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千葉県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限額と要件

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千葉県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限額と要件
千葉県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限額と要件

この記事は2026年11月3日時点の千葉県公式情報に基づきます。

「千葉県で介護記録ソフトを入れ替えたい。補助金が使えるらしいが、結局いくらまで出るのかが分からない」——稟議書の前で手が止まっていませんか。

千葉県の公式ページを開くと、事業名は「介護テクノロジー定着支援事業」。介護ロボットも介護ソフトも同じ要綱のなかに同居しているため、ICTだけを知りたい担当者にとっては、どの表の、どの行を見ればよいのかが分かりにくい構造になっています。しかも金額表は「機器1台あたり」の表と「職員数に応じた」表の2本立てです。

先に結論を3行で示します。

  • 令和8年度の補助率は税抜補助対象経費の5分の4(千円未満切捨)
  • 介護ソフト・バックオフィスソフトの基準額は職員数に応じて100万円〜250万円。タブレットやWi-Fi環境整備を合わせて入れると各区分が15万円上がり、最大265万円
  • 令和8年度の事前協議は令和8年7月13日(月)17時で締切済み。これから動く施設は令和9年度の公募を前提に準備する

この記事では、千葉県介護テクノロジー定着支援事業実施要綱と令和8年度Q&Aの原文から、介護ソフト・ICT機器に関係する部分だけを抜き出して整理します。対象事業所、職員数別の基準額表、リースやクラウドの扱い、千葉県独自の5つの補助要件、千葉市の別制度との関係まで、今日の判断に必要な材料を並べます。

最初に1つだけ注意点を。千葉県では「Wi-Fi環境整備だけ」の申請は通りません。理由は後半で説明します。

千葉県庁舎の外観
写真: Nesnad / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

結論|千葉県の介護ソフト・ICT導入補助金で押さえる4点

誰が・いくら・いつまで・どこへ出すのかを、最初にまとめて確認します。

事業名 千葉県介護テクノロジー定着支援事業(補助金名:千葉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金)
実施主体 千葉県 健康福祉部 高齢者福祉課 法人・事業者支援班
対象施設 千葉県内に所在する介護保険法に基づく介護サービス事業所/老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム
対象(ICT部分) 介護ソフト、バックオフィスソフト(電子サインシステム・給与・勤怠管理等)、介護ソフトと一体的に使用するPC・タブレット端末(リース費含む)、Wi-Fi環境整備に必要な経費(配線工事・有線LAN設備工事・モデム・ルーター・アクセスポイント・システム管理サーバー・ネットワーク構築等)、介護ソフト導入前後のベンダーによるサポート費用、インカム など
補助率・上限 補助率4/5(千円未満切捨)。介護ソフト・バックオフィスソフトは職員数別に100万〜250万円、介護ソフト定着促進支援を併用する場合は115万〜265万円。パッケージ型導入支援は1事業所1,000万円(介護ソフト+定着促進支援を併用する場合1,015万円)
申請期間(令和8年度) 事前協議:令和8年7月13日(月)17時まで(募集終了)/交付申請:令和8年8月頃/実績報告:令和9年1月15日
窓口 千葉県健康福祉部高齢者福祉課法人・事業者支援班 電話 043-223-2593/043-223-3496 FAX 043-227-0050
公式URL 令和8年度千葉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金(千葉県)

整理すると、千葉県には「介護ICT専用の補助金」という独立した制度はなく、介護テクノロジー定着支援事業のなかの一区分として介護ソフトが扱われている、というのが出発点になります。介護ロボット(見守り機器や移乗支援機器)と同じ申請書・同じスケジュールで動く制度です。

したがって、記録ソフトだけを検討している施設も、要綱全体に目を通す必要があります。制度の骨格そのものは介護テクノロジー導入支援事業の全体像で整理していますので、国の枠組みから確認したい方は先にそちらをご覧ください。なお、金額や要件は年度ごとに改定されます。申請前には必ず千葉県の公式ページ(公募要領・実施要綱)でご確認ください。

