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大阪府の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】対象経費と上限額

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大阪府の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】対象経費と上限額
大阪府の介護ソフト・ICT導入補助金【令和8年度】対象経費と上限額

「介護記録ソフトを入れ替えたいが、大阪府のICT補助金はどこを見ればいいのか分からない」。大阪府内の特養・老健・グループホーム・デイサービス・訪問介護の施設長や事務長から、もっとも多く聞かれるのがこの悩みです。

無理もありません。大阪府では、かつて別々だった「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」が統合され、令和8年度の大阪府で介護ソフト・タブレット・Wi-Fi・インカムに使える補助金は「大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」の1本に集約されています。ICTという名前の単独事業を探しても見つからないのは、そのためです。

この記事の結論(令和8年度・3行)

・事業名は「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」。介護ソフトもICT機器もこの1本で申請します。

・補助率は導入費の4/5。介護ソフトの上限額は職員数に応じて100万円〜250万円、タブレット・Wi-Fiを併せて入れると15万円上乗せされます。

・令和8年度の事前エントリーは令和8年7月13日17時で受付終了済み。2026年11月5日時点では交付決定が順次進んでいる段階で、新規に狙うなら令和9年度の募集が対象になります。

この記事では、大阪府の公式ページ・交付要綱・Q&A(令和8年7月3日版)の原文から、介護ソフトとICT機器に絞って、対象になるもの・ならないもの、職員数別の上限額、抽選の優先順位、支払期限の落とし穴までを整理します。介護ロボット本体も含めた制度全体を見たい方は大阪府の介護補助金のまとめページも併せてご覧ください。

この記事は2026年11月5日時点の公式情報に基づきます。

大阪府庁本館の外観
写真: Kansai explorer / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

大阪府の介護ソフト・ICT補助金は「介護テクノロジー導入支援事業」1本に集約

大阪府にはICT専用の補助金は存在せず、介護ソフトもタブレットもインカムも同じ1つの補助金で申請します。

大阪府は、介護ロボットとICTを別々に支援していた仕組みを見直し、現在は「介護テクノロジー導入支援事業補助金」として一本化しています。そのため「大阪府 介護ソフト ICT導入 補助金」で探している制度の正式名称は、令和8年度では「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」です。窓口も大阪府福祉部高齢介護室介護事業者課の整備調整グループに一本化されています。

事業名 令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金
実施主体 大阪府(福祉部 高齢介護室 介護事業者課 整備調整グループ 介護テクノロジー担当)
対象施設 介護保険法に基づくサービスを提供する大阪府内のサービス事業所/老人福祉法に基づく大阪府内の養護老人ホーム及び軽費老人ホーム
対象機器(ICT部分) 介護ソフト、バックオフィスソフト、インカム、見守り・コミュニケーション機器、介護ソフトに付帯するタブレット・PC・Wi-Fi環境整備など
補助率・上限 補助率4/5(千円未満切り捨て)。介護ソフトは職員数に応じ100万〜250万円、付帯設備併用で+15万円。インカムは1台100万円、その他のTAIS掲載機器は1台30万円、パッケージ型は合計1,000万円、業務改善支援は48万円
申請期間(令和8年度) 事前エントリー:令和8年5月25日17時〜7月13日17時(受付終了)。交付申請:抽選結果発表後〜8月下旬ほか、選定区分ごとに段階的な提出期限
窓口 大阪府福祉部高齢介護室介護事業者課整備調整グループ/電話 06-6944-7104/FAX 06-6944-6670/メール korei.kaigotech@gbox.pref.osaka.lg.jp
公式URL 大阪府 介護テクノロジー導入支援事業

なお、介護テクノロジー導入支援事業そのものの仕組み(国の制度との関係や全国共通の考え方)は介護テクノロジー導入支援事業の全体像で解説しています。制度の型を押さえてから大阪府の要綱を読むと、独自ルールがどこかが一気に見えやすくなります。

