「介護記録ソフトを入れ替えたいのに、徳島県にICT専用の補助金が見当たらない」。事業者向けページを上から下まで探して、そう感じた施設長・事務長は少なくないはずです。実は徳島県では、介護ソフト・インカム・タブレット・Wi-FiといったICT関係の経費も、介護ロボットと同じ「介護テクノロジー定着支援事業」1本の中で申請する仕組みになっており、ICTだけを切り出した別事業は存在しません。
結論は3行です。補助率は全区分とも5分の4で自己負担は5分の1。介護ソフトの補助基準額は職員数で4段階に分かれ、加算込みで100万円〜265万円。そして令和8年度は7月10日締切の「要望調査」を出していない事業所は、そもそも交付申請ができません。
この記事では、徳島県長寿いきがい課が公開する交付要綱・交付要領・FAQ(全13問)・事務連絡の原文だけを使い、ICTに絞って「何が対象か・いくらまで出るか・いつ何をするか・徳島県だけの9条件は何か」を整理します。とくに「通信環境整備の単体申請は不可」「法人本部で使うものは対象外」の2つは、稟議を書く前に確認すべき落とし穴です。県全体の制度像は徳島県の介護補助金で先に押さえておくと読みやすくなります。この記事は2026年11月7日時点の公式情報に基づきます。
結論|徳島県の介護ソフト・ICT導入補助金は「介護テクノロジー定着支援事業」で申請する
誰が・いくら・いつまで・どこへ出すのかを、先に基本情報表で確認してください。
| 事業名 | 令和8年度 介護テクノロジー定着支援事業(補助金名:徳島県介護テクノロジー定着支援事業費補助金) |
|---|---|
| 実施主体 | 徳島県(保健福祉部長寿いきがい課 介護支援担当) |
| 対象施設 | 徳島県内に所在し介護保険法に基づく全サービスを提供する事業所、老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホームを運営又は開設する法人(特養・老健・介護医療院・グループホーム・特定施設・小多機・デイ・訪問系・居宅介護支援ほか)。法人本部で使用するものは対象外(FAQ Q2) |
| 対象機器(ICT関係) | 介護ソフト等(介護記録・請求ソフト)、インカム等、情報端末(タブレット等)、通信環境整備(Wi-Fi等)。福祉用具情報システム(TAIS)登録機器であることを確認(FAQ Q12)。通信環境整備の単体実施は対象外(FAQ Q8) |
| 補助率・上限 | 補助率5分の4(自己負担5分の1、千円未満切り捨て)。補助基準額は、介護ソフト等が職員数別100万/150万/200万/250万円(介護ソフトの定着促進支援を併せて活用する場合は各+15万円)、居宅サービス事業所・居宅介護支援事業所(介護予防含む)が令和8年度中にケアプランデータ連携を5事業所以上と行う場合は+5万円。インカム等・移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援は1機器100万円、それ以外の機器は1機器30万円。パッケージ型導入1,000万円、業務改善支援48万円 |
| 申請期間(令和8年度) | 要望調査の回答期限 令和8年7月10日(金)/要望調査後に県が金額の「内示」を通知し、内示額の範囲内で交付申請/事業完了 令和9年1月末/実績報告 令和9年2月12日(FAQ Q1)。交付申請の受付期間・交付決定日の日付は県の公開資料に記載がありません |
| 窓口 | 徳島県保健福祉部長寿いきがい課 介護支援担当 TEL 088-621-2213/FAX 088-621-2840/choujuikigaika@pref.tokushima.lg.jp(問い合わせは原則メールで、件名は「【法人名・質問】介護テクノロジー定着支援事業」とし質問票を使用)。提出は徳島県電子申請サービス |
| 公式URL | 令和8年度「介護テクノロジー定着支援事業」の実施にかかる要望調査について(徳島県) |
表のとおり、徳島県のICT補助は「介護ソフトを軸に、周辺の端末やネットワークを付帯で載せる」設計です。ソフトを導入しないままタブレットやWi-Fiだけを申請する組み立ては、徳島県では成立しません。補助金そのものの考え方は介護テクノロジー導入支援事業の全体像と合わせて読むと理解が早くなります。

制度の全体像|国の基金と徳島県の「定着支援」、ICT専用事業がない理由
まず押さえるのは、「導入支援」と「定着支援」という2つの名前の使い分けです。
