カテゴリー: 補助金・制度

  • 介護テクノロジー補助金【埼玉県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【埼玉県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    埼玉県内で介護事業所を運営していると、「人手不足はわかっているが、介護ロボットやソフトを入れる余力がない」という壁に何度もぶつかります。そこで活用したいのが、令和8年度(2026年度)の介護テクノロジー(介護ロボット・ICT)導入補助金です。実は埼玉県の補助率は5分の4(80%)と全国でも手厚い水準で、100万円の機器なら実質20万円台で導入できる計算になります。本記事では、埼玉県の公式発表(交付要綱・実施要領・Q&A)をもとに、対象・補助率・上限・締切・申請先を一次情報だけで整理しました。埼玉県では令和8年度分の公募(事前協議)がすでに始まっており、事前協議の提出期限は令和8年7月22日(水)と案内されています。締切が迫っているため、導入を検討中の事業所は早めの準備をおすすめします。なお、本記事は制度の概要をわかりやすくまとめたものであり、最終的な要件・金額は必ず埼玉県の交付要綱・実施要領・Q&Aでご確認ください。

    【結論】埼玉県の介護テクノロジー補助金(令和8年度)はここを押さえる

    • 制度名:埼玉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金(令和8年度実施分の公募中)
    • 補助率:1機器につき所要経費の5分の4または機器区分ごとの基準額のいずれか低い額(令和8年度時点)
    • 上限額:移乗支援・入浴支援・業務支援機器等は1台100万円・1事業所500万円、パッケージ型導入は1事業所750万円、介護ソフトは職員数に応じ100万〜250万円(定着促進支援ありで115万〜265万円)
    • 締切:事前協議は令和8年7月22日(水)まで/機器の導入・支払完了は令和9年1月31日まで
    • 申請窓口:埼玉県 福祉部 高齢者福祉課 施設整備担当(電話 048-830-3260/問い合わせはメール推奨)。申請は埼玉県電子申請・届出サービス経由
    • 注意:予算の範囲内での交付のため、申請すれば必ず採択されるわけではありません。詳細は必ず県の交付要綱・Q&Aでご確認ください

    埼玉県の制度は国(厚生労働省)の介護テクノロジーの利用促進の枠組みを土台に運用されています。制度の背景から全国の相場観まで俯瞰したい方は、まず介護テクノロジー導入支援事業の全体像介護テクノロジー補助金の完全ガイドに目を通しておくと、埼玉県ならではの有利・不利が判断しやすくなります。

    移乗支援ロボットを活用する埼玉県内の介護施設スタッフのイメージ
    移乗支援ロボットを活用する埼玉県内の介護施設スタッフのイメージ

    制度の概要:国の枠組みを埼玉県が実施する補助金

    まず全体像です。埼玉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金は、国が示す介護テクノロジー導入支援の枠組みを踏まえ、都道府県が実施主体となって公募・審査・交付を行うタイプの事業です。つまり「国に直接申請する補助金」ではなく、埼玉県内の事業所は埼玉県に申請するのが基本の流れになります。

    埼玉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金は、介護ロボットやICT機器などの「介護テクノロジー」の導入費用の一部を県が助成する制度です。埼玉県の公式ページでは、介護従事者の負担軽減と働きやすい職場環境の整備を通じて、介護人材の確保・定着につなげることが目的とされています。

    この補助金は、国(厚生労働省)が示す介護テクノロジー導入支援の枠組みを踏まえて、都道府県が実施主体となって公募・審査・交付を行うタイプの事業です。同種の事業は全国の都道府県で行われていますが、対象機器の区分・補助率・締切・独自要件は都道府県ごとに差があるため、他県の情報をそのまま流用しないよう注意が必要です(財源や国の枠組みの詳細は県の公募資料でご確認ください)。参考までに、東京都の介護補助金大阪府の介護補助金愛知県の介護補助金と比べると、区分の切り方や上限額、独自要件(データ連携実績など)が県ごとに異なることがよくわかります。

    なお、埼玉県の案内によれば、本補助金は「令和8年度生産性向上伴走支援事業補助金」とは別の補助金であり、両方に申請することも可能とされています。生産性向上の取り組みを幅広く進めたい事業所は、あわせて検討する価値があります。

    さいたま市(政令指定都市)の事業所はどこに申請する?

    さいたま市は政令指定都市のため「市独自の窓口があるのでは?」と迷いやすいポイントです。結論から言うと、通常の介護テクノロジー定着支援事業(本記事のメイン制度)は埼玉県が実施しており、補助対象は「埼玉県内に所在する介護事業所」と案内されています。さいたま市の公式ページでも、介護ロボット普及促進やICT導入支援は「埼玉県が実施する事業」として案内されています(令和6年10月30日更新時点)。

    一方で、「介護施設等の大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICTの導入支援事業」については、さいたま市のページで地域密着型サービス事業所等はさいたま市が、居宅サービス・施設サービス事業所等は埼玉県がそれぞれ実施すると案内されています(令和6年10月30日更新時点の情報)。地域密着型サービスは指定権者が市町村のため、事業の種類によって窓口が分かれるケースがあるわけです。さいたま市内の地域密着型サービス事業所は、申請前に県(高齢者福祉課)とさいたま市(介護保険課 事業者係 048-829-1265)のどちらが管轄かを必ず確認しておくと安心です。

    窓口早見:あなたの事業所はどこに申請する?

    • 居宅・施設サービス(通常の定着支援事業)→ 埼玉県 高齢者福祉課(048-830-3260)
    • 地域密着型サービス(通常の定着支援事業)→ 原則 埼玉県(対象は県内事業所全般のため。ただし種別により要確認)
    • 大規模修繕にあわせた導入支援・地域密着型 → さいたま市 介護保険課(048-829-1265)
    • 大規模修繕にあわせた導入支援・居宅/施設 → 埼玉県

    対象機器・対象事業所・TAIS要件

    補助対象になるかどうかは、まず「TAISで介護テクノロジーに選定されているか」で決まります。この節では対象事業所・対象機器・付帯経費の扱いを順に整理します。

    対象となる事業所

    令和8年度の事前協議案内では、補助対象者(協議対象者)は次の介護事業所を運営する法人および個人とされています。

    • 介護保険法に基づく指定または許可を受けた、埼玉県内に所在する介護事業所
    • 老人福祉法に基づく養護老人ホームおよび軽費老人ホーム

    県交付要綱では、対象となる「介護サービス事業」として、居宅サービス(福祉用具貸与・特定福祉用具販売を除く)、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス、基準該当サービス等が挙げられています(令和8年度交付要綱第2条)。自事業所のサービス種別が対象かどうかは、交付要綱の原文で確認してください。なお、特別養護老人ホームと併設ショートステイなど介護保険事業者番号が別の場合は、事業所ごとに別々の申請が必要とQ&Aで案内されています。

    複数事業所・法人でまとめて申請したいとき

    上限額(1事業所500万円等)は介護保険事業者番号ごとにカウントされるのが基本です。同一法人でも事業者番号が別なら、それぞれが上限枠を持ちます。逆に、特養と併設ショートのように番号が分かれるものを1枚の申請書でまとめて出すことはできず、事業所(番号)単位で事前協議・交付申請を行う必要があります。多店舗展開している法人は、どの事業所で何を導入するかを番号ごとに整理してから協議書を作ると、上限枠を取りこぼしません。

    対象機器とTAIS要件:「介護テクノロジー」選定機器のみが対象

    埼玉県の令和8年度Q&A(令和8年6月23日現在)では、補助対象となる機器について次のように明確化されています。

    • 公益財団法人テクノエイド協会が提供する「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定された機器が補助対象
    • TAISに掲載されていても「介護テクノロジー」の選定を受けていない機器は補助対象外
    • 介護ソフトは、TAISで「介護テクノロジー」として選定され「介護業務支援」に分類されているもので、かつ実施要領の機能要件(記録・情報共有・請求業務の一気通貫、ケアプランデータ連携標準仕様対応など)を満たすものが対象
    • 一般的な防犯(監視)カメラは見守り機器の定義に該当しないため対象外

    検討中の機器が対象になるかは、テクノエイド協会が運営するTAIS(福祉用具情報システム)で「介護テクノロジー」選定の有無を確認するのが第一歩です。メーカーのホームページに「本補助金の対象」と記載されていても、県の審査の結果、補助対象外となることがあると県が明記している点にも注意してください。とくに見守り機器と介護ソフトは要件が細かいので、選び方は見守りセンサーの比較・選び方介護記録ソフトの比較で、対象になりやすい機能条件を先に押さえておくと安全です。また、Wi-Fi環境整備(配線工事・モデム・ルーター等)や、介護テクノロジーの利用にともなって導入するPC・タブレット端末、ベンダーのサポート費用・保守経費などの付帯経費は、主となる機器と併せて導入する場合に限り補助対象になるとされています。

    補助率・基準額・上限額(令和8年度時点)

    補助額は、1機器につき「所要経費の5分の4」または「機器区分ごとの基準額」のいずれか低い額で、さらに1事業所あたりの上限額が設定されています(1,000円未満切捨て)。令和8年度の区分と金額は次のとおりです。

    対象経費の区分 1台あたり基準額 1事業所あたり上限
    ① TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器のうち、移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援に該当する機器、「介護業務支援」に掲載されている機器・インカム 100万円 500万円
    ② TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器のうち、①③以外の機器等(見守り・排泄支援・移動支援など) 30万円 ①と合わせて500万円
    ③ TAISで「介護テクノロジー」に選定され「介護業務支援」に該当する介護ソフト 職員数別(下表)
    ④ 介護ソフトの定着促進支援(導入するソフトの経費と合算) 下表の加算額による パッケージ型と併用時は上限に15万円上乗せ
    ⑤ パッケージ型導入支援(複数機器の一括導入) 750万円

    ※令和8年度の埼玉県公式ページ・交付要綱に基づく。①と②の機器を併せて導入する場合、1事業所あたりの上限は合計500万円(1,000万円にはなりません)。また、通常の導入支援(①〜③)とパッケージ型(⑤)を同一事業所で併用申請することはできないとQ&Aで案内されています。

    介護ソフトの基準額(職員数別)

    職員数(申請時点) 基準額(定着促進支援なし) 基準額(定着促進支援あり)
    1名以上10名以下 100万円 115万円
    11名以上20名以下 150万円 165万円
    21名以上30名以下 200万円 215万円
    31名以上 250万円 265万円

    ※職員数によりライセンス数・合計金額が変動する契約の場合の区分。それ以外の契約方式では一律250万円(定着促進支援ありは265万円)が基準額とされています。基準額とソフト導入所要額の5分の4のいずれか低い金額が補助額になります(令和8年度時点・県公式ページより)。

    計算例:区分②の機器を複数台導入する場合(県Q&Aより)

    1台100万円の「排泄支援」ロボットを6台導入するケースでは、1台あたり「100万円×4/5=80万円」と「基準額30万円」を比べて低いほうの30万円が1台あたりの補助額となり、合計は30万円×6台=180万円になります(80万円×6台=480万円にはなりません)。排泄支援機器は①ではなく②の30万円区分に該当する点も含め、機器ごとの区分は必ず県に確認しましょう。

    事業所内でタブレットの介護記録ソフトを確認するスタッフのイメージ
    事業所内でタブレットの介護記録ソフトを確認するスタッフのイメージ

    申請の流れと締切(令和8年度スケジュール)

    埼玉県の令和8年度スケジュールは次のように案内されています。最初の関門は7月22日の「事前協議」で、これを提出しないとその後の交付申請に進めません。書類の全体像や一般的な流れは補助金申請の流れ・必要書類もあわせてご覧ください。

    手続き 期限・時期(令和8年度)
    (1)事前協議(埼玉県電子申請・届出サービスで提出) 令和8年7月22日(水)まで
    (2)交付申請(補助内示を受けた事業所のみ) 令和8年8月下旬(予定)
    (3)介護テクノロジーの導入・支払完了 令和9年1月31日まで
    (4)実績報告書の提出 令和9年1月31日まで
    (5)請求書の提出 令和9年3月上旬(予定)
    (6)業務改善に係る効果の報告 導入後3年間(翌年度から毎年)

    ※令和8年度の埼玉県公式ページに基づく。日程は「予定」を含むため、最新の案内で必ず確認してください。

    事前協議で提出する書類は、協議申請書・経費所要額調書・見積書の写し・導入機器のカタログ等・事前協議チェックリスト(介護ソフト導入の場合は職員数がわかる書類も)とされています。提出は埼玉県電子申請・届出サービスの申請フォームからワード・エクセル形式のまま提出する方式で、異なる方法では受付できない場合があると案内されています。申請後2営業日以内に完了通知メールが届かない場合は担当への連絡が必要です。

    また、補助要件として次の4点がすべて求められます(詳細は県交付要綱・実施要領を参照)。

    • 導入支援と一体的に行う業務改善支援を受けること:県が設置する「介護のみらいサポートセンター」(埼玉県社会福祉協議会)の研修会・相談会の受講で要件を満たせます
    • IPA「SECURITY ACTION」の「★一つ星」以上を宣言すること
    • 業務改善計画を作成し、交付申請書類と併せて提出すること
    • 補助を受けた翌年度から3年間、効果を報告すること

    締切から逆算:今からやるべきことのスケジュール

    事前協議の締切(7月22日)は「書類を揃える締切」であって「検討を始める締切」ではありません。TAIS選定の確認・見積取得・チェックリスト作成には想像以上に時間がかかるため、逆算で動くのが採択への近道です。目安は次のとおりです。

    締切からの逆算 やること
    〜3週間前 導入する機器・ソフトの候補を決め、TAISで「介護テクノロジー」選定を確認。区分(①〜⑤)と概算補助額を試算
    〜2週間前 メーカー・販売店に見積を依頼(型番・数量・付帯経費を明記)。介護ソフトは職員数のわかる書類を準備
    〜1週間前 協議申請書・経費所要額調書・事前協議チェックリストを作成。データ連携の実施計画も整理
    〜締切当日 埼玉県電子申請・届出サービスからワード・エクセル形式のまま提出。2営業日以内の完了通知メールを確認

    ※期間はあくまで一般的な目安です。見積取得や社内稟議に要する日数は事業所ごとに異なるため、余裕をもって着手してください。

    よくある不採択・対象外の理由と対策

    「申請したのに通らなかった」を避けるには、県が公表している対象外の条件と選定の考え方を先に知っておくのが有効です。埼玉県は予算の範囲内での交付のため、要件を満たしても予算超過時は選定から外れることがあります。ここではQ&A・要綱から読み取れる「つまずきポイント」を整理します。

    つまずきやすいポイント 対策
    機器がTAISの「介護テクノロジー」に選定されていない 申請前にTAISで選定の有無を確認。メーカーの「対象」表記は鵜呑みにしない
    交付決定前に購入・契約してしまった 交付決定日以降に契約・購入。先行契約は対象外
    データ連携の実績要件を満たしていない 年度内にケアプランデータ連携等の実績を作る計画を立てる(申込だけでは不足の可能性)
    業務改善支援(研修・相談会)を受講していない 交付申請までに第2回研修・相談会を受講(事業所ごと)
    SECURITY ACTIONの宣言をしていない IPA「SECURITY ACTION」で★一つ星以上を宣言
    予算超過で選定から外れる 過去交付状況が考慮されるため、初申請の事業所は早めに準備。締切ギリギリを避ける

    ※上記は県のQ&A・交付要綱・実施要領の記載から一般的な注意点を整理したものです。個別の可否・優先度の判断は県の審査によります。必ず一次情報と窓口でご確認ください。

    他の補助・助成との併用可否

    「別の補助金と両取りできないか」はよくある関心事です。ポイントは同一の機器・経費で二重に補助を受けることはできないという原則です。制度が別なら併願できるものもありますが、対象経費が重ならないことが前提になります。埼玉県の案内から読み取れる整理は次のとおりです。

    組み合わせ 可否の目安 補足
    令和8年度生産性向上伴走支援事業補助金 併願可 別の補助金として両方申請可と県が案内。対象経費が重複しないこと
    通常の導入支援(①〜③)とパッケージ型(⑤)を同一事業所で 併用不可 どちらか一方を選択。Q&Aで明記
    人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)と同一機器で 重複不可 同一機器で他の補助・助成との重複受給は不可

    ※併願・併用の可否は制度改定で変わり得ます。実際の申請前に、双方の制度の担当窓口で「同一経費の重複にならないか」を必ず確認してください。

    埼玉県ならではの注意点

    最後に、埼玉県が他県より一歩踏み込んで条件化している「埼玉ならでは」の論点を4つに絞ってまとめます。いずれも見落とすと採択・交付に直結するため、稟議の前にチェックしておきましょう。

    1. 交付決定前の購入・契約は補助対象外

    県Q&A(令和8年6月23日現在)で、交付決定日以降に購入したものが補助対象となり、交付決定日より前に購入したものは補助対象外と明記されています。「先に買っておいて後から補助金を充てる」ことはできません。たとえば「6月に見積を取り、7月に事前協議を出したから、8月に発注してよいか」と迷うケースがありますが、正しくは交付決定通知を受け取ってから発注・契約する流れです。事前協議・交付申請の段階ではまだ発注してはいけません。さらに埼玉県では、補助対象事業の契約について原則一般競争入札に付するなど県が行う契約手続の取扱いに準拠することが交付決定の条件とされています(交付要綱第8条)。見積を取って終わりではなく、入札等の契約手続きが必要になり得る点は他の補助金と比べても要注意です。

    2. 令和8年度から「データ連携の実績」が要件化

    埼玉県は、令和8年度から「ケアプランデータ連携システム」等でのデータ連携の実績があることを補助要件としています。年度内(令和9年1月31日までを予定)にデータ連携の実績が必要とQ&Aで案内されており、国保中央会のケアプランデータ連携システムのほか、同等の機能とセキュリティを有すると認められたシステムでの連携実績でも要件を満たすとされています。「利用申込だけ」では足りない可能性があるため、スケジュールに組み込んでおきましょう。介護ソフトの選定時点で連携標準仕様に対応しているかを確認しておくと、後から慌てずに済みます。ソフト選びの観点は介護記録ソフトの比較も参考にしてください。

    3. 生産性向上セミナーの受講タイミング

    業務改善支援の要件を満たすための県のセミナーは、令和8年度第1回はすでに募集を締め切っており、補助要件を満たすには原則として夏頃開催予定の第2回研修・相談会の受講が必要と案内されています。セミナー受講前でも事前協議の提出は可能ですが、交付申請書の提出までに受講が必要です。受講は原則事業所ごととされている点にも注意してください。

    4. 予算枠・リース扱い・過去の交付実績

    交付は予算の範囲内で行われ、予算を超える申請があった場合は過去の補助金交付状況等を考慮して補助事業者が選定されるとQ&Aに明記されています。過去に補助を受けた事業者の再申請自体は可能ですが、初申請の事業所が相対的に有利になる可能性がある運用です。リース・レンタル費も年度内支出分は対象になりますが、効果報告義務(3年間)との関係でリース・レンタル期間は3年以上に設定するよう求められています。「単年度のレンタルで済ませたい」という場合は要件を満たせないおそれがあるため、契約期間の設計に注意が必要です。厚生労働省系の「人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)」など、他の補助・助成と同一機器で重複を受けることはできない点も要チェックです。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 令和8年度の申請締切はいつですか?間に合わなかった場合は?

    A. 事前協議の提出期限は令和8年7月22日(水)と案内されています(令和8年度時点)。追加募集の有無は現時点で案内されていないため、間に合わない場合や不明点は埼玉県高齢者福祉課(048-830-3260/問い合わせはメール推奨)に直接確認してください。

    Q2. 交付決定前に機器を購入・契約してしまっても補助は受けられますか?

    A. 県Q&Aでは、交付決定日より前に購入したものは補助対象外と明記されています。さらに契約は県の契約手続(原則一般競争入札等)に準拠する必要があるため、必ず交付決定を待ち、契約方法も事前に県へ確認してください。

    Q3. さいたま市内の事業所は、県とさいたま市のどちらに申請しますか?

