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和歌山県 介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限と申請の流れ

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和歌山県 介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限と申請の流れ
和歌山県 介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限と申請の流れ

「和歌山県で介護記録ソフトを入れたい。でも、県の補助金はいくらまで出るのか。今年度はもう間に合わないのか」——施設長・事務長の方からいちばん多いのが、この順番のご質問です。

紙の記録とExcelの二重入力、申し送りのための電話リレー、月末の請求業務の残業。ICTで軽くできる余地があると分かっていても、初期費用の稟議が止まる。だからこそ、県の補助金の「誰が・いくら・いつまで・どこへ」を正確に押さえる必要があります。

結論を3行で先に書きます。和歌山県の介護ICT導入補助は「介護テクノロジー定着支援事業補助金」という1本の事業に統合されており、補助率は補助対象経費の5分の4、介護ソフトは職員数に応じて1事業所あたり100万円〜250万円が上限です。令和8年度(2026年度)の募集期間は令和8年6月29日〜7月31日(必着)で、県の公式ページには「【募集は終了しました】」と表示されています。

この記事では、対象となるICT(介護ソフト・インカム・タブレット・Wi-Fi・バックオフィスソフト)の範囲、区分ごとの上限額、予算超過時に優先される「重点機器」、令和8年度に採択された事業所がこれから踏む実績報告までの手順、そして次年度に向けて今から準備できることを、和歌山県の申請の手引き・交付要綱・Q&Aの原文から整理します。

とくに見落としやすいのが、県のQ&Aにある「既に導入している介護テクノロジーと一体的に使用するために、新たにタブレット端末等のみ導入する場合や通信環境を整備する場合」は補助対象外という一文です。順番を間違えると、同じ買い物でも対象になりません。

この記事は2026年11月2日時点の和歌山県公式情報に基づきます。

和歌山県庁舎の外観
写真: Mont Blank rich / Wikimedia Commons (CC0)

結論:和歌山県の介護ICT補助金は「誰が・いくら・いつまで・どこへ」

この章では、令和8年度の和歌山県介護テクノロジー定着支援事業補助金のうち、ICT(介護ソフト・インカム・タブレット等)に関わる部分の全体像を先に確定させます。

誰が:和歌山県内に所在する介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所、および老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム

いくら:補助対象経費の5分の4。介護ソフト(バックオフィスソフトを含む)は1事業所あたり100万円〜250万円、インカムのみは1機器あたり100万円、複数機器を組み合わせる「パッケージ型導入支援」は1事業所あたり400万円が上限

いつまで:令和8年度の交付申請は令和8年6月29日〜7月31日(必着)で受付終了。事業の実施(納品・支払)は令和9年1月31日まで

どこへ:和歌山県 福祉保健部 福祉保健政策局 長寿社会課(TEL 073-441-2519)。業務改善計画は和歌山県介護生産性向上総合相談センターの提出フォーム、その他の書類は県の指定する提出フォームへ提出

補助金の総論は介護テクノロジー導入支援事業の全体像で、県の事業全体(介護ロボット・見守り機器を含む)は和歌山県の介護補助金でまとめています。本記事はそのうちICTに絞った解説です。

事業名 介護テクノロジー定着支援事業補助金(旧名称:介護ロボット等導入支援事業補助金)
年度 令和8年度(2026年度)
実施主体 和歌山県(福祉保健部 福祉保健政策局 長寿社会課)
対象施設 県内の介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所/老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム
対象機器(ICT部分) 介護ソフト、バックオフィスソフト、インカム、介護ソフト導入に付帯するWi-Fi・タブレット等
補助率・上限 補助対象経費の5分の4。介護ソフトは1事業所100万円〜250万円(職員数別)、インカムのみ1機器100万円、パッケージ型導入支援1事業所400万円
申請期間 令和8年6月29日〜令和8年7月31日(必着)/募集終了
事業完了期限 令和9年1月31日(納品・支払の完了)
窓口 和歌山県長寿社会課 TEL 073-441-2519/e0403001@pref.wakayama.lg.jp
公式URL 和歌山県「『介護テクノロジー定着支援事業補助金』について」

