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佐賀県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】要件と上限

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佐賀県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】要件と上限
佐賀県の介護テクノロジー導入支援補助金【令和8年度】要件と上限

この記事は2026年10月31日(JST)時点で、佐賀県の公式ページ・交付要綱・募集要領から確認できた情報に基づきます。

見守りセンサーの見積りは取った。介護記録ソフトのデモも見た。けれど「補助金が付くなら今年度、付かないなら来年度」で稟議が止まっている——佐賀県内の特養・老健・グループホーム・有料老人ホーム・デイサービス・訪問介護の施設長や事務長から、よく聞く話です。

介護テクノロジーの補助金は、国の制度を各都道府県が自分の交付要綱に落とし込んで運用します。つまり同じ「介護ロボット補助金」でも、上限額も交付要件も県ごとにまったく違うということです。しかも佐賀県の事業名は「介護ロボット導入支援事業」ではなく「介護テクノロジー定着支援事業」。検索しても自県の情報が出てこない、と感じる原因の多くはこの名称の違いにあります。

結論を先に3行で示します。

  • 事業名は「佐賀県介護現場における介護テクノロジー定着支援事業費補助金」。実施主体は佐賀県(健康福祉部 長寿社会課)です。
  • 補助率は対象経費の5分の4。上限(基準額)は区分ごとに分かれ、移乗支援・入浴支援機器とインカムは100万円/台、その他の機器は30万円/台、パッケージ型導入支援は機器等の合計経費で1,000万円、業務改善支援は48万円です。
  • 令和8年度分の申込期限は令和8年(2026年)6月22日(月曜日)で、すでに受付は終了しています。令和9年度の実施有無は2026年10月31日時点で公表されていません。

この記事では、佐賀県の交付要綱(令和8年6月15日施行)と募集要領の原文から、(1)対象になる事業所と2つの交付要件ルート、(2)対象になる介護テクノロジーと対象外経費、(3)区分別の上限額表、(4)内示から交付決定・実績報告までの流れ、(5)佐賀県だけにある注意点、を順に整理します。とくに佐賀県は「申し込めば審査される」のではなく、申込→内示→交付申請→交付決定という二段構えで、しかも優先順位が要領に明記されている点が他県と大きく違います。次年度に向けて今から準備するなら、ここを外すと順番が後ろに回ります。

佐賀県庁舎の外観
写真: Peka / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

1. 【結論】令和8年度の佐賀県介護テクノロジー補助金の全体像

令和8年度の佐賀県の補助金は「補助率5分の4・区分別の上限・申込みは令和8年6月22日まで」という形で運用されました。

事業名 令和8年度佐賀県介護現場における介護テクノロジー定着支援事業費補助金
実施主体 佐賀県(健康福祉部 長寿社会課)
対象施設 佐賀県内で介護保険法に基づくサービスを提供する介護サービス事業所・施設/老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム
対象機器 TAIS登録の介護テクノロジー(移乗支援・移動支援・排泄支援・見守り・コミュニケーション・入浴支援・介護業務支援・機能訓練支援・食事/栄養管理支援・認知症生活支援/認知症ケア支援)、介護ソフト、バックオフィスソフト、インカム、PC・タブレット、Wi-Fi環境整備、パッケージ型導入支援、業務改善支援
補助率・上限 補助率5分の4(千円未満切捨て)。上限は区分別=移乗・入浴支援機器とインカム100万円/台、その他機器30万円/台、介護ソフト等は職員数別に100〜265万円、パッケージ型導入支援は合計1,000万円、業務改善支援48万円
申請期間 申込書の提出期限=令和8年6月22日(月曜日)/webフォームによる提出(受付終了)
窓口 佐賀県 健康福祉部 長寿社会課 介護人材担当(〒840-8570 佐賀市城内一丁目1番59号/電話0952-25-7105/ファックス0952-25-7265)。業務改善の相談先は「さが介護業務効率化サポートセンター」
公式URL 佐賀県介護現場における介護テクノロジー定着支援事業費補助金について(令和8年度事業)