    A. 介護テクノロジー定着支援事業(本記事の制度)は埼玉県が実施しており、対象は「埼玉県内に所在する介護事業所」とされています。一方、大規模修繕にあわせて行う介護ロボット・ICT導入支援事業では、地域密着型サービス事業所等はさいたま市、居宅・施設サービス事業所等は埼玉県が実施すると案内されています(令和6年10月30日更新時点)。地域密着型の事業所は、県とさいたま市介護保険課(048-829-1265)の双方に管轄を確認するのが確実です。

    Q4. リースやレンタル、ソフトのライセンス購入でも補助対象になりますか?

    A. 県Q&Aでは、令和8年度分のリース・レンタル費やライセンス購入費も対象とされています。補助対象額は当該年度中(令和9年1月31日までを予定)に支出する金額で、リース・レンタル期間は効果報告義務にあわせて3年以上に設定するよう求められています。

    Q5. 過去にこの補助金を受けたことがありますが、再度申請できますか?

    A. 可能とされています。ただし予算を超える申請があった場合は、過去の補助金交付状況等を考慮して補助事業者が選定されるため、必ず採択されるとは限りません。使用状況・効果の報告書類は導入計画と同じ枚数分の提出が必要など、継続的な義務もあわせて確認してください。

    Q6. 複数の事業所を運営しています。まとめて申請できますか?

    A. 上限額(1事業所500万円等)は介護保険事業者番号ごとにカウントされるのが基本です。特別養護老人ホームと併設ショートステイのように事業者番号が別の場合は、事業所ごとに別々の申請が必要とQ&Aで案内されています。多店舗の法人は、番号ごとに導入計画を整理してから協議書を作成すると上限枠を取りこぼしません。

    最終確認日・一次情報・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日。本記事の金額・締切等は、令和8年度時点の埼玉県公式発表に基づいています。

    本記事は補助制度の概要を紹介する情報提供を目的としたものであり、採択・交付を保証するものではありません。制度内容・金額・締切は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず埼玉県の交付要綱・実施要領・Q&A等の一次情報と申請窓口(埼玉県 福祉部 高齢者福祉課 施設整備担当)で最新情報をご確認ください。

  • 介護テクノロジー補助金【神奈川県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【神奈川県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    【結論】神奈川県の介護テクノロジー補助金(令和8年度)の要点

    • 令和8年度(2026年度)の補助内容・申請受付期間は「準備中」(神奈川県公式サイト・2026年7月確認時点)。例年どおりなら秋頃に約2週間の短期公募となる可能性があり、今から準備しておくのが安全です。
    • 制度名は「神奈川県介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金」。直近の令和7年度は補助率4/5、基準額は移乗・入浴支援100万円/台、その他機器30万円/台、介護ソフト100万〜250万円(職員数による)、パッケージ型は上限1,000万円/事業所でした(令和8年度の条件は公募要領で要確認)。
    • 令和8年度の申請・問合せはデジタル庁の電子申請システム「jGrants」を利用予定。GビズID(取得に2週間程度)が必要です。
    • 相談窓口:かながわ介護スマート相談室(045-514-3152)/県の所管は福祉子どもみらい局福祉部高齢福祉課
    • 横浜市・川崎市・相模原市(政令市)内の事業所も、県公表の対象事業所の定義上は県補助金の対象に含まれます。さらに横浜市には市独自の「介護ロボット等導入支援事業費補助金」(9/10補助・上限67万5千円)が別枠で存在します(詳細は本文⑥)。

    介護現場の人手不足対策として、国と都道府県が一体で進めているのが「介護テクノロジー導入支援事業」です。神奈川県では「神奈川県介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金」という名称で、見守り機器・移乗支援機器・介護記録ソフト・インカムなどの導入費用を補助しています。「補助率4/5で最大1,000万円」と聞くと大きく感じますが、神奈川県は公募がわずか2週間前後という「短期決戦」で、しかも政令指定都市が3つもあるため「どこに申請するのか」で迷いやすい——この2点を知らずに構えていると、準備が間に合わず1年後回しになりかねません。本記事では、令和8年度(2026年度)の神奈川県の制度について、2026年7月時点で確認できる一次情報(神奈川県公式サイト等)をもとに、対象・補助率・上限・締切・申請先を整理し、さらによくある不採択理由・他補助金との併用・リース/クラウドの扱い・複数事業所での申請まで、他ではまとまっていない実務論点を一気に解説します。制度の全体像を先に押さえたい方は介護テクノロジー導入支援事業の全体像もあわせてご覧ください。なお、令和8年度の詳細は本記事執筆時点で「準備中」と公表されており、確定情報ではありません。実際の申請にあたっては、必ず神奈川県の公募要領・交付要綱をご確認ください。

    神奈川県内の介護施設で見守りセンサーとインカムを活用しながら夜間巡回の負担を減らすスタッフのイメージ
    神奈川県内の介護施設で見守りセンサーとインカムを活用しながら夜間巡回の負担を減らすスタッフのイメージ

    制度概要 — 国の基金事業を神奈川県が実施。政令市の扱いは?

    要点:財源は国の基金だが実施主体は都道府県。だから事業名も補助率も締切も神奈川県独自で、しかも政令市内の事業所も原則は県に申請する——これが出発点です。

    介護テクノロジー導入支援事業は、国の地域医療介護総合確保基金を財源として、都道府県が実施主体となる補助事業です。国の制度設計は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進(厚生労働省)で公開されており、そこで示された「移乗支援」「見守り・コミュニケーション」「介護業務支援」などの重点分野を各都道府県が自地域向けにアレンジして運用します。そのため、事業名・公募時期・補助率・対象要件は都道府県ごとに異なります。神奈川県では「介護生産性向上推進事業」という大きな枠組みの中で、(1)かながわ介護スマート相談室による相談支援、(2)介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金による導入費補助、(3)伴走支援・先進施設見学などの現場支援、を組み合わせて展開しているのが特徴です(出典:神奈川県「介護生産性向上推進事業について」)。国の枠組みと自県の運用の関係をより詳しく知りたい方は介護テクノロジー補助金の完全ガイドで全体像を確認できます。

    国の標準的な枠組みとの違いとして、神奈川県の直近実績(令和7年度)では補助率が4/5と全国的に見ても高水準に設定されていた点が挙げられます。一方で、補助金申請時に「コンサルティング会社等による業務改善支援を受ける」か「県の指定する研修動画等を視聴する」かのいずれかの支援を受けることが条件とされており、単に機器を買うだけでなく業務改善とセットで取り組むことが求められます(出典:神奈川県公式サイト・令和7年度の運用)。令和8年度も同様の枠組みが維持されるかは、公募要領の公表を待って確認する必要があります。

    政令市(横浜市・川崎市・相模原市)の扱い:神奈川県が公表している対象事業所は「神奈川県内に所在する介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所及び老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム」とされており、政令市内の事業所を除外する記載は確認できません。つまり横浜市・川崎市・相模原市内の事業所も、原則として県の補助金に申請できる建て付けです(令和7年度時点の県公表情報に基づく)。ここが東京都(島しょ部を除きほぼ都が一元運用)や、政令市が独自に基金分を切り出す一部の県とは異なる、神奈川県ならではの整理ポイントです。他都府県の運用と比べたい場合は東京都の介護補助金大阪府の介護補助金愛知県の介護補助金もご参照ください。併用可否や申請先の選び方は本文⑥で解説します。最終的な取り扱いは令和8年度公募要領でご確認ください。

    対象機器・対象事業所

    要点:対象事業所は在宅系も含めて間口が広く、対象機器は「TAIS掲載」か「県の対象機器一覧掲載」が実務上の関門になります。

    対象事業所

    直近の県公表情報では、対象は神奈川県内に所在する介護保険法に基づく全てのサービス事業所、および老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームとされています。特別養護老人ホームや老健などの施設系だけでなく、訪問介護・通所介護・居宅介護支援などの在宅系事業所も広く対象に含まれる、間口の広い制度です(出典:神奈川県「介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金の交付」ページ・令和7年度運用)。令和8年度の対象範囲は公募要領で確認してください。

    対象機器とTAIS要件

    対象となるのは、厚生労働省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に該当する機器が中心です。県の直近運用では、移乗支援・入浴支援見守り・コミュニケーション(見守りセンサー等)介護業務支援(介護記録ソフト等の介護ソフトを含む)のほか、床走行式リフト、配膳ロボット、インカムなどの通信機器、バイタル測定ができるウェアラブル端末、バックオフィスソフトなどが例示されています。機器要件としては、公益財団法人テクノエイド協会の福祉用具情報システム「TAIS」において「介護テクノロジー」として選定・掲載されている機器、または県の補助対象機器一覧に掲載された機器であることが求められるのが直近の運用です。導入したい機器がTAIS登録済みかはテクノエイド協会(TAIS)のシステムで確認できるほか、メーカー・販売店へ事前に問い合わせておくと申請がスムーズです(令和8年度の機器要件の詳細は公募要領で要確認)。具体的な機種の絞り込みは、見守りセンサーの比較・選び方介護記録ソフトの比較もあわせて参考にしてください。

    補助率・上限額(直近実績ベース)

    要点:令和8年度の金額は「準備中」。ここは令和7年度実績を”参考値”として押さえ、確定額は公募要領で必ず上書きしてください。

    令和8年度の補助内容は2026年7月時点で「準備中」のため、ここでは神奈川県公式サイトに掲載されている直近(令和7年度)の補助率・基準額を参考値として整理します。令和8年度は変更される可能性があります。

    区分 補助率 基準額・上限(令和7年度実績)
    移乗支援・入浴支援機器 4/5 基準額100万円/台
    その他の介護ロボット・機器(見守り機器・インカム等) 4/5 基準額30万円/台
    介護ソフト(介護記録・情報共有等) 4/5 基準額100万〜250万円(職員数に応じて変動)
    事業所あたり上限 500万円/事業所(複数機種の併用時は最大750万円との記載あり)
    パッケージ型導入(複数機器+業務改善の一体導入) 4/5 上限1,000万円/事業所
    業務改善支援(コンサルティング等) 4/5 基準額48万円/事業所(税抜。実支出額×4/5と比較して少ない方)

    ※出典:神奈川県「介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金の交付」ページ(2026年7月確認・令和7年度運用の掲載値)。令和8年度の補助率・基準額は「準備中」であり、変更の可能性があります。必ず最新の公募要領・交付要綱でご確認ください。

    申請の流れ・締切 — 例年「秋の短期公募」。jGrantsとGビズIDの準備を

    要点:公募は秋・約2週間の短期決戦。GビズID取得(約2週間)と業務改善支援の充足を”公募前”に終えているかが勝負を分けます。

    神奈川県の公募期間は例年かなり短いのが特徴です。確認できた実績では、令和6年度は2024年11月5日〜11月15日(約10日間)(出典:補助金ポータル)、令和7年度は2025年10月10日〜10月24日(約2週間)(出典:ケア樹・都道府県別まとめ)と、いずれも秋に2週間前後の短期公募でした。令和8年度の申請受付期間は未公表ですが、同様のスケジュール感になる場合、公募開始を知ってから準備を始めると間に合わないリスクがあります。

    直近の運用をベースにした準備〜申請の流れは以下のとおりです(令和8年度の正式な手順は公募要領で要確認)。書類の全体像は補助金申請の流れ・必要書類にまとめています。

    1. GビズID(gBizIDプライム)を取得 — 令和8年度の申請はデジタル庁の電子申請システム「jGrants」を利用すると県が公表済み。IDの取得に2週間程度かかるため、未取得の事業所は今すぐ着手を。
    2. 導入機器の選定・見積取得 — TAIS登録(「介護テクノロジー」選定)や県の対象機器一覧への掲載を確認。かながわ介護スマート相談室(045-514-3152)で機器選定の無料相談も可能です。
    3. 業務改善計画の作成・支援要件の充足 — 直近運用では、コンサル等による業務改善支援または県指定の研修動画視聴のいずれかが申請条件でした。
    4. 公募開始後、jGrantsで申請 — 補助メニュー(介護ロボット/ICT/パッケージ型)ごとに申請ポータルが分かれる運用です。
    5. 交付決定 → 導入・支払い → 実績報告 — 令和7年度は実績報告の締切が令和8年2月27日(金)厳守とされていました。年度内に支払いまで完了させるスケジュール管理が重要です。

    交付決定前の契約について:多くの都道府県では「交付決定前の契約・購入は補助対象外」が原則ですが、神奈川県の直近運用では「交付決定前に購入・賃借その他契約を行った場合であっても、交付決定と同一年度内に行ったものであれば補助対象」と明記されており、比較的柔軟です。ただし原則として実績報告(2月末締切)までに支払いを終えたものが対象(契約書・請求書等で3月末までの費用確定が確認できるものは対象に含む扱い)とされていました。令和8年度も同じ扱いとは限らないため、契約タイミングは必ず公募要領と相談窓口で確認してください。

    なお、神奈川県では令和8年度の「介護生産性向上推進事業」として、業務アドバイザーが機器選定から定着まで並走する伴走支援対象施設の募集(2026年5月1日開始・6事業所程度)が行われており、伴走支援対象事業所には令和8年度の県補助金が優先交付される予定と案内されています(出典:かながわ福祉総合研究所・横浜市総合リハビリテーションセンター介護ロボット相談窓口)。本格的な導入を検討している事業所は、こうした関連事業の情報もあわせてチェックしておくと有利です。

    jGrantsの申請画面を前に、GビズIDと見積書・業務改善計画書を確認しながら補助金申請の準備をする介護事業所の管理者のイメージ
    jGrantsの申請画面を前に、GビズIDと見積書・業務改善計画書を確認しながら補助金申請の準備をする介護事業所の管理者のイメージ

    よくある不採択・対象外の理由 — 短期公募で「間に合わない」を防ぐ

    要点:神奈川県の補助金は先着・審査型というより「要件を満たして期限内に出せるか」が壁。落とし穴は”TAIS未掲載機器””GビズID未取得””業務改善支援の未充足””期日超過”の4つに集約されます。

    県の交付要綱・過去の公募運用や相談窓口での案内から、事業所側の準備不足で「対象外」「申請できなかった」となりやすいパターンを整理します(いずれも一般的な傾向であり、個別の可否は公募要領・窓口の判断が優先します)。

    • 対象機器の要件を満たしていない — TAISで「介護テクノロジー」として選定・掲載されていない機器や、県の対象機器一覧に載っていない機器は対象外になりやすい。汎用のタブレットや一般オフィス用ソフト単体などは、介護業務支援として認められる範囲かを事前確認。
    • GビズID(gBizIDプライム)が間に合わない — 取得に約2週間かかるのに、秋の公募開始後に着手して締切に間に合わないケース。jGrants申請の前提条件です。
    • 業務改善支援の要件を満たしていない — 直近運用では「コンサル等の業務改善支援を受ける」か「県指定の研修動画を視聴する」のいずれかが申請条件。これを組み込まずに機器購入だけで申請しようとすると要件不備に。
    • 見積・仕様が要件と不整合 — 見積書の型番がTAIS掲載機器と一致しない、対象外の付帯費用(一般的な内装工事・汎用PC等)が混在している、といった書類不備。
    • スケジュール超過 — 交付決定後に導入・支払い・実績報告(令和7年度は2月末)まで年度内に終えられない見込み。短期公募ゆえに納品リードタイムの長い機器は要注意。
    • 予算上限・受付終了 — 県全体の予算枠に達した時点で受付終了となる可能性。準備を前倒しし、公募開始直後に出せる状態にしておくのが安全です。

    これらは裏返せば「事前準備で防げる」項目ばかりです。書類要件の詳細は補助金申請の流れ・必要書類で、機器要件は介護テクノロジー補助金の完全ガイドで確認しておくと、公募開始後にあわてずに済みます。

    リース・クラウド(サブスク)・複数事業所の扱い — 実務でつまずきやすい論点

    要点:買い取りだけでなくリースや月額クラウドも対象になり得ますが「補助対象期間内の費用」に限られるのが原則。複数事業所は”事業所単位”での上限管理が基本です。

    リース・レンタルで導入する場合

    神奈川県の直近運用では、交付決定と同一年度内であれば「購入・賃借その他契約」も補助対象と明記されており、リース・レンタルも対象になり得る建て付けでした。ただし補助金は原則として単年度精算のため、リース料は補助対象期間(当該年度内)に発生・支払いが確定した分が対象という考え方が基本です。数年契約のリース総額がまるごと対象になるとは限らないため、リース会社と相談のうえ、年度内対象額を切り分けて見積を用意しておくと安全です(具体的な取り扱いは公募要領・窓口で要確認)。

    クラウド型(月額サブスク)の介護ソフト

    介護記録ソフトは近年クラウド型(月額課金)が主流ですが、初期導入費用や年度内の利用料が補助対象として扱われるのが一般的な運用です。一方で、翌年度以降のランニング費用や、補助対象期間外のサブスク料金は対象外となるのが通例です。どこまでが「導入経費」として認められるかは製品・契約形態で変わるため、ソフト選定の段階から介護記録ソフトの比較を参考にしつつ、対象範囲をベンダーに確認しておきましょう。

    複数事業所・法人本部でまとめて導入する場合

    上限額は「事業所あたり」で管理されるのが直近運用の基本です。したがって、同一法人が複数の事業所で導入する場合は、事業所ごとに要件を満たして申請することで、それぞれの上限まで活用できる可能性があります。ただし、1台の機器を複数事業所で共用する場合の按分や、法人本部でまとめて契約する場合の事業所への割り付けなど、「どの事業所の経費として計上するか」の整理が必要です。申請ポータルも補助メニューごとに分かれるため、複数事業所・複数メニューにまたがる場合は早めに相談窓口で組み立てを確認するのが確実です。

    他の補助金との併用は? — 「同一経費の二重取り」は不可が原則

    要点:制度が違えば併用できることもありますが、”同じ経費に2つの補助金”は原則NG。経費を分ければ活用の幅は広がります。

    介護事業所が使い得る補助金・助成金は、県の介護ロボット・ICT導入支援だけではありません。たとえば横浜市の独自制度(後述)、雇用系の助成金、IT導入補助金など、目的の異なる制度が併存します。ここで重要な原則は、同一の経費に対して複数の補助金を重複して受給することは一般に認められないという点です。一方で、対象経費を分ければ(例:機器本体は県補助金、雇用に関わる部分は市の雇用促進制度)別々の制度を組み合わせられるケースもあります。どの経費をどの制度に割り付けるかは、それぞれの交付要綱の「他の補助金との併給制限」条項を確認し、迷ったら各窓口へ照会するのが確実です。国全体の制度体系のなかでの位置づけは介護テクノロジー導入支援事業の全体像で整理しています。

    神奈川県特有の注意点 — 政令市内の事業所はどこに申請する?

    要点:政令市内でも県補助金が基本ルート。横浜市だけは「雇用要件つきの市独自制度」が別枠であり、経費を分ければ使い分けの余地があります。

    神奈川県は横浜市・川崎市・相模原市という3つの政令指定都市を抱えており、補助金の「窓口がどこか」で迷いやすい県です。2026年7月時点で確認できた状況を整理します。

    所在地 県の補助金 市独自の制度
    横浜市内の事業所 対象に含まれる建て付け(県の対象定義に除外記載なし) あり。「介護ロボット等導入支援事業費補助金」— 40歳以上の中高齢者または外国人を3か月以上雇用した市内事業所が対象。補助率9/10・対象経費上限67万5千円。窓口は健康福祉局高齢健康福祉課介護人材担当(045-671-3920)
    川崎市内の事業所 対象に含まれる建て付け(同上) 令和8年度の恒常的な介護テクノロジー導入補助は確認できず(過去には大規模修繕と一体の導入補助の事例あり)。最新情報は市の高齢者福祉担当課へ
    相模原市内の事業所 対象に含まれる建て付け(同上) 令和8年度の介護テクノロジー特化型の独自補助は確認できず。最新情報は市の高齢福祉担当課へ

    ポイントは3つあります。第一に、介護テクノロジー導入支援事業(基金事業)の実施主体は都道府県のため、政令市内の事業所でも県の補助金に申請するのが基本ルートという点です。第二に、横浜市の独自制度は「中高齢者・外国人の雇用」を要件とする雇用促進型で、県の制度とは目的も要件も異なります。雇用要件を満たす横浜市内の事業所であれば、導入内容に応じて県制度と市制度のどちらが有利か(または対象経費を分けて活用できるか)を両方の窓口に確認する価値があります。ただし、同一の経費に対して複数の補助金を重複して受給することは一般に認められないため、併用の可否は必ず事前に確認してください。第三に、県の公募は前述のとおり短期決戦のため、政令市内の事業所も「市の情報だけ見ていて県の公募を見逃す」ことがないよう、県公式ページとかながわ介護スマート相談室の両方から情報を取ることをおすすめします。他の主要都府県が政令市をどう扱っているかは大阪府の介護補助金愛知県の介護補助金と読み比べると、神奈川県の位置づけがつかみやすくなります。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 令和8年度の神奈川県の申請受付はいつ始まりますか?