制度の全体像:和歌山県の事業名は「定着支援」で、財源も他県と違う

この章では、なぜ検索しても和歌山県の制度が見つかりにくいのか、この補助金が国のどの制度に紐づいているのかを整理します。

介護ソフトや見守り機器の導入補助は、国が枠組み(実施要綱)を示し、都道府県が実施主体となって自県の交付要綱で具体的な区分と金額を決める仕組みです。そのため県ごとに事業名が違い、和歌山県は国が使う「介護テクノロジー導入支援事業」ではなく「介護テクノロジー定着支援事業補助金」という名称を採っているため、一般的なキーワードでは県のページに辿り着きにくくなっています。旧名称は「介護ロボット等導入支援事業補助金」です。県の交付要綱は令和8年6月16日から施行し、令和8年度の補助金から適用されています。

財源は「地域医療介護総合確保基金」ではない

ここは和歌山県を調べるうえでの重要な分岐点です。多くの県の介護テクノロジー導入支援は地域医療介護総合確保基金(医療・介護の提供体制づくりのために国と都道府県が積み立てる財源)を使いますが、和歌山県の交付要綱第1条が根拠として挙げているのは国の「介護保険事業費補助金(介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業)交付要綱」であり、基金事業とは別建てです。国の実施要綱では、基金で実施する介護テクノロジー導入支援事業は「他の補助金」として重複を認めない整理になっています。つまり「基金の補助金だから◯◯県と同じ運用だろう」という当て込みが通らない県だということです。他県の設計と見比べたい場合は大阪府の介護補助金や兵庫県の介護補助金が比較対象になります。

国側の考え方や過去の「ICT導入支援事業効果報告」は、厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進のページにまとまっています。何を効果として報告させる制度なのかを知るうえで、申請前に一読しておく価値があります。

和歌山県に政令指定都市はなく、窓口は県に一元化

横浜市や大阪市のように政令指定都市が独自の上乗せ制度を持つ県では、県事業と市事業のどちらで申請するかの判断が必要になります。和歌山県内には政令指定都市がないため、県内の事業所は県の長寿社会課を窓口とする1本の制度を見ればよく、県と市の公募要領を読み比べる手間はありません(和歌山市は中核市で、この事業の窓口は県です)。

対象になるICTの範囲:介護ソフト・インカム・タブレット・Wi-Fi

この章では、和歌山県の手引きとQ&Aで対象と確認できたICTの範囲を、機器の種類ごとに分けて示します。

県の手引きは、補助対象となる介護テクノロジーを「移動支援」「排泄支援」「見守り・コミュニケーション」「介護業務支援」「機能訓練支援」「食事・栄養管理支援」「認知症生活支援・認知症ケア支援」「移乗支援」「入浴支援」の分野で整理し、そのうえで「介護ソフト(介護テクノロジーの一種)」「インカム」「Wi-Fi、タブレット」を別に記載しています。ICT系はほぼすべて「介護業務支援」分野に入り、そのなかで介護ソフトとインカムだけが上限額を別建てにされているのが和歌山県の構造です。

対象機器の大枠は、公益財団法人テクノエイド協会が運営するTAIS(福祉用具情報システム)で「介護テクノロジー」として選定された機器、知事が同水準と判断した機器、身体的負担軽減や業務効率化に繋がる機器——と県のページに示されています。TAISは福祉用具・介護機器の型式や仕様を登録・検索できる公的なデータベースで、見積書の製品がTAISに載っているかは着手前に確認しておきたい点です。

介護ソフト(記録・請求)

介護記録・請求のソフトは「介護業務支援(介護ソフトのみ)」として、1事業所あたりの上限が職員数で変わります。職員数の数え方について県のQ&Aは、「訪問介護員等の直接処遇職員だけでなく、介護ソフトの活用が見込まれる管理者や生活相談員等の職員も含みます。また、常勤・非常勤の別は問いません」と明記しています。非常勤の多い事業所は想定より上限区分が1つ上がることがあります。ソフトそのものの選び方は介護記録ソフトの比較で整理しています。

インカム

インカム(施設内の音声連絡用の無線機)は「介護業務支援(インカムのみ)」として1機器あたり100万円が上限です。「インカムのみ導入する場合、補助対象となるか」という問いに、県のQ&Aは「補助対象です。『介護業務支援』分野のテクノロジーに該当します」と答えています。見守り機器とセットでなくても単独で申請できるため、まず情報共有の仕組みから着手したい事業所にとって使いやすい設計です。