千葉県介護テクノロジー定着支援事業のなかでICTはどこに入るか

事業は大きく2本に分かれ、介護ソフトはそのうち「導入支援」の内側にある3つの区分の1つとして位置づけられています。

事業内容は「導入支援」と「パッケージ型導入支援」の2本立て

実施要綱の「3 事業内容」は、(1) 介護テクノロジー等の導入支援、(2) 介護テクノロジーのパッケージ型導入支援、の2つで構成されています。

(1) はさらにア・イ・ウの3つに分かれます。アが「福祉用具情報システム(TAIS)に掲載された介護テクノロジー」、イが「介護ソフトの定着促進支援」、ウが「その他」です。TAIS(Technical Aids Information System)は公益財団法人テクノエイド協会が提供する福祉用具情報システムで、介護テクノロジーのTAISの介護テクノロジーカテゴリは「移乗支援(装着)」「移乗支援(非装着)」「見守り・コミュニケーション(施設)」「入浴支援」「介護業務支援」など16の分野に区分されています。

ここで大事なのは、介護ソフトそのものはTAISの「介護業務支援」分野に掲載された製品として(1)アに入り、タブレットやWi-Fiは(1)イの「定着促進支援」として別に扱われるという二層構造です。イの例として要綱が挙げているのは、①介護ソフトと一体的に使用するための情報端末(PC、タブレット端末(リース費含む))、②介護ソフトを利用するためのWi-Fi環境整備に必要な経費、③介護ソフトの導入前後に行うベンダーによるサポート費用、の3つです。

(2) のパッケージ型導入支援は、「介護業務支援」に分類されるテクノロジーと、それと連動することで効果が高まると判断できる機器等を組み合わせて導入する場合の支援です。要綱は例として「介護記録ソフト+インカム」を明示しています。記録ソフトとインカムを同時に入れる計画なら、こちらの区分を検討する価値があります。

介護ソフトに課される「一気通貫」要件

千葉県が介護ソフトに求める定義は明確です。要綱およびQ&Aは、介護ソフトを「介護事業所等の業務を支援するソフトウェアであって、記録業務、情報共有業務(事業所内の情報連携のみならず、居宅サービス計画やサービス利用票等を他事業所と連携する場合を含む。)、請求業務を一気通貫で行うことが可能となっているものであること(転記等の業務が発生しないものであること)」としています。

救いがあるのは次の一文です。「既に導入している介護ソフト等と組み合わせて一気通貫が実現できていれば補助対象として差し支えない」と要綱が明記しているため、今の記録ソフトを残したまま請求側だけを刷新する、といった部分導入も検討の余地があります。

さらにサービス種別ごとに追加要件があります。居宅介護支援事業所・介護予防支援事業所・居宅サービス事業所・介護予防サービス事業所は、国民健康保険中央会のベンダー試験結果や厚生労働省の「介護ソフトの機能調査結果」において、①ケアプランデータ連携標準仕様に準じたCSVファイルの出力・取込機能を有すること、②中央会が運営するケアプランデータ連携システムの活用促進のためのサポート体制が整っていることが確認できる製品であることが必要です。一方、施設サービス事業所・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護事業所は、厚生労働省の介護ソフト機能調査結果でLIFEのCSV連携仕様書に準じたCSV出力機能を有することが確認できる製品であることが要件です。

製品選定の段階でこの要件に引っかかると、後から取り返せません。主要な記録ソフトの機能差は介護記録ソフトの比較で整理していますが、最終的な可否判断は必ず厚生労働省の機能調査結果とベンダーへの確認で行ってください。

対象になる事業所・ならない事業所

対象は「千葉県内に所在する介護保険法に基づく介護サービス事業所」と「老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム」です。令和8年度Q&Aは、実務で迷いやすい点に次のように答えています。

  • 有料老人ホーム:特定施設入居者生活介護の指定を受けている介護付き有料老人ホームは対象。指定を受けていない住宅型有料老人ホームは対象外
  • みなし指定(保険医療機関等):対象になる
  • 法人本部が県外の場合:事業所が県内にあれば対象になる
  • これから開設する事業所:交付申請時に介護サービス事業所として指定を受けていることが必要
  • 過去に本補助金を受けたことがある場合:1事業・1計画となっているため、新たな事業計画のもとで導入する場合は対象になる

申請単位にも特徴があります。Q&Aは「申請は法人単位となります。なお、あくまでも施設ごとに補助内容を審査しますので、施設ごとに指定様式で個票を作成してください。また、同一法人で補助限度台数は、通算しません」と回答しています。複数事業所を持つ法人は、法人で1本の申請にまとめつつ、事業所ごとの計画書を揃える段取りになります。

介護ソフト・ICTの補助率と上限額|職員数別の基準額表

補助率は一律4/5で、上限額は「介護ソフト等」と「機器1台あたり」で別の表を使います。

介護ソフト・バックオフィスソフトの基準額(実施要綱 表2)