令和8年度 大阪府介護テクノロジー導入支援事業の全体像とICTの位置づけ

大阪府の要綱は国の実施要綱を土台にしており、その中で介護ソフト・インカム・見守り機器が重点支援の対象に位置づけられています。

交付要綱の第1条には、国の「省力化投資促進プラン」(令和7年6月13日)で2040年に20%以上の業務効率化を図る必要があるとされていることを受け、特に業務時間削減効果が確認されている見守り機器・介護記録ソフト・インカムについて、小規模事業者も含めより広く事業者へ普及させるため集中的に支援する必要があると明記されています。ICTが「おまけ」ではなく本丸である、という宣言です。

また同条では、この補助金の交付が「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱(令和8年4月7日付老発0407第3号別紙1)」に定めるもののほか、大阪府補助金交付規則とこの要綱によると定められています。介護テクノロジー定着支援事業とは、都道府県が実施主体となって介護現場のテクノロジー導入を支援する国の枠組みで、厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進のページに関連資料がまとめられています。

予算規模も公表されています。令和8年度の補助総額は1,373,248千円(約13億7,300万円)。大阪府の公式ページには令和8年11月2日更新時点で「交付決定総額:833,498千円」と掲載されており、実際にどれだけ決定が進んだかが府のサイト上で追えるようになっています。予算の消化状況が公表される点は、翌年度の申請タイミングを読むうえで貴重な手がかりになります。

介護ソフト・ICT機器で補助対象になるもの・ならないもの

大阪府のQ&Aは対象・対象外の線引きが非常に細かく、ここを読まずに見積りを取ると差し戻しになります。

補助対象になる介護ソフトの3条件

交付要綱とQ&Aによれば、対象となる介護ソフトは次の要件をすべて満たすものです。記録業務・情報共有業務・請求業務が一気通貫で行えること(転記等の業務が発生しないこと)が大前提で、すでに導入済みの介護ソフトと組み合わせて一気通貫が実現できていれば対象として差し支えないとされています。

  • 共通:記録・情報共有・請求が一気通貫であること
  • 居宅介護支援事業所・居宅サービス事業所(介護予防含む):「ケアプランデータ連携標準仕様」に準拠したCSVの出力・取込機能を持ち、ケアプランデータ連携システムに係るサポート体制が確認できること
  • 施設サービス事業所等:LIFEの「CSV連携仕様書(LIFE)」に準じたCSVファイルの出力機能を有していること(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院が該当)

Q&A①30では、記録機能のみ、または請求機能のみのソフトを単体で申請する場合は対象外と赤字で明示されています。TAIS上で「介護業務支援」として掲載されていても単体では不可で、請求ソフトと記録ソフトを組み合わせて一気通貫になる場合や、令和8年3月31日までに導入済みのソフトと組み合わせて一気通貫になる場合のみ「介護ソフト」として申請できます。どのソフトがこの条件を満たすかの見極め方は介護記録ソフトの比較で整理しています。

タブレット・Wi-Fi・インカムの扱い

ICT周辺機器は「主となる機器に付帯するかどうか」で判断が分かれます。

  • 介護ソフトに伴うタブレット・PC・Wi-Fi環境整備:対象。クラウド型介護ソフトも対象(Q&A③15)。デスクトップPCも対象(③25)、中古端末でも可(③19)、キーボードやタッチペン等の付属品も業務上必要な範囲なら対象(③18)
  • インカム:単体でも「介護テクノロジー等」として対象(③9)。アプリのインストール代やライセンス料も上限額の範囲内で対象(③10)。職員間のコミュニケーション効率化のための有料チャットツールも「介護業務支援(インカム)」として対象(③20)
  • Wi-Fi環境整備のみ:対象になりません(①9)。TAIS掲載の介護テクノロジー等の導入に付帯して当該年度に導入する場合に限って対象
  • 通信費:タブレット・スマートフォンのネットワーク通信費(回線契約料・通信料)は対象外。見積書は通信費を含まない本体価格のみで作成します(①21)
  • ナースコール:原則対象外。ただしTAISに介護業務支援として掲載されているもの、または見守り機器と一体型のものは対象(③11)