タブレット・Wi-Fi

タブレットやWi-Fiは、介護ソフト導入に付帯して必要となる経費として扱われ、介護ソフトと併せて導入する場合に上限が15万円上乗せされます。使い方について県のQ&Aは、本事業で導入したタブレット端末等に事業所が既に所有する既存のソフトウェアをインストールすることや、テレビ会議システムの利用も認められるとしています。一方で、音声入力機能や「企業が保証する商用の製品」であることといった介護ソフト側の機能要件は、県の申請の手引き・Q&Aでは確認できませんでした(国の実施要綱には、厚生労働省が情報提供する「介護ソフトの機能調査結果」において科学的介護情報システム(LIFE)に触れた記載があります)。導入予定のソフトが要件を満たすかは、和歌山県の公式サイト・公募要領でご確認ください。

バックオフィスソフト

バックオフィスソフトも、県の手引きでは介護ソフトと同じ「1事業所あたり100万円〜250万円」の区分に並べて記載されています。ただしバックオフィスソフトの定義や具体的な対象例は手引きの中では確認できなかったため、自法人のソフトが該当するかは必ず長寿社会課に事前確認してください。

補助率・上限額の表:ICT区分ごとにいくら出るか

この章では、令和8年度の申請の手引きに記載された補助率と区分別の上限額を表にします。

補助率は区分を問わず「補助対象経費の5分の4」で統一されており、残り5分の1は事業所の自己負担になります。表の金額は「上限(基準額)」であり、基準額に補助率を掛けた額ではなく、実支出額に補助率を掛けた額と基準額のいずれか少ない方が補助額になる考え方です。なお県の交付要綱には補助率の数字そのものは書かれておらず、国の「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」の第5項(補助額)が「補助率は4/5とし、実支出額に補助率を乗じた額を算出する。」と定めています。

区分 補助率 上限額
介護業務支援(介護ソフトのみ)/バックオフィスソフト 5分の4 1事業所あたり100万円〜250万円(職員数別)
介護業務支援(インカムのみ) 5分の4 1機器あたり100万円
移乗支援・入浴支援 5分の4 1機器あたり100万円
移動支援/排泄支援/見守り・コミュニケーション/介護業務支援(介護ソフト・インカム除く)/機能訓練支援/食事・栄養管理支援/認知症生活支援・認知症ケア支援 5分の4 1機器あたり30万円
その他機器等 5分の4 1機器あたり100万円
パッケージ型導入支援 5分の4 1事業所あたり400万円
業務改善支援 5分の4 1事業所あたり48万円

介護ソフトの上限は職員数で4区分(ライセンス数が変動しない場合は250万円)

介護ソフトとバックオフィスソフトの上限額は、職員数に応じて次のように分かれます。

職員数 1事業所あたりの上限額
1名〜10名 100万円
11名〜20名 150万円
21名〜30名 200万円
31人〜 250万円
職員数でソフトのライセンス数が変動しない 250万円

これに加えて、介護ソフト導入に伴いWi-Fi・タブレット等を導入する場合は15万円の上乗せ、令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」で5事業所以上とデータ連携する場合は5万円の上乗せが手引きに示されています。ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所とサービス事業所の間でケアプランのデータをやりとりする仕組みで、県のページではフリーパスキャンペーンの案内も掲載されていました。

パッケージ型導入支援(400万円)はICT単独では使えない

上限がもっとも大きいパッケージ型導入支援には、手引きに「介護業務支援分野の機器等と、連動して効果を高める介護テクノロジー機器を併せて導入する場合」と条件が書かれています。つまり介護ソフトやインカムだけでは400万円の枠には届かず、見守り機器など他分野の機器と組み合わせる設計が前提です。組み合わせる側の機器の選び方は見守りセンサーの比較・選び方と介護テクノロジー補助金の完全ガイドを併せてご覧ください。

予算が足りないときは「重点機器」が先に採られる

和歌山県の手引きには、予算を超える申請があった場合の優先順位が6段階で定められています。優先の基準になる「重点機器」は見守り機器・介護ソフト・インカムに該当する機器で、ICTはむしろ優先度が高い側に置かれています(県交付要綱第2条第4項の定義)。順位は①新規事業所の重点機器、②直近の補助実績が古い事業所の重点機器、③新規事業所の重点機器以外の機器、④直近の補助実績が古い事業所の重点機器以外の機器、⑤新規事業所の業務改善支援、⑥直近の補助実績が古い事業所の業務改善支援の順で、①③⑤は抽選、②④⑥は過去の補助累計額が低い順に決まる扱いです。これから申請を検討する事業所にとっては、ICTを軸に組むこと自体が通りやすさにつながる設計と読めます。