財源は「地域医療介護総合確保基金」ではない点に注意

介護テクノロジーの補助金というと地域医療介護総合確保基金(国と都道府県が積み立て、介護人材確保などに充てる財源)を思い浮かべる方が多いと思います。ところが佐賀県の令和8年度交付要綱が根拠に挙げているのは、「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護保険事業費補助金(介護テクノロジー導入・共同化等支援事業)交付要綱」(令和8年5月7日厚生労働省発0507第2号)と「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」(令和8年4月7日老発0407第3号)です。つまり基金ではなく、国庫補助金の繰越分を財源に動いている事業だということです。

これは実務上も意味があります。繰越分を原資にしている以上、予算は年度ごとに組み直される性格のもので、翌年度も同じ規模・同じ上限で続く保証はありません。制度の骨格そのものは国が決めているので、国側の考え方は介護テクノロジー導入支援事業の全体像で確認したうえで、金額と締切は必ず佐賀県の要綱を見る、という順番が安全です。厚生労働省側の一次情報は介護テクノロジーの利用促進にまとまっています。

なお佐賀県には政令指定都市がありません。札幌市や福岡市のように市が独自の上乗せ制度を持つ県と違い、佐賀県では県の事業が実質的に唯一の入口になります。市町が独自に介護テクノロジー導入費を補助しているかどうかは県の公式ページでは案内されていないため、お住まいの市町の高齢福祉担当課に個別に確認してください。県をまたいだ比較をしたい方は、隣県の福岡県の介護補助金と見比べると、政令市のある県との違いがよく分かります。

2. 対象になる佐賀県内の介護事業所と、交付要件の「2つのルート」

対象はほぼすべての介護サービス事業所ですが、佐賀県では「研修受講+サポートセンター相談」か「第三者による導入支援」のどちらかを満たすことが交付の条件になっています。

交付要綱第2条は、補助事業者を「県内で介護保険法に基づくサービスを提供する介護サービス事業所・施設、老人福祉法に基づく養護老人ホーム若しくは軽費老人ホームを開設し、介護テクノロジー機器等を導入する者」と定めています。募集要領でも「介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所・施設」「老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホーム」と明記されており、特養・老健・介護医療院だけでなく、通所介護、訪問介護、居宅介護支援、グループホーム、有料老人ホーム(特定施設)まで幅広く入ります。サービス種別で足切りをしていないのが佐賀県の特徴で、小規模なデイや訪問介護事業所でも土俵には乗れます。

ただし、ここからが本題です。要綱第2条は上記に加えて、次の(1)か(2)の「いずれか」を満たすことを求めています。

ルート(1):研修を受け、サポートセンターに相談する

令和8年度中に、県が令和7年度に設置した「さが介護業務効率化サポートセンター」または厚生労働省委託事業の相談窓口が実施する研修、県が実施する研修のうち県が介護業務効率化に資すると認めた研修、もしくは厚生労働省委託事業による「生産性向上ビギナーセミナー」「生産性向上フォローアップセミナー」「デジタル中核人材養成研修」のいずれかを受講すること。そのうえで、交付要綱に基づく業務改善計画の作成や取組の実施について、さが介護業務効率化サポートセンターに相談することが条件です。

このサポートセンターは県の委託事業で、受託事業者は麻生教育サービス株式会社。所在地は〒849-0918 佐賀市兵庫南4丁目1-25 なかむらビル兵庫南2階3号室、電話は0952-20-8070、営業時間は9時から18時(土日祝と12月29日〜1月3日を除く)です。相談窓口のほか、試用貸出、伴走支援、研修会・展示会、情報交換会のメニューがあり、さが介護業務効率化サポートセンターの公式サイトから確認できます。機器を買う前に実機を試せる「試用貸出」があるのは、佐賀県の事業所にとって実務的に大きい話です。

ルート(2):第三者から事前評価・助言・事後評価を受ける

もう一つは、生産性向上ガイドラインに基づき、生産性向上に係る支援について知識・経験を有する第三者から、個別の契約に基づいて、(1)事前評価(課題抽出)、(2)業務改善に係る助言・指導等、(3)事後評価(導入後の定着支援を含む)等の支援を受けるルートです。要綱はこのルートについて「メーカーや販売店等による機器の操作説明は含まない」とはっきり除外しています。販売店の説明会に出たから要件を満たした、という整理はできません。そしてこのルート(2)の支援費用こそが、後述する「業務改善支援(48万円)」の対象経費にあたります。