そして実務上もっとも間違えやすいのがここです。「タブレット入力型の記録システム」は単体では介護ソフトに該当せず、申請区分は「介護業務支援(介護ソフト・インカム以外)」となり、補助上限額は一律30万円になります(①28)。契約形態にかかわらず、付帯するタブレット端末等を含めて30万円が上限です。介護ソフトのつもりで250万円の枠を前提に稟議を回すと、金額が1桁変わります。

対象外として明記されているもの

Q&Aで対象外とされているものを整理しておきます。メンテナンス費用(③2)、予備の消耗品(③3)、故障時の修理費用(④4)、LIFEに付帯して調達する端末(③26)、障がいサービスにのみ従事する職員に配布するタブレット(③21)、法人から事務委託された会社名義で導入した機器(③23)。また、クレジットカードでの購入は原則認められず請求書払いとするよう求められています(①24)。支払時に付与されたポイントは「寄附金その他の収入額」に計上するか、実支出額から控除した状態で申請します(①16)。

見守り機器も含めた機器選定の考え方は見守りセンサーの比較・選び方に、補助金全体の実務フローは介護テクノロジー補助金の完全ガイドにまとめています。

補助率4/5と上限額|職員数別の介護ソフト基準額表

補助額は「対象経費×4/5」と「区分ごとの基準額」を比べて少ない方になります。

交付要綱第3条では、補助率は4/5(千円未満切り捨て)とされ、算出額と基準額を比較して少ない方を補助額とすると定められています。つまり基準額いっぱいの補助を受けるには、基準額の1.25倍の自己資金を含む支出が必要になる計算です(例:基準額250万円なら対象経費312.5万円以上)。

介護ソフト・バックオフィスソフトの基準額(職員数別)

職員数に応じて必要なライセンス数が変動するなど、職員数により合計金額が変動する契約の場合は下表が適用されます。

職員数(申請時点) 基準額(ソフトのみ導入) 基準額(タブレット・Wi-Fi等の定着促進支援を併用)
1名以上10名以下 100万円 115万円
11名以上20名以下 150万円 165万円
21名以上30名以下 200万円 215万円
31名以上 250万円 265万円
上記以外の方式の契約 一律250万円 265万円

さらに、訪問介護事業所等の居宅サービス事業所または居宅介護支援事業所(介護予防を含む)であって、令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」により5事業所以上とデータ連携を実施する場合は、基準額に5万円を加算すると要綱の表2に定められています。条件を満たせば、介護ソフトの基準額は最大で265万円+5万円=270万円まで積み上がる構造です。

機器区分ごとの基準額

区分 基準額
TAISの「移乗支援(装着型・非装着型)」「入浴支援」、「介護業務支援」掲載のインカム、および同水準と知事が判断した機器等(バックオフィスソフトを除く「その他の機器」を含む) 1台あたり100万円
TAIS掲載の介護ソフト・バックオフィスソフト 上記の職員数別の表による
上記以外のTAIS掲載の介護テクノロジー(見守り・コミュニケーション等) 1台あたり30万円
介護ソフトの定着促進支援(タブレット・Wi-Fi等) 介護ソフトの経費と合わせて上表の第3欄による(パッケージ型と併せる場合は上限に15万円上乗せ)
パッケージ型導入支援(機器等の合計経費) 1,000万円
導入支援と一体的に行う業務改善支援 48万円

パッケージ型は「介護業務支援」に分類されるテクノロジーと、それと連動することで効果が高まると判断できる機器を組み合わせて導入する場合の枠です。要綱では「介護ソフト+インカム」「介護業務支援に該当する機器+見守り・コミュニケーションに該当する機器」が例示されています。介護ソフトとインカムを同時に入れるなら、個別枠ではなく1,000万円のパッケージ型で組み立てた方が有利になるケースがあります。