職員数に応じて必要なライセンス数が変動するなど、職員数により合計金額が変動する契約で介護ソフト・バックオフィスソフトのみを導入する場合は第2欄、介護ソフトの導入と合わせて(1)イの定着促進支援(タブレット・Wi-Fi等)を活用する場合は第3欄が基準額になります。

職員数(申請時点) 基準額(介護ソフト等のみ) 基準額(定着促進支援を併用)
1名以上10名以下 100万円 115万円
11名以上20名以下 150万円 165万円
21名以上30名以下 200万円 215万円
31名以上 250万円 265万円
職員数に連動しない方式の契約 一律250万円 一律265万円
※ケアプランデータ連携システムによる5事業所以上のデータ連携を令和8年度中に実施する場合は、基準額に5万円を加算(訪問介護事業所等の居宅サービス事業所又は居宅介護支援事業所(介護予防も含む)が対象)
※補助額に千円未満の端数が生じた場合は切捨て

表を見れば一目ですが、第3欄と第2欄の差はどの区分でも15万円です。これはQ&Aの「介護ソフトの導入に伴って整備する場合は、介護ソフトの基準額に15万円上乗せして計算します」という回答と一致します。つまりタブレットやWi-Fi工事に100万円かけても、介護ソフト側で上積みされるのは15万円が上限、という設計です。

職員数の数え方にも決まりがあります。要綱の留意事項は、職員数には訪問介護員等の直接処遇職員だけでなくICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等の職員も算入して差し支えないとし、原則は申請時点における常勤換算方法により算出された人数(小数点以下は四捨五入)としています。ただし居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)及び管理者や生活相談員等の職員については、実人数(常勤・非常勤の別は問わない)としても差し支えないとされています。訪問系の事業所は、この読み替えで区分が1段階上がることがあります。

機器1台あたりの基準額(実施要綱 表1)

インカムなどハードウェア側は、台数で計算する表1を使います。

補助対象経費の区分 1台あたりの基準額 1事業所あたりの上限額
TAISで「移乗支援(装着型・非装着型)」「入浴支援」または「介護業務支援」に掲載されているインカム/これらと同水準の機能と県が判断した機器等/県が有効と判断した機器等のうちバックオフィスソフト以外 100万円 750万円
上記および介護ソフト・バックオフィスソフト以外の介護テクノロジー(TAISの「見守り・コミュニケーション」分野の機器等) 30万円
※区分ごとに、実支出額×4/5と「基準額×購入台数」を比較して少ない方の額と、1事業所あたりの上限額を比較し、少ない方が補助額
※パッケージ型導入支援は1事業所1,000万円(介護ソフトと定着促進支援を併用する場合は1,015万円)

台数制限は読み落としやすいポイントです。要綱の留意事項は「介護テクノロジー機器のうち情報端末、インカム、ソフトウェア(介護ソフト、バックオフィスソフト等)を除く機器の補助上限台数は利用定員数を2で除した数を限度とし、1台未満は切り上げ」と定めています。Q&Aも「定員2分の1となります。(端数が出た場合は切り上げ)なお、介護ソフト、バックオフィスソフト、インカム、情報端末の数は含みません。【パッケージ型導入支援】上限はありません」と補足しています。

裏を返すと、ICT中心の計画では台数制限がほとんど効かないということです。見守り機器を主役に据えた計画との比較検討は見守りセンサーの比較・選び方も参照しながら進めると判断しやすくなります。機器側も含めた千葉県全体の制度設計は千葉県の介護補助金で扱っています。

対象経費と対象外経費|リース・クラウド・ライセンス一括の扱い

千葉県のQ&Aは契約形態ごとの可否をかなり具体的に書いており、ここが実務上いちばん効きます。

対象になると明記されているもの

  • 介護ソフトの5年間の使用権(ライセンス)の一括購入:「実績報告までに導入し、一括して費用を支払う場合、補助対象経費となります」
  • クラウドサービスの初期費用、タブレット等のリース初期費用:「導入時の設定に要する費用と考えられるため、対象経費に該当します」
  • リース又はレンタル:「令和8年4月1日以降に契約を開始し、実績報告までに支払いを完了したものが、補助対象となります。例えば月額払いの場合は支払いを終えた月までが対象です」
  • 交付決定前に購入した介護ソフト等:「令和8年4月1日以降に導入したものは対象となります。それ以前のものは対象外です」
  • チャットツール:「職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器に該当するものと考えられるため、補助対象となる場合があります」
  • バックオフィスソフト:「介護ソフトの一気通貫の環境が実現されていなくても職場環境整備として有効であり、介護サービスの質の向上につながる場合は補助対象となります」