いずれのルートでも、暴力団排除に関する要件(要綱第2条第2項・第3項)を満たす必要があります。申請書類の考え方そのものは補助金申請の流れ・必要書類で全国共通部分を押さえておくと、佐賀県固有の部分だけに集中できます。

3. 対象になる介護テクノロジーと、対象外になる経費

対象経費は要綱の別表1で4区分に整理され、TAIS登録機器を軸に、介護ソフト・付帯設備・パッケージ型・業務改善支援まで広く含みます。

TAIS(Technical Aids Information System)は公益財団法人テクノエイド協会が運営する福祉用具情報システムで、要綱はここで介護テクノロジーとして選定された機器等を補助対象としています。分類は移乗支援、移動支援、排泄支援、見守り、コミュニケーション、入浴支援、介護業務支援、機能訓練支援、食事・栄養管理支援、認知症生活支援・認知症ケア支援。福祉用具情報システム(TAIS)では令和8年10月31日現在で20,104件が掲載されていますが、これは福祉用具全体の件数で、介護テクノロジーとして選定された機器はその一部です。検討中の機種がTAISに載っているかどうかは、見積りを取る前に必ず確認してください。

介護ソフト側では、ソフト本体だけでなく「定着促進に要する経費」として、ソフトと一体的に使うPC・タブレット端末(リース費を含む)、Wi-Fi環境整備(配線・有線LANの設備工事、モデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築等)、導入前後にベンダーが行うサポートまでが対象に入ります。ソフトのライセンス費だけでなく「使える状態にするための工事と端末」まで見てくれるのが、佐賀県の要綱の実務的に優れている点です。製品選びの観点は介護記録ソフトの比較、センサー側は見守りセンサーの比較・選び方で整理しています。

TAISに載っていない機器も、TAIS掲載機器と同水準の機能等を有すると県が判断した場合、あるいは介護従事者の身体的負担の軽減や間接業務時間の削減など、継続して就労するための職場環境整備として有効で介護サービスの質の向上につながると県が判断した場合には対象になり得ます。後者にはバックオフィスソフト(電子サインシステム、給与、勤怠管理等)が例示されています。ただし「県が判断した」が条件なので、独自判断で発注するのは危険です。

さらに佐賀県は「パッケージ型導入支援」という区分を別に立てています。これは「介護業務支援」機器と、それと連動することで効果が高まると判断できる機器を併せて導入する場合の区分で、要綱は「介護業務支援に該当する機器+見守り・コミュニケーションに該当する機器」「介護業務支援に該当する複数の機器」「介護ソフト+インカム」を例示しています。単品で入れるより上限が大きく設計されているため、複数機器を同時に検討している施設はこの区分を狙う価値があります。

対象にならない経費(要綱第3条第7項)

  • 機器等の開発に要する経費、機器等の保険料、メンテナンス費用、通信費、既に所有している機器等の廃棄費用
  • 消費税及び地方消費税
  • 交付決定前に契約を締結した機器等
  • 本事業又は他の補助金等により過年度に導入した機器・介護ソフト等のランニングコスト

あわせて、補助対象になるのは「販売価格が公表され、一般に購入できる状態にある機器等」に限られます(第3条第2項)。特注品や相対価格だけの製品は通りません。リース・レンタルで導入する場合は、実績報告の日までに支払った費用のみが対象です(第3条第6項)。5年リースを組んでも、その年度に払った分しか見てもらえない、ということです。