職員数の数え方

職員数は申請時点の常勤換算方法により算出した人数(小数点以下四捨五入)が原則ですが、居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)および管理者・生活相談員等の職員については、従事する職務の性質上、実人数(常勤・非常勤の別を問わない)としても差し支えないと要綱に明記されています。Q&A①22では、基準条例の人員基準上配置が必要とされている職種が対象で、通所介護事業所なら管理者・生活相談員・看護職員・機能訓練指導員・介護職員が該当し、ソフトの活用が見込まれる事務員等を職員数に含めても差し支えないとされています。

大阪城と周辺の公園
写真: Gohachiyasu1214 / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

申請の流れと令和8年度スケジュール|抽選の優先順位まで

大阪府はセミナー受講と事前エントリーを経て抽選で対象を選ぶ方式で、先着順ではありません。

令和8年度の流れは次のとおりでした。

段階 時期(令和8年度) 内容
セミナー 令和8年5月21日(木)13:00〜15:30 介護テクノロジー活用支援セミナー。アーカイブ動画の受講でも可
事前エントリー 令和8年5月25日17:00〜7月13日17:00 行政オンラインシステムでエントリー(受付終了)
結果発表 令和8年8月(予定) 抽選結果の発表、当選法人へ申請書提出依頼
交付申請 結果発表後〜8月下旬(予定)ほか 選定区分ごとに段階的な提出期限(伴走支援プログラム受講者8月5日、ソフト導入セミナー受講者8月17日、選定要件ア該当9月4日、選定要件イ該当10月23日・11月4日)
交付決定 令和8年10月以降順次 交付決定通知の送付
実績報告 補助事業完了後20日以内 全機器の支払い完了から20日以内、もしくは2月20日(消印有効)までに郵送

注目すべきは抽選の優先順位です。要綱の別表第1では、エントリー総額が予算額を超過した場合、ア→イ→ウ→エの順に選定し、超過した項目で抽選を行うと定められています。

  • ア:TAIS掲載の介護テクノロジー等も「その他の機器」もいずれも未導入で、TAIS掲載の介護テクノロジー等を導入する事業所
  • イ:自己負担等で既導入、または令和3年度以前に大阪府の補助金交付を受けて既導入の事業所
  • ウ:「その他の機器」のみを導入する事業所
  • エ:令和4年度から令和7年度に大阪府の補助金交付を受け、本事業の補助対象機器等を導入する事業所

さらにア・イ・エにおいては、見守り機器・インカム・介護ソフトのいずれかを導入する事業所が優先して選定されると明記されています。加えて、センターが実施する「働きやすい職場づくり伴走支援プログラム」(全5回の対面研修)を修了見込みの事業所、および介護ソフトが未導入で「介護ソフト導入セミナー」を受講して介護ソフトを導入する事業所は、アからエに優先して選定されます。介護ソフト未導入の事業所がセミナーを受けて申し込むことが、大阪府では最優先レーンになる設計です。

なお「未導入」「既導入」の判定基準も明確です。令和8年3月31日までに機器を導入していた場合は「既導入」、事前エントリー前の購入であっても令和8年4月1日以降の購入であれば「未導入」となります。ただし介護ソフトについては、請求のみに使用し記録機能は使っていない場合でも「既導入」と扱われます(①17)。申請書類の準備や全体の進め方は補助金申請の流れ・必要書類も参考にしてください。

大阪府特有の注意点|契約時期・リース・複数事業所・併用

大阪府には他県と異なる独自ルールがあり、特に支払期限と契約時期は見落とすと致命傷になります。

交付決定前の契約・支払いの扱い

多くの都道府県では交付決定前の契約・発注は対象外ですが、大阪府の要綱第2条第3項は「その間の経費であれば、第5条の申請日以前の経費も対象とする」と定めており、年度内であれば申請日以前の経費も対象とされています。Q&A④1でも、令和8年4月1日以降において交付決定前に全ての支払いが完了している場合は、交付決定通知後に速やかに実績報告を提出するよう案内されています。

ただし、これは「買ってしまって構わない」という意味ではありません。大阪府は抽選で対象を選ぶ方式のため、選定されなければ補助は受けられず、先行して発注した費用は全額自己負担になります。発注のタイミングは必ず府の案内と最新の要綱で確認してください。

