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三重県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】対象経費と上限額

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三重県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】対象経費と上限額
三重県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】対象経費と上限額

介護記録ソフトを入れ替えたい、インカムを現場に配りたい、Wi-Fiが弱くてタブレットが使えない——三重県内の介護事業所で、そう感じている施設長・事務長は多いはずです。

ところが調べ始めると「IT導入補助金」「介護テクノロジー」「ICT導入支援事業」と似た名前が並び、どれが自分の事業所の話なのか分からなくなります。三重県の場合、介護ソフト・タブレット・Wi-Fi・インカムの費用はすべて「三重県介護テクノロジー導入支援事業費補助金」という1本の制度にまとめられており、ICT専用の別メニューは用意されていません。

結論を3行で示します。

  • 補助率は4/5。介護ソフト(記録ソフト)は申請時点の職員数に応じて100万円〜265万円が基準額です。
  • 令和8年度の交付申請受付は令和8年6月1日〜7月6日で終了済み。次の機会は令和9年度募集です。
  • 窓口は三重県医療保健部 長寿介護課 介護人材確保班(059-224-2262)、提出はLogoフォームによる電子申請です。

この記事では、三重県が公開している募集案内・交付要領・Q&A・国の実施要綱の原文をもとに、「介護ソフトとICT機器のどこまでが対象経費になるのか」「いくらまで出るのか」「介護ソフトを申請するときだけ増える要件は何か」を、稟議書にそのまま書ける粒度で整理します。タブレットの単体購入が落ちる理由や、クラウド型ソフトの月額料金がどこまで見られるかまで踏み込みました。

この記事は2026年11月1日時点の公式情報に基づきます。

三重県庁舎の外観
写真: Nkns / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

1. 三重県の介護ソフト・ICT補助金は「介護テクノロジー導入支援事業費補助金」1本

三重県には介護ICT専用の補助金はなく、介護ソフト・タブレット・Wi-Fi・インカムはすべて介護テクノロジー導入支援事業費補助金の中で扱われます。

県が令和8年度に実施しているのは「令和8年度三重県介護テクノロジー導入支援事業費補助金」です。かつての「介護従事者確保事業費補助金(ICT導入支援事業)」のようなICT単独メニューは、現在この1本に統合されています。介護記録ソフトを入れたい事業所も、移乗支援ロボットを入れたい事業所も、申請する補助金の名前は同じで、違いはどの区分の対象経費として積み上げるかだけです。

事業名 令和8年度三重県介護テクノロジー導入支援事業費補助金
実施主体 三重県(医療保健部 長寿介護課 介護人材確保班)
対象施設・事業所 三重県内に所在する介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所及び施設(訪問介護事業所や居宅介護支援事業所を含む)/三重県内に所在する老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム
対象機器(ICT関連) TAIS掲載の介護ソフト、バックオフィスソフト(電子サインシステム・給与・勤怠管理等)、インカム、介護ソフトと一体的に使うPC・タブレット端末、Wi-Fi環境整備(配線工事・モデム・ルーター・アクセスポイント・ネットワーク構築等)、ベンダーによるサポート費用
補助率・上限 補助率4/5。介護ソフト・バックオフィスソフトは職員数に応じ基準額100万〜250万円(介護ソフト定着促進支援を併用する場合は115万〜265万円)。パッケージ型導入支援は1,000万円、業務改善支援は48万円。交付申請額の合計が1法人750万円を超える案件には上限額が設定される
申請期間(令和8年度) 令和8年6月1日(月)〜令和8年7月6日(月)※受付終了。先着順ではない
窓口 三重県医療保健部 長寿介護課 介護人材確保班/TEL 059-224-2262/chojus@pref.mie.lg.jp
公式URL 令和8年度三重県介護テクノロジー導入支援事業費補助金(三重県)

制度の構造を先に押さえたい方は介護テクノロジー導入支援事業の全体像を、県全体の制度は三重県の介護補助金をご覧ください。

2. 制度の全体像|金額の根拠はすべて国の実施要綱にある

この補助金は国の実施要綱に沿って都道府県が実施する事業で、補助率と基準額は国側で決まっています。

三重県の交付要領 第1条は、この補助金が「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」(令和8年4月7日付け老発0407第3号 厚生労働省老健局長通知。以下「国要綱」)などに基づくと定めています。国要綱2は実施主体を都道府県と定めており、三重県はこれを受けて県の交付要領で補助金を交付しています。なお国要綱6③は、地域医療介護総合確保基金で実施する「介護テクノロジー導入支援事業」や経済産業省が実施している「IT導入補助金」等によって助成されているものを本事業の補助対象外としており、基金事業とは別枠の制度として整理されています。