    A. 2026年7月時点で、神奈川県は「令和8年度の補助内容及び申請受付期間は準備中」と公表しており、開始時期は未定です。参考として、令和6年度は2024年11月上旬、令和7年度は2025年10月中旬に、いずれも約2週間の短期公募が行われました。県公式ページとかながわ介護スマート相談室で最新情報を確認してください。

    Q2. 横浜市内の事業所ですが、県と市のどちらに申請すべきですか?

    A. 介護テクノロジー導入支援(基金事業)は県が実施主体のため、県の「介護ロボット・ICT導入支援事業費補助金」への申請が基本ルートです。横浜市の「介護ロボット等導入支援事業費補助金」(9/10補助・上限67万5千円)は40歳以上の中高齢者または外国人の雇用が要件の別制度で、要件を満たせば選択肢になります。同一経費への重複受給は一般に不可のため、併用可否は県・市双方の窓口へ事前確認をおすすめします。

    Q3. 交付決定前に機器を契約・購入しても補助対象になりますか?

    A. 神奈川県の直近運用では「交付決定前の契約であっても、交付決定と同一年度内に行ったものであれば補助対象」と案内されており、他県より柔軟な扱いでした。ただし支払いは原則実績報告(2月末)まで、遅くとも3月末までの費用確定が条件とされていました。令和8年度も同じ扱いとは限らないため、契約前に公募要領と相談窓口で必ず確認してください。

    Q4. 訪問介護や居宅介護支援などの在宅系事業所も対象ですか?

    A. 直近の県公表情報では「県内に所在する介護保険法に基づく全てのサービス事業所」および養護老人ホーム・軽費老人ホームが対象とされており、在宅系事業所も広く含まれる建て付けです。介護記録ソフトやインカム、タブレット等のICT導入で活用されるケースが想定されます。令和8年度の対象範囲は公募要領でご確認ください。

    Q5. 導入したい機器が補助対象かどうかは、どうやって確認できますか?

    A. 直近の運用では、テクノエイド協会の福祉用具情報システム「TAIS」で「介護テクノロジー」として選定されている機器、または県の補助対象機器一覧に掲載された機器が対象とされています。メーカー・販売店にTAIS登録の有無を確認するか、かながわ介護スマート相談室(045-514-3152/roboconsul@kanafuku.jp)に相談すると確実です。

    Q6. リースやクラウド型(月額)の介護ソフトも補助対象になりますか?

    A. 直近運用では「賃借その他契約」も対象と明記されており、リースやクラウド型の初期・年度内費用が対象になり得ます。ただし補助金は原則単年度精算のため、翌年度以降のランニング費用や補助対象期間外の料金は対象外となるのが通例です。年度内対象額の切り分けは、リース会社・ソフトベンダーと相談し、公募要領・窓口で確認してください。

    Q7. 同一法人で複数の事業所に導入したい場合、上限はどうなりますか?

    A. 上限額は「事業所あたり」で管理されるのが直近運用の基本です。事業所ごとに要件を満たして申請すれば、それぞれの上限まで活用できる可能性があります。1台を複数事業所で共用する場合の按分や、本部一括契約時の事業所割り付けは整理が必要なため、複数メニュー・複数事業所にまたがる場合は早めに相談窓口で組み立てを確認してください。

    最終確認日・出典・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日

    出典(一次情報・参照情報):

    免責事項:本記事は2026年7月7日時点で確認できた公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、補助金の交付を保証するものではありません。令和8年度(2026年度)の神奈川県の補助内容・申請受付期間は本記事執筆時点で「準備中」とされており、掲載した補助率・基準額等は直近年度の実績値を参考として示したものです。制度内容・要件・スケジュールは変更される場合があります。実際の申請にあたっては、必ず神奈川県の最新の公募要領・交付要綱をご確認のうえ、神奈川県福祉子どもみらい局福祉部高齢福祉課またはかながわ介護スマート相談室(045-514-3152)へお問い合わせください。本記事の情報に基づく判断・行動により生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

    ※本記事は特定の機器・サービスの購入を勧誘するものではありません。

  • 介護テクノロジー補助金【大阪府】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【大阪府】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    「介護ロボットや見守り機器を入れたいが、費用がネックで踏み切れない」——そんな大阪府内の介護施設・事業所の方に向けて、この記事では令和8年度(2026年度)大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金の対象機器・補助率・上限額・締切・申請の流れを、大阪府の公式資料(交付要綱・リーフレット・Q&A)にもとづいて整理します。じつは大阪府は、全国で採用例が少ないWebによる「事前エントリー制」+抽選を採っており、「早い者勝ち」でも「書類の完成度勝負」でもありません。つまり、申請書を作り込む前に、まずスケジュールと優先順位の仕組みを理解した事業所が有利になります。本記事では、対象・補助率・上限額といった基本に加えて、他の解説サイトではあまり触れられていない抽選の優先順位・不採択時の対応・交付決定前契約の具体例・リースの扱い・複数事業所での申請まで、実務で迷いやすいポイントを一次資料ベースで掘り下げます。制度の内容は年度途中でも更新されることがあるため、実際の申請にあたっては、大阪府の公式ページと公募資料で最新情報をご確認ください。介護テクノロジー導入支援事業そのものの全国共通の仕組みは介護テクノロジー導入支援事業の全体像で、申請手続きの共通部分は補助金申請の流れ・必要書類でそれぞれ詳しく解説しています。

    【結論】大阪府の令和8年度 介護テクノロジー補助金 早わかり

    • 補助率:導入費の4/5(補助対象経費の実支出額×4/5、千円未満切捨て)
    • 上限額:移乗支援・入浴支援・インカムは1台あたり100万円、見守り機器などその他の介護テクノロジーは1台あたり30万円、介護ソフトは職員数に応じて最大250万円(Wi-Fi整備等を伴う場合は上乗せあり)、パッケージ型導入支援は合計1,000万円
    • 方式:Web事前エントリー制。エントリー総額が予算額を超えた場合は抽選(未導入事業所・見守り機器・介護ソフト・インカム導入が優先)
    • 事前エントリー期間:令和8年5月25日(月)17時〜7月13日(月)17時
    • 主な要件:令和8年5月21日開催の介護テクノロジー活用支援セミナー受講(アーカイブ視聴可)など
    • 申請先:大阪府福祉部 高齢介護室 介護事業者課 整備調整グループ

    ※上記は大阪府公表資料(令和8年7月3日時点の資料を含む)にもとづく要点です。金額・日程は変更される場合があるため、申請前に公式ページ・公募要領でご確認ください。

    大阪府内の介護施設で見守り機器やインカムを活用して働く介護職員のイメージ
    大阪府内の介護施設で見守り機器やインカムを活用して働く介護職員のイメージ

    制度の概要——国の事業を大阪府が「事前エントリー制」で実施

    この章の要点:大阪府の補助金は国の介護テクノロジー導入支援事業を財源とし、府独自の「セミナー受講→事前エントリー→(抽選)→交付申請」という流れで運用されている、という全体像を押さえます。

    介護テクノロジー導入支援事業(旧・介護ロボット導入支援事業/ICT導入支援事業)は、国が予算を確保し、各都道府県が窓口となって介護事業所の機器導入費用を補助する仕組みです。国全体の制度趣旨や補助メニューは、厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進(厚生労働省)のページで確認できます。大阪府の令和8年度事業は、国の「令和8年度(令和7年度からの繰越分)介護テクノロジー定着支援事業実施要綱」(令和8年4月7日付 老発0407第3号 別紙1)にもとづいて実施されており、府の交付要綱は令和8年4月22日から施行されています。制度が全国共通の枠組みの上に成り立っていることは、各都道府県版と読み比べるとよく分かります。たとえば東京都の介護補助金愛知県の介護補助金では補助率や上限の基本は共通しつつ、募集方式や締切が府県ごとに異なります。

    大阪府のリーフレット(令和8年7月3日時点)によると、令和8年度の補助総額は1,373,248千円(約13.7億円)とされています。府の資料では、「省力化投資促進プラン」において2040年までに20%以上の業務効率化を図る必要があるとされていることを背景に、特に業務時間削減効果が確認されている見守り機器・介護記録ソフト・インカムを、小規模事業者も含めて広く普及させることに重点を置くと説明されています。この重点3分野は抽選の優先順位にも反映されており、後述するとおり「何を導入するか」が採否に直結します。

    大阪府方式の最大の特徴:「セミナー受講→事前エントリー→(抽選)→交付申請」

    多くの都道府県では「公募開始→交付申請→審査→交付決定」という流れですが、大阪府はWebによる事前エントリー制を採用しています。交付申請の前に、まず行政オンラインシステムのエントリーフォームから事前エントリーを行い、エントリー総額が府の予算額を上回った場合には抽選によって交付申請できる事業所が絞り込まれます。逆に、エントリー総額が予算額の範囲内であれば、全てのエントリーが交付申請の対象になるとされています。この方式の実務的な意味は大きく、「締切ぎりぎりでも間に合えば不利にならない」一方で、「エントリーしただけでは採択が確定しない」という点を最初に理解しておく必要があります。

    さらに、事前エントリーの前提条件として、令和8年度介護テクノロジー活用支援セミナーの受講(または動画視聴)が補助要件とされている点も特徴です。セミナーは令和8年5月21日(木)13時00分〜15時30分に開催され、アーカイブ動画での受講も可とされています。エントリー時には導入予定機器の見積書も必要です。申請手続き全体で必要になる書類の考え方は補助金申請の流れ・必要書類で整理していますので、初めて申請する事業所はあわせてご覧ください。

    対象事業所・対象機器

    この章の要点:大阪府内の介護保険サービス事業所と養護・軽費老人ホームが対象で、機器はTAIS掲載の介護テクノロジーが基本、という「誰が・何に」使えるかを確認します。

    対象となる事業所

    補助の対象は、大阪府内で介護保険法にもとづくサービスを提供する全てのサービス事業所と、老人福祉法にもとづく養護老人ホーム・軽費老人ホームです(交付要綱第2条)。訪問介護・通所介護などの居宅サービス、居宅介護支援、特別養護老人ホーム・老健などの施設サービス、地域密着型サービスまで幅広く含まれます。法人本部が府外にあっても、事業所が府内にあれば対象になるとQ&Aで示されています。

    一方で注意したいのは次の点です。

    • 障がい福祉サービス事業所・施設は対象外とされています(Q&A)。
    • 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅は、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている場合のみ対象です。
    • 交付申請時点で介護保険法にもとづく指定・許可を受け、サービスを開始していることが必要とされています。

    対象となる機器等(TAIS掲載が基本要件)

    対象機器の基本は、公益財団法人テクノエイド協会が提供する福祉用具情報システム(TAIS)において「介護テクノロジー」として選定・掲載された機器等です。導入予定の機器が対象かどうかは、テクノエイド協会(TAIS)の公式サイトで型番を検索して確認するのが確実です。TAISに掲載されていない機器でも、掲載機器と機能等が同水準と大阪府知事が判断した機器等は対象になり得るとされています。対象となる介護テクノロジーの分野は次のとおりです。

    • 移乗支援(装着型・非装着型)
    • 移動支援(屋外・屋内・装着型)
    • 排泄支援(排泄予測・検知、排泄物処理、動作支援)
    • 入浴支援
    • 見守り・コミュニケーション(施設見守り・在宅見守り・コミュニケーション)
    • 介護業務支援(インカム含む)
    • 機能訓練支援、食事・栄養管理支援、認知症生活支援・認知症ケア支援

    このほか、記録・情報共有・請求業務を一気通貫で行える介護ソフト、電子サイン・給与・勤怠管理などのバックオフィスソフト、バイタル測定が可能なウェアラブル端末などのその他機器(知事が有効と判断したもの)も対象区分として設けられています。TAIS掲載機器等の導入に付帯して必要となるWi-Fi環境整備(配線工事含む)、スマートフォン・タブレット等の経費も補助対象とされていますが、通信費(回線契約料等)・メンテナンス費・消耗品・予備購入分は対象外です。見守り機器の具体的な選び方や施設種別ごとの向き不向きは見守りセンサーの比較・選び方で、記録ソフトの要件比較は介護記録ソフトの比較でそれぞれ詳しく解説しています。

    介護ソフトについては要件が細かく、居宅介護支援・居宅サービス(介護予防含む)の場合は「ケアプランデータ連携標準仕様」に準拠したCSV出力・取込機能とサポート体制が確認できるソフトであること、施設サービス等の場合は「CSV連携仕様書(LIFE)」に準じたCSV出力機能を有することが求められています。記録機能のみ・請求機能のみのソフトを単体で申請することは対象外とされている点(令和8年5月25日更新のQ&A)にも注意してください。

    補助率・上限額の一覧表

    この章の要点:補助率は区分を問わず4/5で共通、上限額は機器区分・職員数で変わる、という「いくら戻るか」の計算の土台をつかみます。

    大阪府の令和8年度事業の補助率は、区分を問わず補助対象経費(消費税を除く実支出額)の4/5です。算出額と下表の基準額(上限額)を比較して、少ない方が補助額となります(千円未満切捨て)。

    区分 上限額(基準額) 補助率
    移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援・介護業務支援のインカム(TAIS掲載+同水準機器) 1台あたり100万円 4/5
    上記以外のTAIS掲載介護テクノロジー(見守り機器・排泄支援・移動支援等) 1台あたり30万円 4/5
    介護ソフト(記録・情報共有・請求の一気通貫) 職員数に応じて100万〜250万円(Wi-Fi整備・タブレット等の定着促進費用を伴う場合は115万〜265万円) 4/5
    バックオフィスソフト(電子サイン・給与・勤怠管理等) 介護ソフトと同様(付帯経費は対象外) 4/5
    その他機器(知事が有効と判断した機器・ウェアラブル端末等) 1台あたり100万円(付帯経費は対象外) 4/5
    パッケージ型導入支援(介護業務支援機器+連動機器の組合せ) 合計1,000万円 4/5
    導入支援と一体的に行う業務改善支援(第三者による事前評価・助言・事後評価) 48万円 4/5

    介護ソフト・バックオフィスソフトの上限額は、申請時点の職員数(常勤換算)に応じて次のように区分されています。職員数に連動しない契約方式の場合は一律250万円(定着促進費用を伴う場合265万円)が基準額です。

    職員数(申請時点) 基準額 定着促進費用(Wi-Fi・タブレット等)併用時
    1名以上10名以下 100万円 115万円
    11名以上20名以下 150万円 165万円
    21名以上30名以下 200万円 215万円
    31名以上 250万円 265万円

    なお、訪問介護等の居宅サービス事業所または居宅介護支援事業所(介護予防含む)で、令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」により5事業所以上とデータ連携を実施する場合は、基準額に5万円が加算されるとされています。導入台数にも上限があり、見守り機器等は施設の床数(利用定員)、インカム・情報端末・装着型移乗支援機器等は実際に利用する職員数またはソフトのライセンス数が上限とされています。

    補助率と上限額を電卓と書類で確認する介護事業所の管理者のイメージ
    補助率と上限額を電卓と書類で確認する介護事業所の管理者のイメージ

    申請の流れ——セミナー受講から実績報告まで

    この章の要点:セミナー受講から実績報告まで7ステップ、事前エントリーの締切(7月13日17時)と導入・支払の期限(令和9年1月31日)という2つの日付が最重要です。

    大阪府の令和8年度事業は、おおむね次のステップで進みます(日程は府公表資料にもとづくもので、変更される場合があります)。都道府県共通の申請プロセスの考え方は補助金申請の流れ・必要書類にまとめているので、大阪府特有の部分と読み分けると理解が早くなります。

    ステップ 内容・時期
    STEP1:セミナー受講 令和8年度介護テクノロジー活用支援セミナー(令和8年5月21日開催)を受講。アーカイブ動画の視聴でも要件を満たすとされています。
    STEP2:見積書の準備 導入予定機器の見積書を販売事業者等から取得(エントリー時に必要。通信費など対象外経費を含めない形で作成)。
    STEP3:事前エントリー 令和8年5月25日(月)17時〜7月13日(月)17時。行政オンラインシステムで法人担当者が利用者登録(ID取得)のうえ、事業所ごとにエントリーフォームへ入力・送信。
    STEP4:抽選(予算超過時のみ) エントリー総額が予算額を超過した場合、優先順位にもとづき交付申請対象を選定。予算内なら全エントリーが対象。
    STEP5:交付申請 エントリー結果発表後〜令和8年8月下旬(予定)。法人でとりまとめ、計画書・所要額調書等を添えて提出。
    STEP6:機器の契約・導入・支払 Q&Aでは、契約日・支払日・導入日(納品日)が令和8年4月1日〜令和9年1月31日の期間内であることが必要とされています。
    STEP7:実績報告・業務改善計画 実績報告書を提出し、額の確定後に補助金が交付されます。補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を府へ報告する義務があります(報告期限等は府の通知で確認)。

    締切早見——大阪府スケジュールの重要3日付

    大阪府の令和8年度事業で、事業所側が特に押さえるべき期日は次の3つです。この3日付を逆算して、機器選定と見積取得のスケジュールを組むのが実務のコツです。

    期日 何の締切か 遅れると
    令和8年7月13日(月)17時 事前エントリーの受付締切 令和8年度の申請機会を逃す(次年度以降を待つ形に)
    令和8年8月下旬(予定) 交付申請の提出期限 エントリーが有効でも交付申請が不受理となる恐れ
    令和9年1月31日 機器の契約・導入・支払の完了期限 補助対象外となり、辞退が必要になる場合がある

    ※上記の日程は令和8年の公表資料にもとづく参考値です。年度により前後するため、必ず大阪府の最新の公募資料でご確認ください。

    抽選になった場合の優先順位

    交付要綱の別表第1では、抽選時の選定順位が明示されています。まず、府の生産性向上支援センターが実施する「働きやすい職場環境づくり伴走支援プログラム」(全5回)を修了見込みの事業所と、介護ソフト未導入で「はじめての介護ソフト導入セミナー」を受講しソフトを導入する事業所が最優先とされています。その上で、①介護テクノロジーをいずれも未導入の事業所 → ②自己負担等で既導入・令和3年度以前に府補助で導入済みの事業所 → ③バックオフィスソフト等その他機器のみを導入する事業所 → ④令和4〜7年度に府の補助金交付を受けた事業所、の順に選定され、さらに見守り機器・インカム・介護ソフトのいずれかを導入する事業所が優先されるとされています。過去に府の補助を受けた事業所は優先順位が低くなるため、初めて申請する事業所ほど採択の可能性が相対的に高い設計です。

    抽選に外れた(不採択になった)場合の対応

    抽選が行われるのはエントリー総額が予算額を超過したときだけで、予算内であれば全エントリーが交付申請の対象になるとされています。そのうえで、万一抽選に外れた・不採択となった場合の実務的な選択肢は次のように整理できます。

    • 追加募集や次年度エントリーの確認:年度内の追加募集の有無は公表資料からは確認できないため、まず大阪府高齢介護室へ問い合わせ、次年度の事業実施予定とあわせて確認します。
    • 優先順位が上がる要素の準備:次回に向けて、未導入分野(見守り機器・インカム・介護ソフト)を軸にした計画へ組み替える、伴走支援プログラムの修了を目指す、といった「優先順位が上がる条件」を整えておくと有利です。
    • 先行購入していた場合の扱い:後述のとおり交付決定前の購入も条件付きで対象になり得ますが、抽選に外れると全額自己負担となります。先行購入は「外れても導入する」と決めた機器に限るのが安全です。
    • 他制度の検討:国のIT導入補助金など、対象経費が重複しない範囲で活用できる他制度がないかを検討します(重複受給は不可)。