介護ソフトには機能要件がある

介護ソフトは「記録業務、情報共有業務(事業所内の情報連携のみならず、居宅サービス計画やサービス利用票等を他事業所と連携する場合を含む)、請求業務を一気通貫で行う(転記等の業務が発生しない)環境が実現できる場合」に限り対象です。既に導入しているソフトと組み合わせて一気通貫が実現できる場合も含まれます。加えて、居宅介護支援・介護予防支援・居宅サービス・介護予防サービスの事業所は原則としてケアプランデータ連携標準仕様に準じたCSVの出力・取込機能を備えていること、施設サービス(介護福祉施設・介護保健施設・介護医療院)および地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護はLIFE準拠のCSV出力機能を備えていることが求められます。見積り段階でベンダーにこの2点を確認しておかないと、後で差し替えになります。

4. 補助率5分の4と、区分別の上限額(基準額)

補助金額は「対象経費の実支出額から寄付金その他収入の額を控除した額に5分の4を乗じた額」と「基準額」を比べて少ないほうで、千円未満は切り捨てです。

対象経費の区分 基準額(上限)
TAISで「移乗支援」「入浴支援」に分類されている機器等/TAISで「介護業務支援」に分類されているインカム/それらと同水準と判断された機器等/バックオフィスソフト以外で県が有効と判断した機器等 100万円/台
TAISで「介護業務支援」に分類されている介護ソフト/同水準と判断された機器等/バックオフィスソフト 下表(別表3)の基準額(1)による
上記以外のTAIS掲載機器等(移動支援・排泄支援・見守り・コミュニケーション・機能訓練支援・食事/栄養管理支援・認知症ケア支援など) 30万円/台
介護ソフトの定着促進(PC・タブレット・Wi-Fi環境整備・ベンダーサポート等) 導入する介護ソフトの経費と合わせて下表の基準額(2)による/パッケージ型導入支援に合わせて対象とする場合は、パッケージ型導入支援の基準額に15万円を上乗せ
介護テクノロジーのパッケージ型導入支援 機器等の合計経費で1,000万円
導入支援と一体的に行う業務改善支援 48万円
テクノロジー等の導入に係る付帯経費 主となる機器等の基準額の範囲内(上乗せは無し)

見守りセンサーやインカムを入れたい施設がまず確認すべきは、同じ「見守り」でも、インカムは100万円/台、見守り機器は30万円/台と基準額の枠が違うという点です。ベッドセンサーを20台入れる計画なら30万円×台数で枠を積み上げる計算になり、1台あたりの単価が30万円を超える機種では自己負担が一気に増えます。機種選定の前に、この区分の当てはめを済ませておくのが正解です。

介護ソフト・バックオフィスソフトの基準額(別表3)

介護ソフトとバックオフィスソフトは、職員数に応じて基準額が段階的に上がる仕組みです。

契約の区分 職員数(申請時点) 基準額(1) 基準額(2)
職員数に応じて必要なライセンス数が変動するなど、職員数により合計金額が変動する契約の場合 1〜10人 100万円 115万円
11〜20人 150万円 165万円
21〜30人 200万円 215万円
31人以上 250万円 265万円
それ以外の方式の契約の場合 — 250万円 265万円

この表の読み方には注意点が3つあります。第一に、職員数には訪問介護員等の直接処遇職員だけでなく、ICTの活用が見込まれる管理者や生活相談員等の職員も算入できます。第二に、職員数は申請時点における常勤換算方法で算出した人数(小数点以下四捨五入)が原則ですが、居宅を訪問してサービスを提供する職員(訪問介護員、居宅介護支援専門員等)や管理者・生活相談員等は、従事する職務の性質上、実人数(常勤・非常勤の別を問わない)とすることができます。第三に、居宅サービス事業所(介護予防を含む)または居宅介護支援事業所(介護予防支援を含む)で、令和8年度中にケアプランデータ連携システムにより5事業所以上とデータ連携を実施する場合は、基準額に5万円が加算されます。

常勤換算か実人数かで階段を1段上がれるケースは実際にあります。募集要領も、介護ソフト等でライセンス数が職員数によって変動する契約の場合は令和8年5月(実績)の職員数を記入するよう求め、交付申請の際には厚生労働省が示す「従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表(標準様式)」で作成した勤務表のExcelデータを提出させると明記しています。申込時点の職員数の数え方が、そのまま上限額を決めてしまう設計です。全国の相場感と比べたい方は介護テクノロジー補助金の完全ガイドも参考にしてください。