国は介護ロボットやICTの導入費用を都道府県経由で助ける仕組みを用意しており、その財源の代表が「地域医療介護総合確保基金」(医療・介護の体制整備のために国と都道府県が資金を積み、都道府県が事業化する仕組み)です。徳島県でもかつては介護ロボットとICTで事業が分かれていましたが、現在は両者を統合した「介護テクノロジー定着支援事業」1本に整理され、事業名に「ICT」の語が入らないため検索でも見つけにくくなっています。国側の考え方は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進で確認できます。
注意したいのは交付要綱第3条です。原文は、他の補助金等を受けて導入する機器、および基金で実施する「介護テクノロジー導入支援事業」により補助を受けて導入する機器等の経費は補助対象としないと定めています。県内に「定着支援」と「導入支援」の2つの名前が併存し、同じ機器で二重に受けられない建て付けです。また徳島県に政令指定都市はないため、徳島県内の事業所は県の制度1本を見ていれば足ります。市独自制度が並走する地域の組み立ては兵庫県の介護補助金や広島県の介護補助金と比べられます。
対象になるICT|介護ソフト・インカム・情報端末・Wi-Fiの線引き
ICT側で単体申請できるものと、付帯でしか申請できないものの境界を整理します。
対象の中心は「介護業務支援」に分類される介護ソフト等で、記録・請求・情報共有を担うソフトウェアが入ります。補助基準額は職員数別の表で決まります。要綱別表1は介護ソフトの要件として、記録業務・情報共有業務・請求業務を一気通貫で行える(転記等が発生しない)ことを求めており、既に導入済みのソフトと組み合わせて一気通貫が実現できていれば対象として差し支えないとされています。加えて居宅介護支援・居宅サービス事業所等が申請する場合は「ケアプランデータ連携標準仕様」に準じたCSVの出力・取込機能、施設サービス事業所・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護事業所が申請する場合はLIFEの「CSV連携仕様書」に準じたCSV出力機能が確認できる製品であることが要件です。インカム等(職員間の音声連絡機器)も同じ介護業務支援の枠ですが、こちらは1機器100万円という機器単位の基準額です。一方、タブレット等の情報端末とWi-Fi等の通信環境整備については、FAQ Q8が「通信環境整備単体は対象外。介護テクノロジー導入時の付帯費用またはパッケージ型導入の付帯費用のみ対象」と答えています。また要綱別表1は、タブレット情報端末等を導入する際は必ず介護ソフトをインストールのうえ業務にのみ使用し、業務用であることを明確に判別するための表示(シール等の貼付)を行うなど事業所で工夫することを求めています。「今年はまずWi-Fiだけ」「タブレットだけ先に」という申請は徳島県では通りません。機能面からの機器選定は介護記録ソフトの比較と見守りセンサーの比較・選び方が参考になります。
対象機器かどうかの確認方法も明文化されています。FAQ Q12は、福祉用具情報システム(TAIS=公益財団法人テクノエイド協会が運営する福祉用具・介護機器の情報登録システム)に登録された機器が対象で、協会のホームページで確認するよう案内しています。登録状況は福祉用具情報システム(TAIS)から検索できるため、見積依頼の段階でメーカーにTAISコードを確認しておくと後戻りがありません。さらにFAQ Q13は、「その他の機器」は要綱に例示したもののみ対象で、不明な場合は質問票で問い合わせるよう求めています。要綱の例示にない品目を独自解釈で積み上げると、要望調査の段階で外れる可能性があります。
補助率と上限額|介護ソフトは職員数で4段階、加算は+15万円と+5万円
金額はすべて交付要綱の別表にあり、県のHTML本文には載っていません。ICTに関係する区分を抜き出します。
| 区分 | 補助基準額(令和8年度・交付要綱別表) | 補助率 |
|---|---|---|
| 介護ソフト等(介護業務支援)/職員数1〜10名 | 100万円(介護ソフトの定着促進支援を併せて活用する場合115万円) | 5分の4 |
| 介護ソフト等/職員数11〜20名 | 150万円(同165万円) | 5分の4 |
| 介護ソフト等/職員数21〜30名 | 200万円(同215万円) | 5分の4 |
| 介護ソフト等/職員数31名以上 | 250万円(同265万円) | 5分の4 |
| 介護ソフト等/職員数に連動しない契約方式(それ以外の方式の契約) | 一律250万円(定着促進費用を含む場合265万円) | 5分の4 |
