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岡山県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限額と申請の流れ

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岡山県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限額と申請の流れ
岡山県の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】上限額と申請の流れ

この記事は2026年11月7日(JST)時点の岡山県公式情報(実施要綱・公募要領・チラシ・県Q&A)に基づきます。

「介護記録ソフトを入れ替えたい」「訪問のスタッフにタブレットを持たせたい」——岡山県の介護施設でこの話が出ても、県のサイトに「介護ICT導入支援事業」というページは見つかりません。

岡山県は介護ロボットも見守りセンサーも介護ソフトも「岡山県介護テクノロジー定着支援事業」という1本の事業に統合済みで、ICT専用のメニューが独立していないからです。事業名に「ICT」の語が無いため、担当者が要綱にたどり着けないまま年度が過ぎてしまいます。

先に結論です。

  • 岡山県の介護ソフト・ICT補助は「岡山県介護テクノロジー定着支援事業」の中にあり、補助率は4/5です。
  • 介護ソフト・バックオフィスソフトの基準額は職員数別に100万円〜250万円、タブレット・Wi-Fi等を合わせると115万円〜265万円です。
  • 令和8年度の応募は令和8年8月18日(火)で締切済み。次に動く施設は「研修受講→相談→業務改善計画書」の順で準備します。

この記事では、対象になるICTの線引き、職員数別の上限額、令和8年度の日程、単体申請がNGになるパターン、交付決定前契約をめぐる要綱とQ&Aのズレを公式PDFの原文から整理します。とくに「介護ソフトを買わずにタブレットとWi-Fiだけ」は岡山県では通らない点は、稟議の前に押さえてください。

岡山県庁舎の外観
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY 2.5)

結論:岡山県の介護ICT補助金は「介護テクノロジー定着支援事業」1本

岡山県に介護ICT専用の補助事業は無く、介護ソフト・インカム・タブレット・Wi-Fiはすべてこの事業で扱われます。

誰が・いくら・いつまで・どこへ、を一枚にまとめます。応募書類の提出先は岡山県庁ではなく、岡山県介護生産性向上総合相談センターで、提出方法はメールです(県Q&A(G)-1は「応募書類受付後の審査・手続き等については、電子データを活用しますので、メールでの提出をお願いします」と回答しています)。ここが最も間違えやすい点です。

事業名 令和8年度 岡山県介護テクノロジー定着支援事業
実施主体 岡山県(長寿社会課)/受付・相談は岡山県介護生産性向上総合相談センター(公益財団法人介護労働安定センター岡山支部)に委託
対象施設 介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所(訪問介護事業所や居宅介護支援事業所を含む)/老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム
対象機器(ICT分) 介護ソフト(記録・情報共有・請求を一気通貫)、バックオフィスソフト(電子サインシステム、給与、勤怠管理等)、インカム、PC・タブレット端末、Wi-Fi環境整備(配線工事・有線LAN設備工事・モデム・ルーター・アクセスポイント・システム管理サーバー・ネットワーク構築等)、ベンダーによる導入前後のサポート費用
補助率・上限 補助率4/5。介護ソフト・バックオフィスソフトは職員数別に100万円〜250万円(定着促進支援を併用すると115万円〜265万円)。インカムは100万円/台、その他の機器は30万円/台。パッケージ型導入支援は1,000万円/事業所、業務改善支援は48万円/事業所
申請期間(令和8年度) 令和8年7月8日(水)〜令和8年8月18日(火)※終了済み
窓口 岡山県介護生産性向上総合相談センター(〒700-0904 岡山市北区柳町1-1-1 住友生命岡山ビル15階/公益財団法人介護労働安定センター岡山支部内)TEL 086-221-4565/E-mail Seisansei33@kaigo-center.or.jp(応募書類は県Q&A(G)-1のとおりメールで提出)
公式URL 令和8年度岡山県介護テクノロジー定着支援事業(岡山県公式)