    大阪府特有の注意点

    この章の要点:交付決定前契約・リースの扱い・複数事業所の申請・他補助金との重複など、大阪府方式ならではの実務論点をまとめて確認します。

    1. 交付決定前の契約・購入でも対象になり得る(ただしリスクあり)

    多くの補助金では「交付決定前の契約・発注は対象外」が原則ですが、大阪府の交付要綱第2条第3項では、補助対象経費は契約日・支払日・導入日が令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間の経費(消費税を除く)とされ、「その間の経費であれば、交付申請日以前の経費も対象とする」と明記されています。つまり令和8年4月1日以降であれば、エントリー前・交付決定前に購入した機器も対象になり得る運用です。ただし、抽選に外れたり交付申請の審査で対象外と判断された場合は全額自己負担となるため、先行購入は慎重に判断し、事前に府へ確認することをおすすめします。なお、令和8年3月31日以前に導入していた機器は「既導入」扱いとなります。

    具体例で整理すると、次のようなイメージです(いずれも要件を満たすことが前提の一般的な考え方であり、個別の可否は必ず府へご確認ください)。

    • 例A:令和8年5月に見守り機器を発注・納品・支払 → エントリーは6月に実施。契約・支払・導入がいずれも令和8年4月1日以降のため、対象になり得ます(抽選に通ることが前提)。
    • 例B:令和8年3月に介護ソフトを契約・導入済み → 「既導入」扱いとなり、その機器分は補助対象外です。
    • 例C:令和8年12月に契約したが、納品が令和9年2月にずれ込む → 導入日が令和9年1月31日を過ぎるため、原則対象外です。

    2. セミナー受講・ケアプランデータ連携などの要件が細かい

    補助要件として、①介護テクノロジー活用支援セミナーの受講(アーカイブ可)に加えて、②居宅介護支援・居宅サービス事業所は令和8年度中に「ケアプランデータ連携システム」でのデータ連携実績があることが求められています。実績報告時にはログイン画面や送受信一覧のスクリーンショット提出が必要とされ、データ連携実績が確認できない場合は代金支払済みでも補助対象外となる旨が府ページに記載されています。また、施設系サービスでは利用者の安全・サービスの質確保・職員負担軽減を検討する委員会の設置、全事業所共通でIPA「SECURITY ACTION」(一つ星または二つ星)の宣言、業務改善計画の作成・提出、収支が改善した場合の職員賃金への還元周知などが要件に含まれています。ケアプランデータ連携やLIFE対応の要件は介護記録ソフトの比較でソフト選びの観点から補足しています。

    3. 導入・支払の実質期限は令和9年1月31日/リース・レンタルの扱い

    Q&A(令和8年7月3日版)では、契約・支払・納品が令和9年1月31日までに完了しない場合は補助対象とならず、製造業者の都合等で年度内に納品できない場合は申請の辞退が必要とされています。人気機種は納期が延びることもあるため、発注時期とメーカーの納期は早めに確認しておきましょう。

    リース・レンタルについて:リース・レンタルの場合も対象とされていますが、補助対象となるのは令和8年4月1日〜令和9年3月31日の期間分で、支払は令和9年1月31日までに完了させる必要があります(令和9年1〜3月分の前倒し払いは対象になり得るとQ&Aに記載)。また、導入効果の報告期間に合わせて契約期間を3年以上に設定する必要があり、3年経過前に契約を解除すると補助金の返還を求められることがあるとされています。買い切り(購入)とリースのどちらが有利かは、月額費用の総額・保守の範囲・機器更新のしやすさで変わるため、見積段階で両方式を比較しておくと判断しやすくなります。

    4. 複数事業所を運営する法人の申請方法

    大阪府方式では、事前エントリーも交付申請も事業所ごとに内容を作成しますが、手続きは法人単位でとりまとめて行う流れとされています。複数事業所を運営する法人が押さえたいポイントは次のとおりです。

    • エントリーは事業所ごと:行政オンラインシステムで法人担当者が利用者登録(ID取得)したうえで、事業所ごとにエントリーフォームへ入力・送信します。上限額や優先順位は事業所単位で判定されるため、事業所ごとに導入計画と見積を用意します。
    • 抽選も事業所単位:抽選になった場合の優先順位は、その事業所の導入内容(未導入か、見守り・インカム・介護ソフトを含むか等)で決まります。法人内でも事業所によって採否が分かれる可能性があります。
    • 交付申請は法人でとりまとめ:交付申請の段階では、法人が各事業所分をまとめて計画書・所要額調書等を提出する運用とされています。事務負担を見込んで、早めに事業所間の役割分担を決めておくとスムーズです。

    ※複数事業所の申請の細かな運用(同一機器を複数事業所で共用する場合の扱い等)は年度の要綱・Q&Aで変わり得ます。具体的なケースは必ず府へご確認ください。

    5. 他の補助金との重複・対象外経費に注意

    本事業で導入した機器について他の補助金の交付を受けることはできません。IT導入補助金などとは対象経費が重複しない場合に併用できる可能性があるとQ&Aに示されていますが、個別のケースは府への確認が必要です。また、ナースコールは原則対象外(TAISに介護業務支援として掲載されているもの、見守り機器一体型は対象)、通信費・メンテナンス費・修繕費・消耗品・クレジットカード払い(原則)なども対象外とされています。単価30万円以上の機器は法定耐用年数を経過するまで処分制限がかかる点も押さえておきましょう。他都道府県の運用と見比べたい場合は、東京都の介護補助金愛知県の介護補助金もあわせてご参照ください。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 抽選に外れた場合、令和8年度中に再チャレンジできますか?

    A. 抽選が行われるのはエントリー総額が予算額を超過した場合のみで、予算内であれば全エントリーが交付申請の対象になるとされています。抽選から外れた場合の追加募集の有無は公表資料からは確認できないため、大阪府高齢介護室へ直接お問い合わせください。過去に府の補助を受けていない事業所や、見守り機器・インカム・介護ソフトを導入する事業所は優先順位が高く設定されています。

    Q2. 交付決定前に機器を購入してしまった場合は対象外ですか?

    A. 大阪府の交付要綱では、契約・支払・導入が令和8年4月1日以降であれば交付申請日以前の経費も対象とすると定められています。ただし、抽選に外れた場合や要件を満たさない場合は補助を受けられず自己負担となるため、先行購入はリスクを理解した上で判断し、不明点は府へ確認することをおすすめします。

    Q3. 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も申請できますか?

    A. 「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている場合のみ対象とされています(交付申請時に指定書等の写しが必要)。指定を受けていない有料老人ホーム・サ高住に据え置いて使用する機器や、そうした施設のWi-Fi環境整備の経費は対象外とされています。なお、障がい福祉サービス事業所・施設は本事業の対象外です。

    Q4. リース契約でも補助対象になりますか?

    A. リース・レンタルも対象とされていますが、補助対象となるのは令和8年4月1日〜令和9年3月31日の期間分で、支払は令和9年1月31日までに完了させる必要があります(令和9年1〜3月分の前倒し払いは対象になり得るとQ&Aに記載)。また、導入効果の報告期間に合わせて契約期間は満3年以上に設定する必要があり、3年未満で解約すると補助金返還の可能性があります。

    Q5. 補助金はいつ受け取れますか?申請前に手元資金は必要ですか?

    A. 補助金は実績報告の提出と額の確定後に交付される精算払いの仕組みです(交付要綱第10条)。機器代金はいったん事業所側で支払う必要があるため、導入から補助金入金までの資金繰りを見込んでおくことが大切です。具体的な交付時期は年度や事務処理状況によって変わり得るため、交付決定通知や府の案内でご確認ください。

    Q6. 複数の事業所を運営していますが、まとめて申請できますか?

    A. 事前エントリー・交付申請の内容は事業所ごとに作成しますが、手続きは法人でとりまとめて行う流れとされています。上限額や抽選の優先順位は事業所単位で判定されるため、事業所ごとに導入計画と見積を用意する必要があります。事務量が大きくなりやすいので、早めに担当者と役割分担を決めておくと安心です。詳細な運用は年度の要綱・Q&Aで確認してください。

    Q7. 導入したい機器が補助対象かどうかは、どこで確認できますか?

    A. 対象機器の基本は、テクノエイド協会が運営する福祉用具情報システム(TAIS)に「介護テクノロジー」として掲載された機器です。テクノエイド協会の公式サイトで型番を検索すると掲載状況を確認できます。掲載がない機器でも同水準と府が判断すれば対象になり得るため、判断に迷う場合は販売事業者や大阪府へ確認してください。介護ソフト・見守り機器の選び方は介護記録ソフトの比較見守りセンサーの比較・選び方も参考になります。

    最終確認日・出典・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日

    【お問い合わせ先】大阪府福祉部 高齢介護室 介護事業者課 整備調整グループ(電話:06-6944-7104)

    【免責事項】本記事は上記の公表資料にもとづき作成していますが、補助金の内容・日程・要件は変更される場合があります。記事の情報によって生じたいかなる損害についても当サイトは責任を負いかねます。申請にあたっては、大阪府の公式ページ・公募要領・交付要綱の最新版をご確認のうえ、不明点は上記窓口へお問い合わせください。

  • 介護テクノロジー補助金【福岡県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【福岡県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    「福岡県で介護ロボットや見守りセンサーを入れたいが、補助金の対象になるのか」「令和8年度の公募はいつ始まるのか」——福岡県内で介護施設・介護事業所を運営していると、必ず一度は突き当たる疑問です。じつは福岡県の介護テクノロジー導入補助は、補助率が全国標準の1/2ではなく最大4分の3と手厚く、さらに国が令和8年度に打ち出した「見守り3点セットで最大5分の4」の方針が乗る可能性もある、狙う価値の大きい制度です。本記事では、令和8年度(2026年度)の介護テクノロジー(介護ロボット・ICT)導入補助金の最新状況を、福岡県の公式情報をもとに整理しました。福岡県では、旧「介護ロボット導入支援事業」と旧「ICT導入支援事業」を統合した「福岡県介護DX支援事業費補助金」として、見守りセンサー・移乗支援機器・介護記録ソフトなどの導入費用を補助しています。本記事では、令和8年度の公募状況、補助率・上限額、対象機器、申請の流れ、よくある不採択理由や他制度との併用可否、リース・複数事業所の扱い、そして福岡市・北九州市(政令指定都市)の事業所が注意すべきポイントまで、流し読みでも要点がつかめるよう解説します。読み終えるころには、「自分の事業所は何を・どこに・いつ申請すればよいか」がはっきりするはずです。

    ※本記事は2026年7月7日時点の公開情報に基づいています。補助金の内容は年度・公募回によって変わるため、申請前に必ず福岡県の公式サイトと最新の公募要領をご確認ください。制度の全国共通の仕組みから理解したい方は、介護テクノロジー導入支援事業の全体像もあわせてご覧ください。

    見守りセンサーが設置された介護施設の居室と、タブレットで通知を確認する介護職員のイメージ
    見守りセンサーが設置された介護施設の居室と、タブレットで通知を確認する介護職員のイメージ

    【結論】福岡県の介護テクノロジー補助金 早わかり

    まず全体像です。福岡県の介護テクノロジー導入補助は県が実施主体の「介護DX支援事業費補助金」で、補助率は最大3/4、対象は県内の介護サービス事業所です。令和8年度の公募はまだ発表されていないため、以下の数値は令和7年度実績を参考値として掲載しています。

    福岡県「介護DX支援事業費補助金」のポイント

    • 令和8年度分の公募は、2026年7月7日時点で未発表(実施時期未定)です。令和7年度は2025年7月11日〜8月29日に受付されたため、令和8年度も夏〜秋頃の公募開始が想定されますが、確定情報ではありません。
    • 補助率:補助対象経費の4分の3以内(令和7年度実績。実支出額×3/4と基準額のいずれか低い方)
    • 上限額(令和7年度実績):移乗支援・入浴支援は100万円/台、見守り等その他の機器は30万円/台、介護ソフト等は職員数に応じ100万〜250万円、パッケージ型導入は最大1,000万円
    • 対象:福岡県内に所在する介護保険法上の介護サービス事業所、養護老人ホーム・軽費老人ホーム
    • 申請先・問い合わせ窓口:福岡県 高齢者地域包括ケア推進課 介護人材確保対策室(TEL:092-643-3327)。令和7年度は申請事務局を麻生教育サービス株式会社に委託し、WEBフォームまたは郵送で受付
    • 政令市の扱い:令和7年度の要件上、福岡市・北九州市内の事業所も県の補助金の対象と読める記載でした(除外規定なし)。福岡市には大規模修繕とあわせたロボット・ICT導入の独自補助も別枠であります。

    上記の数字はいずれも令和7年度の公募実績です。令和8年度は国の予算方針の変更(補助率の引き上げ・重点機器の変更など)が反映される可能性があるため、公募要領の公開後に必ず最新の条件をご確認ください。

    制度の概要 — 国の「介護テクノロジー導入支援事業」と福岡県の関係

    福岡県の補助金は独立した制度ではなく、国の事業を県が地域向けに運用しているものです。この節では、国と県のどちらが何を決めているのか、そして福岡県で名称が「介護DX支援事業費補助金」になっている背景を整理します。全国共通の仕組みを先に押さえると、公募要領も読みやすくなります。

    介護ロボット・ICT導入補助金の大もとは、厚生労働省が地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)等を財源として実施する「介護テクノロジー導入支援事業」です。制度の全体像は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進ページで確認できます。実施主体は都道府県で、国が基金の3分の2を負担し、各都道府県が地域の実情に応じて事業名・公募時期・細かい要件を決めて運用します。つまり同じ「介護ロボット補助金」でも、名称・締切・上限額は県ごとに異なります。全国共通のルールと申請の流れは、介護テクノロジー導入支援事業の全体像補助金申請の流れ・必要書類で詳しく解説しています。

    福岡県では、この枠組みを「福岡県介護DX支援事業費補助金」という名称で実施しています。以前は「介護ロボット導入支援事業費補助金」と「ICT導入支援事業費補助金」の2本立てでしたが、国の制度再編にあわせて統合されました。機器単体の導入だけでなく、複数機器を組み合わせるパッケージ型導入や、導入とセットで行う業務改善支援まで対象に含む設計になっています。制度全体の詳しい解説は介護テクノロジー補助金の完全ガイドもあわせてご覧ください。

    なお、国の令和8年度方針では、見守り機器・インカム・介護記録ソフトの導入を重点的に進めるため、一定の組み合わせで導入・活用する場合に公費補助率を最大5分の4に高める方向性が示されていると報じられています(要件を満たす場合3/4、その他1/2という基本構造)。国の事業内容や補助率の考え方は、厚生労働省の介護テクノロジー導入支援事業の事業資料(PDF)にも整理されています。この引き上げが福岡県の令和8年度事業にどう反映されるかは、県の公募要領公開後に確認が必要です。

    「介護DX支援事業」という福岡県独自の名称と設計

    同じ国の事業でも、都道府県ごとに名称や力点が違います。福岡県が「介護ロボット」ではなく「介護DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を掲げているのは、単に機器を1台入れることではなく、機器導入と業務プロセスの見直しをセットで進め、現場全体の生産性を上げることを制度の狙いに置いているためと読めます。実際、令和7年度の設計では「導入と一体的に行う業務改善支援」が別枠(45万円/事業所)で用意され、パッケージ型導入の上限が1,000万円と大きく取られていました。この設計思想を踏まえると、単品の機器を1つだけ申請するより、見守りセンサー+インカム+介護記録ソフトのように「業務がどう変わるか」を語れる組み合わせのほうが、審査で取組の妥当性を説明しやすい傾向があります。参考として、東京都・大阪府・愛知県など他の都府県でも国の同じ事業を運用していますが、名称・上限・重点分野はそれぞれ異なります(東京都の介護補助金大阪府の介護補助金愛知県の介護補助金)。他県に事業所を持つ法人は、県ごとに公募時期がずれる点にも注意が必要です。

    政令市(福岡市・北九州市)の扱い

    福岡県には福岡市・北九州市という2つの政令指定都市がありますが、この補助金は都道府県が実施主体のため、令和7年度の福岡県の案内では対象を「福岡県内に所在する介護保険法上の介護サービスを実施する事業所」としており、福岡市・北九州市内の事業所を除外する記載は確認できませんでした。つまり両市内の事業所も、原則として県の補助金に申請する形と考えられます。ただし年度によって取り扱いが変わる可能性はゼロではないため、政令市内の事業所は公募開始時に対象要件の記載を必ず確認してください。福岡市・北九州市が独自に実施する別枠の補助事業もあります(後述)。

    対象機器・対象事業所

    この節では「何を買えば対象になるのか」を具体的に確認します。対象機器は国が定める9つの重点分野に沿っており、機器の選定にはTAIS(福祉用具情報システム)の掲載が一つの目安になります。対象事業所は施設系・在宅系を問わず幅広く設計されています。

    対象機器 — 9つの重点分野

    補助対象は、厚生労働省・経済産業省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に該当する機器等です。令和7年度の福岡県の案内では、次の9分野が対象とされていました。

    • 移乗支援(装着型・非装着型のパワーアシスト機器など)
    • 移動支援(歩行支援・屋内外移動のサポート機器)
    • 排泄支援(排泄予測デバイス、自動排泄処理装置など)
    • 見守り・コミュニケーション(見守りセンサー、インカム、コミュニケーションロボットなど)
    • 入浴支援(入浴介助の負担を軽減する機器)
    • 介護業務支援(介護記録ソフト、タブレット端末、勤怠・シフト管理などのバックオフィスソフト)
    • 機能訓練支援
    • 食事・栄養管理支援
    • 認知症生活支援

    機器の選定にあたっては、公益財団法人テクノエイド協会の「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定・掲載されている機器であることが条件の一つとされています。TAIS掲載機器はテクノエイド協会の公式サイトで型番から検索できます。ただし令和7年度の福岡県の案内では、TAISに掲載されていない機器でも重点分野に該当すれば補助対象となる可能性がある旨が示されていました。導入したい機器がTAIS掲載機器かどうかは、申請前にメーカーまたは事務局に確認しておくとスムーズです。また、機器の導入に付帯して必要となる経費(設置工事費など)は、主となる機器とあわせて導入する場合に限り対象となります。国の制度枠組みでは、見守り機器の導入に伴うWi-Fi等の通信環境整備も支援メニューに含まれているため(国資料では1事業所あたり上限750万円の例示)、福岡県での取り扱いは公募要領でご確認ください。見守りセンサーの機種選定や通信環境整備の考え方は見守りセンサーの比較・選び方、介護記録ソフトの選定やLIFE連携は介護記録ソフトの比較で詳しく解説しています。

    移乗支援リフトと介護記録用タブレットを使う福岡県内の介護事業所スタッフのイメージ
    移乗支援リフトと介護記録用タブレットを使う福岡県内の介護事業所スタッフのイメージ

    対象事業所

    令和7年度の対象は、次のとおりでした。

    • 福岡県内に所在する介護保険法上の介護サービスを実施する事業所(特養・老健・グループホーム・デイサービス・訪問介護など)
    • 福岡県内に所在する老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム

    施設系・在宅系を問わず幅広い事業所が対象になり得る設計です。ご自身の事業所類型が対象かどうか迷う場合は、公募要領の対象一覧を確認するか、事務局に問い合わせるのが確実です。

    リース・レンタルでの導入は対象になるか

    「機器を買い取りではなくリースで入れたい」という相談は多く寄せられます。国の介護テクノロジー導入支援事業では、補助対象経費は原則として購入(取得)費用を前提としており、リース・レンタル料が対象になるかは都道府県・年度の運用によって扱いが分かれます。一般に、所有権が事業者に移らない純粋なリース料は対象外とされるケースが多く、対象となる場合でも「事業期間内に支払う分のみ」など条件が付くことがあります。福岡県の令和7年度案内では取得を前提とした基準額(○万円/台)で整理されていたため、リース導入を検討している場合は、申請前に必ず事務局へ対象可否と算定方法を確認してください。リース会社によっては補助金申請に対応した契約スキームを用意していることもあります。

    補助率・上限額(令和7年度実績)