| ケアプランデータ連携加算(居宅サービス事業所・居宅介護支援事業所(介護予防含む)が令和8年度中に5事業所以上とデータ連携する場合) | +5万円 | 5分の4 |
| インカム等(介護業務支援) | 1機器100万円 | 5分の4 |
| 移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援 | 1機器100万円 | 5分の4 |
| 上記以外の機器(見守り・排泄支援等) | 1機器30万円 | 5分の4 |
| 情報端末(タブレット等)・通信環境整備(Wi-Fi等) | 付帯経費として主たる機器の枠内(単体実施は対象外) | 5分の4 |
| パッケージ型導入(別表2) | 1,000万円(付帯経費を含む) | 5分の4 |
| 業務改善支援(別表3) | 48万円(1介護事業所あたり。介護テクノロジーの導入を行わず業務改善支援のみの補助を受けることは不可) | 5分の4 |
誤解が起きやすいのは、表の額が「補助基準額」であって「対象経費の上限」ではない点です。交付要領別紙1の様式は、介護ソフトなら「(3)の合計×補助率5分の4」を先に計算し、その額を補助限度額(職員数別の額、または一律250万円・定着促進費用を含む場合265万円)と比べる形になっています。国の令和8年度「介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」も、実支出額に補助率を乗じた額と基準額を比較して少ない方を補助額とする建て付けです。したがって職員数31名以上の事業所が介護ソフトで250万円の補助を受けるには、おおむね312万5千円以上の対象経費が必要になります。FAQ Q5も事業所の負担割合は5分の1と明記しています。補助基準額にさらに4/5を掛けて計算すると、見込める額を2割小さく見積もることになります。ただし徳島県の交付要綱第4条と補助金所要額調書(別紙2)の記入要領は、補助対象経費の支出額を補助限度額の範囲内でとらえてから補助率を乗じる順序で書かれており、見積が基準額を上回る案件では額が変わり得ます。基準額を超える規模で申請する場合は、長寿いきがい課(088-621-2213)に算定方法をご確認ください。端数処理はFAQ Q7のとおり1事業所ごとに千円未満を切り捨て、1法人あたりの補助上限額は設けておらず上限は補助内容ごと(FAQ Q3)です。なお職員数は、申請日の属する月の前月末日時点の常勤換算方法で算出した人数(小数点以下は四捨五入)で、居宅を訪問してサービスを提供する職員や管理者・生活相談員等は実人数としても差し支えないと別表1-2に注記されています。多拠点法人には有利な設計で、金額の考え方全般は介護テクノロジー補助金の完全ガイドでも整理しています。
申請の流れと締切|要望調査を出していない事業所は交付申請ができない
徳島県の手続きで最大の分岐点は、年度前半にある「要望調査」です。
令和8年度は、5月13日付の事務連絡が出て、7月10日(金)までに徳島県電子申請サービスで要望調査票ほかを提出する流れでした。その後、県が予算の範囲内で調整し、交付申請・交付決定を経て事業を実施、令和9年1月末までに完了し、令和9年2月12日までに実績報告を提出します(FAQ Q1)。ここで決定的なのは、要望調査ページと事務連絡の両方にある一文です。期日までに必要書類の提出がない場合は、この事業による補助金の交付申請を認めないと明記されています。秋以降に思い立っても、その年度分には乗れません。事務連絡はあわせて、回答内容がそのまま補助の対象となるものではなく、県予算を超える場合は希望に沿えない可能性があるとも述べています。
提出書類は、要望調査票(介護テクノロジー/パッケージ/業務改善支援の種別ごと)、申請事業所一覧表、見積書、カタログ・パンフレット、職員勤務表、介護ソフト導入時は参考様式1または参考様式2です。見積書に「事業完了予定年月日」の記載がないと、調査に回答していないものとみなされます。ソフト導入は検収日が曖昧になりがちなので、見積段階でベンダーに完了日を入れさせてください。提出単位はFAQ Q6により電子申請は1法人1申請で、要望調査のExcelファイルは様式ごとに1ファイルにまとめ(シートで事業所名がわかるように入力)、申請事業所一覧表は1事業所1種類でも提出が必要です。