重要なのは、交付要領 第3条第2項が「補助事業の区分、補助基準額、補助率、補助事業の内容、補助対象経費は国要綱のとおりとする」と明記している点です。そのため、三重県のページに補助率が書かれていなくても、補助率4/5・介護ソフトの基準額100万〜265万円という数字は国要綱の表2・表3から確定的に読み取れます。県が独自に設定しているのは、国要綱の表2「4(2)パッケージ型導入支援(機器等の合計経費)」の基準額を1,000万円とした点(交付要領 第3条第3項)と、交付額に1,000円未満の端数が生じた場合は切り捨てるという取扱い(同 第4条)です。

国要綱の補助事業は、(1)介護テクノロジー等の導入支援(単品で積み上げる方式)、(2)パッケージ型導入支援(「介護業務支援」の機器+連動する機器をまとめて導入する方式。国要綱は例として「介護ソフト+インカム」を挙げています)、(3)導入支援と一体的に行う業務改善支援の3つです。三重県のQ&A No.8は(1)と(2)の同時実施を認めず、交付申請時にいずれかを選択するよう求めています。(3)だけの単独実施もできません(Q&A No.9)。介護ソフトとインカムをセットで入れたい事業所は、単品積み上げか1,000万円枠かを見積段階で決めておく必要があります。

国側の情報は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進に集約されており、介護ソフトの機能調査結果やケアプランデータ連携の標準仕様もここから辿れます。

3. 対象になる介護ソフト・ICT機器と、対象外になるもの

介護ソフト本体に加えてタブレットとWi-Fi工事まで対象になりますが、タブレットやPCを単体で買う申請は認められません。

国要綱4(1)アは、公益財団法人テクノエイド協会が提供するTAIS(福祉用具情報システム)に「介護テクノロジー」として掲載された機器等を対象としています。TAISに未掲載でも、同水準と実施主体が判断した機器等や、業務効率化に有効と判断された機器等は「その他」として対象になり得ます。

区分 対象になる主な経費 根拠
介護ソフト本体 TAISで「介護業務支援」に掲載されている介護ソフト(および同水準と判断された機器等) 国要綱4(1)ア
バックオフィスソフト 電子サインシステム、給与、勤怠管理等 国要綱4(1)ウ②「その他」の例示
情報端末 介護ソフトと一体的に使用するためのPC、タブレット端末(リース費用を含む) 国要綱4(1)イ
通信環境 配線工事(Wi-Fi環境整備に必要な有線LANの設備工事を含む)、モデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築等 国要綱4(1)イ
導入支援費 介護ソフトの導入前後に行うベンダーによるサポート費用 国要綱4(1)イ
インカム TAISで「介護業務支援」に掲載されているインカム(および同水準と判断された機器等) 国要綱 表2

なお「介護ソフト」として認められるには、記録業務・情報共有業務(事業所内の連携だけでなく、居宅サービス計画やサービス利用票等を他事業所と連携する場合を含む)・請求業務を一気通貫で行えること、つまり転記等の業務が発生しないものであることが国要綱で求められています。既に導入しているソフトと組み合わせて一気通貫が実現できていれば差し支えないとも書かれています。製品選定の観点は介護記録ソフトの比較で整理しています。

一方、三重県のQ&Aは現場がつまずきやすい論点を名指しで潰しています。

論点 取扱い 根拠
タブレット端末・PCのみの導入 補助対象外。買い足す場合も同様 Q&A No.12
介護ソフトと一体で使うスマートフォン タブレットと同様の使用目的・使用方法なら対象。電話として使う場合は対象外 Q&A No.13
タブレットの付属品(タッチペン・ケース・画面保護フィルム等) 原則として対象外。本体と一体で購入にあたって不可分なものは対象 Q&A No.14
通信費 対象外。Wi-Fi環境の整備に通信費は含まれないため、見積書から必ず除外する Q&A No.18、国要綱【留意事項】
既存機器の更新 単に更新するという理由では対象外。新たに業務改善計画を策定し要件を満たせば対象にできるが、令和5年度以降に三重県の補助金で導入した機器は導入後3年間の効果報告が完了するまで対象外 Q&A No.19(補助対象経費)
他制度で補助を受けている経費 対象外。国要綱もIT導入補助金等で助成されているものを除外 募集案内6(6)、交付要領第5条(9)
台数 制限は設けていないが、利用定員数や機器の利用目的等を加味して補助台数・補助金額を調整する場合がある Q&A No.11