介護ロボットや見守りセンサーも含めた全体像は岡山県の介護テクノロジー補助金に、制度の設計思想は介護テクノロジー導入支援事業の全体像にまとめています。

制度の全体像:財源は「地域医療介護総合確保基金」ではない

岡山県のこの事業は、多くの県が使う地域医療介護総合確保基金ではなく、介護保険施行事業費を財源としています。

実施要綱1(通則)は「介護保険施行事業費を活用して行う」と明記します。これは言葉の違いにとどまりません。補助要件②が、基金で実施する「介護テクノロジー導入支援事業」や経済産業省の「IT導入補助金」等で助成されているものを補助対象外と定めているためです。同じ介護ソフトについて、IT導入補助金と岡山県の定着支援事業を二重取りすることはできません。

「介護テクノロジー」とは、厚生労働省が従来の介護ロボットの重点分野を見直し、介護ソフトやインカムを含む9分野16項目として整理し直した呼称です。該当する機器は、公益財団法人テクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAIS)で検索できます。TAISとは福祉用具・介護テクノロジーの製品情報を登録・公開する公的データベースのことで、岡山県の要綱も原則として「TAISにおいて『介護テクノロジー』として選定された機器等」を対象としています。

国の考え方や介護記録ソフトの機能調査結果は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進にあり、県Q&A(E)-7もこのページの「補助金参考資料」を見るよう案内しています。

対象になるICT:介護ソフト・端末・Wi-Fi・インカム

ICTとして補助対象になるのは、介護ソフト本体と、その定着のために一体で入れる端末・通信環境・ベンダーサポートです。

根拠は実施要綱4(1)イ「介護ソフトの定着促進支援」で、対象経費は次の3つに限定されています。

区分 実施要綱が挙げる経費
情報端末 介護ソフトと一体的に使用するための情報端末の購入費用(PC、タブレット端末。リース費用含む)
通信環境 介護ソフトを利用するためのWi-Fi環境整備に必要な経費(配線工事。Wi-Fi環境整備のために必要な有線LANの設備工事も含む。モデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築等)
サポート 介護ソフトの導入前後に行うベンダーによるサポート費用
対象外 通信費/PC・タブレット端末等の単独購入/Wi-Fi工事単体/修理費/保険料/タブレット用ケース等の付属品(本体と一体不可分のものは対象)

介護ソフト自体にも機能要件があります。要綱の【留意事項】は介護ソフトを「記録業務、情報共有業務(事業所内の情報連携のみならず、居宅サービス計画やサービス利用票等を他事業所と連携する場合を含む。)、請求業務を一気通貫で行うことが可能となっているもの(転記等の業務が発生しないもの)」と定義します。既に導入している介護ソフト等と組み合わせて一気通貫が実現できていれば補助対象になると要綱が明記している点は、既存システムを捨てずに増築したい事業所にとって重要です。CSV・JSON等での出力入力機能は「望ましい」にとどまり必須ではありません。

サービス種別 介護ソフトに追加で求められる要件
居宅介護支援/介護予防支援/居宅サービス/介護予防サービス ケアプランデータ連携標準仕様に準じたCSVの出力・取込機能を有し、国民健康保険中央会が運営する「ケアプランデータ連携システム」の活用促進のためのサポート体制が整っていることが確認できるもの
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護/介護老人福祉施設/介護老人保健施設/介護医療院(県Q&A(B)-7) 科学的介護情報システム(LIFE)の「CSV連携仕様書(LIFE)」に準じたCSVファイルの出力機能を有することが確認できるもの
バックオフィスソフト(会計システム等) 一気通貫の環境が実現されていなくても、職場環境整備として有効と県が判断した機器であれば対象(県Q&A(E)-5・(D)-18)
インカム・チャットツール LINEワークス等の各種チャットツールも「職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器」として対象(県Q&A(D)-5)。骨伝導ヘッドセットはTAISに「介護テクノロジー」として登録が必要だが、介護ソフト導入時に音声入力が標準で同ヘッドセットが必須な場合はこの限りではない((D)-17)
介護ソフトの改修費 ケアプランデータ連携標準仕様/入退院時情報連携標準仕様/訪問看護計画等標準仕様/財務諸表のデータ出力機能/LIFE標準仕様に対応するための改修であれば対象経費として差し支えない(県Q&A(E)-4)