なお、交付申請の受付期間や交付決定日の日付は、要望調査ページ・事務連絡・要綱・要領・FAQのいずれにも記載がありません。ただし発注の時期は明文化されています。要望調査ページの「補助を受けるにあたっての流れ」は、要望調査票の提出→県が予算等の範囲内で金額の「内示」を通知→内示の金額の範囲内で交付申請書等を提出→県が「交付決定」と進むと示し、事業者は「交付決定」を受けた日から機器等の購入などの事業を開始できると明記しています。ベンダーとの契約日・発注日は交付決定後に設定してください。書類の流れは補助金申請の流れ・必要書類で全体像を押さえておくと、県への質問も具体的になります。令和9年度を狙う法人向けに、令和8年度の日程を基準にした逆算表を置いておきます(日程は年度ごとに変わり得るため準備の目安です)。
| 時期の目安 | やること | 根拠・出典 |
|---|---|---|
| 年度明け〜4月 | 課題の棚卸しと業務改善の方向づけ、DXサポートセンターへの相談予約 | 要領第3条(業務改善計画は原則としてDXサポートセンターに相談) |
| 5月 | 事務連絡・オンライン説明会アーカイブの確認、ソフト候補を2〜3社に絞る | 事務連絡 令和8年5月13日/要望調査ページ(R8.5.25 アーカイブ配信開始) |
| 6月 | 見積書の取得(事業完了予定年月日を必ず記載)、TAIS登録の確認、職員勤務表の準備 | 要望調査ページの提出書類一覧/FAQ Q12 |
| 6月下旬 | SECURITY ACTIONの宣言、参考様式1・2の作成、FAQ最新版の読み合わせ | 要領第2条第3号/要望調査ページ(R8.6.16 FAQ更新) |
| 7月上旬 | 電子申請で要望調査を提出(令和8年度は7月10日が期限) | 事務連絡/要望調査ページ |
| 秋〜冬 | 内示を受けて交付申請、交付決定を受けてから契約・発注、導入と職員研修 | 要望調査ページ「補助を受けるにあたっての流れ」(交付申請期間の日付は公開資料に記載なし) |
| 1月末 | 事業完了(支払いまで含めて完了させる) | FAQ Q1(令和9年1月末までに完了) |
| 2月上旬 | 実績報告の提出(令和8年度は2月12日) | FAQ Q1 |
| 翌年度から3年間 | 業務改善計画に対する効果報告 | 要領第4条 |
徳島県だけの9つの交付条件|SECURITY ACTION・LIFE・ケアプランデータ連携
他県と最も差が出るのが、交付要領第2条に並ぶ9つの交付条件です。機器を選ぶ前に自事業所が満たせるかを確認してください。
| 号 | 条件の要点(交付要領第2条) |
|---|---|
| 第1号 | 業務改善・効率化により生産性向上と収支改善が図られた場合、職員賃金へ適切に還元し、職員に周知すること |
| 第2号 | 「LIFE」による情報収集に協力すること(タブレット端末のみを導入する場合も同様) |
| 第3号 | IPAのSECURITY ACTIONの「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言し、十分なセキュリティ対策を講じること(最新版の厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参考にする。事業所単位で単一の法人番号を有していない場合は法人単位として、又は事業所の代表者を「個人事業主」として申し込み、SECURITY ACTION対象外の事業所は同等の対策を講じていることを宣言する) |
| 第4号 | 要綱別表3の1の「(1)コンサルティング会社等による業務改善支援」または「(2)とくしま介護現場DXサポートセンター等による業務改善支援」を受けること |
| 第5号 | 厚生労働省資料を参考に業務改善に取り組み、業務改善計画を作成すること |
| 第6号 | 厚生労働省等が実施する効果検証事業等に可能な限り協力すること |
| 第7号 | 別記1のサービス(特養・老健・介護医療院・グループホーム・特定施設・短期入所・小多機等)を提供する事業所は、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討する委員会を設置すること |
| 第8号 | 別記2のサービス(訪問介護・通所介護・訪問看護・福祉用具貸与・居宅介護支援等)を提供する事業所は、令和8年度内に「ケアプランデータ連携システム」の利用を開始すること |
| 第9号 | 介護サービス情報公表システムに指定項目を入力すること |
ICT導入で実務負荷が大きいのは第3号・第4号・第8号です。第3号のSECURITY ACTIONはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する中小企業向けの情報セキュリティ対策自己宣言制度で、FAQ Q9も宣言方法はIPAのホームページで確認するよう案内しています。介護ソフトを入れるなら、宣言は要望調査と並行して進めておくのが安全です。