定員20名の事業所がタブレット50台を申請しても、そのまま通るとは限らないという趣旨です。見守り機器を併せて検討している場合は見守りセンサーの比較・選び方も参考にしてください。

4. 補助率4/5と上限額|介護ソフトは職員数で基準額が変わる

補助率は4/5で固定され、実支出額に4/5を乗じた額と区分ごとの基準額を比べ、少ない方が補助額になります。

国要綱5(ア)は「補助率は4/5とし、実支出額に補助率を乗じた額を算出する」と定め、(イ)で「表2・3の第1欄に定める区分ごとに、(ア)で算出した額と第2欄または第3欄の基準額とを比較して、少ない方の額を補助額とする」としています。基準額は「もらえる額」ではなく上限の天井で、実際の補助額は支出額×4/5と天井のどちらか低い方です。基準額にさらに4/5を掛けるのは誤りです。

対象経費の区分(国要綱 表2) 基準額
TAISで「移乗支援(装着型・非装着型)」「入浴支援」に掲載されているテクノロジー、「介護業務支援」に掲載されているインカム(および同水準の機能と判断された機器等)、国要綱4(1)ウ②で示す機器のうちバックオフィスソフト以外 100万円
TAISで「介護業務支援」に掲載されている介護ソフト、バックオフィスソフト(および同水準と判断された機器等) 表3の第2欄による
国要綱4(1)アで示すテクノロジーのうち上記以外のもの、又は4(1)ウ①で示す機器等のうち上記以外のもの 30万円
介護ソフトの定着促進支援(情報端末・Wi-Fi環境整備・ベンダーサポート) 導入する介護ソフトの経費と合わせて表3の第3欄による(パッケージ型導入支援に合わせて対象とする場合は、パッケージ型の上限に15万円上乗せ)
パッケージ型導入支援(機器等の合計経費) 国要綱は「400万円以上1,000万円以下で都道府県が設定する額」。三重県は1,000万円(交付要領 第3条第3項)
導入支援と一体的に行う業務改善支援 48万円

介護ソフト・バックオフィスソフトは、職員数に応じて必要なライセンス数が変動するなど職員数により合計金額が変動する契約の場合、次の表3が適用されます。

申請時点の職員数 第2欄:ソフトのみを導入する場合 第3欄:介護ソフト定着促進支援を併用する場合
1名以上10名以下 100万円 115万円
11名以上20名以下 150万円 165万円
21名以上30名以下 200万円 215万円
31名以上 250万円 265万円
それ以外の方式の契約の場合 一律250万円 265万円

職員数には、直接処遇職員だけでなくICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等の職員も算入して差し支えないとされています。算定は申請時点の常勤換算方法によるのが原則で小数点以下は四捨五入。ただし居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)および管理者・生活相談員等は、職務の性質上、実人数(常勤・非常勤の別は問わない)としても差し支えないと明記されています。常勤換算10.4名なら四捨五入して10名=100万円、10.6名なら11名=150万円と、1人の差で基準額が50万円動く設計です。

さらに、訪問介護事業所等の居宅サービス事業所または居宅介護支援事業所(介護予防も含む)が、令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」により5事業所以上とデータ連携を実施する場合は、基準額に5万円を加算することとされています。

なお三重県の公式ページには「上限額の設定は交付申請額の合計金額が1法人750万円を超える案件に設定しています。」との記載があります。複数事業所を抱える法人が合算で申請する場合は、この750万円のラインを前提に配分を考えることになります。具体的な算定方法は長寿介護課にご確認ください。金額の考え方は介護テクノロジー補助金の完全ガイドでも解説しています。