和歌山市のシンボル・和歌山城の天守
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY 2.5)

申請の流れと令和8年度のスケジュール(交付決定前の契約は対象外)

この章では、交付申請から実績報告までの順番と、令和8年度の日程を時系列で示します。

手引きに書かれた流れは、6月29日〜7月31日に交付申請書を提出し、9月下旬〜10月上旬頃に県から交付決定、交付決定後から令和9年1月31日までに事業を実施(納品・支払)、補助事業完了後30日を経過した日または2月10日のいずれか早い日までに実績報告書を提出——という順番です。

ここで絶対に外せないのが契約のタイミングです。手引きには「県からの交付決定通知日後に契約(発注)を行ってください」とあり、交付要綱の別表でも補助対象外経費として「補助金の交付決定前に発注又は契約を締結したもの」が明記されています。Q&Aも「県からの交付決定通知を受け取った後に契約を締結し、原則1月31日までに納品・支払いまで完了させてください」と答えています。見積を取るのは先でよいのですが、発注書・契約書の日付が交付決定日より前になった時点で、その経費は対象外になります。手続き全体の型は補助金申請の流れ・必要書類で確認できます。

時期 手続き 注意点
令和8年6月29日〜7月31日 オンラインセミナー受講/業務改善計画の提出/交付申請書の提出(必着) 募集は終了。計画とその他書類は提出先が別フォーム
令和8年9月下旬〜10月上旬頃 県から交付決定通知 この通知日より前の発注・契約は対象外
交付決定後〜令和9年1月31日 契約(発注)→導入→検収→支払 納品と支払の両方を1月31日までに完了
事業完了後30日を経過した日、または令和9年2月10日のいずれか早い日 実績報告書の提出 導入した機器の写真等を添付。現物を撮影し、名称・台数等を明記(梱包箱のみは不可)
補助を受けた翌年度から3年間 業務改善効果等の報告 交付要綱第6条に基づく継続義務

令和9年度に向けた逆算(日程は未発表)

令和9年度の公募があるかどうか、時期がどうなるかは2026年11月2日時点で公表されていません。ただし令和8年度はセミナー受講・業務改善計画の作成・交付申請がすべて6月29日〜7月31日の1か月に収まっていたため、動くなら公募前の春に準備を終えておくのが現実的です。公募が始まってから相談センターに初めて連絡する段取りでは、1か月では計画が固まりません。年明けから春にかけて、現場の課題の洗い出しとソフトのデモ、複数社からの見積取得、職員数の確定(上限区分の見極め)までを終えておき、公募が出たらセミナー受講と計画書の提出に集中する——という順番になります。最新の日程は必ず和歌山県の公式ページ(公募要領)でご確認ください。

和歌山県特有の注意点:業務改善計画・月額費用・対象外経費

この章では、他県の制度と比べたときに和歌山県で特に差が出る6つの論点を挙げます。

1. 業務改善計画の作成と相談センターへの相談、セミナー受講がセット

和歌山県は機器の購入だけを見る制度にしていません。手引きには「厚生労働省が発行する介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン等を参考に業務改善に取り組み、業務改善計画を作成する」とあり、和歌山県介護生産性向上総合相談センターへの相談と、同センター主催のオンラインセミナーの受講が求められます。令和8年度のセミナー視聴期間は令和8年6月29日〜7月31日で、補助金申請予定事業所はアンケート回答が必須とされていました。

相談センターは社会福祉法人和歌山県社会福祉協議会(県民交流プラザ和歌山ビッグ愛7階)に置かれ、和歌山県介護生産性向上総合相談センターのページには「介護テクノロジーや生産性向上に関する現場からの相談対応」「専門家による介護現場の生産性向上のための伴走支援」「先進介護事業所への見学・相談のマッチング」「介護現場の生産性向上に関するセミナー等の開催」が業務として示されています。電話は073-435-5225、メールはjinzai@wakayamakenshakyo.or.jp、受付は平日9:00〜17:00(土日祝日・年末年始12/29〜1/3を除く)です。