    補助額は「補助対象経費の実支出額×3/4」と「基準額」を比較して少ない方の額となります。区分ごとに基準額が決まっているため、見積を取ったら区分に当てはめて概算しておくと計画が立てやすくなります。令和8年度の条件は変更される可能性があるため、あくまで直近実績としてご覧ください。

    区分 基準額(上限) 補助率
    移乗支援・入浴支援の機器 100万円/台 補助対象経費の3/4以内
    (実支出額×3/4と基準額の低い方)
    上記以外の機器(移動支援・排泄支援・見守り・コミュニケーション等) 30万円/台
    介護ソフト等(介護業務支援・ICT) 職員数に応じ100万〜250万円(区分の詳細は公募要領で確認)
    パッケージ型導入(複数機器の一体導入) 最大1,000万円
    導入と一体的に行う業務改善支援 45万円/事業所

    出典:福岡県「令和7年度福岡県介護DX支援事業費補助金に係るご案内」(2026年7月7日確認)。金額・区分は令和7年度のものです。

    補助額の計算例(令和7年度実績で試算)

    たとえば見守りセンサー(1台20万円)を10台導入する場合、対象経費は200万円。補助率3/4で計算すると150万円ですが、見守り機器の基準額は「30万円/台」なので上限は30万円×10台=300万円。実支出額×3/4(150万円)と基準額(300万円)を比べて低い方=150万円が補助額となり、自己負担は50万円です。移乗リフト(1台80万円)1台なら、対象経費80万円×3/4=60万円が補助額(基準額100万円以内)。あくまで概算であり、実際の額は公募要領・審査結果によります。

    令和8年度の注目ポイント:国は令和8年度、見守り機器・インカム・介護記録ソフトの「3点セット」導入など一定の要件を満たす場合に補助率を最大4/5へ引き上げる方針と報じられています。福岡県がこれをどの形で採用するかは未確定のため、公募要領の公開を待って確認してください。

    申請の流れ・締切

    この節では、公募時期の見通しと申請の6ステップ、そして「いつ何を準備すればよいか」を締切から逆算して整理します。福岡県の受付期間は約1か月半と短めのため、公募前の準備が採否を分けると言っても過言ではありません。

    令和8年度の公募時期の見通し

    2026年7月7日時点で、福岡県の令和8年度分の公募はまだ発表されていません(複数の業界情報サイトでも「実施日未定」「準備中」と整理されています)。参考として、令和7年度は2025年7月11日〜8月29日という約1か月半の受付期間でした。同様のスケジュール感であれば令和8年度も夏〜秋頃の公募が想定されますが、これはあくまで過去実績からの推測です。受付期間が短い傾向にあるため、公募開始前から見積書や導入計画の準備を進めておくことを強くおすすめします。

    申請ステップ(令和7年度実績ベース)

    1. 公募要領の確認:福岡県公式サイトで対象機器・要件・様式を確認
    2. 導入計画の作成:現場の課題を抽出し、生産性向上(業務負担軽減・記録業務の効率化など)に資する取組計画を作成。導入機器の見積書を取得
    3. 交付申請:令和7年度は県から委託を受けた麻生教育サービス株式会社が事務局となり、WEB申請フォーム(kintone)または郵送で受付
    4. 審査・交付決定:予算の範囲内で審査のうえ交付決定
    5. 機器の導入・支払い・実績報告:事業期間内に導入を完了し、実績報告書を提出
    6. 補助金の受領・効果報告:導入後、一定期間の効果報告(業務改善の効果検証)が求められます

    必要書類や各ステップの具体的な進め方は、全国共通の観点で補助金申請の流れ・必要書類にまとめています。はじめて申請する方は先に目を通しておくと、福岡県の公募要領がスムーズに読めます。

    締切から逆算した準備スケジュール

    受付期間が約1か月半と短いため、「公募が出てから動く」と間に合わないことがあります。令和7年度の日程(7/11公募〜8/29締切)を目安に、締切から逆算した準備を組んでおきましょう。

    時期の目安 やっておくこと
    公募の2〜3か月前(春頃) 現場の課題整理(夜間見守り・記録業務など)、導入したい機器の候補選定、前年度の公募要領を読んで要件を把握
    公募の1か月前 メーカー・販売店から見積書を取得、TAIS掲載の確認、導入計画(取組内容・期待効果)の下書き
    公募開始〜締切 公募要領で最新要件を確認し様式に記入、WEBフォーム/郵送で申請。締切直前は事務局が混み合うため早め提出が安全
    交付決定後〜年度末 機器の発注・導入・支払い、実績報告書の提出、効果報告の準備

    交付決定前の契約・購入の扱い

    補助金は原則「交付決定後の発注・契約」が基本ですが、福岡県の令和7年度の案内では、令和7年4月1日〜令和8年1月31日までに実施された事業であれば、交付決定前であっても遡って補助対象となり得るという柔軟な取り扱いが明記されていました。ただし「申請の時点で補助が確約されるものではない」ともされており、交付決定前の購入は不採択リスクを自己負担で負うことになります。令和8年度に同じ遡及ルールが適用されるかは未確定のため、先行して購入を検討している場合は必ず公募要領(または事務局への問い合わせ)で確認してください。

    よくある不採択理由・つまずきポイント

    補助金は要件を満たしていても、書類の不備や計画の説明不足で不採択・差し戻しになることがあります。ここでは、介護テクノロジー導入補助で一般的に指摘されやすいつまずきポイントを整理します。いずれも事前準備で防げるものばかりです。

    • 対象外の機器を申請していた:9つの重点分野に該当しない機器や、TAIS要件を満たさない機器を申請してしまうケース。見積前にメーカー・事務局へ対象可否を確認しておく。
    • 導入効果の説明が薄い:「便利だから」ではなく、どの業務がどれだけ軽減されるか(夜間巡回の削減、記録時間の短縮など)を具体的に書けていないと、生産性向上の取組として評価されにくい。
    • 見積書・様式の不備:見積の宛名・日付・内訳が要件と合わない、必要書類の添付漏れ、様式の記入欄の空欄など。提出前のダブルチェックが有効。
    • 予算上限に達して締切前に受付終了:予算の範囲内で交付されるため、申請が集中すると早期に受付を終える場合がある。公募開始後は早めに申請する。
    • 交付決定前に発注してしまう:遡及ルールが適用されない年度・経費では、交付決定前の契約が対象外になる。原則は交付決定後の発注。
    • 効果報告を怠る:導入後の効果報告が要件に含まれる場合、報告を怠ると次年度以降の申請や補助金返還に影響することがある。

    これらは福岡県固有というより、介護テクノロジー導入補助全般で共通するポイントです。申請書の書き方や必要書類の詳細は補助金申請の流れ・必要書類を参考にしてください。

    他の補助金・支援制度との併用と、複数事業所の申請

    「介護DX支援事業と、他の補助金を同時に使えるのか」「複数の事業所を運営しているが、まとめて申請できるのか」——規模の大きい法人ほど気になる点を整理します。いずれも最終判断は公募要領・事務局の確認が必要ですが、考え方の基本を押さえておきましょう。

    同一経費への「二重補助」は不可が原則

    補助金制度では、同一の経費に対して国・自治体の複数の補助金を重ねて受け取ること(二重補助)は原則できません。たとえば、福岡市の「大規模修繕にあわせたロボット・ICT導入補助」で補助を受けた機器の費用を、同時に県の介護DX支援事業でも申請する、といった使い方は認められないのが通常です。一方で、対象経費が別であれば(例:Aの機器は県補助、Bの機器は別制度)併用の余地があります。福岡市の独自補助と県補助のどちらを使うべきかは、対象施設類型・基準額・スケジュールを比較して選ぶことになります。

    複数事業所を運営する法人の申請

    複数の介護事業所を運営する法人の場合、基準額の多くが「1台あたり」「1事業所あたり」で設定されているため、事業所単位で対象経費・上限が積み上がる設計です。ただし、1回の公募で1法人あたりの申請上限や、同一機器の台数上限が設けられることもあります。複数拠点で一斉に導入したい場合は、事業所ごとに申請が必要か・法人でまとめるか、1法人あたりの上限があるかを公募要領で必ず確認してください。拠点数が多い法人は、優先度の高い事業所から段階的に申請する戦略も有効です。他県にも拠点がある法人は、東京都の介護補助金大阪府の介護補助金など、それぞれの県の公募時期・要件も並行して確認しておくと取りこぼしがありません。

    福岡県特有の注意点 — 政令市(福岡市・北九州市)の事業所はここをチェック

    福岡県は福岡市・北九州市という2つの政令指定都市を抱えており、「県と市のどちらに申請するのか」が分かりにくいのが実情です。この節では、政令市の事業所が迷いやすい4点を、県・市の役割分担とあわせて整理します。

    1. 福岡市・北九州市の事業所も、介護テクノロジー導入補助は「県」に申請

    介護施設の整備補助などは政令市が独自窓口を持つことが多い一方、介護テクノロジー導入支援(介護DX支援事業費補助金)は都道府県事業のため、令和7年度の要件上は福岡市・北九州市内の事業所も福岡県(委託事務局)に申請する枠組みでした。「市の補助金だと思って市役所に問い合わせたが見つからない」というケースがあり得るのでご注意ください。

    2. 福岡市には「大規模修繕とあわせた介護ロボット・ICT導入」の独自補助がある

    福岡市は令和8年度事業として、介護施設等の大規模修繕の際にあわせて行う介護ロボット・ICT導入支援事業(国の地域介護・福祉空間整備等の枠組み)を実施しています。対象は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウスなどの施設系で、基準額は一般施設で1床あたり39万6千円(都市型軽費老人ホーム等は1床あたり19万8千円、定期巡回は1施設660万円)とされています。大規模修繕工事費そのものは対象外で、修繕と直接関連するロボット・ICT導入費のみが対象です。詳細は福岡市の介護サービス事業所に関する補助金・支援金ページで確認できます。令和8年度分の希望調査は令和7年5月28日締切で既に終了しているため、次年度分を狙う場合は福岡市介護保険課(TEL:092-733-5452)からの調査案内を毎年春にチェックしてください。

    3. 北九州市は独自の介護テクノロジー導入補助が確認できず(2026年7月時点)

    北九州市の介護サービス事業者向け補助金ページ(2026年7月7日確認)には、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金や物価高騰対策支援金などの掲載はあるものの、介護ロボット・ICT導入に特化した市独自補助の掲載は確認できませんでした。北九州市内の事業所は、基本的に県の介護DX支援事業費補助金の公募を待つ形になると考えられます(最新状況は市・県の両方でご確認ください)。

    4. 事務局委託方式のため「問い合わせ先」が2つある

    福岡県は申請受付・審査事務を外部事務局(令和7年度は麻生教育サービス株式会社)に委託しています。制度自体の所管は福岡県 高齢者地域包括ケア推進課 介護人材確保対策室(TEL:092-643-3327)、申請書類や手続きの実務は委託事務局、という役割分担です。制度の一次情報は福岡県の介護DX支援事業費補助金の公式ページで確認できます。令和8年度も同様の体制になるかは公募発表時に確認してください。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 福岡県の令和8年度の公募はいつ始まりますか?

    A. 2026年7月7日時点で未発表です。令和7年度は7月11日〜8月29日の受付だったため、同時期の公募が想定されますが確定ではありません。福岡県公式サイトの「介護DX支援事業費補助金」ページを定期的に確認するか、所管課(高齢者地域包括ケア推進課 介護人材確保対策室)にお問い合わせください。

    Q2. 福岡市・北九州市の事業所は、県と市のどちらに申請すればよいですか?

    A. 介護テクノロジー(ロボット・ICT)導入補助は県事業のため、令和7年度実績では政令市内の事業所も福岡県(委託事務局)への申請でした。一方、福岡市の施設系事業所は、大規模修繕にあわせたロボット・ICT導入の市独自補助(希望調査方式)を利用できる場合があります。両制度は目的・要件が異なるため、併用可否も含めて各窓口にご確認ください。

    Q3. 交付決定前に機器を購入してしまいました。補助対象になりますか?

    A. 令和7年度の福岡県の案内では、令和7年4月1日〜令和8年1月31日に実施された事業は交付決定前でも遡って対象となり得るとされていました。ただし採択が確約されるわけではなく、不採択の場合は全額自己負担になります。令和8年度に同じ取り扱いが継続するかは公募要領で必ず確認してください。

    Q4. TAIS(福祉用具情報システム)に掲載されていない機器は対象外ですか?

    A. 令和7年度の福岡県の案内では、TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器であることが条件の一つとされる一方、未掲載の機器でも重点分野に該当すれば対象となる可能性がある旨が示されていました。個別の機器の可否は、見積取得の段階で事務局に確認するのが確実です。

    Q5. 補助率が4分の3より高くなるケースはありますか?

    A. 国の令和8年度方針では、入所・泊まり・居住系サービスで見守り機器・インカム等のICT機器・介護記録ソフトを組み合わせて導入・活用する場合などに、補助率を最大4/5とする方向性が示されていると報じられています。福岡県の令和8年度事業に採用されるか、またその要件の詳細は、県の公募要領公開後に確認してください。

    Q6. リースで導入した機器も補助対象になりますか?

    A. 国の事業は原則として購入(取得)費用を対象としており、リース・レンタル料が対象になるかは都道府県・年度の運用によって異なります。福岡県の令和7年度案内は取得を前提とした基準額で整理されていたため、リース導入を検討している場合は、申請前に必ず事務局へ対象可否と算定方法を確認してください。

    Q7. 複数の事業所を運営していますが、まとめて申請できますか?

    A. 基準額の多くが「1台あたり」「1事業所あたり」で設定されているため、事業所単位で対象経費が積み上がる設計です。ただし1公募あたり1法人の申請上限や台数上限が設けられる場合があるため、事業所ごとに申請が必要か・法人でまとめるか、上限の有無を公募要領で確認してください。

    最終確認日・出典・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日

    主な出典(いずれも2026年7月7日閲覧):

    【免責事項】本記事は公開情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、補助金の交付を保証するものではありません。記載の補助率・上限額・締切等は主に令和7年度実績であり、令和8年度の公募内容は変更される可能性があります。申請にあたっては、必ず福岡県・各市の公式サイトおよび最新の公募要領で内容をご確認のうえ、所管窓口にお問い合わせください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

  • 介護テクノロジー補助金【北海道】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【北海道】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護現場の人手不足対策として、見守りセンサー・移乗支援ロボット・介護記録ソフトなどの導入費用を支援する「介護テクノロジー導入支援事業」。北海道でも都道府県事業として例年実施されており、直近の令和7年度(2025年度)は補助率4/5以内・介護ソフト最大250万円・パッケージ型導入は1事業所あたり最大1,000万円という手厚い内容でした。本記事では、北海道内の介護施設・事業所が令和8年度(2026年度)に補助金活用を検討するための最新状況(2026年7月7日時点)と、令和7年度実績にもとづく制度の全体像を、北海道庁の一次情報をもとに整理します。

    意外に見落とされがちなのが、「介護テクノロジー導入支援事業」は国の制度でありながら、申請先も補助率も締切もすべて都道府県ごとに決まるという点です。国(厚生労働省)は介護テクノロジーの利用促進のページで枠組みと対象分野の考え方を示していますが、実際に補助金を出すのは北海道です。そのため「国の資料に4/5と書いてある=北海道でも必ず4/5もらえる」とは限りません。まず国の制度の全体像は介護テクノロジー導入支援事業の全体像で整理していますので、あわせて読むと「国の枠組み」と「北海道の実際」の違いがクリアになります。本記事は後者、北海道で実際に何を確認し、どう準備すべきかに絞って解説します。

    【結論】北海道の介護テクノロジー補助金・令和8年度の現在地(2026年7月7日時点)

    • 令和8年度(2026年度)の北海道分(高齢介護分野)は未発表・準備中です。国は令和8年度の実施要綱を2026年4月に都道府県へ発出済みとされますが、北海道の公募情報はまだ公開されていません(2026年7月7日時点)。
    • 参考として令和7年度実績:補助率は4/5以内、上限は移乗支援・入浴支援機器1機器100万円/その他機器1機器30万円/介護ソフト職員数に応じ100万〜250万円/パッケージ型1事業所1,000万円(いずれも令和7年度交付要綱・別表3、別表4より)。
    • 令和7年度のスケジュールは意向調査7月15日〜8月8日→交付申請10月20日〜11月10日の流れでした。令和8年度も同様の時期になる可能性があるため、夏頃から道の公式ページの確認をおすすめします。
    • 申請窓口は北海道保健福祉部福祉局高齢者保健福祉課(本庁一括・電子申請)。札幌市内の介護保険事業所も道事業の対象です(札幌市が独自窓口を持つのは障害福祉分野)。
    • 正式な補助率・上限・締切は、令和8年度の公募要領・交付要綱の公表後に必ずご確認ください。
    介護施設で移乗支援ロボットを活用する介護職員のイメージ
    介護施設で移乗支援ロボットを活用する介護職員のイメージ

    介護テクノロジー導入支援事業とは|国の制度と北海道事業の関係

    介護テクノロジー導入支援事業は、厚生労働省の地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)を財源として、都道府県が実施主体となって介護施設・事業所の機器導入費用を補助する制度です。従来は「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」が別立てでしたが、現在は介護テクノロジー導入支援として一体的に運用されています。

    北海道では、この基金を活用した「介護ロボット導入支援事業費補助金」という名称で実施されており、令和7年度(2025年度)は令和7年10月3日付けで交付要綱が制定・告示されました(北海道告示第11534号。詳細は北海道 高齢者保健福祉課の補助金ページに掲載)。事業名は「介護ロボット」ですが、要綱上の対象は介護ロボットに限らず、介護ソフト(ICT)・見守り機器・パッケージ型導入・業務改善支援まで含む包括的な内容です。

    令和8年度の国制度は「2本立て」に拡充見込み

    補助金情報サイト等の解説によると、令和8年度(2026年度)の国制度は、通常の地域医療介護総合確保基金に加えて、令和7年度補正予算による「介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業」が上乗せされる2本立て構造になるとされ、実施要綱は2026年4月7日に厚生労働省から都道府県へ発出されたとされています。国のスキームでは補助率は1/2以上を基本に、要件充足で3/4以上、補正予算事業の要件を満たすと4/5という段階設計が示されています。ただし、実際に何を・いつ・どの条件で公募するかは都道府県ごとに異なるため、北海道分の詳細は道の公募要領の公表を待つ必要があります。

    北海道事業の特徴:令和7年度は補助率4/5以内と手厚い水準

    北海道の令和7年度交付要綱(別表3)では、補助率が4/5以内と定められていました。国の標準的な水準(1/2〜3/4)と比べても高い設定であり、自己負担を抑えて導入しやすい制度だったといえます。令和8年度も同水準になるかは未発表のため、公募要領で必ずご確認ください。

    札幌市(政令市)の扱い:高齢介護分野は「道に一本化」

    札幌市は政令指定都市ですが、高齢介護分野(介護保険サービス)の本補助金は北海道が一括して実施しています。令和7年度交付要綱の第2条は対象を「北海道内に所在する」介護サービス事業所等と定めており、札幌市内の事業所も道の窓口へ申請する形でした。一方、障害福祉分野は札幌市が独自の「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」を実施しており(令和8年度分は2026年5月22日締切で受付終了・次回未定、補助率3/4・移乗介護/入浴支援は1台100万円上限等)、市内の障害福祉サービス事業所はこちらが窓口になります。自事業所がどちらの分野に該当するかで申請先が変わる点に注意が必要です。

    対象機器・対象事業所・TAIS要件【令和7年度実績】

    対象となる機器:原則「重点分野×TAIS選定」

    令和7年度の北海道交付要綱では、補助対象機器は原則として、経済産業省・厚生労働省が定める「介護テクノロジー利用の重点分野」に該当し、かつ公益財団法人テクノエイド協会(公式サイト)の「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定された機器とされていました。見守りセンサー、移乗支援機器、入浴支援機器、介護記録ソフトなどを検討する際は、候補機器がTAISに登録・選定されているかを見積前に確認しておくとスムーズです。

    また、TAIS選定機器によらない場合でも、「道が認める機器」として、介護従事者の身体的負担軽減や間接業務時間の削減等につながると道が判断した機器等が対象になり得る枠が設けられていました。該当するか不明な機器は、事前に道の担当課へ相談するのが確実です。