三重県津市の街並み
写真: Mti / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

5. 介護ソフトで申請するときだけ増える要件

介護ソフトやバックオフィスソフトを経費に計上する場合、他の機器にはない追加書類と追加要件が発生します。

追加で必要なもの 対象 根拠
申請月における事業所の職員数(常勤換算)が確認できる資料(従事者の勤務の体制及び勤務形態一覧表等) 介護ソフト又はバックオフィスソフトを計上する場合のみ 募集案内 申請書類⑥
ケアプランデータ連携システムを申請しIDが発行されたことが分かるメールの写し、及びログイン画面のスクリーンショット ケアプランデータ連携システムの利用開始対象事業所のみ 募集案内 申請書類⑦
SECURITY ACTION 宣言事業者一覧の該当ページや自己宣言完了のお知らせメールの写し等 全事業所(IPAの「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言) 募集案内 申請書類⑨、国要綱6⑦
利用者の安全・介護サービスの質の確保・職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置要綱や議事録 生産性向上委員会の設置対象事業所のみ(国要綱は短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院など16サービスを列挙) 募集案内 申請書類⑧、国要綱6④
業務改善計画書 全事業所。補助を受けた翌年度から3年間、計画に対する効果を県に報告 募集案内6(7)、国要綱7

これから介護ソフトを入れる事業所のケアプランデータ連携システムの扱いについて、Q&A No.21はこう答えています。「交付決定後に介護ソフトを導入し、速やかに『ケアプランデータ連携システム』の利用を開始してください。実績報告時に『ケアプランデータ連携システム』の利用状況を確認します」。申請時点で未利用でも申請自体は可能ですが、実績報告までに利用を開始していないと要件を満たせません。科学的介護情報システム(LIFE)については、Q&A No.22が「必須要件ではありません」としたうえで、「補助を受けた事業所は、LIFEによる情報収集に協力すること」が補助要件であるため積極的な利用を求めると整理しています。

加えて三重県独自の要件として、介護テクノロジー導入支援研修会への参加および調査票(アンケート)の回答が補助要件の1つとされています。令和8年度は5月22日と6月17日に実施されました。Q&Aは「過年度の研修受講では補助要件を満たしません。必ず、令和8年度の研修を受講してください」と明記しており、年度ごとの受講が必要です。「みえ介護生産性向上総合相談センターへ相談を行うこと」の要件は、この研修会の調査票への回答をもって満たしたものとされます(Q&A No.20)。

相談先のみえ介護生産性向上支援センターは、〒514-0009 三重県津市羽所町513 サンヒルズ2階(公益財団法人介護労働安定センター 三重支部内)にあり、月〜金(年末年始・祝祭日を除く)午前9時〜午後5時、TEL/FAX 059-271-5700で、業務改善やICT・介護ロボット導入、ケアプランデータ連携システム導入などの相談に対応しています。

6. 申請の流れ・締切と逆算スケジュール

交付決定前の契約・支払い・導入は一切認められないため、スケジュールは交付決定日を起点に組み立てます。

募集案内6(2)は「入札等の契約行為は必ず交付決定後に行ってください。交付決定前の事前着手は一切認めていないため、交付決定前に契約、支払い、導入等を行った場合は補助対象外となります」と書いています。年度内に使いたいからと4月にソフトを契約してしまうと、その事業所はその年度の補助を受けられません。交付要領 第7条も「事業の着手時期は、原則として交付決定のあった日以降でなければならない」と定めています。

時期(令和8年度の実績) やること 注意点
5月〜6月中旬 介護テクノロジー導入支援研修会に参加し、調査票に回答 当該年度の受講が必須。過年度の受講では要件を満たさない
申請前 見積取得・職員数(常勤換算)の確認・SECURITY ACTION宣言・委員会設置 まとめ値引きの見積は不可。「値引き後の金額で作成」又は「どの項目でいくら値引きされるか分かるよう作成」のいずれかで依頼する(Q&A No.23。契約書・請求書も同様)
令和8年6月1日〜7月6日 Logoフォームから交付申請書類をアップロード 先着順ではなく、期間内に到達した申請はすべて受付。郵送希望は事前連絡が必要
交付決定通知の受領後 入札または見積合わせ→契約→発注 随意契約が可能な額は、工事又は製造の請負400万円/財産の買入れ300万円/物件の借入れ150万円/その他200万円。これを超える契約は一般競争入札。随意契約でも原則2者以上から見積書の提出が必要
令和9年1月末まで 納品および支払いを完了 やむを得ない事情が認められる場合でも、令和9年3月末までに納品・支払いが完了しない場合は補助対象外
令和9年1月31日(日)まで 実績報告書(第7号様式)と支払関係書類をLogoフォームで提出 見積書・契約書・納品書・領収書を入手しておく。契約書がない少額物品は発注書等の写しでも可(発注日・購入する法人名・相手方の名前・機器名・台数・納入期限・購入金額の記載が必要)。入札(見積)結果報告書(様式4)又は随意契約結果報告書(様式5)も必要
翌年度から3年間 業務改善計画に対する効果を県に報告 関係書類(帳簿や証拠書類等)は事業完了後の翌年度から5年間保管