なお県Q&A(E)-5はバックオフィスソフトの根拠を「実施要綱4(1)イ」と書いていますが、要綱本体で例示しているのは4(1)ウ②です。条番号が食い違うため、見積の区分で迷ったらセンターに確認してください。

製品選定の段階なら、介護記録ソフトの比較と見守りセンサーの比較・選び方で一気通貫要件とデータ連携の対応状況を先に確認すると、見積の精度が上がります。

補助率・上限額:職員数別の基準額と「+15万円」の条件

補助額は、補助率4/5で計算した額と区分ごとの基準額を比べて、少ない方になります。

令和8年度の公募ページに掲載された実施要綱5(イ)は「第2欄又は第3欄の基準額とを比較して、少ない方の額を補助額とする」と定めています。基準額は上限であり、基準額に4/5を掛けるわけではありません。

区分 基準額(上限)
介護ソフト・バックオフィスソフト(職員数で金額が変動する契約) 職員数別に100万円〜250万円(下表)
介護ソフト・バックオフィスソフト(職員数で区分できない契約方式) 一律250万円(定着促進支援を活用する場合は265万円)
インカム(TAIS「介護業務支援」掲載・同水準と判断された機器等) 100万円/台(1機器あたり・県Q&A(C)-2)
移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援 100万円/台
4(1)ア・ウ①の機器のうち上記以外(見守り・コミュニケーション、移動支援、排泄支援等) 30万円/台
4(1)ウ②の機器(バックオフィスソフト以外。TAIS未掲載でも職場環境整備として有効と県が認めた機器) 100万円/台
パッケージ型導入支援(機器等の合計経費) 1,000万円/事業所(定着促進費用を併せる場合は上限に15万円上乗せ)
導入支援と一体的に行う業務改善支援 48万円/事業所

介護ソフト・バックオフィスソフトの職員数別基準額(令和8年度 実施要綱 表2)です。第3欄は、介護ソフトの導入と合わせて4(1)イの定着促進支援(タブレット端末購入・Wi-Fi環境整備・ベンダーサポート)を活用する場合に適用されます。

職員数(申請時点) 第2欄 基準額(ソフトのみ) 第3欄 基準額(定着促進支援あり)
1名以上10名以下 100万円 115万円
11名以上20名以下 150万円 165万円
21名以上30名以下 200万円 215万円
31名以上 250万円 265万円
職員数で区分できない契約方式 一律250万円 一律265万円
ケアプランデータ連携システムで令和8年度中に5事業所以上とデータ連携する場合(訪問介護事業所等の居宅サービス事業所又は居宅介護支援事業所/介護予防も含む)は、上記の基準額に5万円を加算

職員数の数え方が結果を左右します。要綱5(イ)※1は、直接処遇職員だけでなくICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等も算入するとし、※2は原則を申請時点の常勤換算(小数点以下四捨五入)としています。ただし居宅を訪問する職員(訪問介護員・居宅介護支援専門員等)と管理者・生活相談員等は実人数としても差し支えないとされており、訪問系の事業所はこの実人数カウントで1つ上の階段に乗れるか試算してください。

5万円加算は、県Q&A(B)-5が「令和8年度以前に連携を行っている事業所数も含め、データ連携している事業所が5事業所以上であれば問題ありません」と緩和しています。パッケージ型の「400万円以上、1,000万円以下」についても、(F)-2は「400万円は補助申請額の下限を示すものではありません」として400万円未満でも申請可能としています。

岡山後楽園の園内風景
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY 2.5)

申請の流れと締切:令和8年度のスケジュール

岡山県は「研修受講→センター相談→業務改善計画書の提出」の3段階を踏まないと応募できません。

公募要領5の手順は、①研修を未受講の場合はセンターの案内に従い受講、②業務改善計画書等の作成にあたりセンターに相談、③業務改善計画書及び事業計画書(対象事業別)を作成しセンターへメール提出、です。メール表題は「【計画書】〇〇〇〇(〇に事業所名)」と指定され、公募要領は「なお、応募によって補助が確定するものではない」とも念押ししています。日程はチラシ裏面のスケジュール図が最も正確です。