支払期限は「令和9年1月31日」で読む

ここは原文同士に差があるため、特に注意が必要です。交付要綱第2条第3項は対象経費を「令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間の経費」と定めていますが、Q&A(令和8年7月3日版)②1・②3では、契約日・支払日・納品日(導入日)が令和9年1月31日以降であった場合は補助対象とならないと明記されています。実務上は1月31日を締切として逆算するのが安全です。

なお、リース料や利用料について令和9年1〜3月分を1月中に前倒しで支払う場合や、6か月分の利用料を令和9年1月までに一括で支払う場合は補助対象になるとされています(②3)。製造業者の都合で令和9年1月31日までに納品されない場合は、補助金の交付を受けられないため速やかに府へ連絡し申請を辞退することになります(②4)。

リース・クラウドの扱い

リースまたはレンタルの期間は、原則3年間の導入効果報告が求められることから、満3年以上に設定するよう求められています(②2)。発注側からの申出がなく自動更新となる場合も3年以上となる契約には注意が必要で、3年を経過せずにリース等契約を解除した場合は、既に交付している補助金の返還を求められることがあります。

購入形態による補助額の考え方は、使用権の期限がないものは全額、月額払いは当該年度分、年額払いは1年分、複数年の使用権契約のものは複数年分とされています(③5)。いずれの場合も令和9年1月31日までに支払いを完了させることが条件です。

複数事業所・併設事業所の申請

1法人から複数事業所の申請は可能です(①20)。交付申請時は法人の申請書1枚に、事業所ごとの計画書(併設事業所を申請する場合はサービス種別毎に作成)と、1シートに全事業所分を記載した所要額調書を添付し、法人で取りまとめて提出します。1つの介護ソフトを複数事業所で使用する場合は、事業所数や職員数で按分し、事業所毎に計上します(①23)。

同一敷地・建物内に「介護老人福祉施設」と「併設型短期入所生活介護」が併設されている場合は、指定番号が一つであっても2事業所扱いとなり、別々に申請します(①13)。特別養護老人ホームで補助を受けて導入した機器を併設の通所介護事業所で利用することは原則できず、別途通所介護事業所として申請が必要です(④3)。

他の補助金との併用

対象経費が重複していなければ受給が可能とされ、IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)などで機器の種別が異なる場合は併用可能と案内されています(①5)。一方、介護施設等の大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICTの導入支援事業とは重複して補助を受けることができません。また要綱第7条(9)で、本補助事業により導入した介護テクノロジーについては他の補助金等の交付を受けてはならないと定められています。

SECURITY ACTIONとケアプランデータ連携の2つの関門

要綱第4条第7項では、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言することが求められています。SECURITY ACTIONは、中小企業・小規模事業者等が自ら情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。申込時に返送される「自己宣言IDのお知らせ」メールは実績報告時に提出するため保管が必要です(④8)。なお、要綱に記載されている本事業向けのSECURITY ACTION特設ページのURLは、2026年11月5日時点では表示できませんでした。最新の申込方法はIPAの公式サイトでご確認ください。

もう一つが、居宅介護支援・居宅サービスに課される「令和8年度中にケアプランデータ連携システムにおいてデータ連携の実績があること」という要件です。Q&A⑤1は令和8年7月3日に更新され、システムの導入だけでなく実際に連携することが補助要件であり、実績報告の段階でデータ連携の実績が確認できない場合は、既に機器の代金を支払った後であっても補助対象外となると赤字で明記されています。今回介護ソフトの申請を行わない場合でもデータ連携を確認できる資料の提出が必要となるため、申請はケアプランデータ連携システムに対応した介護ソフトを今回申請するか、既に導入されている場合に限り行うよう案内されています。

大阪市・堺市など政令市の扱いと市町村独自制度

大阪府内の政令市の事業所も府の補助金の対象ですが、市独自制度の有無は各市への確認が必要です。

交付要綱第2条は、補助の対象を「大阪府内で介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所、老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム」と定めています。大阪市・堺市といった政令指定都市に所在する事業所も、この定義に含まれるため府の補助金に申請できます。地域密着型サービスのように指定権者が市町村である事業所も、介護保険法に基づく指定を受けていれば対象です。