2. 月額課金・クラウド型・リースは「年度内かつ1月31日まで」が壁

クラウド型の介護ソフトを月額で使う場合、補助対象の範囲が限定されます。県のQ&Aは、毎月費用を支払う介護ソフトについて「3月31日までの経費で、かつ原則1月31日までに納品・支払いが完了する分のみとします」と答え、リース・レンタルについても「申請額は月割をして、導入日から年度内(導入した年度の3月31日)までの経費で、かつ1月31日までに納品・支払いが完了したものが補助対象となります。来年度以降に支払われるリース又はレンタル料は補助対象とはなりません」としています。さらに手引きは、保守・サポート・セキュリティ対策等で翌年度まで継続して発生する月額費用を対象外と明記しています。

一方で、5年分の使用権(ライセンス)を購入時に一括払いする型の介護ソフトは「性質としてはパッケージ型の介護ソフトの購入と同質」として全額が補助対象になるため、契約形態の選び方で補助額が大きく変わります。月額サブスクリプションか一括ライセンスかは、見積段階でベンダーに両方のパターンを出してもらう価値があります。

3. 交付決定前の契約・翌年度分の保守費用・通信費が対象外

県の交付要綱の別表には補助対象外経費が5項目列挙されており、交付決定前に発注又は契約を締結したもの、交付決定を受けた日の属する年度の1月末までに納品が完了しないもの、同年度の2月以降の購入・リース・レンタルに要する費用、介護ソフト導入時の保守・サポート・セキュリティ対策等で翌年度まで継続して発生する費用のうち翌年度以降相当分、他の補助事業で補助金の交付を受けている(または受ける予定の)ものが並びます。通信費については国の実施要綱が「通信費は上記経費には含まないこととする」としています(保険料・プリンターを対象外と明記した記載は、県の手引き・交付要綱・Q&Aでは確認できませんでした)。手引きも「〇〇一式や諸費用等の詳細がわからないもの」を対象外としています。ICT導入では通信回線の月額や周辺機器を見積に混ぜ込みがちですが、内訳を分けて見積書を作らないと、本体まで含めて指摘を受ける可能性があります。

4. 既存機器と一体で使うタブレット・通信環境の「後追い導入」は対象外

県のQ&Aは「既に導入している介護テクノロジーと一体的に使用するために、新たにタブレット端末等のみ導入する場合や通信環境を整備する場合も補助対象となるのか」という質問に、「補助対象外となります」と明確に答えています。昨年度に見守り機器を入れた施設が、今年度はタブレットとWi-Fiだけ追加しようとしても通りません。タブレットやWi-Fiは介護ソフト等の導入と同時に申請する前提で、設備の順番から逆算して計画を組む必要があります。あわせて交付要綱は、1回目に導入した機器のリース料や保守費用を2回目以降の申請では対象外とし、業務改善支援は「一の業務改善計画につき1回」としています。

5. 1法人あたりの申請数に制約はなく、事業所番号ごとに1事業所

複数拠点を運営する法人にとって重要な点です。県のQ&Aは「交付申請は1法人につき1事業所までしか申請できないなどの制約はあるか」に「ありません」と答え、続けて「許可又は指定を受けた事業所番号毎に1事業所とします」、複数のサービス種別で指定を受けている事業所は「複数のサービス種別での一括申請となります。そのため、申請書のサービス種別の記載欄にも全て記載するようにしてください」としています。つまり拠点ごとに上限が立つ一方、同一事業所番号で複数サービスを運営している場合はまとめて1事業所として扱われます。法人本部で申請を束ねる前に、事業所番号の数を数えておくのが先です。

6. 他の補助金で助成済みの経費は対象外。採択後も3年間の報告が続く

県の交付要綱第3条は、他の補助金等により助成を受けた経費を補助対象外としています。IT導入補助金など他制度と同じ経費を二重に充てることはできないため、他制度を併用する計画がある場合は経費の切り分けを申請前に長寿社会課へ照会してください。また交付要綱第6条には、消費税の返還、取得価額が一定額以上の財産の処分制限、帳簿の保存、補助金の返納、そして業務改善効果等について補助を受けた翌年度から3年間報告する義務が定められています。事業所の閉鎖・譲渡を行う場合は財産処分の手続きが必要になることがあるため、必ず事前に県へ相談するようQ&Aでも求められています。制度間の切り分けの考え方は令和8年度の介護補助金制度でも触れています。