時期 誰が やること
令和8年7月8日 法人・事業所 補助金応募開始
令和8年8月18日 法人・事業所 応募締切(業務改善計画書等をセンターへメール提出)
令和8年9月中旬 岡山県 採択審査
令和8年9月下旬 岡山県 採択結果通知
令和8年10月中旬 法人・事業所 交付申請書提出
令和8年10月下旬 岡山県 交付決定通知
〜令和9年2月下旬 法人・事業所 機器導入
〜令和9年2月下旬 法人・事業所 実績報告書提出(事業完了後1か月以内)
令和9年2月下旬〜 岡山県 実績内容確認
令和9年3月下旬 岡山県/法人 補助金支払・入金

2026年11月7日時点で令和8年度の応募は終了し、採択事業所は機器導入と実績報告のフェーズに入っています。県Q&A(I)-3は「年度内に納品・事業報告が完了しない場合は補助金の交付を受けることができません」と警告しており、ソフトの初期設定やWi-Fi工事が年度末に混み合うことを前提に逆算が要ります。令和9年度(2027年度)の実施有無・予算額・日程は公表されていません。次の逆算表は令和8年度を参考にした想定で、確定した日程ではありません。

公募開始の何か月前 やっておくこと
4〜6か月前 委員会(利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会)の設置状況を確認する
3〜4か月前 センターの「生産性向上スタートアップセミナー」、または厚生労働省委託事業の「生産性向上ビギナーセミナー」「生産性向上フォローアップセミナー」「デジタル中核人材養成研修」を受講する
2〜3か月前 IPA「SECURITY ACTION」の★一つ星または★★二つ星を宣言する
2か月前 ベンダーに一気通貫・ケアプランデータ連携・LIFE CSV出力の対応状況を確認する
1〜2か月前 センターに相談し、業務改善計画書の骨子を作る
1か月前 税込・内訳明記の見積書を取得する(できる限り直近に取得したものを提出)

書類の作り方に不安があれば、補助金申請の流れ・必要書類で全国共通の手順を押さえてから岡山県の様式に当てはめるのが早道です。

岡山県特有の注意点:単体申請NG・交付決定前契約・併用

対象外や不採択になりやすいのは、単体申請・交付決定前の発注・他補助金との重複の3つです。

1つめは「単体では買えない」ルールです。県Q&A(D)-14は「PC、タブレット端末等単独での補助は認められません」、(D)-13は「工事単体での補助は認められません」とし、(E)-8は定着促進費用について「介護ソフトを購入しない場合は、補助対象となりません」と明言しています。すでに介護ソフトを導入済みの事業所が、今年度はタブレットとWi-Fiだけを整備したいという申請は通りません。業務改善支援(48万円)だけの単独実施も不可で、導入支援かパッケージ型との同時実施が補助要件です((C)-3)。

2つめは交付決定前の契約で、公式資料の表現が揃っていません。公募要領9①は「事業の着手は、採択通知を受けた後とすること」ですが、県Q&A(G)-4は「交付決定前の事前着手は一切認めていない」と回答しています。採択通知は9月下旬、交付決定通知は10月下旬で、約1か月の差があります。厳しいほうのQ&Aに合わせ、採択通知が届いても交付決定通知を受け取るまでは契約書に押印しないのが安全です。

3つめは併用です。県Q&A(A)-5は「同一機器種別において、他の補助金の交付を受けた場合(予定を含む。)は、対象外です」としています。種別が違えば別制度を使う余地はありますが、同じ介護ソフトで重ねて助成は受けられません。そのほかの運用ルールは次表のとおりです。