    • 介護ソフトの要件:記録業務・情報共有業務・請求業務を一気通貫で行えること(転記業務が発生しないこと)が条件。居宅介護支援・居宅サービス系事業所は、さらに「ケアプランデータ連携標準仕様」対応(CSV出力・取込機能)とケアプランデータ連携システムのサポート体制が要件とされました。
    • 付帯経費:Wi-Fi環境整備費などは、主たる介護テクノロジーと併せて導入する場合に限り補助対象。
    • パッケージ型導入:介護業務支援(介護ソフト等)と、連動で効果が高まる複数の介護テクノロジーをまとめて導入するもので、通信環境整備費も対象に含まれました。

    対象事業所:道内の全介護保険サービス+養護・軽費老人ホーム

    令和7年度の対象は、北海道内に所在する介護保険法に基づく介護サービスを提供する全ての介護サービス事業所と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームでした。特別養護老人ホームや老健などの施設系だけでなく、訪問介護・通所介護・居宅介護支援・小規模多機能など在宅系サービスも広く対象に含まれています。なお、地域の導入モデルとして見学の受け入れや導入事例の公表に同意できる事業者であることも要件とされていました。

    補助率・補助上限額の一覧表【令和7年度交付要綱より】

    以下は令和7年度(2025年度)の北海道交付要綱(別表3・別表4)にもとづく実績値です。令和8年度の数値は未発表のため、あくまで参考値としてご覧ください。

    区分(令和7年度) 補助上限額 補助率
    移乗支援・入浴支援に該当する機器/道が認める機器 1機器あたり100万円 4/5以内
    上記以外の機器(見守りセンサー等を含む重点分野機器) 1機器あたり30万円
    介護ソフト(介護業務支援)※職員数連動の契約 職員1〜10名:100万円/11〜20名:150万円/21〜30名:200万円/31名以上:250万円(1事業所あたり)
    介護ソフト(上記以外の契約形態) 1事業所あたり250万円(ケアプランデータ連携システムで5事業所以上と連携する居宅系事業所は5万円加算)
    介護テクノロジーのパッケージ型導入支援 1事業所あたり1,000万円
    導入支援と一体的に行う業務改善支援(コンサル等) 1事業所あたり48万円
    • 付帯経費のうち情報端末(PC・タブレット等)は1台あたり上限10万円
    • 補助対象経費に消費税・地方消費税・保険料は含まれません(令和7年度交付要綱第5条)。
    • 補助回数は、導入支援が1計画につき1回、パッケージ型・業務改善支援は1事業所につき1回とされていました(同第6条)。

    なお「上限額まで満額もらえる」と考えるのは禁物です。交付額は実支出額と上限額の比較のうえ補助率を乗じて算定され、予算の範囲内での交付となるため、申請状況によっては減額や不採択の可能性もあります。最終的な条件は令和8年度の公募要領・交付要綱でご確認ください。

    介護施設の事務室でタブレットから見守りセンサーの記録を確認するスタッフ
    介護施設の事務室でタブレットから見守りセンサーの記録を確認するスタッフ

    申請の流れ・締切【令和7年度実績にもとづく想定スケジュール】

    北海道の本補助金は、夏の「意向調査」→秋の「交付申請」→年度末までに納品・実績報告という流れが令和7年度の実績です。意向調査に回答していないと後の申請につながらない運用だったため、導入を少しでも検討している施設は意向調査の段階から参加しておくことが重要です。

    ステップ 令和7年度の実績日程 ポイント
    ① 意向調査 令和7年7月15日〜8月8日 北海道電子自治体共同システム(HARP)の電子届出で回答
    ② 交付要綱の制定・告示 令和7年10月3日 補助率・上限・様式が確定
    ③ 申請者情報の事前登録 令和7年10月20日〜10月29日 電子申請システムに登録
    ④ 交付申請書の提出 令和7年10月20日〜11月10日(必着) 業務改善計画書・導入計画書等を添付
    ⑤ 事業完了(納品) 令和8年2月末まで 年度内に納品・支払まで完了させる必要
    ⑥ 実績報告 完了から30日以内または令和8年2月28日までの早い日(道ページ上の案内は令和8年3月2日期限) 導入機器の写真等を提出

    特に重要なのが発注のタイミングです。旭川市が案内した令和7年度意向調査の注意書きでは、「内示前に発注等を行っている場合は、本補助金の対象外」と明記されていました(旭川市の意向調査案内より)。つまり、道からの内示(交付決定の前段階の通知)より前に契約・発注してしまうと補助が受けられません。見積取得や機種選定は先行して構いませんが、正式な発注は必ず内示・交付決定後に行うようにしましょう。

    申請時に求められた主な補助要件(令和7年度)

    • 業務改善計画の作成と、補助を受けた翌年度から3年間の効果報告(原則、介護現場業務改善総合相談センターに相談のうえ作成)
    • 利用者の安全・サービスの質・職員の負担軽減を検討する委員会の設置(対象事業所)
    • 居宅系事業所等におけるケアプランデータ連携システムの利用開始
    • LIFE(科学的介護情報システム)への情報収集協力
    • IPAのSECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言
    • 生産性向上・収支改善が図られた場合の職員の賃金への適切な還元と職員への周知

    単に機器を買うだけでなく、業務改善への取り組みとセットで補助するのがこの制度の設計思想です。要件は年度により変わる可能性があるため、令和8年度の公募要領で最新の条件をご確認ください。

    申請でつまずかないための実務論点|不採択理由・併用・リース・複数事業所

    ここからは、北海道の令和7年度の運用と全国共通の考え方をもとに、申請実務で必ず確認したいポイントを整理します。制度は手厚いのに、準備不足や順番の間違いで補助を取り逃すケースが少なくないためです。いずれも最終判断は令和8年度の公募要領・道の窓口に依存する点にご留意ください。

    よくある不採択・減額の理由

    北海道の本補助金は予算の範囲内での交付のため、要件を満たしていても申請状況によっては減額・不採択があり得ます。狙って落ちるというより、要件の読み違い・書類不備・順番違いで外れる型が目立ちます。代表例を整理します。

    つまずきの型 何が起きているか・対策
    内示・交付決定前に発注した 北海道で最も多い失敗。旭川市案内でも「内示前の発注は対象外」と明記。契約書・発注書の日付が内示後になっているか必ず確認する。
    意向調査に回答していなかった 令和7年度は夏の意向調査に回答した事業所が秋の交付申請に進む運用。意向調査未回答だと申請につながらないため、検討段階でも回答しておく。
    TAIS「介護テクノロジー」未選定の機器 原則、重点分野に該当しTAIS選定済みの機器が対象。カタログ外・研究開発段階の製品は対象外になりやすい。メーカーに「TAIS選定済みか」を先に確認する。
    3/4・4/5の引き上げ要件が未充足 業務改善計画・委員会設置・ケアプランデータ連携・LIFE協力・SECURITY ACTION宣言・賃金還元の明記などが未整備だと不利に。機器選定より先に体制要件を設計する。
    対象外経費の混在・書類不備 消費税・保険料は対象外(第5条)。据置PC・プリンター・毎月の通信費なども対象外。対象経費の線引きを公募要領で逐一確認する。

    要件と必要書類の詳しい手順は、補助金申請の流れ・必要書類で、業務改善計画・導入効果報告の書き方まで通しで解説しています。

    他の補助金・加算との併用は可能か

    原則として、同一の経費に国費が二重に入る(重複補助)ことは認められません。同じ機器の同じ購入費を、この事業と他の補助金の両方から受け取ることはできません。一方で、対象経費が異なれば別制度の活用が可能な場合もあります(例:機器導入はこの事業、人材研修は別枠、など)。また補助金(導入初期費用の支援)と、介護報酬上の生産性向上推進体制加算のような運営フェーズの評価は目的が異なるため、要件を満たせば両立し得ます。重複の可否は制度ごとに判断が分かれるため、複数制度を併用したい場合は必ず道の担当課へ事前確認してください。

    リース・クラウド・月額サービスの扱い

    「買い切りでないと対象外では」と思われがちですが、介護ソフトのリース費用・月額利用料・保守サポート費・クラウド利用料も対象になり得ます(対象は当該年度中に係る経費のみ)。北海道の令和7年度要綱でも、介護ソフトは職員数連動の契約形態を上限の基準としており、月額・クラウド型の導入を想定した設計です。ただし毎月の通信費(回線料)そのものは対象外で、対象になるのはWi-Fiルーター等の機器購入・設置費や情報端末(1台上限10万円)です。複数年契約のうち翌年度以降にかかる分は対象外となるのが一般的なため、契約形態と対象年度の切り分けを申請前に確認しておくと安全です。機器選びの観点は介護記録ソフトの比較見守りセンサーの比較・選び方を参考にしてください。

    複数事業所・法人単位での申請はどう考えるか

    複数の事業所を運営する法人の場合、原則は事業所(施設)単位での申請・上限適用が基本です。北海道の令和7年度要綱でも、介護ソフトの上限は職員数に応じて1事業所あたりで算定され、パッケージ型・業務改善支援も1事業所につき1回とされていました。したがって複数拠点があれば、各事業所で要件を満たせばそれぞれ申請できるのが基本的な考え方です。ただし予算の範囲内での交付のため、法人でまとめて多数申請しても全件満額とは限りません。法人単位での導入を進めたい場合は、①事業所単位か法人単位か、②法人あたりの件数・合計の目安、③パッケージ型を複数拠点で使えるか、を道の窓口で確認してください。

    交付決定前の契約が「対象外」になる具体例

    北海道で明記された「内示前発注は対象外」は、具体的なケースで見ると失敗の理由がよくわかります。以下はいずれも補助が受けられなくなりやすい典型例です。

    • 「早く現場に入れたい」と、内示を待たずに機器を発注した → 発注日が内示前のため、その機器の購入費が丸ごと対象外に。
    • 年度内納品(令和8年2月末)に間に合わせようと、交付決定前に契約を急いだ → 発注タイミングが早すぎて対象外・減額のリスク。スケジュールは内示後発注を前提に逆算する。
    • 見積だけでなく「申込書」にサインしていた → 見積取得や機種選定は事前でも問題ないが、申込・契約に当たる行為があると発注済みとみなされることがある。
    • リース契約の開始日を内示前に設定していた → リースでも「契約・利用開始のタイミング」が内示後になっているかが問われる。

    鉄則は「意向調査に回答 → 交付申請 → 内示・交付決定を受けてから発注・契約する」の順序を崩さないことです。導入を急ぐ場合ほど、スケジュールの逆算が重要になります。北海道の一般的な年間の流れは前掲のスケジュール表を、国の制度全体の考え方は介護テクノロジー導入支援事業の全体像をあわせてご確認ください。

    北海道特有の注意点|広域ゆえの申請窓口の整理

    高齢介護分野の窓口は「道庁の高齢者保健福祉課」に一本化

    北海道は広域で、14の(総合)振興局がありますが、令和7年度の本補助金(高齢介護分野)は振興局単位の取りまとめではなく、道庁の保健福祉部福祉局高齢者保健福祉課が一括で受付し、意向調査・申請とも電子申請システム(HARP)経由で行う運用でした。道東・道北など道庁から遠方の事業所でも、オンラインで完結できる形です。

    令和7年度の問い合わせ・提出先(参考)

    北海道保健福祉部福祉局高齢者保健福祉課(札幌市中央区北3条西6丁目 道庁6階)
    電話:011-204-5272/011-204-5274
    ※令和8年度の窓口・受付方法は公募開始時の案内でご確認ください。

    障害福祉分野は「道(障がい者保健福祉課)」と「札幌市」で窓口が分かれる

    障害福祉サービス事業所向けの「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」は別制度で、札幌市内の事業所は札幌市(障がい福祉課)、それ以外の道内事業所は北海道(障がい者保健福祉課)が窓口です。胆振総合振興局など各振興局の社会福祉課が案内を掲載してきましたが、令和8年度分(繰越分)の協議は本庁への直接申請とされ、2026年5月25日締切で受付が行われました。高齢介護分野と障害福祉分野で制度・窓口・時期がすべて異なるため、混同しないよう注意しましょう。

    市町村からの案内もチェック(例:旭川市)

    道事業の意向調査や公募開始は、旭川市のように市町村の高齢者福祉担当課が独自にウェブサイトで周知するケースがあります。道庁ページの定期確認に加え、所在市町村の介護保険担当課からのお知らせも見ておくと、締切の見落とし防止につながります。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 北海道の令和8年度の公募はいつ始まりますか?

    A. 2026年7月7日時点で未発表です。令和7年度は7月中旬〜8月上旬に意向調査、10月に交付申請という流れだったため、令和8年度も夏以降に動きが出る可能性があります。北海道庁の高齢者保健福祉課ページを定期的に確認するか、所在市町村の担当課の案内にご注意ください。

    Q2. 補助率はどのくらいですか?

    A. 令和7年度の北海道交付要綱では4/5以内とされていました。令和8年度の国のスキームでは1/2〜4/5の段階設計が示されていますが、北海道が令和8年度にどの水準を採用するかは未発表です。必ず公募要領でご確認ください。

    Q3. TAISに登録されていない機器は対象になりませんか?

    A. 令和7年度は原則「重点分野に該当し、TAISで介護テクノロジーとして選定された機器」が対象でしたが、別枠として「道が認める機器」(負担軽減・業務効率化に有効と道が判断した機器)も対象になり得ました。該当可否は事前に道の担当課へ相談するのが確実です。

    Q4. 交付決定前に機器を発注・購入してしまった場合はどうなりますか?

    A. 令和7年度の案内では「内示前に発注等を行っている場合は補助対象外」と明記されていました。機種選定や見積取得は進めて構いませんが、正式な契約・発注は内示・交付決定後に行う必要があります。

    Q5. 札幌市内の事業所はどこに申請すればよいですか?

    A. 介護保険サービスの事業所(高齢介護分野)であれば、札幌市内でも申請先は北海道(高齢者保健福祉課)です。一方、障害福祉サービス事業所は札幌市が独自に実施する「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業」(窓口:札幌市障がい福祉課)の対象となります。

    最終確認日:2026年7月7日|一次情報(出典)

    【免責】本記事は2026年7月7日時点の公開情報をもとに作成した参考情報です。令和8年度(2026年度)の北海道分は未発表であり、記事中の補助率・上限額・日程は主に令和7年度実績です。制度内容・要件・締切は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず北海道庁・札幌市等の最新の公募要領・交付要綱をご確認のうえ、各窓口へお問い合わせください。本記事は補助金の交付を保証するものではありません。

  • 介護テクノロジー補助金【愛知県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【愛知県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    【結論】愛知県の介護テクノロジー補助金(令和8年度)はここを押さえる

    • 令和8年度(2026年度)の愛知県の公募は、2026年7月8日時点で未発表です。県公式ページは令和7年度の情報のままで、複数の補助金追跡サイトでも「未定」とされています(他県では6〜7月に受付を開始した例が多い状況です)。
    • 直近の令和7年度実績では補助率4/5と、国の標準(要件充足で3/4)を上回る全国でも高い水準が設定されていました。
    • 令和7年度の補助上限(交付要綱別表ベース)は、パッケージ型導入支援で1事業所あたり500万円(基準額625万円×4/5)、移乗支援・入浴支援等の機器は1台あたり100万円、介護ソフトは職員数に応じ最大250万円でした。
    • 見守り機器の台数上限は「従来型施設20台まで」「ユニット型施設は原則1ユニット定員単位で2ユニット定員まで」という愛知県独自の設定がありました。
    • 令和7年度は6月下旬〜7月下旬に当初公募、9月30日〜10月20日に追加募集が行われました。令和8年度のスケジュール・条件は変更される可能性があるため、必ず愛知県高齢福祉課の公式ページと最新の公募要領でご確認ください。

    「愛知県で介護ロボットや見守りセンサーを入れたいが、補助金はいつ・いくら出るのか」——夜勤の負担軽減や記録業務の効率化を検討し始めた施設の担当者ほど、この一点で手が止まりがちです。実は愛知県の補助率は令和7年度で4/5(自己負担わずか1/5)と全国トップクラスで、100万円の機器なら実質20万円で導入できる計算でした。一方で「TAISに載っていない機器は同性能でも対象外」「見守りは従来型20台まで」といった愛知県ならではの落とし穴もあります。この記事では、愛知県内の介護事業所・施設の方に向けて、令和7年度(2025年度)の確定情報を一次資料(県公式ページ・交付要綱別表)から整理し、令和8年度(2026年度)に向けた準備ポイントを、対象・補助率・上限・台数・締切・不採択の落とし穴まで一気通貫でまとめました。令和8年度の公募要領は本記事の最終確認日時点で未公表のため、金額・要件はすべて令和7年度実績として記載し、変更の可能性がある箇所はその旨を明記しています。国制度そのものの仕組みを先に押さえたい方は介護テクノロジー導入支援事業の全体像を、申請書類の全体像を知りたい方は補助金申請の流れ・必要書類を先にご覧ください。

    名古屋市中区三の丸の愛知県庁舎の外観と、介護施設で見守りセンサーやタブレットを活用する介護職員のイメージ
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    制度の概要 — 国の基金事業を愛知県が実施する仕組み

    要点:この補助金は国の基金が原資で、補助率・上限・台数・時期は都道府県が決める「地域裁量型」。だから愛知県版のルールを個別に読む必要があります。

    この補助金は、国の地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)を財源とする「介護テクノロジー導入支援事業(旧・介護ロボット導入支援事業/ICT導入支援事業)」を、愛知県が実施主体となって運用するものです。国が基金の2/3を負担し、都道府県が上乗せ・詳細設計を行うため、補助率・上限額・台数上限・公募時期は都道府県ごとに異なります。制度の枠組みや全国の傾向は厚生労働省の介護テクノロジーの利用促進(厚生労働省)のページで公開されています。

    国の制度概要(厚生労働省資料)では、介護ロボットは移乗支援・入浴支援で1機器あたり上限100万円・それ以外は30万円、介護ソフトは職員数に応じて上限100万〜250万円、パッケージ型導入は400万〜1,000万円の範囲内で都道府県が上限を設定する枠組みが示されています。補助率は要件を満たす場合に3/4を下限(それ以外は1/2を下限)とし、協働化・大規模化等の事業と併せて実施する場合には4/5とする仕組みです。国が定める実施要綱の考え方は厚生労働省(地方厚生局)実施要綱(PDF)にも示されています。

    愛知県はこの枠組みの中で、令和7年度に補助率を一律4/5と設定しました。国の標準要件ベース(3/4)より高く、事業者の自己負担が1/5で済む点が愛知県の大きな特徴です。同じ国制度でも運用は県ごとに差があり、たとえば東京都の介護補助金大阪府の介護補助金とは補助率・上限・スケジュールが異なります。複数県に事業所を持つ法人は、県ごとに要領を読み分けてください。一方でパッケージ型の上限は500万円と、国が示す範囲(400万〜1,000万円)の中間的な水準に設定されています。なお、令和8年度の国制度では「デジタル中核人材養成研修の受講(パッケージ型)」「介護情報基盤への対応」などの要件追加が民間まとめで報じられており、愛知県の令和8年度要領にも反映される可能性があります。詳細は公募要領で必ずご確認ください。

    対象機器・対象事業所・TAIS要件(令和7年度実績)

    要点:対象は「国の重点分野+愛知県が独自に足した拡大枠」。ただし機器はTAIS「介護テクノロジー」掲載品に限られる——ここが最初の関門です。

    対象事業所

    令和7年度の対象は、愛知県内に所在する介護保険法に基づく指定介護サービス事業所・施設を運営する法人、および老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームの開設者でした。施設系・在宅系を問わず幅広い事業所が対象ですが、区分により補助要件(委員会設置やケアプランデータ連携システムの利用等)が異なるため、自事業所の該当区分を公募要領で確認する必要があります。