令和8年度の交付申請受付はすでに終了しています。県は一次募集(7月6日締切)に予算を大幅に上回る申請があり、予算に余りが発生しなかったため二次募集は実施しないと公表しています。一方で三重県は令和9年度三重県介護テクノロジー導入支援事業費補助金事業量調査についてのページを設け、令和9年度に介護テクノロジーの導入を予定している事業所・施設を対象に事業量調査を実施しました(回答期限は令和8年6月15日で終了。県は「予算確保のための照会であり、補助金の交付申請に関するものではありません」としています)。令和8年度は、事業量調査で交付申請額と同額以上の予算を確保した事業者から順に8月中旬頃に交付決定が進んでおり、事業量調査への回答が実質的なスタートラインになっています。令和9年度の募集期間・予算額・上限額は公表されていないため、三重県長寿介護課の公式サイト・公募要領でご確認ください。書類の一般的な流れは補助金申請の流れ・必要書類で整理しています。

7. 三重県特有の注意点|優先採択・按分・リース・併用

予算を超える申請があった場合の優先順位が公表されている点が、三重県の大きな特徴です。

募集案内6(1)は、予算を上回る申請があった場合、補助要件を満たしていても減額交付決定や不採択になることがあるとしたうえで、「①過去に介護テクノロジー導入支援に関する県の補助金の交付を受けたことがない事業所」「②業務時間削減効果が高い『見守り機器・インカム・介護ソフト』を令和8年度に導入する予定の事業所」から優先的に交付決定すると明記しています。介護ソフトとインカムは、三重県が名指しで優先する対象に入っています。国要綱6①も、都道府県の選定方針について見守り機器・インカム・介護ソフトを優先的に補助するよう求めており、県の運用はこれに沿ったものです。

論点 三重県のルール 根拠
過去に補助を受けた事業所 交付申請は可能。ただし予算超過時は初めて申請する事業所が優先される Q&A No.3、募集案内6(1)
リース 対象になる。ただし補助を受けた翌年度から3年間の効果報告が必要なため、リース期間は3年以上とすること Q&A No.16
ライセンス料・保守費用 補助対象期間(交付決定日〜令和9年1月31日)に支払った額が対象。①一括払い=全額、②年払い=1年分のみ、③月払い=令和9年1月支払分まで Q&A No.15
併設事業所の共用Wi-Fi 対象経費の合計額を各事業所の事業者指定申請時の床面積で按分し、按分後の金額を各事業所の申請額とする。按分の計算方法が分かる資料の添付が必要 Q&A No.17
補助対象外事業所での使用 導入した機器等は申請事業所の職員・利用者を対象に使用するもの。併設する事業所であっても申請事業所以外での使用・設置は認められない Q&A No.7
有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅 原則申請できない。ただし「特定施設入居者生活介護」の事業者指定を受けている場合は申請可能 Q&A No.6
事業者指定のタイミング 交付申請時点で介護保険法に基づく事業者指定(事業所番号が付与されている)を受けている必要がある Q&A No.5
他制度との併用 「他の補助金等で措置されているものは、本事業の対象としない」 交付要領 第5条(9)
質問の方法 交付申請にあたっての質問は、必ず申請を行う事業所が行う。販売店や工事業者からの質問には回答されない 募集案内7(2)

クラウド型介護ソフトで月額課金を選んでいる場合、年度内に支払った月数分しか対象になりません。一括払いや年払いに切り替えられるかをベンダーと相談する価値があります。また三重県には政令指定都市・中核市がなく(総務省「地方公共団体の区分」では四日市市が施行時特例市)、申請先はいずれの市町の事業所も三重県長寿介護課です。市町が独自の介護ICT補助制度を設けているかどうかは本記事では確認できていないため、所在市町の介護保険担当課にもあわせてご確認ください。