論点 岡山県の扱い(根拠)
複数事業所の申請 令和7年度は1法人1事業所のみだったが、令和8年度から複数事業所の応募が可能((A)-1)。応募書類は法人でとりまとめて一括提出、作成は事業所単位((G)-2)
併設サービスの数え方 同一施設内に「介護老人福祉施設」と「併設型短期入所生活介護」がある場合はサービス種別が異なるため2事業所として整理し、業務改善計画書をそれぞれ作成((G)-3)
過去に受給した事業所 応募可能((A)-2)。ただし公募要領6の審査項目に「岡山県が過去に実施した『介護ロボット導入支援事業』『ICT導入支援事業』等の採択の有無」が含まれる
同じ機器の追加導入 単純な更新等でなく介護サービスの質の向上につながると認められる場合は申請可能だが、過去の補助実績等を踏まえ不採択や減額とする場合がある((D)-7)
採択の方式 先着順ではない((H)-1)。県予算額(3億6百万円)を超える応募があった場合は、補助要件を満たしていても減額や不採択となることがある
台数の上限 計算式は定められていない。公募要領6の審査項目「事業所の入所定員数を踏まえた導入機器台数の適正性」により審査され、不採択や台数調整の場合がある((D)-19)
リース・レンタル/ライセンス レンタル費用は対象((D)-8)。ライセンスは「使用権(ライセンス)期間で判断するのではなく、使用権(ライセンス)を購入した際の支払金額で判断」((E)-3)
保守・クラウド費用 クラウドサービス、保守・サポート費、セキュリティ対策等は主となる機器と併せて導入する場合に限り対象((D)-12)。修理費は対象外((J)-1)
消費税・見積書 補助対象経費は税込額((G)-7)。見積書は税込価格・内訳明記で、応募後に見積価格の変動があっても申請額は変更できない((G)-8)
採択後の変更 機器や台数の変更は、販売中止等の特別な事情がない限り認められない。辞退は可能((H)-3)。台数増や別機器の購入は変更交付申請が必要((I)-4)
県外法人・開設準備中 県外法人でも岡山県内の事業所であれば対象((A)-4)。事業所番号が付与されていない開設準備中の事業所は対象外((A)-3)
委員会の設置 短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院など16のサービス種別で設置が必要(実施要綱6③)
情報セキュリティ IPA「SECURITY ACTION」の★一つ星または★★二つ星の宣言が必要。対象外の事業所は同等の対策を講じていることを宣言(実施要綱6⑥)
賃金への還元 生産性向上により収支の改善が図られた場合は職員の賃金へも適切に還元し、その旨を職員等に周知すること(実施要綱6⑤)

要件の背景は介護テクノロジー補助金の完全ガイドで全国共通の考え方を押さえると理解しやすくなります。近隣県と比べるなら広島県の介護補助金や兵庫県の介護補助金、法人本部が関西にあるなら大阪府の介護補助金・京都府の介護補助金も合わせてご覧ください。

岡山市・倉敷市の扱いと、相談窓口の使い方

政令市の岡山市も中核市の倉敷市も、介護テクノロジーの補助は県事業が受け皿になっています。

実施要綱3は対象を「岡山県内の介護事業所・介護施設等」とだけ定め、両市を除外する記述はありません。岡山市内・倉敷市内の事業所もこの事業に応募できます。一方で、岡山市・倉敷市が独自に実施する介護テクノロジー/介護ICT向けの補助制度は、2026年11月7日時点では両市の公式サイトで確認できませんでした。市独自の上乗せの有無は、各市の介護保険担当課に直接ご確認ください。

相談と研修の窓口は岡山県介護生産性向上総合相談センターです。総合相談窓口・セミナー・伴走支援(専門家派遣)に加えて介護ロボットやICT機器の試用貸出を行っており、見積の前に実機を試せます。受付時間には表記のゆれがあり、公募要領は「平日午前9時から午後5時まで」、チラシは「9:00〜17:00 土日祝除く」、センター公式サイトは「平日8:30〜17:00」です。電話は狭いほうの9時〜17時を前提にすると確実です。

法人内に複数の応募予定事業所がある場合、県Q&A(B)-2は相談を事業所ごとに行うのが原則としつつ、「法人のご担当者が全ての事業所の相談をまとめて行うことは差し支えありません」としています。なお交付申請後の変更について(I)-4は岡山県長寿社会課もしくはセンターへ問い合わせるよう案内しており、県の担当課名が明示されるのはこの回答だけです。

倉敷美観地区の町並み
写真: 663highland / Wikimedia Commons (CC BY 2.5)

よくある質問

岡山県の介護ソフト・ICT導入補助金について、現場から特に多い5つの疑問に公式資料の記載で答えます。

岡山県の介護ソフト補助金は、令和8年度はまだ申請できますか?