    対象機器 — 国の重点分野+愛知県独自の拡大枠

    対象となるのは、国実施要綱の「介護テクノロジー利用の重点分野」(移乗支援・移動支援・排泄支援・見守り・コミュニケーション・入浴支援・介護業務支援など)に該当する機器・ソフトです。加えて愛知県では、県が介護サービスの質の向上につながると判断した機器として、(1)床走行式リフト、(2)一括で調理支援を行う機器、(3)加熱・冷蔵機能等を備えた配膳車・配膳ロボット、(4)スライディングボード、(5)インカム、(6)バックオフィスソフト(電子サイン・給与・勤怠管理)、(7)バイタル測定が可能なウェアラブル端末——が独自に対象へ追加されていました(交付要綱別表より)。見守り機器そのものの選び方・比較は見守りセンサーの比較・選び方、介護記録ソフトは介護記録ソフトの比較で製品ごとの違いを確認できます。

    最重要:TAIS「介護テクノロジー」掲載要件

    愛知県の交付要綱別表では、重点分野に該当する介護テクノロジーは(公財)テクノエイド協会「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定・掲載された機器に限ると明記されています。令和7年度追加募集では「令和7年10月20日までにTAISに掲載されること」が条件とされました。導入したい製品が決まったら、申請前に必ずテクノエイド協会(TAIS)の公式サイトで掲載の有無をメーカーに確認してください。掲載がない機器は、性能が同等でも対象外となる可能性があります。

    補助率・上限額・台数上限の一覧表(令和7年度実績)

    要点:補助額は「基準額と実費の低い方 × 4/5」。区分ごとに基準額と台数の枠が決まっているので、稟議前にこの表で概算を出しておくと計画が立てやすくなります。

    愛知県の補助額は「基準額と対象経費のいずれか低い額×補助率4/5」で算定されます。以下は交付要綱別表(令和7年度・案)に基づく整理です。令和8年度は金額・区分が変更される可能性がありますので、目安としてご覧ください。

    区分 基準額(令和7年度) 補助上限の目安(×4/5)
    移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援機器、県判断機器(床走行式リフト・調理支援機器・配膳車/配膳ロボット・スライディングボード・インカム・バックオフィスソフト・ウェアラブル端末) 1台あたり125万円 1台あたり約100万円
    介護ソフト(介護業務支援)※職員数連動契約の場合 1〜10名:125万円/11〜20名:187.5万円/21〜30名:250万円/31名以上:312.5万円(職員数連動でない契約は一律312.5万円。ケアプランデータ連携システムで5事業所以上と連携する場合は6.25万円加算) 約100万〜250万円
    上記以外の重点分野機器(見守り機器・排泄支援など) 1台あたり37.5万円 1台あたり約30万円
    付帯機器:PC・タブレット端末 1台あたり12.5万円 1台あたり約10万円
    付帯機器:Wi-Fi環境整備 主となる機器(介護ソフト等)と合算して各区分の基準額以内 主機器の枠内で補助
    パッケージ型導入支援(介護業務支援機器+見守り機器、介護業務支援の複数機器、介護記録ソフト+介護請求ソフトのいずれかの組合せ) 1事業所あたり625万円 1事業所あたり約500万円

    台数上限(令和7年度・交付要綱別表より)

    機器の分類 1回あたりの限度台数
    見守り・コミュニケーション(見守り〔施設〕) 従来型施設:20台まで/ユニット型施設:原則1ユニット定員単位での導入で、2ユニット定員まで(少数台数での試用など特段の事情がある場合は1ユニット定員未満も可)
    移乗支援(非装着)・移動支援・排泄支援・入浴支援・コミュニケーション・機能訓練支援・食事栄養管理支援・認知症ケア支援・床走行式リフト・スライディングボード・ウェアラブル端末 定員数まで
    移乗支援(装着)・インカム・PC・タブレット 職員数まで
    見守り(在宅)・介護業務支援・調理支援機器・配膳車/配膳ロボット 合理的に必要と認められる台数

    具体例で見る概算:従来型の特養で見守りセンサーを20台(1台20万円)導入する場合、対象経費400万円に対し基準額は「37.5万円×20台=750万円」の枠内なので、実費400万円×4/5=約320万円が補助、自己負担は約80万円という計算になります(あくまで令和7年度基準での目安。実際は公募要領・別表の最新値で再計算してください)。パッケージ型(介護ソフト+見守り等)なら1事業所625万円の基準額に対し上限約500万円まで一体で補助を受けられます。

    ユニット型特別養護老人ホームの居室に設置された見守りセンサーと、ステーションでタブレットの通知を確認する夜勤職員のイメージ
    ユニット型特別養護老人ホームの居室に設置された見守りセンサーと、ステーションでタブレットの通知を確認する夜勤職員のイメージ

    申請の流れ・締切・申請先(令和7年度実績と令和8年度の見通し)

    要点:愛知県は「事前協議 → 内示 → 契約」の順。内示前に発注すると対象外になるため、締切から逆算した段取りが採否を分けます。

    令和7年度の愛知県のスケジュールは、補助金情報サイトの記録によると当初公募が2025年6月20日〜7月22日、県公式ページによると追加募集が2025年9月30日〜10月20日(17時必着・郵送のみ)でした。申請は「事前協議」からスタートする方式で、流れは概ね次のとおりです。書類の一般的な組み立て方は補助金申請の流れ・必要書類もあわせてご覧ください。

    1. 事前協議書類の提出(公募期間内に郵送。メール提出は不可)
    2. 県による審査・内示(予算枠と要件適合の確認)
    3. 機器の契約・購入(令和7年度は「内示を受けた日以降」から契約・購入可という運用が県ページに明記。内示前の発注は対象外となるおそれ)
    4. 交付申請 → 交付決定
    5. 導入・支払い完了(令和7年度の事業完了期限は2026年1月31日)
    6. 実績報告(令和7年度は2026年2月6日必着)→ 額の確定・補助金の支払い

    締切から逆算した準備スケジュール(令和7年度の日程を例に)

    公募期間が1か月と短いのが愛知県の特徴です。締切日から逆算すると、着手すべきタイミングは次のように整理できます。

    締切からの逆算 やること
    締切2か月前 導入機器の候補選定・TAIS掲載確認・メーカーへ見積依頼
    締切1か月前(=公募開始頃) 業務改善計画の骨子作成・SECURITY ACTION宣言の確認・県公式ページで様式ダウンロード
    締切2週間前 事前協議書類の作成・法人内の稟議・押印手配
    締切数日前 郵送(必着締切に間に合うよう追跡可能な方法で発送)

    申請先は愛知県福祉局高齢福祉課 介護保険指導第二グループ(〒460-8501 名古屋市中区三の丸三丁目1番2号)です。令和8年度も同課が窓口となる見込みですが、提出方法・様式は年度ごとに変わるため、公募開始後に最新の公募要領・様式をダウンロードして確認してください。

    令和8年度の公募開始に備えて今できる準備

    • 導入したい機器のTAIS掲載状況・見積書をメーカー/販売店に依頼しておく
    • 業務改善計画(課題の抽出・導入後3年間の目標)の骨子を作っておく
    • SECURITY ACTION(★一つ星/★★二つ星)の宣言状況を確認する(令和7年度の実施要件)
    • 在宅系はケアプランデータ連携システムの利用開始を検討する(補助率・加算の要件に関係)
    • 県公式ページをブックマークし、6月〜夏頃の更新を定期チェックする

    よくある不採択・対象外の理由と対策

    要点:愛知県の補助金は「予算枠内なら要件を満たせば通る」タイプですが、要件のうっかり漏れで対象外になる例が目立ちます。事前に潰せる落とし穴を挙げます。

    • TAIS未掲載機器を選んでしまう:性能が良くてもTAIS「介護テクノロジー」に載っていなければ対象外。まずテクノエイド協会(TAIS)で掲載を確認する。
    • 内示前に発注・契約してしまう:フライング発注は補助対象外のおそれ。契約書・注文書の日付が内示日以降であることが必須。
    • 台数上限を超える申請:見守りは従来型20台・ユニット型2ユニット定員までの枠を超過すると、超過分は自己負担。全床導入は複数年度・パッケージ型を検討。
    • 見積・仕様書の不備:対象経費に含められない付帯費用(保守費用の一部・消耗品等)が混在していると減額・差戻しの原因になる。
    • SECURITY ACTIONや委員会設置などの前提要件の未充足:令和7年度は情報セキュリティ対策の宣言や、機器活用の委員会設置が要件でした。要件表を1つずつチェックする。
    • 郵送締切に間に合わない:必着締切のため、消印有効ではありません。追跡可能な発送で余裕を持つ。

    要件の読み解きに不安がある場合は、国制度の全体像を介護テクノロジー補助金の完全ガイドで押さえたうえで、愛知県の公募要領と突き合わせるのが確実です。

    他制度との併用・リース/クラウド・複数事業所の扱い

    要点:「同じ費用に二重で補助は受けられない」「原則は買い取り」「複数事業所は事業所単位で申請」——実務でつまずきやすい3点を整理します。

    他の補助金・助成金との併用

    介護テクノロジー導入支援事業と、国のIT導入補助金・ものづくり補助金、あるいは介護職員の処遇改善・生産性向上関連の加算などは、目的や対象が重なる場面があります。基本の考え方は「同一の経費(同じ機器の同じ購入費)に対して国費を二重に受け取ることはできない」です。別の機器・別の費目であれば併用できる余地はありますが、判断は年度の公募要領と各制度の要綱によります。複数制度の活用を考える場合は、対象経費が重複しないよう費目を切り分け、事前に県窓口・各補助金事務局に確認してください。

    リース・クラウド(SaaS)の扱い

    介護テクノロジー導入支援事業は機器の「購入(買い取り)」を基本とする制度です。リース契約や月額サブスクリプション(クラウド/SaaS型の介護ソフト等)は、対象になる場合と対象外になる場合があり、対象になる場合も「補助対象期間内に発生する費用分」など範囲が限定されることがあります。クラウド型ソフトを検討している場合は、初期導入費用・買い切りライセンス相当分が対象になるか、月額利用料がどこまで見られるかを、申請前に必ず公募要領と県窓口で確認してください。ソフトの契約形態ごとの違いは介護記録ソフトの比較も参考になります。

    複数事業所・複数施設を運営する法人の申請

    補助上限・台数上限の多くは「1事業所あたり」で設定されています。したがって同一法人が複数の事業所を持つ場合、事業所ごとに要件を満たせばそれぞれで申請できるのが原則です。ただし、予算枠には限りがあり、1法人あたりの申請件数に上限が設けられる年度もあり得ます。複数事業所での一括導入を計画している法人は、事業所単位の書類をそれぞれ用意し、法人としての申請上限・優先順位を県窓口に確認しておくと安全です。

    愛知県特有の注意点

    要点:他県より高い補助率とTAIS限定・台数上限がセット。愛知県ならではのルールを一覧で押さえておきましょう。

    • TAIS「介護テクノロジー」掲載機器に限定:他県では経過措置や個別判断がある場合もありますが、愛知県は交付要綱別表で掲載機器に限る旨を明記しています。候補機器の掲載有無の確認が申請準備の最初の一歩です。
    • 見守り機器の台数上限が明確:従来型20台/ユニット型は原則1ユニット定員単位・2ユニット定員まで。全床一斉導入を計画している施設は、複数年度に分けるか、パッケージ型の活用を検討する必要があります。
    • 補助率4/5は全国でも高水準:国標準の3/4(要件充足時)を上回る設定が令和7年度実績としてあります。ただし令和8年度も同率とは限りません。
    • 県独自の対象機器拡大:床走行式リフト・配膳ロボット・インカム・バックオフィスソフト等が「1台あたり基準額125万円」の高い枠で対象になっていた点は愛知県の特色です。
    • 提出は郵送のみ・締切は必着:令和7年度追加募集は17時必着でした。余裕を持った発送が必要です。
    • 内示前の契約はNG:令和7年度は内示日以降の契約・購入が認められる運用でしたが、フライング発注は補助対象外となるおそれがあります。運用は年度で変わり得るため公募要領で要確認です。

    あわせて読みたい関連記事

    よくある質問(FAQ)

    Q1. 令和8年度の愛知県の公募はいつ始まりますか?

    2026年7月8日時点で県からの発表はありません。令和7年度は6月20日に当初公募が始まり約1か月で締め切られたため、令和8年度も公表から締切までの期間が短い可能性があります。愛知県高齢福祉課の公式ページを定期的に確認し、見積書や導入計画の準備を先に進めておくことをおすすめします。

    Q2. 補助率4/5は令和8年度も維持されますか?

    未確定です。4/5は令和7年度の交付要綱別表に基づく実績値であり、令和8年度は国の要件変更(デジタル中核人材養成研修や介護情報基盤対応の追加が報じられています)に伴い、補助率や要件が変わる可能性があります。公募要領の公表を待って確認してください。

    Q3. 見守り機器は何台まで申請できますか?

    令和7年度実績では、従来型施設は20台まで、ユニット型施設は原則1ユニット定員単位での導入で2ユニット定員までです。試用目的など特段の事情があれば1ユニット定員未満での導入も認められていました。令和8年度の台数上限は公募要領でご確認ください。

    Q4. TAISに掲載されていない機器は補助対象になりますか?

    令和7年度の愛知県では、重点分野に該当する介護テクノロジーはTAISで「介護テクノロジー」として選定された機器に限られました(追加募集では2025年10月20日までの掲載が条件)。未掲載の機器を検討している場合は、メーカーに掲載予定を確認するか、県窓口に取り扱いを相談してください。

    Q5. 交付決定前に機器を発注してしまった場合はどうなりますか?

    令和7年度の愛知県では「内示を受けた日以降」の契約・購入が認められる運用でした。逆に言えば、内示前に契約・発注した経費は補助対象外となるおそれがあります。発注のタイミングは必ず内示・交付決定の通知を待ち、判断に迷う場合は事前に県窓口へ確認してください。

    Q6. リースやクラウド型(月額)の介護ソフトも対象になりますか?

    本事業は機器の購入(買い取り)を基本とする制度で、リースや月額サブスクリプションは対象になる範囲が限定される場合があります。クラウド型ソフトの初期導入費用や利用料がどこまで対象になるかは年度の公募要領で扱いが定められるため、契約前に県窓口へ確認してください。

    Q7. 複数の事業所をまとめて申請できますか?

    補助上限・台数上限は「1事業所あたり」で設定されているため、事業所ごとに要件を満たせばそれぞれ申請できるのが原則です。ただし予算枠には限りがあり、法人あたりの件数制限が設けられる年度もあり得ます。複数事業所での導入計画は、事業所単位で書類を準備し、法人としての申請上限を県窓口に確認してください。

    Q8. 他の補助金と併用できますか?

    同一の経費に対して複数の補助金を二重に受け取ることはできません。別の機器・別の費目であれば併用できる余地はありますが、対象経費が重複しないよう費目を切り分ける必要があります。判断は各制度の要綱によるため、事前に県窓口・各補助金事務局に確認してください。

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    最終確認日・出典

    最終確認日:2026年7月8日

    免責事項

    本記事は公開情報に基づく一般的な情報提供を目的としたもので、補助金の交付を保証するものではありません。令和8年度の制度内容・金額・締切は変更される可能性があります。申請にあたっては、必ず愛知県が公表する最新の公募要領・交付要綱をご確認のうえ、愛知県福祉局高齢福祉課(介護保険指導第二グループ)へお問い合わせください。

  • 介護テクノロジー補助金【千葉県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    介護テクノロジー補助金【千葉県】令和8年度の対象・補助率・上限・締切・申請先

    「見守りセンサーやインカム、介護ソフトを入れたいけれど、費用がネックで踏み切れない」——そんな千葉県内の介護事業所にとって、県の介護テクノロジー補助金は導入コストを大きく下げられる有力な選択肢です。じつは千葉県の令和8年度分は、補助率が前年度の4分の3から5分の4へ引き上げられ、1事業所あたり最大1,000万円規模と、全国的にも手厚い部類に入ります。ところが導入したい機器がTAISに載っていなかった、交付決定前に発注してしまった、といった「知らずに動いて対象外」になる失敗も後を絶ちません。しかも事前協議の締切は令和8年7月13日(月)17時と目前です。この記事では、千葉県公式ページの一次情報をもとに、令和8年度の補助率・上限額・対象機器・締切・申請窓口・不採択理由・他補助金との併用まで、申請担当者がつまずきやすい論点も含めて整理します(最終確認日:2026年7月7日。最新情報は必ず県の公募要領でご確認ください)。

    【結論】千葉県・令和8年度の介護テクノロジー補助金はここを押さえる

    • 正式名称:令和8年度千葉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金
    • 補助率:税抜補助対象経費の最大5分の4(千円未満切捨・令和8年度時点。令和7年度の3分の4から引上げ)
    • 上限額:1事業所あたり最大1,000万円(介護ソフトの定着促進支援を併用する場合は1,015万円)
    • 事前協議(必須):令和8年6月10日(水)〜7月13日(月)17時〆切
    • 交付申請:令和8年8月頃を予定(県公式ページより)
    • 申請窓口:千葉県健康福祉部高齢者福祉課 法人・事業者支援班(ちば電子申請サービス経由)

    ※出典:千葉県「令和8年度千葉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金」(令和8年6月26日更新・令和8年度時点)。採択条件や金額の詳細は必ず公募要領でご確認ください。

    介護施設で見守りセンサーを活用する介護職員
    介護施設で見守りセンサーを活用する介護職員

    制度の概要——国の基金を財源に千葉県が実施する補助金

    この章の要点:千葉県の補助金は国の基金が原資で、制度の枠組みは全国共通だが補助率・上限・期間は県ごとに異なる。令和8年度の千葉県は補助率を前年度から引き上げている。

    介護テクノロジー導入支援事業は、国の「地域医療介護総合確保基金」を財源として、各都道府県が実施主体となって行う補助事業です。制度の大枠(対象となる機器の考え方など)は全国共通ですが、補助率・上限額・公募期間・申請手続きは都道府県ごとに異なります。国の制度趣旨や介護テクノロジーの分類は、厚生労働省「介護テクノロジーの利用促進」のページで確認できます。千葉県では「千葉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金」という名称で実施されており、令和8年度分は県公式ページで公募情報が公開されています(令和8年6月26日更新)。制度全体の仕組みや年度をまたいだ考え方は、介護テクノロジー導入支援事業の全体像でも整理していますので、千葉県の条件と併せて読むと理解が早まります。

    令和8年度の千葉県の補助率は「税抜補助対象経費の5分の4を最大補助(千円未満切捨)」と案内されています。参考として、令和7年度の同補助金では補助率4分の3・事前申請期間は令和7年8月4日〜8月27日と周知されていました(令和7年度時点の周知チラシより)。令和8年度は補助率の水準・スケジュールとも前年度から変わっているため、過去年度の情報のまま準備を進めないよう注意が必要です。なお「最大」5分の4という表現であるため、案件や予算状況によって満額とならない可能性があります。この点も公募要領・県窓口でご確認ください。

    千葉市(政令指定都市)の事業所はどうなる?