5. 申請の流れ・締切・内示の仕組み(令和8年度の実際)

佐賀県は「申込→内示→交付申請→交付決定→導入→実績報告」という二段構えで、交付決定前の発注は対象外になります。

令和8年度の募集要領によると、提出書類は(1)申込書(別紙)と(2)導入する介護テクノロジーの内容及び金額が分かる資料(カタログ、見積書の写し等)の2点。提出方法は県指定のwebフォームにアクセスし、申込書のExcelデータと必要資料のPDFデータをアップロードする方式でした。提出期限は令和8年6月22日(月曜日)です。

時期 事業者 県
令和8年6月22日(月)まで 本事業への希望申し込み(書類一式を県へ提出) —
7月上旬 — 交付対象候補者の選定
7月中旬 — 内示通知の送付
7月下旬 補助金の交付申請 —
8月上旬 — 補助金の交付決定
交付決定後 先進機器の導入 —
事業完了後 実績報告書の提出 —
実績報告書の提出後 — 実績報告書の審査/額の確定通知
額の確定通知後 補助金の交付請求 —
令和9年3月末まで — 補助金支払い

(出典:令和8年度募集要領「7.スケジュール(予定)」。スケジュールは変更される可能性があります。)

内示は「確約」ではない

募集要領の留意事項は「本募集に係る内示通知は、補助金の交付を確約するものではありません」と明記しています。内示を受けた後も交付申請が必要で、県が審査して交付決定を出してはじめて発注できます。交付要綱第3条第7項(3)により交付決定前に契約を締結した機器等は対象外なので、「内示が出たから発注」は最も危険な勘違いです。令和8年度のスケジュールでいえば、内示が7月中旬、交付決定が8月上旬。この約3週間のあいだに契約書に判を押すと、その機器は補助対象から外れます。

優先順位は募集要領に書かれている

交付対象候補者は予算の範囲内で選定され、審査では次の点等を考慮して優先順位をつけて内示が行われると要領に書かれています。

  • 令和7年度に行った介護テクノロジー定着支援事業の要望調査(令和7年9月3日付け長寿第1887号)において回答されたもの
  • 導入予定の介護テクノロジーが、見守り機器・インカム・介護ソフトのいずれかであるもの
  • 令和7年度に「佐賀県介護現場における介護テクノロジー定着支援事業費補助金」の交付を受けていないもの
  • 本募集への申込書の提出受付順

この4点は、次年度を狙う事業所にとってそのまま戦略になります。前年度の要望調査に回答しておくこと、前年度に交付を受けていないこと、機種を見守り・インカム・介護ソフトから選ぶこと、そして受付開始後できるだけ早く出すこと。同じ趣旨は交付要綱第6条第2項にもあり、県は「見守り機器・インカム・介護ソフトを優先的に補助の対象とし、適正な交付を行うため必要があるときは修正を加えて交付の決定をすることがある」としています。つまり申請どおり満額で決定されるとは限らず、機器構成が削られる形で決定される可能性があるということです。

令和9年度に向けた逆算スケジュール

令和9年度(2027年度)の実施有無・時期は2026年10月31日時点で公表されていません。以下は令和8年度と同じ時期に募集があると仮定した場合の準備の目安で、県の公式発表ではありません。

時期の目安 施設側でやっておくこと
前年の9月頃 県が実施する要望調査に必ず回答する(優先順位の第1項目)
年明け〜3月 さが介護業務効率化サポートセンターに相談し、課題抽出と機器の試用貸出を依頼する
4〜5月 対象ルート(1)の研修受講を手配。介護ソフトはケアプランデータ連携/LIFE対応をベンダーに書面で確認
5月頃 職員数(常勤換算・実人数の区分)を確定し、基準額の段を確認。2者以上の見積りを取得
募集開始〜締切 申込書+カタログ・見積書の写しをwebフォームで提出(受付順も優先順位に影響)
内示後 交付申請。勤務表Excel等の添付資料を準備。発注は交付決定を待つ
交付決定後 契約・導入。業務改善計画を作成して県へ提出
事業完了後1か月以内 実績報告書を提出(要綱第9条)