できません。令和8年度の応募期間は令和8年7月8日から8月18日までで、すでに終了しています。令和9年度の実施有無・予算額・日程は公表されていないため、岡山県の公式ページとセンターの案内を定期的にご確認ください。研修受講と相談は応募の前提になるため、公募開始を待たずに準備を始められます。

介護ソフトを導入せず、タブレットとWi-Fiだけを整備したい場合も対象になりますか?

対象になりません。実施要綱4(1)イはタブレット端末やWi-Fi環境整備を介護ソフトの定着を促進する費用と位置づけており、県Q&A(E)-8も介護ソフトを購入しない場合は補助対象とならないと回答しています。PC・タブレット端末等の単独購入もWi-Fi工事単体も認められず、通信費も対象外です。

すでに介護ソフトを入れている事業所でも、岡山県のICT補助金に応募できますか?

応募自体は可能です。県Q&A(A)-2は過去に受給した事業所も応募可能とし、実施要綱の留意事項も既存の介護ソフト等と組み合わせて一気通貫が実現できていれば補助対象としています。ただし同じ機器の追加導入は、単純な更新等でなく介護サービスの質の向上につながると認められる場合に申請可能で、過去の補助実績等を踏まえて不採択や減額となる場合があります。

交付決定の前に介護ソフトを契約してしまったら、どうなりますか?

補助対象外になります。県Q&A(G)-4は、交付決定前に契約・支払い・導入等を行ったものは補助対象外と回答しています。一方で公募要領9①は着手を「採択通知を受けた後」と記載しており、採択通知(9月下旬予定)と交付決定通知(10月下旬予定)の間に約1か月の開きがあります。記述が揃っていないため、安全側に倒して交付決定通知の到着後に契約するか、事前にセンターへ確認してください。

IT導入補助金と岡山県の介護ICT補助金は、併用できますか?

同じ機器については併用できません。実施要綱6②は、地域医療介護総合確保基金の「介護テクノロジー導入支援事業」や経済産業省の「IT導入補助金」等で助成されているものを補助対象外と定めています。県Q&A(A)-5も「同一機器種別において、他の補助金の交付を受けた場合(予定を含む。)は、対象外です」としています。上限額・採択の見込み・スケジュールを比べ、どちらを使うか事前に決めておく必要があります。

まとめ:岡山県の介護ICT補助金で、次に動くべきこと

名称に「ICT」が入らないぶん見つけにくい制度ですが、中身の整理はついています。

押さえるべきは5点です。①事業名は「岡山県介護テクノロジー定着支援事業」で、介護ソフトもインカムもタブレットもここに含まれます。②補助率4/5、介護ソフトは職員数別に100万円〜250万円、定着促進支援を合わせると115万円〜265万円が上限です。③タブレット・Wi-Fi単体では申請できません。④交付決定前の契約は補助対象外です。⑤令和8年度の応募は終了しており、次は研修受講とセンターへの相談から始めます。

先着順ではなく総合審査のため、「早く出す」より審査項目に沿った計画書を作ることが要点です。公募要領6は、業務時間削減効果が確認されている見守り機器・介護記録ソフト・インカムの導入について、小規模事業者も含めより広く普及させるため集中的に支援すると明記しています。ただし要件を満たしても審査があり、採択や満額の交付が保証されるものではありません。

岡山県全体の制度は岡山県の介護テクノロジー補助金に、全国の制度設計は介護テクノロジー導入支援事業の全体像にまとめています。他県の運用と比べたい方は東京都の介護補助金も参考になります。

最新の情報と最終的な判断は、必ず岡山県の公式サイト(実施要綱・公募要領)と岡山県介護生産性向上総合相談センターでご確認ください。この記事は2026年11月7日(JST)時点の公式情報に基づきます。

出典


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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