第4号については、FAQ Q10が「センターが『業務改善支援にあたる』と明示している研修が該当」と答えています。センターの研修を何でも受ければよいわけではなく、研修名だけで判断せず案内の文言を確認する必要があります。センターはとくしま介護現場DXサポートセンター(徳島県)のページで案内され、受託は社会福祉法人健祥会、所在地は徳島市国府町東高輪字天満356-1、開設時間は午前9時から午後4時まで(土日祝・年末年始を除く)です。連絡先は県ページと案内チラシで最新の表記をご確認ください。
第8号のケアプランデータ連携は、FAQ Q11も「要領別記2に掲げるサービスを行う事業所では、令和8年度内に利用及び連携を開始すること」が要件と整理しています。居宅系の事業所は、ソフトを入れるだけでなく年度内に連携を始める義務まで負います。前述の+5万円加算(5事業所以上との連携)も同じ延長線上の話です。加えて要領第4条は、補助を受けた翌年度から3年の間、業務改善計画で定めた内容に対する効果報告を求めています(具体的内容は別途通知)。

徳島県で押さえておきたい運用上の注意点
金額と条件が整理できたら、実務で引っかかりやすい論点を公式の記載と対応させて確認します。
| 論点 | 公式の記載 | 実務上の読み方 |
|---|---|---|
| 使用場所 | 法人本部で使用するものは補助対象外(FAQ Q2) | 本部の経理・労務ソフトや本部用端末は混ぜられない。見積書は事業所ごとに分けて取る |
| 他補助金との関係 | 他の補助金等を受けて導入する機器、基金の「介護テクノロジー導入支援事業」で補助を受けた機器等は対象外(要綱第3条) | 同じ介護ソフトで二重受給は不可。個別の組み合わせ可否は質問票で確認 |
| 優先採択 | (1)見守り機器・インカム・介護ソフトを導入する事業所 (2)DXサポートセンターの伴走支援を受講済み/予定 (3)当課(長寿いきがい課)が実施する介護テクノロジー関係の補助事業を受けたことがない事業所(FAQ Q4) | 介護ソフトとインカムは県が優先したい区分として明記。ただし予算の範囲内の審査で採択の保証はない |
| 計画変更 | 補助対象経費の区分間で20パーセント以内の変更等は軽微な変更(要綱第7条) | 機種差し替えや数量調整は幅があるが、超える場合は変更手続きが必要 |
| 書類の保存 | 証拠書類は事業完了年度の翌年度から5年間保管(要綱第13条) | ソフトの契約書・検収書・支払記録を年度単位で保管 |
| 財産処分 | 取得価格30万円以上の機械器具は耐用年数の間、処分を制限(要綱第14条) | 端末の廃棄・譲渡や解約の前に県へ相談 |
| リース・月額契約 | 補助対象経費にはリース費用も含むが、当該年度中に係る経費のみを対象(要綱別表1の4オ)。機器等のメンテナンスに係る経費及び通信に係る経費は対象外(同カ)。本事業や他の補助金等により過年度に導入した機器・介護ソフト等のランニングコストも対象外(同ア) | 複数年リースや年額契約は令和8年度分のみが対象。保守料・通信料は見積段階で切り分けて計上する |
この表で最も効くのは優先採択の行です。介護ソフトとインカムは、徳島県が優先的に採択したい機器として名前が挙がっている区分であり、ICT中心の計画は要望調査の段階で有利に働く余地があります。一方で、過去に長寿いきがい課の介護テクノロジー関係の補助事業を受けた事業所は優先度が下がる建て付けのため、法人内で申請する事業所の順番を決める判断材料になります。
他県と比べた位置づけも稟議では役立ちます。補助率5分の4・介護ソフト最大265万円という水準は全国的に標準的ですが、1法人あたりの上限を設けない点、通信環境の単体申請を認めない点、交付条件が9つと多い点が徳島県の性格です。近隣府県の設計は大阪府の介護補助金や京都府の介護補助金と比較できます。
よくある質問
徳島県の介護ソフト・ICT導入補助金について、相談の多い5点を公式の記載に沿って整理します。
徳島県の補助金は、Wi-Fiやタブレットだけでも申請できますか?
できません。FAQ Q8は、通信環境整備単体は対象外で、介護テクノロジー導入時の付帯費用またはパッケージ型導入の付帯費用のみ対象と答えています。介護ソフトなどの主たる機器と同じ計画に含めて申請してください。
介護ソフトの上限額は何で決まりますか?