6. 佐賀県特有の注意点|併用禁止・委員会設置・交付後3年の報告

交付要綱第7条は交付の条件を18号にわたって定めており、ここに佐賀県ならではの実務負担が集中しています。

まず見積りのルール。補助事業を行うための契約手続は、原則として2者以上から見積書を徴して行う必要があります。ただし予定価格が20万円未満の契約、または性質上2者以上から見積を徴することが適当でないと認められる契約は例外です。加えて、県内企業および障害者就労支援施設等からの調達に努めることが求められています。1社見積りで進めてしまうと手戻りになるため、機種を絞り込む段階から相見積りの体制を作っておいてください。

次に併用の可否。要綱は「この補助金の交付と対象経費を重複して、他の補助金等の交付を受けてはならない」と定めています。IT導入補助金などと組み合わせたい場合は、同じ経費を二重に充てないよう対象経費を明確に切り分ける必要があります。判断に迷う組み合わせは、発注前に長寿社会課(電話0952-25-7105)へ照会するのが確実です。

委員会の設置義務も見落とされがちです。別表4に掲げるサービス(短期入所生活介護・短期入所療養介護・特定施設入居者生活介護・小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護・複合型サービス・地域密着型介護老人福祉施設・介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院、いずれも介護予防を含む)は、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会(名称は問わない)を機器導入までに設置し、3か月に1回以上開催しなければなりません。機器が届いてから委員会を作るのでは順番が逆になります。

別表5に掲げるサービス(訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、福祉用具貸与、居宅療養管理指導、短期入所系、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、認知症対応型通所介護、地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護(短期利用)、居宅介護支援、介護予防支援、訪問型サービス・通所型サービス等)は、令和8年度内に「ケアプランデータ連携システム」の利用を開始することが条件です。

さらに、IPAが実施する「SECURITY ACTION」の★一つ星または★★二つ星のいずれかを宣言すること(事業所単位で単一の法人番号を有していない場合は法人単位として、または事業所の代表者を「個人事業主」として申し込む)、厚生労働省が発行する生産性向上ガイドライン等を参考に業務改善計画を作成して県へ提出すること、補助を受けた年度の翌年度から3年間、業務改善計画で定めた内容に対する業務改善効果等を報告すること、LIFEによる情報収集に協力すること、県や厚生労働省が実施する効果検証事業に可能な限り協力することが求められます。補助金は「入れて終わり」ではなく、3年間の効果報告まで含めて1セットだと考えてください。

加えて、介護テクノロジーの導入・活用により業務の改善・効率化等が進められ、職員の業務負担軽減やサービスの質の向上など生産性向上が図られるとともに収支の改善が図られた場合には、職員の賃金へも適切に還元し、その旨を職員等に周知することが条件に含まれています。単価30万円以上の機械・器具等は財産処分が制限され、帳簿・証拠書類は補助金の額の確定の日が属する年度の終了後5年間の保管が必要です。実績報告は本事業の完了日から起算して1か月以内(中止・廃止の承認を受けた場合は承認通知を受理した日から1か月以内)、または知事が別に定める日のいずれか早い期日までに提出します。補助金は知事が必要と認めたときは概算払で交付できるとされています。

他県がどう設計しているかを知ると、佐賀県の条件の重さ・軽さが相対化できます。たとえば広島県の介護補助金や大阪府の介護補助金、東京都の介護補助金と並べて読むと、上限額の立て方と優先採択の考え方の違いが見えてきます。

7. よくある質問

佐賀県の介護テクノロジー定着支援事業費補助金について、問い合わせの多い5点を公式情報の範囲で整理します。

Q1. 令和8年度の佐賀県の補助金は、まだ申し込めますか?

令和8年度分の申込書の提出期限は令和8年6月22日(月曜日)で、2026年10月31日時点ですでに受付は終了しています。二次募集・追加募集の案内は県の公式ページで確認できませんでした。令和9年度の実施有無・募集時期については公表されていないため、佐賀県の公式ページで最新の案内をご確認ください。

Q2. 見守りセンサーは1台いくらまで補助されますか?