4つ目は特筆に値します。多くの都道府県が「交付決定前の契約・発注は対象外」を原則とするなか、千葉県のQ&Aは令和8年4月1日以降の導入であれば交付決定前の購入でも対象になり得ると答えています。ただしこれはあくまで令和8年度の運用で、年度ごとに変わる可能性があります。前倒しで発注する場合は、必ず事前に県の窓口へ確認してください。交付決定と契約の一般的な順序は補助金申請の流れ・必要書類で整理しています。

対象外と明記されているもの

Q&Aは補助対象経費に含まれないものとして、メンテナンスに係る経費(介護ソフトのシステム保守料を除く)、通信費、保険料、消費税、過年度に導入した機器・介護ソフト等のランニングコスト、すでに保有している機器等の廃棄に係る経費、機器の設置に係る建物の改修費、送料を挙げています。

ICTで特に注意したいのが次の3点です。

  • Wi-Fi整備等の通信環境整備のみでは対象になりません。TAISの介護テクノロジー導入に付帯して当該年度に導入する場合に主機器と合算して申請でき、介護ソフトの導入に伴って整備する場合は基準額に15万円上乗せする扱いです
  • タブレットは介護ソフトを利用することを想定した経費です。Q&Aは「バックオフィスソフトを導入する際の附帯経費として申請することはできません」と明記しています。なお、テレビ会議システム等を用いた利用者家族のオンライン面会に本事業で導入したタブレットを使うことは差し支えないとされています
  • 工事費は補助対象になりますが、「その付帯部分等がなければ機能しない等という場合に限ります」という条件付きです

「古いWi-Fiを刷新したい」という動機だけでは申請できず、介護ソフトまたは対象機器の導入とセットで計画を立てる必要がある——ここが千葉県の設計で最初につまずく箇所です。

千葉県独自の補助要件と、申請から実績報告までのスケジュール

千葉県は実施要綱「5 補助要件等」で(ア)〜(ク)の8項目を補助要件と定めており(続く(ケ)は、導入したタブレットをオンライン面会等に使ってよいとする許容規定です)、うち5つは着手前に段取りが要る種類の要件です。

着手前に動いておくべき5要件

  1. 委員会の設置(ア):短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院などの施設系・居住系サービスは、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会(名称は問わない)を設置すること
  2. ケアプランデータ連携システムの利用開始(イ):訪問介護、訪問看護、通所介護、居宅介護支援などの在宅系サービスは、令和8年度内にケアプランデータ連携システム(介護保険資格確認等WEBサービスに統合された場合は当該サービス)の利用を開始すること
  3. 賃金への還元(ウ):生産性向上により収支の改善が図られた場合には職員の賃金へも適切に還元し、その旨を職員等に周知すること
  4. SECURITY ACTIONの宣言(エ):独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施するSECURITY ACTIONの「★一つ星」又は「★★二つ星」のいずれかを宣言すること。加えて個人情報保護の観点から十分なセキュリティ対策を講じること。対象外の事業所は同等の対策を講じていることを宣言すること
  5. セミナー受講とセンターへの相談(オ):千葉県介護業務効率アップセンターが実施する「介護現場における業務改善推進セミナー」を受講すること。これとは別に、同センターへ相談することも定められています

5つ目の窓口である千葉県介護業務効率アップセンターは、公益財団法人介護労働安定センター千葉支部が運営する県の介護生産性向上総合相談センターです(千葉市中央区中央3-3-1 フジモト第一生命ビル6F/電話043-216-2011/受付9:00〜17:00 月〜金/kaigochiba@kaigo-center.or.jp)。総合相談窓口のほか、介護テクノロジーの試用貸出、研修会・セミナーの企画運営、伴走支援とモデル事業所の養成を行っています。要綱は、同センターの「モデル事業所の養成」「介護事業所の業務改善研修」「在宅系サービス介護事業所の業務改善研修」「業務改善フォローアップ研修」に参加している事業所については、当該センターへの相談について不要とする、としています。

令和8年度の業務改善推進セミナーは令和8年5月26日(火)にオンラインで実施され、YouTubeの千葉県公式セミナーチャンネルでアーカイブ配信されています。千葉県の業務改善推進セミナーのページには「本セミナーの受講は補助金申請の要件の1つとなります」と明記されています。試用貸出を使って記録ソフトやインカムの使用感を先に確かめておくと、申請書の業務改善計画が具体的になります。

