県 介護テクノロジー定着支援事業の公式ページまたは群馬県地域福祉課 福祉人材確保対策室(027-226-2564)へお問い合わせください。

出典(公式サイト)

この記事は2026年10月28日時点の公式情報に基づきます。制度は年度途中に改正されることがあるため、申請前には必ず最新の公募要領・交付要綱をご確認ください。

参考にした公式情報


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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