一方で、法人本部が大阪府外にあっても事業所が府内に存在していれば補助対象となります(①1)。逆に、障がい福祉サービス事業所・施設は本事業の対象外です(①2)。障がい福祉分野に同様の導入支援制度があるかどうかは、大阪府(障がい福祉室)の公式サイト・公募要領でご確認ください。

市町村独自の上乗せ補助については、2026年11月5日時点の調査では大阪市・堺市の介護分野における独自のICT導入補助制度を公式サイト上で確認できませんでした。市独自の制度は年度途中に始まることもあるため、所在市町村の介護保険担当課にも併せてご確認ください。政令市と県事業の重なり方は自治体ごとに差があり、たとえば兵庫県の介護補助金や京都府の介護補助金では府県事業と市事業の線引きが大阪府とは異なります。複数府県で事業所を運営している法人は、愛知県の介護補助金や東京都の介護補助金と見比べると、大阪府の抽選方式と優先順位の特徴がよく分かります。

堺市役所の建物
写真: Gohachiyasu1214 / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

令和9年度に向けた逆算スケジュールと準備チェックリスト

令和8年度のエントリーは終了しているため、次に動くなら令和8年度の日程を基準に逆算するのが現実的です。

令和9年度の日程は公表されていませんが、令和8年度と同様の進行になると仮定した場合の逆算表を作成しました。あくまで令和8年度実績に基づく想定であり、令和9年度の実際の日程は大阪府の公式サイトで必ずご確認ください。

時期の目安 やること 根拠(令和8年度実績)
募集の4か月前(1〜2月頃) 介護ソフトの要件確認。ケアプランデータ連携標準仕様に準拠しているか、LIFEのCSV出力機能があるかをベンダーに文書で確認 交付要綱 第2条第2項(エ)
募集の3か月前(2〜3月頃) SECURITY ACTIONの★一つ星または★★二つ星を宣言し、自己宣言IDのメールを保管 交付要綱 第4条第7項/Q&A④8
年度開始(4月1日) この日以降の契約・支払・導入が対象経費になる。3月中の発注は翌年度扱いにならないか要確認 交付要綱 第2条第3項
募集開始の1か月前(4月頃) 職員数(常勤換算・実人数)を確定し、どの基準額の帯に入るか試算。見積りは通信費を除いた本体価格で取得 要綱 表2/Q&A①21・①22
5月中旬 介護テクノロジー活用支援セミナーを受講(アーカイブ視聴でも可)。介護ソフト未導入なら「はじめての介護ソフト導入セミナー」(令和8年度は6月9日開催)も受講し優先レーンを確保 交付要綱 第4条/別表第1
5月下旬〜7月中旬 行政オンラインシステムで事前エントリー。重複エントリー・金額の桁誤り・端末のみの申請に注意 Q&A①18
8月 抽選結果発表。当選後、交付申請書・計画書・所要額調書・指定書の写し等を法人で取りまとめて提出 Q&A①20・①15
10月以降 交付決定。リース・レンタルは満3年以上の契約期間で締結 Q&A②2
翌年1月31日 契約・支払・納品(導入)の最終期限。これを過ぎると対象外 Q&A②1・②3
翌年2月20日 実績報告書の提出期限(消印有効)。機器の設置写真、Wi-Fiはアクセスポイント1か所以上の写真が必要 Q&A④1・④7
翌年3月31日まで 審査後、指定口座へ振込 Q&A④1
補助を受けた年度の翌年度から3年間 業務改善計画に対する効果を大阪府へ報告。機器は原則3年以上使用 交付要綱 第9条/Q&A④2

導入予定の機器がTAISに掲載されているかは、公益財団法人テクノエイド協会が運営する福祉用具情報システム(TAIS)の「介護テクノロジーカテゴリ」から検索できます。TAISとは、福祉用具のメーカー等から製品情報を収集・公開している国内の福祉用具データベースで、本補助金では「介護テクノロジー」として選定された機器等が対象の基準になります。

よくある質問

大阪府の介護ソフト補助金は、交付決定前に契約・購入しても対象になりますか?