交付後に続く義務

要綱の(カ)〜(ク)は、計画と報告に関する要件です。厚生労働省の「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」等を参考に業務改善に取り組み、交付要綱第8条に定める業務改善計画を作成すること。LIFEによる情報収集に協力すること。厚生労働省等が実施する効果検証事業等に可能な限り協力すること。そして実施要綱「6 業務改善計画の作成及び効果の報告・公表」により、補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を報告することが求められます。単年度で終わらない制度である点は、稟議の段階で共有しておくべきポイントです。

令和8年度のスケジュールと、令和9年度に向けた逆算

令和8年度の日程は次のとおりで、すでに募集は終了しています。

時期 手続き
令和8年5月26日 業務改善推進セミナー(オンライン・アーカイブ配信あり)
令和8年7月13日(月)17時 事前協議の締切(受付終了)
令和8年8月頃 交付申請(ちば電子申請システム)
交付決定後〜 契約・発注・導入・支払
令和9年1月15日 実績報告の最終締切
額の確定通知の到着後 請求書の提出
交付の翌年度から3年間 業務改善計画に対する効果の報告

次年度に向けて今から着手するなら、逆算はこうなります。公募前の秋〜冬にセンターへ相談して試用貸出で製品を絞り込み、年明けにSECURITY ACTIONの宣言と委員会設置を済ませる。春にセミナーを受講し、見積を取る。Q&Aは「見積書について、募集開始の告知がある前に取った見積でも構わないか」に対し「申請時点で有効な見積書であれば構いません」と答えているため、見積の取得自体は前倒しできます。ただし見積書は「消費税は補助対象経費とならないため、本体価格が区別できる見積書」を出す必要があります。

申請はちば電子申請システムから行い、申請書類を添付する方式です。役員等名簿・誓約書は電子提出する場合は写しを電子申請システムで提出し、原本は申請者側で保管します。役員等名簿はエクセルデータでの提出も求められています。

千葉市の制度・他補助金との関係と、次回公募に向けた準備

千葉県は政令指定都市の千葉市を抱えていますが、県事業と市独自事業は目的が異なります。

千葉市の「大規模修繕時介護ロボット・ICT導入支援事業」

千葉市は、介護職員の負担軽減及び働きやすい職場環境整備の推進のため、千葉県の地域医療介護総合確保基金を活用して、大規模修繕時介護ロボット・ICT導入支援事業を実施しています。地域医療介護総合確保基金とは、消費税増収分等を財源に都道府県に設置された基金で、介護人材の確保や介護施設の整備に充てられる国の仕組みです。

名称のとおり大規模修繕の際に合わせて行う介護ロボット・ICT導入費用を対象とするもので、通常の機器更新を想定した県の定着支援事業とは入口が異なります。2026年11月3日時点で市のページに掲載されているのは令和9年度向けの案内で、令和8年度に実施予定の事業については令和7年度に事業量調査を実施済みとの記載があります。補助率や上限額はページ本文に記載がないため、交付要綱または介護保険管理課(電話043-245-5206)へご確認ください。

なお、千葉県の定着支援事業の対象は「千葉県内に所在する介護サービス事業所」であり、千葉市内の事業所を除外する規定は要綱にありません。千葉市内の施設も県の定着支援事業に申請できる建て付けですが、同一経費を複数の補助金で重複して受けることはできないのが補助金の一般原則です。千葉市の制度と県の制度のどちらで組むかは、大規模修繕の予定の有無で切り分けるのが実務的です。

他補助金との併用と、よくある不採択・減額の原因

令和8年度の千葉県Q&AにはIT導入補助金等との併用可否に関する設問は見当たりませんでした。ただし補助対象経費の重複受給ができないことは共通の前提ですので、同じ介護ソフトでIT導入補助金を検討している場合は、どちらに寄せるかを先に決めてから見積を取ってください。判断材料は介護テクノロジー補助金の完全ガイドにまとめています。

要綱の「7 その他」には、「県の予算額を超える申請があった場合には、公平性や補助効果を勘案して、予算額の範囲内で補助対象事業者を決定するほか、補助台数及び補助額を調整することがある」と書かれています。要件を満たしていれば満額が交付されると決まっているわけではなく、審査があるという前提で計画を立ててください。