    千葉市は政令指定都市のため「県ではなく市の窓口では?」と迷う方が多いポイントです。千葉県の公式ページでは、本補助金の対象は「千葉県内に所在する介護保険法に基づく介護サービス事業所等」と案内されており、千葉市内の事業所を除外する記載は確認できませんでした(令和8年度時点)。一方で千葉市は、県の地域医療介護総合確保基金を活用した独自事業として「大規模修繕時介護ロボット・ICT導入支援事業」(担当:千葉市介護保険管理課)を別枠で実施しています。こちらは大規模修繕と併せて介護ロボット・ICT機器を導入する場合の補助で、前年度の事業量見込み調査に回答した施設が対象になる仕組みです(千葉市「介護ロボットの普及促進」)。千葉市内の事業所は「県の介護テクノロジー補助金」と「市の大規模修繕時導入支援」のどちらに該当するかで窓口が変わるため、迷った場合は県高齢者福祉課(043-223-2593)または千葉市介護保険管理課(043-245-5206)に確認するのが確実です。

    申請先はどこ?——県・千葉市・その他市町村の切り分け

    「結局どこに申請すればいいのか」を最初に確定させておくと、準備が一気にスムーズになります。千葉県内の事業所は、大きく次の切り分けで考えると整理しやすいです(いずれも最終的には各窓口の案内が優先されます)。

    事業所の所在・状況 主な申請先の目安 確認先
    千葉市以外の市町村の事業所 県の介護テクノロジー定着支援事業費補助金(ちば電子申請サービス) 千葉県高齢者福祉課 043-223-2593
    千葉市内で機器単独導入 県の補助金に申請できるか要確認(除外記載なし・令和8年度時点) 県高齢者福祉課/千葉市介護保険管理課
    千葉市内で大規模修繕と併せて導入 千葉市の大規模修繕時介護ロボット・ICT導入支援事業 千葉市介護保険管理課 043-245-5206

    申請そのものの流れ(見積取得・電子申請・実績報告など)は都道府県で共通する部分が多いため、県別の細部に入る前に補助金申請の流れ・必要書類で全体像をつかんでおくと、千葉県特有の「事前協議」の位置づけも理解しやすくなります。

    対象機器・対象事業所・TAIS要件

    この章の要点:補助対象はTAISに「介護テクノロジー」として選定された機器が基本。移乗・見守り・インカム・介護ソフトが主な区分で、対象になる事業所・ならない事業所が明確に分かれる。

    対象機器の考え方——TAIS掲載が基本要件

    千葉県の令和8年度公募では、公益財団法人テクノエイド協会が運営する福祉用具情報システム「TAIS」において「介護テクノロジー」として選定された機器等を導入する経費が補助対象とされています。TAISの掲載状況はテクノエイド協会の公式サイトで検索・確認できます。具体的には次のような区分が案内されています(令和8年度時点・詳細は公募要領で要確認)。

    • 移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援:リフトや装着型パワーアシストなど身体的負担を軽減する機器
    • 見守り・コミュニケーション:ベッドセンサー・カメラ型見守り機器など
    • 介護業務支援に該当するインカム:職員間の連絡を効率化する機器
    • 介護ソフト:記録・情報共有・請求業務を効率化するソフトウェア(ケアプランデータ連携等の機能要件あり)。定着促進支援(基準額への上乗せ)の仕組みも案内されています
    • その他:上記以外で県が認めた機器

    導入したい機器がTAISに掲載されているかどうかは、申請前に必ず確認しておきたいポイントです。県の案内では「TAIS(同水準含む)」という表現も見られるため、掲載がない機器でも同水準と認められる余地があるかどうかは、公募要領および県窓口でご確認ください。見守り機器や介護ソフトの具体的な選び方は、見守りセンサーの比較・選び方介護記録ソフトの比較で、補助対象になりやすい機能要件と併せて解説しています。

    対象となる事業所・ならない事業所

    対象は千葉県内に所在する介護保険法に基づく介護サービス事業所のほか、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームも含まれると案内されています。一方で、住宅型有料老人ホームや、住宅型有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅等は補助対象外と明記されています(令和8年度時点)。自事業所が対象区分に含まれるかどうかは、公募要領の対象一覧で確認しましょう。

    複数事業所を運営する法人の申請単位

    県内で複数の介護事業所を運営している法人からは「1法人でまとめて申請するのか、事業所ごとか」という質問がよく挙がります。千葉県の補助金は上限額が「1事業所あたり最大1,000万円」という単位で案内されているため、基本的な考え方は事業所単位です。つまり、A特養とBデイサービスを運営していれば、それぞれで事前協議・交付申請を行い、それぞれに上限が設定されるのが原則的な構造になります。ただし、同一敷地・同一指定番号の扱いや、事業所の数え方(サービス種別ごとか、指定単位ごとか)は要領や運用で細かく定められていることがあるため、複数事業所での申請を予定している場合は、事前協議の段階でまとめて県に申請単位を確認しておくと、後戻りが避けられます。

    補助率・補助基準額・上限額の一覧表

    この章の要点:補助率は最大5分の4、機器区分ごとに1台あたりの補助基準額が決まっており、1事業所の上限は1,000万円(定着促進支援併用で1,015万円)。パッケージ導入時は「合計×5分の4」と上限の少ない方が補助額。

    令和8年度の千葉県公式ページで案内されている補助率・基準額を整理すると、次のとおりです(税抜補助対象経費ベース・令和8年度時点。区分の細部や適用条件は必ず公募要領でご確認ください)。

    区分 補助基準額(令和8年度時点)
    移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援・介護業務支援に該当するインカム・その他で県が認めた機器(バックオフィスソフト以外) 1台あたり100万円
    上記以外の介護テクノロジー(見守り機器等) 1台あたり30万円
    介護ソフト・バックオフィスソフト 職員数に応じて最大250万円(定着促進支援の活用で基準額に15万円上乗せ)
    補助率 税抜補助対象経費の最大5分の4(千円未満切捨)
    1事業所あたり上限 1,000万円(介護ソフト導入+定着促進支援の併用時は1,015万円)

    複数機器をまとめて導入する「パッケージ型」の考え方も案内されており、その場合も「補助対象経費の実支出額の合計に5分の4を乗じた額」と「上限1,000万円(定着促進支援併用時1,015万円)」を比較して少ない方が補助額となる、と説明されています。1事業所で最大1,000万円規模という上限は都道府県の中でも大きい部類であり、複数フロアへの見守り機器一斉導入や、記録ソフト+インカム+見守りのセット導入を検討している事業所には特に活用メリットが大きい制度です。他県の水準と比べたい場合は、東京都の介護補助金大阪府の介護補助金愛知県の介護補助金もあわせて確認すると、千葉県の条件の位置づけがつかめます。

    補助額の試算イメージ(あくまで一例)

    県公式ページのパッケージ型の説明では、「補助対象経費の実支出額の合計に5分の4を乗じた額」と「上限額」を比較して少ない方を補助額とする、という計算構造が案内されています。この構造をもとにした試算イメージは次のとおりです。たとえば見守り機器・インカム・介護ソフトをまとめて導入し、税抜の実支出額合計が500万円だった場合、500万円×5分の4=400万円が上限1,000万円を下回るため、補助額は最大400万円・自己負担は約100万円+消費税分という水準感になります。ただし、実際には機器区分ごとの補助基準額(1台あたり100万円・30万円等)との比較や採択状況が影響するため、この試算はあくまで構造を理解するための一例です。正確な補助見込額は、事前協議時に県へ確認するか、公募要領の算定方法に沿って計算してください。

    機器のリース・レンタルは対象になる?

    「見守り機器や介護ソフトを買い切りではなくリース・月額サブスクで使いたい」というニーズも増えています。この点は県ごと・年度ごとに扱いが分かれやすい論点で、一般に介護テクノロジー導入支援事業では「購入(資産取得)」を基本としつつ、ソフトウェアの初期導入費用やライセンス費用の一部が対象になる設計が多く見られます。リース料や月額利用料が補助対象経費に含まれるか、含まれる場合は何か月分・どの範囲までかは、千葉県令和8年度の公募要領で必ず個別に確認してください。リース・サブスク前提で導入計画を組んでいる場合、対象外だと判明すると資金計画が大きく崩れるため、事前協議の質問リストに「リース/月額利用料の取扱い」を必ず入れておくことをおすすめします。

    申請の流れと締切——「事前協議」を逃すと始まらない

    この章の要点:千葉県は「事前協議→交付申請→交付決定・導入→実績報告」の二段階方式。事前協議の締切(7月13日17時)を逃すと今年度の申請は原則できない。交付決定前の契約は要注意。

    千葉県の令和8年度公募は、交付申請の前に「事前協議」が必要な二段階方式です。県公式ページで案内されているスケジュールは次のとおりです。

    ステップ 時期(令和8年度時点) ポイント
    ① 事前協議 令和8年6月10日(水)〜7月13日(月)17時 ちば電子申請サービスから提出。導入計画・見積の準備が必要
    ② 交付申請 令和8年8月頃を予定 事前協議を経た事業所が対象(詳細は県の案内による)
    ③ 交付決定・機器導入 交付決定後〜年度内 令和8年度中の導入が前提。導入時期の扱いは要領で確認
    ④ 実績報告・補助金受領 導入完了後 領収書・導入実績等の証憑を提出(様式は要領で確認)

    事前協議とは何をするのか——交付申請との違い

    「事前協議」という言葉に馴染みがない担当者も多いですが、これは本申請(交付申請)の前に、導入計画の内容を県とすり合わせる手続きと捉えると分かりやすいです。多くの補助金では、いきなり交付申請をするのではなく、まず「どの機器を・どの業務課題の解決のために・いくらで導入するか」という計画を県に提出し、対象性や補助見込額の確認を受けます。ここで機器がTAIS要件を満たしているか、事業所区分が対象か、見積が妥当かといった論点が整理されるため、事前協議を丁寧に通しておくと、本申請での差戻しや不採択のリスクを下げられます。逆に言えば、事前協議の締切(7月13日17時)を過ぎると、令和8年度はそもそもこの入口に立てないということです。締切から逆算した準備は次章のチェックリストで整理します。

    特に注意したいのが交付決定前の契約・発注の扱いです。県公式ページでは「令和8年4月1日より前の導入は対象外」とされ、交付決定前に機器を導入する場合は「一度、県庁までご相談ください」と案内されています。つまり、原則は交付決定後に契約・導入を行うのが安全で、やむを得ず先行導入する場合は必ず事前に県へ相談する必要があります。自己判断で先に発注してしまい補助対象外となるケースは全国的にも多い失敗例なので、慎重に進めましょう。

    「交付決定前契約」の具体例——どこからがNGか

    交付決定前契約は理屈では分かっても、実務で「これはセーフか?」と迷う場面が多い論点です。一般的な補助金運用をふまえた具体例を挙げると、次のような整理になります(最終的な判断は必ず千葉県の要領・窓口に従ってください)。

    行為 一般的な扱いの目安
    販売店から見積を取る・製品説明を受ける 交付決定前でも問題ないことが多い(準備行為)
    試用貸出(お試し利用)を受ける むしろ優先採択要件になりうる(購入契約ではない)
    交付決定前に発注書・契約書を交わす 対象外リスク大。原則NG・事前に県へ相談
    交付決定前に納品・支払いを済ませる 対象外リスク大。原則NG

    ポイントは「情報収集・見積・試用は基本OK、契約・発注・支払いは交付決定後」という線引きです。社内の稟議フローで「見積が揃った=すぐ発注」という運用になっていると、良かれと思った先行発注で補助対象を失いかねません。稟議書に「交付決定通知を確認してから発注する」という一文を入れておくと、現場と経理の認識ズレを防げます。

    補助金の電子申請書類をパソコンで準備する介護事業所の担当者
    補助金の電子申請書類をパソコンで準備する介護事業所の担当者

    よくある不採択・対象外の理由——事前に潰しておくべき落とし穴

    この章の要点:不採択・対象外の多くは「機器がTAIS要件外」「対象外事業所」「交付決定前発注」「税込で計算」「締切遅れ」といった、事前に確認すれば防げる論点に集中する。

    介護テクノロジー補助金で「申請したのに対象外だった」「予算枠に入れなかった」となる理由は、実は毎年似通っています。千葉県令和8年度の要件と全国的な運用をふまえ、事前に潰しておきたい代表的なつまずきポイントを整理します。

    • 導入機器がTAISの「介護テクノロジー」に選定されていない:欲しい機器が要件外だと、そもそも補助対象になりません。申請前にTAIS掲載を必ず確認。
    • 対象外の事業所区分だった:住宅型有料老人ホームや該当サ高住は対象外と明記されています。自事業所の指定区分を要領の対象一覧と突き合わせる。
    • 交付決定前に契約・発注してしまった:前章のとおり、先行発注は対象外リスク大。見積までにとどめる。
    • 税込で予算を組んでいた:補助対象経費は税抜ベース。消費税分は自己負担になるため、資金計画がずれる。
    • 事前協議の締切に間に合わなかった:7月13日17時を過ぎると原則今年度は入口に立てません。書類準備は前倒しで。
    • 導入計画の「業務課題→機器→効果」の筋が弱い:予算超過時の優先採択では、目的が明確な計画ほど通りやすい傾向。

    これらはいずれも事前協議の前にチェックすれば防げるものばかりです。特にTAIS要件と事業所区分は、後から覆せない「入口の条件」なので、機器選定の最初の段階で確認しておくのが得策です。

    他の補助金・制度との併用は?——重複受給に注意

    この章の要点:同じ経費に対する国・自治体の補助金の二重取りは原則不可。ただし対象経費が重ならなければ、他制度と組み合わせられる余地はある。併用可否は必ず窓口で確認。

    「IT導入補助金や他の助成金と一緒に使えないか」という質問も多く寄せられます。補助金には共通の大原則として、同一の経費に対して複数の国・自治体の補助金を重複して受けることはできない(重複受給の禁止)があります。たとえば同じ介護ソフトの導入費に、県の介護テクノロジー補助金と別の補助金を同時に充てることは原則できません。一方で、対象経費が明確に分かれていれば、別々の制度を組み合わせられる余地はあります(例:ソフトは県補助金、別目的の設備は別制度、など)。千葉市内で大規模修繕を伴う場合は、前述の千葉市の大規模修繕時導入支援との切り分けも論点になります。いずれにせよ、併用を検討する場合は「どの経費にどの制度を充てるか」を一覧にして、事前協議の段階で県および各制度の窓口に確認するのが安全です。制度全体の位置づけは介護テクノロジー補助金の完全ガイドでも整理しています。

    千葉県特有の注意点——優先採択の3要件を押さえる

    この章の要点:応募多数時は「業務改善研修への参加」「1週間以上の試用貸出」「重点分野の機器導入」を満たす事業所が優先されうる。税抜ベース・対象外事業所・千葉市の切り分けも千葉県ならではの注意点。

    千葉県の公募には、他県ではあまり見られない優先採択の考え方が案内されています。予算には限りがあるため、応募多数の場合は次のような要件を満たす事業所が優先される仕組みです(令和8年度時点・詳細条件は公募要領で要確認)。

    1. 業務改善研修への参加:県が実施する生産性向上・業務改善に関する研修へ全回参加していること
    2. 試用貸出の実績:導入前に1週間以上の試用貸出(お試し利用)を実施していること
    3. 対象重点分野の導入:見守り・インカム・介護ソフトといった重点分野の機器を導入すること

    このほか、千葉県ならではの注意点として次の3点も押さえておきましょう。第一に、補助対象経費が「税抜」ベースである点(消費税分は自己負担)。第二に、住宅型有料老人ホーム・該当サ高住が明確に対象外とされている点。第三に、千葉市内の事業所は前述のとおり県事業と千葉市の大規模修繕時導入支援のどちらのスキームに乗るかで窓口・スケジュールが異なる点です。いずれも「知らずに準備を進めて締切直前に発覚」しがちなポイントなので、事前協議の段階で疑問点は県窓口(高齢者福祉課 法人・事業者支援班:043-223-2593)に確認しておくことをおすすめします。

    締切から逆算した準備スケジュール

    事前協議の締切(7月13日17時)から逆算すると、直前に慌てないための動き方が見えてきます。優先採択で有利になる「試用貸出(1週間以上)」を含めると、締切の2〜3週間前には機器選定と試用の段取りを始めておきたいのが実情です。目安は次のとおりです。

    締切からの逆算 やること
    〜3週間前 導入したい機器を絞り込み、TAIS掲載・事業所区分の対象性を確認。販売店に見積と試用貸出を依頼
    〜2週間前 試用貸出(1週間以上)を実施。並行して「業務課題→機器→効果」の導入計画を作成
    〜1週間前 税抜見積を確定。ちば電子申請サービスのアカウント・提出環境を準備。不明点を県窓口に確認
    〜締切当日 17時締切に余裕をもって事前協議を提出(電子申請の混雑・不備差戻しを見込み前日までに)

    締切までにやることチェックリスト

    事前協議の締切が迫っている(または次回公募に備える)事業所向けに、一般的な準備項目を整理しておきます。必要書類の正式な一覧は必ず公募要領・県の案内で確認してください。

    • 導入したい機器がTAISで「介護テクノロジー」として選定されているか確認する
    • 販売事業者から税抜金額がわかる見積書を取得する(複数見積の要否は要領で確認)
    • 「どの業務の負担を、どの機器で、どう減らすか」を整理した導入計画を作成する
    • 優先採択要件(業務改善研修への参加・1週間以上の試用貸出・見守り/インカム/介護ソフトの導入)を満たせるか確認する
    • ちば電子申請サービスのアカウント・提出環境を事前に準備しておく
    • 交付決定前に契約・発注しないよう、社内の稟議・発注フローに注意喚起しておく
    • 他の補助金と併用する場合は、経費の重複がないか事前に整理・確認しておく

    よくある質問(FAQ)

    Q1. 千葉市内の事業所ですが、県の補助金に申請できますか?

    A. 県公式ページでは対象を「千葉県内に所在する介護保険法に基づく介護サービス事業所等」と案内しており、千葉市内の事業所を除外する記載は確認できませんでした(令和8年度時点)。ただし千葉市には大規模修繕と併せた独自の導入支援事業も別枠であります。確実を期すため、県高齢者福祉課または千葉市介護保険管理課に事前に確認してください。

    Q2. 事前協議の締切(7月13日)に間に合わなかった場合、もう申請できませんか?

    A. 令和8年度の事前協議は令和8年7月13日(月)17時締切と案内されています。締切後の追加募集や二次募集の有無は現時点の公表情報からは確認できません。予算残の状況によって扱いが変わる可能性があるため、間に合わなかった場合も一度県窓口に相談してみることをおすすめします。

    Q3. 交付決定の前に機器を契約・購入しても補助対象になりますか?

    A. 県公式ページでは「令和8年4月1日より前の導入は対象外」とされ、交付決定前に導入する場合は県庁へ相談するよう案内されています。原則は交付決定後の契約・導入が安全です。見積取得や試用貸出は準備行為として問題ないことが多い一方、発注書・契約書の締結や支払いは交付決定後に行うのが無難です。先行導入を検討する場合は、必ず発注前に県へ相談し、公募要領の該当規定を確認してください。

    Q4. TAISとは何ですか? 導入したい機器が掲載されていない場合は?

    A. TAISは公益財団法人テクノエイド協会が運営する福祉用具情報システムで、千葉県の公募では「TAISにおいて介護テクノロジーとして選定された機器等」が補助対象の基本要件とされています。県の案内には「TAIS(同水準含む)」という表現もあるため、未掲載の機器が同水準として認められる余地があるかどうかは、公募要領の確認と県窓口への相談で判断してください。

    Q5. 補助率5分の4は必ず適用されますか?

    A. 県公式ページの表現は「税抜補助対象経費の5分の4(千円未満は切捨)を最大補助」であり、「最大」と付されています。補助基準額(1台あたり100万円・30万円等)との比較や予算状況により、実際の補助額が変わる可能性があります。想定している導入構成でいくら補助されるかは、事前協議の段階で県に確認するのが確実です。

    Q6. 機器をリース・月額サブスクで導入する場合も対象になりますか?

    A. リース料・月額利用料が補助対象経費に含まれるかは県・年度により扱いが分かれやすい論点です。介護ソフトの初期導入費用が対象になる設計が多く見られる一方、継続的な利用料の扱いは要領で個別に定められます。リース・サブスク前提の場合は、事前協議で「リース/月額利用料の取扱い」を必ず確認してください。

    Q7. 複数の事業所を運営していますが、まとめて申請できますか?

    A. 上限額が「1事業所あたり最大1,000万円」で案内されているため、基本は事業所単位での申請・上限設定と考えられます。事業所の数え方(サービス種別・指定単位)や同一敷地の扱いは運用で細かく定められることがあるため、複数事業所での申請は事前協議の段階で申請単位を県に確認しておくと安全です。

    Q8. 他の補助金と併用できますか?

    A. 同一の経費に対して複数の補助金を重複して受けることは原則できません。対象経費が明確に分かれていれば別制度と組み合わせられる余地はありますが、可否は制度ごとに異なります。「どの経費にどの制度を充てるか」を整理し、事前協議で県および各制度の窓口に確認してください。

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    一次情報リンク・免責事項

    最終確認日:2026年7月7日。本記事は下記の一次情報をもとに作成しています。

    【免責事項】本記事は2026年7月7日時点で確認できた公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、補助金の採択や交付を保証するものではありません。補助率・上限額・締切・対象要件は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず千葉県が公表する最新の公募要領・交付要綱をご確認のうえ、千葉県健康福祉部高齢者福祉課 法人・事業者支援班(電話:043-223-2593)等の公式窓口にお問い合わせください。