近隣県の制度設計と比べたい場合は愛知県の介護補助金、京都府の介護補助金、静岡県の介護補助金が参考になります。法人が複数県にまたがる場合は大阪府の介護補助金、兵庫県の介護補助金、東京都の介護補助金との違いもご確認ください。

三重県伊勢市の街並み
写真: ESU / Wikimedia Commons (CC BY 3.0)

8. よくある質問

三重県の介護ソフト・ICT導入補助金について、現場から特に多い疑問を公式の記載に沿って整理します。

Q1. 介護ソフトだけの導入でも三重県の補助金は使えますか?

使えます。国要綱の表3は「介護ソフトおよびバックオフィスソフトのみを導入する場合」の基準額(第2欄)を定めており、ソフト単独の申請が想定されています。申請時点の職員数に応じて100万円〜250万円が基準額となり、実支出額に補助率4/5を乗じた額と比べて少ない方が補助額です。ただし審査があり、要件を満たせば必ず満額が交付されるわけではありません。

Q2. タブレット端末やPCだけを買い足す場合は対象になりますか?

対象外です。Q&A No.12は「タブレット端末やPCを単体で導入する場合は、補助対象外です。(タブレット端末やPCを買い足す場合も同様)」としています。介護ソフトと一体的に使用するための情報端末として、介護ソフトの導入と合わせて申請する必要があります。

Q3. クラウド型介護ソフトの月額利用料や保守料はどこまで補助対象ですか?

補助対象期間(交付決定日から令和9年1月31日まで)に支払った金額が対象です。Q&A No.15によれば、費用全体を一括で支払う場合は全額、年払いの場合は1年分のみ、月払いの場合は令和9年1月支払分までが補助対象となります。ライセンス料や保守費用が複数年にわたる契約でも、この考え方で年度内支払分が切り出されます。

Q4. 令和7年度に三重県の補助金を使った事業所でも、令和8年度に申請できますか?

交付申請は可能です(Q&A No.3)。ただし予算を上回る申請があった場合は、過去に県の補助金の交付を受けたことがない事業所が優先されます。また、令和5年度以降に三重県の補助金で導入した機器を同種の最新機器に更新する場合は、導入後3年間の業務改善の効果報告が完了するまで補助対象になりません。

Q5. 令和8年度の受付は終了しましたが、次はいつ申請できますか?

令和8年度の交付申請受付は令和8年7月6日で終了しており、県は「予算に余りが発生しなかったため、二次募集は実施しません」と公表しています。令和9年度については、県が回答期限を令和8年6月15日とする事業量調査(予算確保のための照会)を実施済みですが、募集期間・予算額・上限額は公表されていません。確定情報は三重県医療保健部長寿介護課の公式サイト・公募要領でご確認ください。

9. まとめ|「研修受講→6月申請→1月末納品」が三重県の型

三重県の介護ソフト・ICT導入補助金は、年間の型がはっきりしている制度です。

  • 制度は「三重県介護テクノロジー導入支援事業費補助金」1本。ICT専用メニューはありません。
  • 補助率は4/5。介護ソフトは職員数に応じて基準額100万〜250万円、定着促進支援を併用すると115万〜265万円。
  • タブレット・PCの単体購入と通信費は対象外。Wi-Fi工事やベンダーサポートは介護ソフトとセットなら対象。
  • 介護ソフトを計上する場合は、常勤換算の職員数が分かる資料・ケアプランデータ連携システムのID確認・SECURITY ACTION宣言が追加で必要。
  • 交付決定前の契約・支払い・導入は一切対象外。納品と支払いは令和9年1月末まで。
  • 予算超過時は「県の補助金を初めて使う事業所」と「見守り機器・インカム・介護ソフトを導入する事業所」が優先。

要件を満たせば対象になり得る制度ですが、審査があり、採択や満額交付が約束されるものではありません。最新の金額・締切・様式は、必ず三重県の公募要領および長寿介護課(059-224-2262)でご確認ください。制度全体の考え方は介護テクノロジー導入支援事業の全体像、県単位の情報は三重県の介護補助金にまとめています。

この記事は2026年11月1日時点の公式情報に基づきます。

出典(公式)

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参考にした公式情報


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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