実務でつまずきやすいのは次のような点です。交付決定後に在庫切れで別機種に変えたい場合、Q&Aは「県が再度決定を行ってから契約を行い年度内に購入することが必要」としており、連絡が遅いと補助金を受けられなくなる可能性が高くなると注意しています。また、納品が翌年度4月上旬になりそうな場合は「県が指定する実績報告の提出までに導入、支払いが完了しなかった場合は補助対象としない」ため対象外となり、間に合わなかった場合でも交付要綱に基づき実績報告は必要です。領収書の日付が令和9年4月1日になっている場合も「補助対象外のため、補助金を受け取ることができません」と明記されています。

近隣県と比較して制度設計の違いを確認したい場合は、東京都の介護補助金、埼玉県の介護補助金、茨城県の介護補助金、神奈川県の介護補助金も参考になります。同じ4/5でも、台数の数え方や交付決定前着手の扱いは県ごとに違います。

よくある質問

千葉県の令和8年度Q&Aと実施要綱から、介護ソフト・ICTに関係する質問を5つ取り上げます。

Wi-Fi工事だけを千葉県の補助金で行うことはできますか

できません。令和8年度Q&Aは「通信環境整備のみでは対象となりません」と明記しています。TAIS掲載の介護テクノロジーの導入に付帯して当該年度に導入する場合に主機器と合算して申請する形か、介護ソフトの導入に伴って整備し基準額に15万円を上乗せする形のいずれかになります。

介護ソフトの5年分ライセンスを一括購入した場合、全額が対象になりますか

Q&Aは「実績報告までに導入し、一括して費用を支払う場合、補助対象経費となります」と回答しています。ただし補助額は職員数に応じた基準額が上限となり、基準額と実支出額×4/5を比べて少ない方の額になります。月額払いのリース・レンタルの場合は「支払いを終えた月までが対象」です。

同じ法人で複数の事業所がありますが、まとめて申請できますか

Q&Aは「申請は法人単位となります」としたうえで、「あくまでも施設ごとに補助内容を審査しますので、施設ごとに指定様式で個票を作成してください」「同一法人で補助限度台数は、通算しません」と回答しています。1本の申請のなかに事業所ごとの計画を揃える形になります。

職員数はどのように数えますか

原則は申請時点における常勤換算方法により算出された人数(小数点以下四捨五入)です。ただし居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)及び管理者や生活相談員等の職員については、実人数(常勤・非常勤の別は問わない)として換算することが認められています。管理者や生活相談員も算入して差し支えないと要綱が明記している点も押さえてください。

令和8年度の申請に間に合いませんでした。次はいつですか

令和8年度は事前協議の締切が令和8年7月13日17時で、2026年11月3日時点の県公式ページには「募集は終了しました」と掲載されています。令和9年度の公募日程は本記事作成時点で公表されていません。千葉県高齢者福祉課の介護テクノロジー定着支援事業ページで最新情報をご確認ください。年度が変われば補助率・基準額・要件が改定される可能性があります。

まとめ|千葉県の介護ICT補助金は「職員数」と「要件の前倒し」で決まる

令和8年度の千葉県介護テクノロジー定着支援事業のうち、介護ソフト・ICTに関わる部分を整理しました。

押さえるべきは3つです。第一に、補助率は4/5で、介護ソフトの基準額は職員数別に100万〜250万円、タブレットやWi-Fiを合わせると各区分+15万円で最大265万円。第二に、Wi-Fi単独やタブレット単独では申請できず、介護ソフトまたは対象機器とセットで計画する必要があること。第三に、SECURITY ACTIONの宣言、委員会の設置、ケアプランデータ連携システムの利用開始、業務改善推進セミナーの受講という4つの要件は、公募が始まってから着手すると間に合わないということです。

令和8年度の受付は終了していますが、令和9年度に向けて動くには十分な時間があります。まずは千葉県介護業務効率アップセンターに相談し、試用貸出で製品を絞り込むところから始めてください。制度の全体像は介護テクノロジー導入支援事業の全体像、書類の準備は補助金申請の流れ・必要書類で確認できます。

なお、本記事の金額・要件はすべて千葉県の公式文書から引用していますが、要件を満たせば必ず交付されるというものではなく、予算の範囲内で審査のうえ決定されます。申請にあたっては必ず最新の公募要領・実施要綱をご確認ください。

出典(すべて公式)

この記事は2026年11月3日時点の公式情報に基づきます。制度内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず千葉県の公式サイト(公募要領・実施要綱)でご確認ください。


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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