TAISで「見守り・コミュニケーション」に分類される機器は、要綱別表2の「上記以外の機器等」にあたり基準額は30万円/台です。一方、TAISで「介護業務支援」に分類されるインカム、および「移乗支援」「入浴支援」に分類される機器等は100万円/台です。補助率は5分の4(千円未満切捨て)で、実支出額に5分の4を乗じた額と基準額の少ないほうが補助金額になります。要件を満たせば対象になり得ますが、審査があり、満額が交付されるとは限りません。

Q3. 介護ソフトをリース契約で導入しても対象になりますか?

機器等の導入方法がリース又はレンタルによる場合は、実績報告の日までに支払った費用のみが補助対象です(交付要綱第3条第6項)。複数年契約を結んでも、当該年度に支払った分のみが対象になります。また、機器等のメンテナンス費用・通信費・保険料、および他の補助金等により過年度に導入した機器・介護ソフト等のランニングコストは対象外です。

Q4. 内示を受けたら機器を発注してよいですか?

いいえ。募集要領は「本募集に係る内示通知は、補助金の交付を確約するものではありません」と明記しており、内示後に改めて交付申請を行い、県の交付決定を受ける必要があります。交付決定前に契約を締結した機器等は補助対象になりません(交付要綱第3条第7項(3))。発注は必ず交付決定の通知を受けてからにしてください。

Q5. 複数の事業所を持つ法人は、まとめて申請できますか?

交付要綱は補助事業者を「介護サービス事業所・施設、養護老人ホーム若しくは軽費老人ホームを開設し、介護テクノロジー機器等を導入する者」と定めており、基準額も介護ソフトは事業所の職員数を基礎に算定されます。一方で、法人単位での一括申請の可否や1法人あたりの上限の有無については、交付要綱・募集要領・県が公表する令和8年度のQ&Aの原文からは確認できませんでした。複数事業所での導入を検討している場合は、申込み前に佐賀県健康福祉部長寿社会課(電話0952-25-7105)へ直接ご確認ください。

8. まとめ|佐賀県の介護テクノロジー補助金で、今日決めるべきこと

佐賀県の令和8年度事業は「補助率5分の4」「区分別の基準額」「内示→交付申請→交付決定の二段構え」「見守り機器・インカム・介護ソフトの優先採択」という4点で整理できます。

令和8年度分の申込みは終了していますが、次の募集で順番を前に出すためにやるべきことは、要領にすべて書かれています。県の要望調査に回答しておくこと、さが介護業務効率化サポートセンターに早めに相談して課題抽出と試用貸出を済ませること、介護ソフトならケアプランデータ連携とLIFE対応をベンダーに確認すること、職員数の数え方を固めて基準額の段を把握すること、そして2者以上の見積りを揃えておくこと。これらは募集が始まってからでは間に合いません。

制度の読み方そのものに不安がある方は、令和8年度の介護テクノロジー導入支援事業の全体像と申請の流れ・必要書類を先に通読してから、佐賀県の交付要綱に戻ると理解が早くなります。

この記事は2026年10月31日時点の公式情報に基づきます。補助率・上限額・締切・要件は年度ごとに変更されます。発注や契約の判断は、必ず佐賀県の公式ページおよび最新の交付要綱・募集要領でご確認ください。確認できなかった事項(令和8年度の予算額・申込件数・採択率、令和9年度の実施予定と二次募集の有無、事業完了期限および実績報告の「知事が別に定める日」の具体日、法人単位での一括申請の可否・1法人あたりの上限の有無、県内市町独自の補助制度の有無)は、佐賀県健康福祉部長寿社会課(電話0952-25-7105)または佐賀県の公式サイト・公募要領でご確認ください。

出典(すべて公式)


この記事の制作・監修
河原 将太(株式会社Tip 代表取締役社長)
国・和歌山県・各市町村の公式情報(公募要領・公式サイト)を確認したうえで制作しています。補助率・上限・締切は年度や公募回で変わるため、最新は各実施主体の公式サイトでご確認ください。 運営者情報 / 補助金を使ったWeb集客の無料相談(30分)
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