職員数で決まります。令和8年度の交付要綱別表1-2により、職員数により合計金額が変動する契約で介護ソフト等を導入する場合の補助基準額は、1〜10名が100万円、11〜20名が150万円、21〜30名が200万円、31名以上が250万円です。介護ソフトの導入と合わせて「介護ソフトの定着促進支援」(一体的に使うタブレット端末やWi-Fi環境整備、ベンダーのサポート費用等)を活用する場合は各+15万円(115万/165万/215万/265万円)。それ以外の方式の契約は一律250万円(定着促進費用を含む場合265万円)です。居宅サービス事業所・居宅介護支援事業所(介護予防含む)が令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携する場合は+5万円が加算されます。補助率は5分の4で、千円未満は1事業所ごとに切り捨てです。なお補助基準額は「対象経費の上限」ではなく補助額の上限で、交付要領別紙1の様式も「合計額×補助率」を出してから補助限度額と比べる形です(基準額にさらに5分の4を掛ける計算ではありません)。ただし県の交付要綱第4条は逆の計算順で書かれているため、基準額を超える見積で申請する場合は長寿いきがい課にご確認ください。
令和8年度の要望調査を出していませんが、今から申請できますか?
令和8年度分は難しいと考えてください。県の要望調査ページと事務連絡は、期日(令和8年7月10日)までに必要書類の提出がない場合は、この事業による補助金の交付申請を認めないと明記しています。令和9年度の実施予定や日程は公表されていないため、徳島県保健福祉部長寿いきがい課(088-621-2213)または公式サイトの公募情報でご確認ください。
IT導入補助金など他の補助金と併用できますか?
同じ機器での二重受給はできません。交付要綱第3条は、他の補助金等を受けて導入する機器、および地域医療介護総合確保基金で実施する「介護テクノロジー導入支援事業」で補助を受けた機器等の経費は補助対象としないと定めています。個別の組み合わせの可否は公開資料から読み取れないため、県の質問票でご確認ください。
法人本部のソフトや、複数事業所の申請はどう扱われますか?
法人本部で使用するものは補助対象外です(FAQ Q2)。複数事業所で申請する場合、電子申請は1法人1申請で(FAQ Q6)、要望調査のExcelファイルは様式ごとに1ファイルにまとめ、申請事業所一覧表(1事業所1種類でも提出が必要)を添えて提出します。1法人あたりの補助上限額は設けられておらず、上限は補助内容ごとに適用されます(FAQ Q3)。
まとめ|徳島県のICT補助は「7月の要望調査」と「9つの条件」で決まる
徳島県で介護ソフト・インカム・タブレット・Wi-Fiの導入費用に補助を受けるなら、見るべきは令和8年度「介護テクノロジー定着支援事業」1本です。補助率は5分の4、介護ソフトの補助基準額は職員数別に100万円〜265万円(居宅系が5事業所以上とケアプランデータ連携する場合は+5万円)、インカム等は1機器100万円、それ以外の機器は1機器30万円。ただし通信環境整備の単体申請は不可で、法人本部で使うものは対象外です。
そして最も重要なのは日程です。7月の要望調査を出していない事業所は、その年度の交付申請そのものができません。令和9年度を狙うなら、年度明けからDXサポートセンターへの相談、SECURITY ACTIONの宣言、完了予定年月日入りの見積書、参考様式1・2の準備を前倒しで進めるのが現実的です。交付条件は9つあり、居宅系はケアプランデータ連携の年度内開始、施設系は委員会設置が加わります。
金額・日程・条件は年度ごとに変わります。申請前には必ず徳島県の公式サイト(交付要綱・交付要領・FAQ)でご確認ください。審査があり、機器等の購入などの事業は「交付決定」を受けた日から開始できると県の要望調査ページに明記されています。県全体の制度像は徳島県の介護テクノロジー補助金、手続きの進め方は補助金申請の流れで補ってください。この記事は2026年11月7日時点の公式情報に基づきます。
出典(公式)
- 徳島県|令和8年度「介護テクノロジー定着支援事業」の実施にかかる要望調査について
- 徳島県介護テクノロジー定着支援事業費補助金交付要綱(PDF)
- 徳島県介護テクノロジー定着支援事業費補助金交付要領(PDF)
- 別添【必ずご覧ください】FAQ(PDF・全13問)
- 事務連絡(令和8年5月13日・PDF)
- 徳島県|「とくしま介護現場DXサポートセンター」の開設について
- 徳島県|高齢者福祉・介護(事業者の方)
- 厚生労働省|介護テクノロジーの利用促進
- 福祉用具情報システム(TAIS)|公益財団法人テクノエイド協会