交付要綱第2条第3項では、令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間の経費であれば「第5条の申請日以前の経費も対象とする」と定められており、交付決定前の支払いについてもQ&A④1で交付決定通知後に速やかに実績報告を提出するよう案内されています。ただし大阪府は抽選方式のため、選定されなければ補助は受けられず全額自己負担となります。発注前に必ず最新の公募案内と要綱をご確認ください。

クラウド型の介護ソフトやリース契約も対象になりますか?

クラウド型の介護ソフトは対象と明記されています(Q&A③15)。リースまたはレンタルの場合は、3年間の導入効果報告が求められるため期間を満3年以上に設定する必要があり、3年を経過せずに解除すると補助金の返還を求められることがあります。補助額の考え方は、月額払いは当該年度分、年額払いは1年分、複数年契約は複数年分とされ、いずれも令和9年1月31日までに支払いを完了させることが条件です。

タブレットやWi-Fiだけを入れたい場合も補助の対象になりますか?

対象になりません。Wi-Fi環境整備のみの申請は対象外とされ(Q&A①9)、タブレット端末等のみ・通信環境整備のみの申請は交付申請不可となる例として挙げられています(①18)。TAIS掲載の介護テクノロジー等または介護ソフトの導入に付帯して、同じ年度に導入する場合に限り対象となります。

1つの介護ソフトを複数の事業所で使う場合、申請はどうなりますか?

1法人から複数事業所の申請が可能で、法人の申請書1枚に事業所ごとの計画書と全事業所分を記載した所要額調書を添付して提出します(Q&A①20)。1つの介護ソフトを複数事業所で使用する場合は、事業所数や職員数で按分して事業所毎に計上します(①23)。併設の短期入所生活介護などは指定番号が一つでも2事業所扱いとなり、別々の申請が必要です。

IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)と併用できますか?

対象経費が重複していなければ受給が可能とされ、機器の種別が異なる場合は併用可能と案内されています(Q&A①5)。ただし、介護施設等の大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICT導入支援事業とは重複できず、要綱第7条(9)で本事業により導入した介護テクノロジーについて他の補助金等の交付を受けてはならないと定められています。判断に迷う場合は交付申請前に大阪府へご相談ください。

まとめ|大阪府の介護ICT補助金は「要件の読み込み」で差がつく

令和8年度の大阪府では、介護ソフトもタブレットもインカムも「大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」の1本で申請します。補助率は4/5、介護ソフトの基準額は職員数に応じて100万〜250万円(付帯設備併用で+15万円、ケアプランデータ連携5事業所以上でさらに+5万円)、インカムは1台100万円、パッケージ型は合計1,000万円。先着順ではなく抽選であり、介護ソフト未導入の事業所がセミナーを受講して申し込むルートが最優先に設定されている点が、大阪府の最大の特徴です。

一方で、タブレット入力型の記録システムは30万円枠であること、支払・納品の実質的な期限が令和9年1月31日であること、ケアプランデータ連携は「実績」まで求められることなど、読み落とすと金額が大きく変わる条件が並びます。要件を満たしていれば上限額の範囲で補助を受けられますが、審査・抽選があるため採択が保証されるものではありません。

令和9年度の募集に向けては、介護ソフトの要件確認とSECURITY ACTIONの宣言を先に済ませ、セミナー受講と事前エントリーに確実に乗ることが準備の中心になります。大阪府全体の介護関連補助金は大阪府の介護補助金に、制度の基本は介護テクノロジー導入支援事業の全体像にまとめています。

この記事は2026年11月5日時点の公式情報に基づきます。補助率・上限額・締切・要件は年度や改正により変わります。申請前に必ず大阪府の公式サイト(公募要領・交付要綱・Q&A)でご確認ください。

出典(公式)


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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