そして前提として、県の公式ページには「『申請すれば必ず補助を受けられる』ということではありません。」と明記されています。予算の範囲内での審査があり、要件を満たしていても採択されない可能性があることを前提に稟議を組むべきです。

よくある質問

和歌山県の介護ICT導入補助について、現場からよく届く質問を5つに絞って公式原文ベースで回答します。

和歌山県の介護ソフト補助金は令和8年度はもう申請できませんか

令和8年度(2026年度)の交付申請期間は令和8年6月29日〜7月31日(必着)で、県の公式ページには「【募集は終了しました】」と表示されています。今年度の新規申請はできませんが、採択された事業所には令和9年1月31日までの納品・支払と、2月10日までの実績報告が残っています。次年度の公募有無・時期は未発表のため、和歌山県の公式ページでご確認ください。

介護ソフトの上限250万円は法人単位ですか、事業所単位ですか

1事業所あたりの上限です。職員数31人以上で250万円、21〜30名で200万円、11〜20名で150万円、1〜10名で100万円とされています。県のQ&Aにより事業所の数は「許可又は指定を受けた事業所番号毎に1事業所」と数え、1法人あたりの申請数に制約はないとされています。

タブレットとWi-Fiだけを補助対象にできますか

できません。手引きではWi-Fi・タブレット等は介護ソフト導入に付帯して必要となる経費として扱われ、介護ソフトと併せて導入する場合に15万円の上乗せが示されています。またQ&Aでは、既存の介護テクノロジーと一体的に使うためにタブレット端末等のみ、または通信環境のみを整備する場合は補助対象外とされています。

クラウド型の介護ソフトの月額費用はどこまで対象になりますか

Q&Aでは「3月31日までの経費で、かつ原則1月31日までに納品・支払いが完了する分のみ」とされ、手引きでは保守・サポート・セキュリティ対策等で翌年度まで継続して発生する月額費用は対象外と明記されています。一方、購入時に一括払いする使用権(ライセンス)型は全額が補助対象とされています。

補助金の交付決定を待たずに発注してもよいですか

いけません。手引きは「県からの交付決定通知日後に契約(発注)を行ってください」とし、交付要綱の別表でも「補助金の交付決定前に発注又は契約を締結したもの」が補助対象外経費とされています。交付決定(令和8年度は9月下旬〜10月上旬頃)より前の日付の契約書・発注書があると、その経費は対象になりません。

まとめ:和歌山県の介護ICT補助金で押さえる5点

最後に、令和8年度の和歌山県介護テクノロジー定着支援事業補助金について、ICT導入を考える施設が押さえるべき点を整理します。

1つ目は、事業名が「介護テクノロジー定着支援事業補助金」で、財源も地域医療介護総合確保基金ではないこと。2つ目は、補助率が補助対象経費の5分の4で、介護ソフトは職員数別に1事業所100万円〜250万円(Wi-Fi・タブレット併設で+15万円、令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携する場合は+5万円)、インカムのみは1機器100万円、パッケージ型導入支援は1事業所400万円が上限であること。3つ目は、業務改善計画の作成・相談センターへの相談・オンラインセミナー受講がセットで求められ、見守り・介護ソフト・インカムが重点機器として優先されること。4つ目は、交付決定前の発注・契約が対象外で、納品と支払を令和9年1月31日までに終える必要があること。そして5つ目は、「申請すれば必ず補助を受けられる」制度ではなく、採択後も翌年度から3年間の効果報告が続くという点です。

県全体の制度(介護ロボット・見守り機器を含む)は和歌山県の介護補助金、申請書類の型は補助金申請の流れ、機器選定は介護ソフト比較と見守りセンサー比較をご覧ください。近隣府県の運用と比べたい方は京都府の介護補助金、規模の大きい自治体の設計を知りたい方は東京都の介護補助金や愛知県の介護補助金が参考になります。

この記事は2026年11月2日時点の和歌山県および厚生労働省の公式情報に基づきます。金額・期間・要件は年度ごとに変わるため、申請前には必ず和歌山県の公式ページと公募要領、長寿社会課(TEL 073-441-2519)でご確認ください。

出典


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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